こんな記事がありました。 歩道はごッツんごッツんするし、車道を走るのは恐いし…自動車に乗れない私は自転車を利用しながらいつも思っておりました。 ヨーロッパの国々のように日本もこういったことが進めばうれしいです。
ベルの音に振り向く。よける歩行者を尻目に、わが物顔で先を急ぐ銀輪の群れ。本来走行すべき車道ではなく、歩行者優先が当たり前の歩道や商店街のアーケードでの日常。
通勤通学や移動の足として便利な自転車。平野部が多い高松市でも重宝され、土地柄を表す「顔」だ。しかし、運転マナーの悪さが長年の懸案課題。先日、高松市の大西市長と有識者がまちづくりについて議論を交わした本紙主催の座談会でも、マナーアップの必要性が話題をさらった。2010年の市の自転車事故件数は1164件で、県全体の6割弱を占める。
そんな中、市中心部の市道五番町西宝線で、片側2車線のうち1車線をつぶして自転車専用道とする事業が進み、12日から一部区間で供用が始まる。中心部は車の流入を極力規制し、公共交通や自転車で快適に移動してもらう―。思い描く「コンパクトエコシティー」へ向けて市長が打った一手。
ただし総事業費は約3億円と安くはなく、費用対効果の面で批判もあると聞く。ここはひとつ、マナーアップを促す一里塚という効果をアピールしてみてはどうだろう。
車道をつぶしてまで造ってくれた、歩行者すら入れない専用道だ。マナーを守って整然と走るのがせめてもの返礼。立派な器は相応の心意気で満たしたい。専用道を通り過ぎても、アーケードの下に入っても、その心意気を忘れずに。
「自転車マナーアップ発祥の地・五番町西宝線」。後々までそう語り継がれるなら、3億円も高くはない(F) (四国新聞)
自転車に優しい街に 専用道 12日から部分供用
高松市は、市道五番町西宝線で防護柵と縁石で車道と分離した自転車専用道を整備し、12日午後1時から部分供用を始める。自転車で走りやすい街づくりを進めて中心市街地のにぎわいにつなげることと、自転車が関係する事故の発生を減らすのが狙いで、市は今後も、整備を進める考えだ。(田阪綾子)
今回供用するのは、市役所西側の番町1丁目交差点から高松工芸高校南西交差点までの約400メートル。幅約2メートルで、防護柵と縁石で車道と分離し、歩道とも街路樹で区別する。また、左側通行を促すため、センターラインを引いて、矢印で進行方向を明記する。来年度中に西宝町1丁目交差点まで伸ばし、総延長は計1・8キロになる。
整備に伴い、車道は4車線から2車線に減少するが、右折専用レーンや停車帯(1・5メートル)を設けて渋滞を防ぐ。
市内では5路線で歩道に自転車専用レーンが設置されているが、市は今後、中心市街地の市道に専用レーンや自転車道を増やす方針を打ち出している。大西秀人市長は「自転車が快適に走行できる道路空間を広げ、中心部の賑わいにつなげる」と話す。
もう一つの狙いは、自転車の事故を減らすことだ。県警によると、自転車が絡む交通事故件数は同市内では増加傾向にあり、1996年から10年間で1・9倍になった。昨年の発生件数は約1000件に上るが、ほとんどは自動車との事故で、警察に届けられていない歩行者との事故も多くあるとみられる。
また、07年に国交省香川河川国道事務所などが同市内を中心に実施したアンケート(回答者864人)では、自転車と歩行者同士の事故を経験した人は22%、ぶつかりそうになった経験がある人は55%だった。
市道路課は「新しい自転車道は歩行者と自転車をほぼ完全に分離できるので、安全性と走りやすさが格段に増す」としている。ただ、事故を減らすには、自転車利用者や歩行者、ドライバーのマナーや安全意識の向上も必要だ。このため、市は県警の協力を得ながら、啓発活動にも力を入れるとしている。
(2011年7月9日 読売新聞)