銀座シャンソニエ鳩ぽっぽの社長、斎藤勉氏が、3月17日の夜亡くなった。
時代遅れで、マイウェイで、歌と共に生き、鳩ぽっぽと共に生きた。
ある意味大往生だったのだと思う。
25日お通夜、26日告別式と私は両日受付のお手伝いをした。
弔問客の皆さまの、お久しぶりの顔、顔...
人々との再会が、最近めっきり喪服でのことが増えたとしみじみ。
悲しい席ではあるけれど、こうやって故人が人を繋ぐのだろう。
お通夜。昔の仲間ともいうべき、元鳩ぽっぽの歌手達やお客様と献杯を重ねる。
なんだかんだ言って、伝説の店だったのだと思う。
告別式。斎藤さんと最後の別れ。綺麗な顔。棺に花を入れる時涙が止まらない。
私なんでこんなに泣いてるんだろう。涙の理由は一つじゃない。
斎藤さんの還暦のCDが流れていた。歌声は永遠だ。最後は「ときめきの愛」
~歌っているのは、愛だから、心はハートぽっぽ~と、皆さんで歌って、棺を見送った。
心配した雨も降らず、春の空に大きな鳩が飛んで行った。
鳩ぽっぽレギュラー時代、社長にはよく怒られた。歌っては怒鳴られ、喋っては怒鳴られ、
ステージ上の私を容赦なく怒鳴り、豪快に歌い酒を飲む、あの憎たらしいエネルギーの固まりに
私も全身でぶつかっていった。喧嘩もしたし、時には逃げた。
けれど結局逃れられないし、腹を決めて挑むと、また火の様な応酬を浴びた。
いろんなことがあったけれど、「鳩ぽっぽ」あっての私。感謝しています。
命ある者、斎藤さんの分まで歌いますよ。
ああ。一つの時代が終わった。斎藤さんは天に飛び立つ。
私は前に進みます。
ありがとう。ご冥福をお祈りします。そして、
銀座鳩ぽっぽでの出逢いとご縁に、深く感謝。
MERCI...
お通夜、告別式ともに下落合の「薬王院」にて。もう少しすると、牡丹の花が素晴らしいそうだ。
鳩ぽっぽのロゴをあしらい、鳩が羽を広げたような菊の花。故人も気に入ったのではないか。