せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

クサギとゲンペイクサギ

2013-08-31 | 日記
今週に入って朝晩は涼しくなってきて虫の鳴き声がうるさいほど聞こえる。夜道を歩きながら一体何種類のバッタやコオロギが鳴いているのだろうと耳をそばだててみた。最低4種類は確かに声の違いがわかったけれども実際はもっと多いに違いない。雑木林に続く広い草むらにはその10倍、いや100倍くらいの種類がいるのかもしれない。虫に限らず植物でも動物でも種類が多いということは素晴らしい。ただただその種類の多いことに魅かれる。現存する生物というのは自然淘汰により生物進化の頂点に君臨する生命体であるはず。人間もその自然の中で共存すべきであるのに自然破壊を進めてこの狭い地球から生命の多様性をなくしている。地球上で人間の数は増えすぎている。日本では少子高齢化が問題となって若年人口の減少を嘆く声もあるが、日本では今の高齢者が亡くなったあとも少しずつ人口は減っていくのではないだろうか。我々の細胞にある生命共通のDNAは人類だけが地球上で多くなりすぎたことを知って警鐘をならしている。地球上での人間の割合を減らしても人類は繁栄していけるし、何らかの地球全体の危機に直面した時に多様な生命が持つ多様な力を必要とするかもしれない。体の一部にできた癌細胞は体の一部であるにもかかわらず周りの細胞の制止を無視して増殖し続け最後には体を死なせ癌細胞自身も死滅する。人類が地球の癌細胞になってはいけない。




クサギ クマツヅラ科



先週のある晴れた日の午後、林に入ると窪地があって沼があった。空気は一時そこで淀むと一陣の風が吹いて斜面になった林を駆け上がる。濃い香りがあたりにはいつまでも漂っていた。一体これは何の香りだろうと見まわしてみた。ヤマユリかな?と思ったがもうヤマユリの季節は過ぎている。しばらく進むと一面に花をつけたクサギが現れ、この花があの香りの正体だった。






葉をもむと独特の臭気が漂う。花は夏の緑一色の中で白とピンクからなりとても美しい。




ゲンペイカズラ(源平葛)、ゲンペイクサギ (クレロデンドルム) クマツヅラ科





クサギの花を見て、先月植物園の温室でみたゲンペイカズラ(別名ゲンペイクサギ)を思い出した。こちらは熱帯アフリカ西部原産だけあって色彩鮮やか。






純白の萼と鮮紅色の花との対比が美しく、これがゲンペイ(源平)の名の 由来となった蔓性植物。花はクサギとよく似ている。初夏に開花が盛んになる相対的な短日植物。属名のClerodendrumは運命の木の意。「cleros(運命)+dendron(樹木)」に由来する。何故か名前のClerodendrumが気に入っている。