せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

冬に咲くビワの花

2013-02-12 | 日記
夏目漱石『三四郎』を読んだ。三四郎池はよく知っていたが小説は初めて読んだ。三四郎の青春時代の新しい仲間や先輩とのかかわりあいとある女性に対するほのかな恋を描いたものだった。三四郎には三つの世界ができたと述べている。一つは懐かしい故郷の田舎の世界、第二は静かな尊い学問の世界、そして第三の世界は春のごとくうごめく恋の世界。三四郎と同じように自分もまたこの三つの世界の入り混じる時の渦を泳いでいったなとあ振り返りながら思った。誰もが同じような経験をするものなんだ。期待は落胆に変わり、努力は徒労に帰し、喜びと楽しみは怒りと悲しみに変わっていったとしても当時の自分は情熱の嵐の燃えるような激しさを抱いて生きていたのは確かだった。



広い公園のビワの大木が倒れていた。

先月の大風の時に倒れたのだろうか?無残にも根こそぎ引き抜かれて人の手を入れなければ生存は不可能に思われる。しかしその木はまだ生きて花を咲かせていいる。花はその強烈な匂いを放つ。


枝先に付いた円錐花序から芳香のある白花が多数咲く。


ミツバチなどの昆虫が集まってきている。


萼片、花弁ともに同数で5個あり,雄しべが約20個ある。花柱は2-5個。



先日神社の裏山を歩いて下りていくとビワが花をつけている。写真を撮り始めると老夫婦がどこからともなく横を通り過ぎて行きながらビワですねと声をかけてきた。「はい、花がきれいですから」と言うと本当だと感心してじっと見ていた。

ふとベビーパウダーの匂いに似ていることに気が付いた。



名前は似ているけれどもイヌビワはクワ科イチジク属の落葉低木で雌雄異株であるのに対してビワはバラ科ビワ属の常緑高木で雌雄同種。イヌビワとビワは全く異なるものだった。

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