せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

カゴノキ

2013-03-07 | 日記
森鴎外の短編『半日』『追儺』『杯』『普請中』『花子』などを読んだ。『半日』は嫁の姑への嫉妬、嫌悪とそれを聞いてやる夫の会話から成っている。嫁の姑に対する感じ方、考え方は古今東西変わりのないものらしい。嫁の夫へ不満をぶつける様子は普通の家庭でもよく見られる光景。嫁が語る不満や苦情はいかにもリアルで森鴎外も家庭内で同じ会話を経験していたに違いない。姑への嫌悪が激しいので主人公の博士は「この女は神経に異常がありはせぬかと思うと、怖ろしいような気がし」「いったいおれの妻のような女がまた一人あるだろうか」とも考える。感情に満ちた奥さんの話と論理的な夫の話の絡み合わないところがとても面白い。

10年以上前の「 話を聞かない男、地図が読めない女 」(アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ)を思い出したので探しだして読み返した。男と女では脳の発達の仕方が異なる。男の子は男性ホルモンであるテストステロンの作用によって左脳より右脳が先に発達し、右脳がつかさどる空間能力が身につく。女の子は左脳と右脳が同様に発達し左右の連結もいい。話をするときには左脳と右脳の前部が活発に活動するから複数の話題について話をしながら人の話を聞くこともできる。男の場合は話すときには左脳しか使わない上に女と違い左脳にその専門領域があるわけでもないので言語能力は女の子よりも劣る。思考、感情においても働く脳の部位が異なる。男は感情の中心が右脳にあるのに対して女の感情は左右に散らばっている。従って男は左脳で論理や言葉を操るとき感情は右脳に抑え込むことが可能なのに対して女は議論と同時に感情のスイッチも入ってしまう。


男と女の脳の配線がもともと違うのだから考え方も異なるということを知っていれば『半日』の主人公ももう少し違った感想を抱いたかもしれない。



カゴノキ クスノキ科

県立公園内にはカゴノキが一本だけ植えて?ある。もともとそこにあったのかもしれないがこの付近の林では見たことがない。写真の左右の木は2本に見えるが根元で二又に分かれていて実は同じ木。常緑高木。


樹皮は丸い薄片が剥がれ落ちて鹿の子模様になるのが特徴。主に西日本に自生する。


ちょうど街路樹のプラタナスの樹皮のように斑に剥がれ落ちている。


葉はタブノキやマテバシイと同じような形をしているがもっと薄くて少し小さい感じ。


葉の裏が白いのが特徴。冬芽は尖っている。