ときわの広場

ときわ動物病院のコミュニティ。診療のお話やしつけ教室の様子など、ざっくばらんに綴っています。

ウサギ専門診療科67 脊髄損傷の看護

2016-07-22 10:35:22 | ウサギ専門診療科
今日は後肢が不自由なウサギさんの
看護に関するお話です

こはるちゃんは5歳11ヶ月齢の
ホーランドロップの女の子です。


後肢が不自由になって4年が経過しました。
後肢が不自由な子の場合、様々な面で
飼い主様の支えが必要になります

・排尿のお手伝い
・お尻周りを清潔に保つ
・床の素材を柔らかくする
・段差の無いバリアフリーにする
・ペレットや牧草を食べやすい位置に設置する
・後肢のマッサージとリハビリ
・腰のホットパック

こはるちゃんの飼い主様は、
上記のような細かくて優しい気遣いを
ずっとされてきています



毎日毎日のことなので大変ですが、
こはるちゃんの身体はいつもキレイですし、
床擦れは全くありません。
飼い主様の愛情の賜物ですよね

ウサギさんは身体に不自由なところがあっても
前向きに懸命に生きようとします

その気持ちをしっかりと受け止めて
頑張っていらっしゃる飼い主様のお力に
少しでもなれたら…と思います





ときわ動物病院
〒596-0823
大阪府岸和田市下松町3-4-1
072-493-6710


ウサギ専門診療科65 ユリ中毒

2016-06-24 15:55:28 | ウサギ専門診療科
今日は植物による中毒に関するお話です

先日、1才3ヶ月齢のミニレッキスさんが
ぐったりして来院されました

飼い主さまがお仕事で外出中に
ケージから脱走してお部屋に飾ってあった
「ユリの花」を食べてしまったそうです


ユリは豪華でキレイなお花ですが
ウサギさんにとっては危険な植物です

誤って食べてしまうと急性腎不全が起こります

腎臓が不可逆的なダメージを受けて
おしっこを作ることができなくなります

すると全身に尿毒素が回って
元気がなくなり、ぐったり...

食べたユリの量にもよりますが
数時間から数日で死に至ることがあります

ネコちゃんもユリで同じような
中毒症状がでますが、食べてすぐなら
吐かせることができます

しかしウサギさんは胃の構造から
吐くことが難しい動物なので
吐かせる処置ができません

治療としては点滴を流して
毒素を身体から排泄させるしかありません。



「ウサギさんは自分で毒のある植物を
見分けられないの
と思われるかもしれませんね。
自然界では子ウサギは母ウサギが口にしたものを
見て、真似て草木を食べるようになります。
母ウサギが食べない植物は基本的に
口にはしないため、毒のある植物を
避けることができるのです

一方、ペットウサギはそうしたことを学ぶ機会
がありません。好奇心が旺盛な子は、初めて見る
植物でも口にしてしまう危険性があるのです。


皆さんはウサギさんの行動範囲内に
お花を生けた花瓶や電化製品のコード
観葉植物、ビニール袋、ヒト用のお菓子
その他食べてはいけないものを
置いていませんか?


大切なウサギちゃんの命を守るために
お部屋の中のものを見直してみてくださいね






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ウサギ専門診療科64 消化管穿孔

2016-06-17 15:55:22 | ウサギ専門診療科
今日は胃腸に穴が空いてしまったウサギさんのお話です。

あずきちゃんは8ヶ月齢の男の子。


ある日、突然食べることができなくなりました。
当院にご来院いただいた時には、
痩せてしまって貧血もありました

様々な検査の結果、「胃腸穿孔の疑い」
つまり胃腸のどこかに穴が空いて、
食べたものがお腹の中に漏れ出している
と考えられました

お腹の中に食べた物が漏れると
そこから細菌感染が起き、
膿の袋である膿瘍(のうよう)が作られたり
腹膜炎を起こしたりします

膿によって腸管同士が癒着を起こして
閉塞を起こす場合もあります

これを治すには、外科手術になります

穴を塞いで、たまった膿もキレイに
取り除かないといけません

あずきちゃんは、ご来院いただいたその日から
緊急入院

飼い主様は片道4時間もかかる程ご遠方にも関わらず
連日、ご面会にいらして、たくさんの愛情を
注いでいらっしゃいました

あずきちゃんも、そんな飼い主様の温かい想いに
応えようと、少しずつ食べたり、
一生懸命頑張ってくれました




ウサギさんの食欲不振は、どんなウサギさんでも
起きうる症状です。でもそれが何日も続いたり
治療を受けていても改善しない場合は
詳しく検査をする必要があります

皆さんもウサギさんの
「食べない」
「元気がない」
「じっとしている」
これらのサインを見付けたらすぐに
診察を受けてくださいね





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ウサギ専門診療科63 子宮内膜炎(子宮蓄膿症)

2016-05-24 14:51:36 | ウサギ専門診療科
今日は子宮内膜炎によって、膿が子宮の中に
たくさん溜まってしまった子のお話です

ワンちゃんでは、子宮蓄膿症と言われます

避妊手術を受けていない女の子のウサギさんは
4~6歳をピークに子宮の病気にかかる可能性が
高くなります

その中でも、内膜炎はよく診られますが
膿がたまるタイプはあまり多くありません。

症状としては
・血尿
・お腹周りが大きく膨らんでいる
・元気がない
・食欲が落ちている

お腹周りの膨らみに関しては、
ちょっと太ったかな?と勘違いされることも
多いので注意が必要です

治療としては外科手術が第一選択になります。

うーちゃんは9歳のミニレッキスさんです

《Before》

手術前のお写真はお腹周りがポコンと膨らんでいます。

《After》

手術後は、お腹周りがスッキリ

取り出した子宮は660gもありました
お腹の中に大きな水風船を抱え込んでいたようなもの
その重たいものがなくなって、うーちゃんは
元気と食欲を取り戻しました

表情もとっても明るくなり、これが本来の
うーちゃんのかわいいお顔なんだなぁ
分かりました



うーちゃん、これからまだまだ長生きしてね



当院では、日頃から定期健診にご来院いただいている
ウサギさんが多くいます

病気の早期発見・早期治療につながる大切な機会です。
2~3ヶ月に1度、診察を受けるようにしましょうね




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ウサギ専門診療科62 ちょっと一息

2016-05-13 15:52:59 | ウサギ専門診療科
当院の待合室に、新たにウサギ本が2冊加わりました

1冊目は「うさぎ駅長 もっちぃがゆく!」


山形鉄道の駅長を務めるもっちぃちゃんのお話を
たくさんの写真とともに紹介されています

飼い主様の中には、実際に会いに行かれた方も
いらっしゃるかもしれませんね


2冊目は「抱きしめたい!夢見るうさぎベイビーズ」


とにかくかわいい子ウサギちゃんたちの写真集
見ていると自然に笑顔になってしまう愛らしさです
う~んかわいすぎる…


待合室の一番奥の机の上に置いてあります



また、本棚にはこれまでに入れたウサギ本も
あります

診察までお待ちいただく時間や、
お薬を準備させていただくお時間に
ぜひ手に取ってご覧ください




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