ときぶーの時間

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彼の電話機。

2011-12-24 10:20:37 | 日記

NO-38
みなさん、おはようございます。今日の写真は、今年の夏に生まれた子牛、彼の餌を待つワンちゃんたち、今では彼のトラックを見ると寄って来て餌をねだるダチョウにしました。

今までNO-3鎖につながれた犬から強制避難区域の富岡町で1人残り、残された動物の命を守り続ける男(松村直登)の事をずっと書いてきたけど、僕はみなさんに彼がどんな人間か分かってもらえた気でいる。こうしてブログを書こうと思ったのも、彼の行動が桁外れの行動で僕に強烈なインパクトを与えてくれたからである。

震災前はこんなに深く彼と付き合っていなかったのは事実で、今までは僕と彼が所属する会の会員同士の付き合いだけで普通の付き合いだった。しかし、彼が強制避難区域の我らの富岡町に1人で残った事がここまでさせたのだ。彼と付き合いのある仲の良い友人は、みんな驚いたし何とか力になろうと思った。

多分、彼は自分のしている事を何とも思っていないだろう。町民全員が避難してたった1人になっても全然臆せず、今では「1人暮らしも慣れれば楽だ」とさらりと言うし、原発事故の放射能で被曝することも恐れず「残された動物を誰が面倒見てくれるのだ!俺しかいねえべ!」と・・・・

もし、この事故を起した電力会社とか国や県、町の行政が動物を保護し殺処分をしないという事だったら、彼も避難したかも。確証はないが、それほど馬鹿な事をする人間でないと僕は思っている。彼と会ったら普通のおじさんであるから、みんなはびっくりするかも知れない。

そんな彼を外国のメディアが今年は追いかけた。アメリカ人記者、イタリア人記者、フランス、イギリス、ドイツ、スペインと色々な国の記者が福島の富岡町に入り、強制避難命令に反抗し、たった一人で残された動物の命を守り続けるその勇気ある行動を賞賛した記事を、世界各国のTVや新聞や週刊誌などに掲載し、日本ではごく一部の人にしか知られていない彼が、世界中に知られ有名になり動物を愛する人達のヒーローになっている。

彼は、自分の事を「俺はインターナショナルだからな。」と言って笑いを誘うが、そんな彼に非難が集中した事があった。僕もこの件に関わり文句を付けた1人である。彼の事を心配した友人の殆どの人が文句を付けたのだった。彼と連絡を取るのにみんなが苦労していたからだ。

彼の持っていた携帯電話が、某社の物で彼の住む富岡町の少し山深い温泉宿のある岩井戸に入ると全く繋がらない携帯電話を使っていた。町の中心部に出てくれば繋がるのだが、彼が家に戻ると全く使えない代物だったのだ。彼を応援する友人知人のみんなが、早く携帯を交換しろ!と彼に文句を言っていた。

ほんと、8月まで連絡を取るのに苦労した。彼も動物達の世話や東京・神奈川に出て来る用事とスケジュールがびっしり詰まっていて、なかなか交換しに行く時間が取れなかったのは事実であったが、みんなが困っていた。だから、インターナショナルな奴が連絡取れない環境にいるのは絶対にダメだと、仲の良い議員や僕らがしつこいほど言ってようやく交換してもらった。

それまでの連絡方法は、電気が来ていないので、留守番機能もFAXも付かない電話回線のモジュラージャックを差し込めば使える昔の電話機が主流だった。しかし、電気が来ていないのでその電話の呼び鈴も音が小さくて、彼が聞き逃すと連絡がつかないという状態であった。

彼にとっても、こんなに自分の使っている携帯電話で文句言われると思わなかっただろう。震災前なら何の問題もなかったのだ。FAXだって、留守電だって使えたし、仕事で昼は町中にいたから連絡は取れていたのに、震災後は、電気も無く家の電話が使えなくなり、強制避難区域を出て家の新しく電話機を買い、取替えたのに文句を言われたのだから。

連絡取りたいのに「電波が届かないところにいるか?電源が入ってないか?」のガイダンスに僕も何度、イラッときたか。みんながそんな感じでいたのだ。だから、某社のケータイに交換してからは何処にいても連絡が取れるようになり「俺は、インターナショナルだからな。」と酔っ払って言う時も、付き合いで笑ってあげるようにしている。

これで、彼を取り巻く環境の一つが改善され、教授や博士、議員に記者さんとか、友人知人の全ての人の大事な時間の中にムダだったあの空白の時間がなくなったのを、僕は喜んだ。















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松村様について (仲市素子)
2011-12-26 01:08:19
 松村さんの記事を読んで、検索していて貴ブログを見つけました。
 なんとなくホッとしています。「ときぶーの時間」さんも被災者で、松村さんをご存知なのですね。記事は記事仕立てになってしまいますから・・・、ともかく、松村さんはご自宅にデンとして、今のところそこに居て、置き去りにされた動物たちの面倒を見たりして、そこで暮らしていらっしゃる。
 理由は他人の私には所詮、分かりませんけれど、ともかく松村さんは避難を拒否して、居続けることを選択されたという事実だけは私にも分かります。
 
 私は鳥取市で小さな動物愛護の任意団体を主宰しています。3・11以降は「さよなら島根原発ネットワーク」に入って、鳥取市在住の仲間と会を設立し、今、学習会の準備をしています。
 
 動物愛護の世界も被災動物ビジネスが横行していて、この業界を良く知るものとしては苦が苦がしい思いもしています。
 どうせなら、松村さんが被災動物のケアをしてらっしゃるのは事実なのですし、松村さんも被災者であるのですから、村松さんの口座に支援金を送りたいと思います。ご本人を説得していただけないでしょうか?
 私個人で出来る金額はささやかですが、自ブログでささやかな歳末キャンペーンをはり(期間限定で)、呼びかけたいと思います。

 警戒区域内の動物を救うと歌い上げ(まるで金づる!)、ハゲタカのように派手に支援金や物資、資材支援を呼びかけている団体に、我々はゲンナリしており、善意の寸志の向けどころがありません。団体主宰者の中には、詐欺の前科者もいたりして、ビタ一銭、そちらには流したくないのです。
 被災動物レスキューがまるでイベントみたくなってしまって・・

 私は老人介護に縛られていて鳥取を離れられませんが、ささやかに出来ることはしたいと思っています。突然、不躾なお願いですが、宜しくご一考下さいますよう、お願い申し上げます。 
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