せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

梅園のウメ色々

2013-03-03 | 日記
森鴎外「舞姫」「うたかたの記」「ヰタ・セクスアリス」を読んだ。「舞姫」は以前にも読んだことがあったがもう一度読んでみた。「舞姫」「うたかたの記」はドイツ留学中の出来事をヒントに描かれたもの。どちらも文語で書かれているのでとても読みにくい。しかし森鴎外の外国語や漢文などへの造詣の深さには感心させられる。「舞姫」に描かれているのは明治時代の日本人と若くて美しいドイツ女性の恋愛の物語。二人の同棲、妊娠、女性への愛情を持ちながらも将来の地位保身のために苦悩する主人公、そして破綻が描かれている。時代背景は古いながらも現代でも十分ありうる身勝手な男と弱い女性の普遍的な問題設定。しかしあの時代にあって日本人男子があれだけドイツ女性に愛情を注いで突き進んだ勇気、情熱しかし将来の不安や外国であることの壁から逃避せざるを得なかった悲痛、苦悩が手に取るように理解できる。「ヰタ・セクスアリス」はおそらく森鴎外自身の半自伝的な性生活にまつわる回顧のようなもので、少年期から思春期の様々な経験や台東区にあった吉原遊郭や浅草観音堂裏の遊興地奥山にまつわる話などを綴っていて面白かった。




県立公園のウメは35種あると案内には記されていたが現時点で開花しているのは大体10種類程度。ウメの花はその種類を見分けるのはサクラよりも難しいような気がする。花の観賞を目的とする花梅(はなうめ)と実の採取を目的とする実梅(みうめ)に分けられ、花梅はさらに野梅系、緋梅系、豊後系の3系に分類されるらしい。


野梅系
野梅から変化した原種に近い梅。枝は細く花も葉も比較的小さいがとてもよい香りがする。

新冬至(シントウジ)





八重寒紅(ヤエカンコウ)

まだ咲き始めたばかり。


青軸(アオジク)

枝やがくが緑色をしている。





玉牡丹(タマボタン)

八重でお椀ように丸い形の花。





緋梅系
野梅系から変化したもので枝や幹の内部が紅く花は紅色、緋色のものがほとんど。


唐梅(カラウメ)





鴛鴦(エンオウ)

鴛鴦はオシドリとも読み、花が2個くっ付いて咲き実が2つ並んで付くから名付けられたらしい。

でも実際は一つずつ咲いているものが多いなあ。


鹿児島紅(カゴシマベニ)







豊後系
梅と杏(アンズ)との雑種で葉は大きく育ちの良いものが多い。

蝶の羽重(チョウノハガサネ)?

鹿児島紅の隣にあったから名札違いでもしかしたら鹿児島紅なのかも。




実梅
竜狭小梅(リュウキョウコウメ)



作りやすい豊産性。丸く玉揃い良く自家結実性があり花粉多いため受粉樹としても最適だという。小振りの実で種も小さく、カリカリ漬けに適するらしい。