卵１個分の余裕

朝、目覚めてしばらく布団の中でぐずぐずしていると、
腸だけはパチンとスイッチが入って活発に活動しだすのか、便意を催してくる。
ここ最近の傾向。多分いいことなんだろう。

洗濯機を回す。
水温の低いこの時期は溶けやすい液体洗剤を使用。
ただし、ちょっと苦味のあるような、悪く言えばオッサンの香水のようなこの香りはあまり好きになれない。
洗濯機が動いている間、ベランダに布団を干し、部屋中に掃除機をかける。
窓を閉め切ったままでいることが多く、毛布やこたつを使うこの時期は、部屋に埃が溜まりやすい。
週に１度は欠かさず掃除。
休みの日にしか掃除はしないのだから、これを逃すと２週に１回になってしまうわけで、
そうなると埃の惨状も目に余る。

掃除機をかける時はつい力がこもってしまうのだが、そのたびに
「掃除機はデッキブラシじゃない」
「ハンドルを持つ手の内側に“卵を１個挟んでいるような”力の余裕を」
と自分に言い聞かせる。
「卵１個」というのは、新聞の生活欄にでも書いてあったか、
テレビで掃除の達人主婦が言っていたか、覚えてはいないけど、
確かに掃除機は無闇に床に押しつけても意味がないだろうし、
素速く動かせばいいというものでもないだろうから、まさしくその教えの通りだと思う。

「卵１個分の余裕」。
あるものとあるものとの間に、デリケートな卵を一つ挟んでも差し支えのないような、
そういう余裕、何事においても必要だろうな。示唆的。

それにしても、卵かけごはんというのは、とてもシンプルな食べ物なのにどうしてあんなに美味いんだろう？
僕が「最後の晩餐」で食べたいのは間違いなくあれしかないと思う。

　　 　 　 　
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オランジーナくらいしかない日

休日出勤。

残業と休日出勤はもちろんなるべく避けたいところだが、
今日の実働は３時間くらいで、これで休日出勤手当てを貰ってやり、かつ、代休をとってやろうと思う。
あざとく立ち回るのだ。

出先まで歩く途中、喉が渇いたのでドラッグストアに寄った。
本当はコーラが飲みたかったのだが、「オランジーナ」が安かったのでそれにした。

この商品、リチャード・ギアがなぜか寅さんに扮するというＣＭを打っていた。
このＣＭもそうだし、宮沢りえがワカメちゃんとか、ジャン・レノがドラえもんとか、
朝丘雪路がハイジとか、剛力彩芽が巨人の星とか、映画やアニメに安直に仮託しただけの、
パロディーにすらなりえていないＣＭ、最近多いけど、何が面白いのかね？
所詮「出落ち」だし、スベっているので「落ちて」すらいない。

だからＣＭはどうでもいいんだけど、
「オランジーナ」は学生時代にパリに旅行した時に飲んだので、「日本上陸」前から知っていた。
言葉がわからなくて外食が面倒になり、だったらスーパーで買い物してやれと思い、
フランスパンのバゲットとハムやチーズと、このオランジーナを買った。
だがバゲットが恐ろしく堅く、不用意に噛み締めて口の中を切ったので、
そこにこの「柑橘系の炭酸」が効いて沁みたのを覚えている。

その時も特に美味い飲み物とは思わなかったけど、
今日飲んでみてもその印象は変わらなかった。
要するにオレンジジュースとサイダーを混ぜたようなものだ。
「柑橘系の炭酸」という点なら、「Ｃ.Ｃ.レモン」のほうがパンチが効いていて飲み応えがある。
ただ、ラベルを見ると「果汁12％」とあるので、思ったよりちゃんと果汁を使ってるんだな、
とは思ったけど。

その後仕事を終えて、定食屋で肉野菜炒め定食を食べて、家に帰って風呂に入って、
買ってきたみたらし団子を食べて満腹になってストーブにあたっていたら、覿面に眠くなり、
そうやって中途半端に寝てしまい、目覚めたら今度は眠れなくなり、
今布団から抜け出してきてこのブログを書いてる。

結局オランジーナのことくらいしかなかった１日。

　　 　 　 　
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パーティー嫌い

新年ということで立食パーティーがあり、業務の一環なので仕方なく出てきた。

立食パーティーというのは実に退屈だな。
まず第一に、いわゆる「社交の場」というのが自分には合わない。仕事が絡むならなおさら。
もちろん、露骨につまらなそうな顔をしたりはせず、愛想笑いだってするし、大袈裟な相槌だって打つし、
拍手をする時はそれなりに盛り上がったフリもするわけだ。
ともすれば「ハァー…」と溜め息をつきそうなのをこらえてね。

今、辞書で「社交」という言葉をあらためて引いたら、
「社交界」という言葉が出てきて、こう書いてあった。

【上流階級の人々が互いに招待し合ったりして交際する社会】

そうか。
「社交」というのは単に人と人とが交わるだけじゃなくて、
「上流階級の人同士が」っていう但し書きつきなのか。
その鼻持ちならなさ、とりすました感じが、俺が好きになれないわけだよ。

食い物も別に美味くない。いや、金はかかっているに違いないのだ。でも美味くない。
しかも立って食わなきゃいけない。立ち食いというのは実に品のない行為だ。
酒もあまり飲まない自分は、タダ酒で酔ってやろうという魂胆も湧かない。

ビンゴとかくじ引きのようなゲームがあり、妙にうわずった派手さでプレゼントが放出される。
自分は人並みに意地汚い人間だと思うが、脈略もなく「不労所得」を得ても嬉しいとは思わない。
鷹揚に貰っておいて平然としている「ごっつぁん体質」でもない。
むしろ何かを貰ったら、その分何かを売り渡してしまった気にさせられ（仕事絡みだからなおさら）、
後味が引っかかることに面倒臭さを覚えてしまう。

この手の宴の後は、大量の残飯が出される。痛ましく思う。
その上、「金はかかっていそうだが愚にもつかない」、
下手をすれば帰り道の駅のゴミ箱に放り込んでいきたくなるような土産もあったりする。
でも、そういう馬鹿馬鹿しい「無駄」は、自分のコントロールできるところではない。
嫌な気分になる。早く自分の小さな身辺の「つつましさ」の中に帰りたくなる。

パーティーなんて、アメリカ映画のワンシーンだけで結構だ。

　　 　 　 　
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ダメサラリーマンならしそうなこと

昼、食後に時間ができたので、所用のフリしてサボることに。

と言っても、どこに行くわけでもない。
ただ地下鉄に乗ってるだけ。
座って本を読んで、終点まで行って、戻ってくるだけ。
ただし、入った駅の自動改札でそのまま出ることはできないので、
定期券区間内の別の駅でいったん改札を出入りしなおさないといけない。
なにしろ食後だから、車中で眠くなったら本を閉じて寝るつもり。
けれど車内の暖房の効きは弱く、足元が冷えるので結局眠れなかった。

読んでいたのは西村賢太『随筆集　一日』。半分くらい読めた。

終点近くでは電車は地上に出るので、座席から振り返って窓の外の景色を眺めたりした。
冬の澄んだ陽射しの下で、景色がとてもクリアに見える。
そのわずかな時間の体験だけで、「鉄道の旅」に出たくなった。

実は、この「地下鉄を終点まで行って折り返す」、結構よくやってるんだよね。
もしも山手線ユーザーだったら、「ぐるっと１周」ってところか。
入り慣れないカフェとかよりも落ち着いて過ごせる。金もかからないし。

読書好きなダメサラリーマンならではの、それなりに充実した時間です。

　　 　 　 　
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自炊のメニュー連鎖

このところ自炊を続けている。
到底人に自慢できるほどのメニューではないが、
振り返ってみると、素材を「連鎖」させてメニューを組んでいることがわかる。

クリームシチュー
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…の残りの［じゃがいも、にんじん、玉ねぎ］を使ってカレーライス
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…の残りの［カレー］でカレーうどん
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…の残りの［うどん］に袋詰めカット野菜とカレーの残りの［豚肉］を使って焼きうどん
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…の残りの［袋詰めカット野菜］にウィンナーを足してコンソメスープ

そして今晩は、コンソメスープの残りに餅を入れて食べようかなと思っている。
これで一応は連鎖が完結するが、今ネギが３本もあるのが気になる。
これをどうしたものか。
明日からは「鍋」の系譜で連鎖が始まりそうだ…。

　　 　 　 　
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