内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

シリーズ 安全神話は取り戻せるか? (その2)

2011-08-18 | Weblog
シリーズ 安全神話は取り戻せるか? (その2)

 1、基本的な防災対策強化の必要性 (その1で掲載)
 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 1、基本的な防災対策強化の必要性 (その1で掲載)
 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 1、基本的な防災対策強化の必要性 (その1で掲載)
 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 1、基本的な防災対策強化の必要性 (その1で掲載)
 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ 安全神話は取り戻せるか? (その2)

2011-08-18 | Weblog
シリーズ 安全神話は取り戻せるか? (その2)

 1、基本的な防災対策強化の必要性 (その1で掲載)
 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ 安全神話は取り戻せるか? (その2)

2011-08-18 | Weblog
 シリーズ 安全神話は取り戻せるか? (その2)

 1、基本的な防災対策強化の必要性 (その1で掲載)
 2、崩れた原子力発電の「安全神話」(その1で掲載)

 3、今後の原子力発電の安全性確保の上で何が必要か
 (1)全般的な原子力発電施設への防災インフラの強化
 今回の経験からマグニチュード9レベル、震度7前後の地震は起こり得るところであり、特に沿岸地域では大津波の可能性を考慮した防波堤や避難施設の強化など、基礎的防災インフラの改善、強化が必要であろう。なお海際に多い原子力発電所への防波堤などの強化については、私企業の敷地内ということであれば、高額な投資が必要としても国家が負担するというわけにないかないので工夫が必要となろう。
(2) 原子力発電所施設の防災対策の改善
 ほとんどの原子力発電所施設は沿岸部にあるので、耐震性だけではなく大津波への対策を含む防災対策の改善が必要であろう。
具体的には原子炉には燃料棒と使用済み燃料棒を水で冷却する装置があるが、大規模地震により停電となり、それをバックアップする自家発電装置も津波によりこれも作動しなくなり、冷却装置が完全に作動しなくなった。高度で危険性のある技術設備でありながら基礎的な安全対策が不十分であったと言えよう。
 また原子炉の構造においても、使用済み燃料棒を冷却するプールが原子炉本体の上部に隣接する形で設置されており、一方に障害が出ると他方にも重大な影響を与える構造となっており、安全上に問題があったと言えよう。
 放射線漏れの事故が起きた場合の備えについても、作業員の放射線防護服や防護車・防護盾、防護マスク・酸素マスク、自動消火装置や無人消火装置・ロボットなどの基本的な備えがなかったことも驚きである。防災インフラや施設などのハード面だけでなく、ソフト面での対応も不十分であったと言えよう。
 原子力施設の点検や整備、操業再開のための安全テストなど、日常的な業務もある。
 (3)災害発生時のソフト面の改善
どのように防災インフラを改善・強化しても自然の力が上回る可能性があるので、大災害発生時の避難方法などのソフト面の備えが不可欠であることが明らかになっている。
それらは単に国や地方公共団体が規則やマニュアルなどを作れば良いというものではない。個々人の自らの、そして家族・子孫の生命・財産は自らが守るという自己責任意識がなければ、国や地方公共団体が多額の予算と人員を動員したとしても全ての国民の生命・財産を守れるものでもない。古来から沿岸村落では津波の経験や知恵が脈々と言い伝えられており、今回も「大地震が起こったら船を沖に出せ」、「地震後潮が大きく引いたら高台に逃げろ」という古来からの教訓で被害を逃れた事例は少なくない。それは一例でしかないが、その教訓は被災地のこれからの復興、町造りにも生かすことが望まれる。
更に最大の問題は、頻繁に起こるものではないが、ある日突然に襲ってくる大規模災害や事故、場合によってはテロ攻撃等に直面した場合の対応振りなど、危機時のソフト面の備えを改善する必要があろう。
因みに、安全規則やマニュアル、或いは大規模災害・事故時の対応マニュアルなどを作ることも良いが、これまで良くありがちな余りにも詳細、緻密で分厚い規則、マニュアルを作っても、大災害が発生したら瞬時の対応が必要となると共に、大災害は各種の要素が複合して引き起こされシナリオは無いので、大部の規則・マニュアル類はほとんど役には立たないことが多い。まず一つ二つの迅速な判断と、自分たちの生命、財産は自らで守るという意識を持ち、まず難を逃れた後対応することが大切だ。(2011.08.11)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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