内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その4ー1 )  

2013-01-16 | Weblog

シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その4ー1 )   
 大晦日の零時に近づくと日本各地のお寺で除夜の鐘が鳴り、それぞれに煩悩を払って新年を迎える。日本には奈良や京都はもとより、2011年6月にUNESCOの世界文化遺産として登録された岩手県平泉町の中尊寺など、多くの仏教建築、文化財が世界遺産となっており、神社などと並んで日本文化の一部となっており、日常生活にも浸透している。国勢調査においても、信仰の程度は別として仏教の系統が9,600万人、総人口の約74%にものぼる。
 ところが仏教の基礎を築いたブッダ(通称お釈迦様)の誕生地やシャキア王国の王子として育った城都カピラバスツなど、その歴史的、社会的な背景については一般には余り知られていない。確かにこれまでブッダの誕生地は「北インド」と習った人が多く、未だに多くの教科書にはそのように記載されている。更に城都カピラバスツ(通称カピラ城)については、今日でもネパール説とインド説があり、国際的にも決着していない。2,500年以上前の伝承上、宗教上の人物であるので、今更どちらでもよいような話ではあるが、日本文化や慣習、思想に関係が深いので、宗教、信仰とは別に、知識としてブッダ誕生の歴史的、社会的な背景やルーツを知ることは日本の文化や思想をよりよく知る上で必要なのであろう。
 それ以上に、日本が国際社会に主体的に発信して行くためには、文化的、思想的な芯や基本的な価値観を明らかにしなくては国際社会の信頼を得られないどころか、耳を傾けてむらえない。
 1、飛鳥時代の朝廷に受け入れられた仏教 (その1に掲載)
 2、ブッダの生誕地ルンビニ           (その2に掲載)

 3、2つのカピラバスツ城の謎

 ところが城都カピラバスツの所在地については、ネパール説とインド説があり、いまだに未決着であり、またシャキア王国が何故滅亡したのかなどを含め謎が多い。経典など仏教研究は進んでいるが、日本はもとより世界でも、ブッダが青年期まで過ごした王宮の所在地など、そのルーツや歴史的な背景については正しく理解されていないことが多い。ブッダ教徒が多数を占めるスリランカのある僧侶が、城都カピラバスツの所在地については、2つの仏典にそれぞれ別の場所が記されているので、カピラバスツは2箇所にあったのではないかと話している。仏典は宗教、信仰の基礎であるので、信者にとってはそういうことなのであろう。しかし2つの仏典は、同時に非常に重要なことを伝えている。仏典にはそれぞれ異なる場所が記されているが、それぞれ一つの場所が記されているということであり、カピラバスツは2箇所にあったとは記されてはいないことだ。また西暦5世紀及び7世紀に中国僧の法顕と玄奘がこれらの地を訪問し、それぞれ仏国記(通称法顕伝)及び大唐西域記を残しているが、それぞれ1箇所のカピラバスツを訪問しており、カピラバスツは2箇所にあったとは一切記されていない。それでは城都カピラバスツは何処にあったのか。それを明らかにするのが、歴史や科学の役割なのであろう。

 (1)ネパールのテイラウラコット村にあるカピラバスツ城址 (その3-1に掲載)

 (2)インドのピプラワとガンワリアのカピラバスツ       (その3-2に掲載)

 

  4、ブッダ誕生の聖地から読めること
 (1)根底にバラモンの思想と先代ブッダの存在―浮かび上がる古代ブッダ文化の存在 (その4-1)

 ブッダは、シャキア族の王子であり、バラモン教の教育を受けたと伝えられている。他方、この地域には悟りを開いた者がブッダとして崇められる風習があり、複数の先代ブッダの存在が遺跡として残っている。従って、この地域に古代ブッダ文化とも言える一定水準の文化、社会があったことを意味する。そのような文化、社会があったからこそ今日のブッダ思想が生まれ得たのであろう。
 (2)王子の地位を捨て悟りの道を決断した基本思想 (その4-2)
 (3)ボードガヤで悟りを開き、「ブッダ」として80歳まで教えを説く (その4-3) 
 (4)不殺生、非暴力の思想 (その4-4)
 (5)ヨーロッパ、アジアを大陸横断的に見た思想の流れ (その4-5)
                                        (2012.11.08)(Copy Rights Reserved.)

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シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その3ー2 )

2013-01-16 | Weblog

シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その3ー2 )   
 大晦日の零時に近づくと日本各地のお寺で除夜の鐘が鳴り、それぞれに煩悩を払って新年を迎える。日本には奈良や京都はもとより、2011年6月にUNESCOの世界文化遺産として登録された岩手県平泉町の中尊寺など、多くの仏教建築、文化財が世界遺産となっており、神社などと並んで日本文化の一部となっており、日常生活にも浸透している。国勢調査においても、信仰の程度は別として仏教の系統が9,600万人、総人口の約74%にものぼる。
 ところが仏教の基礎を築いたブッダ(通称お釈迦様)の誕生地やシャキア王国の王子として育った城都カピラバスツなど、その歴史的、社会的な背景については一般には余り知られていない。確かにこれまでブッダの誕生地は「北インド」と習った人が多く、未だに多くの教科書にはそのように記載されている。更に城都カピラバスツ(通称カピラ城)については、今日でもネパール説とインド説があり、国際的にも決着していない。2,500年以上前の伝承上、宗教上の人物であるので、今更どちらでもよいような話ではあるが、日本文化や慣習、思想に関係が深いので、宗教、信仰とは別に、知識としてブッダ誕生の歴史的、社会的な背景やルーツを知ることは日本の文化や思想をよりよく知る上で必要なのであろう。
 それ以上に、日本が国際社会に主体的に発信して行くためには、文化的、思想的な芯や基本的な価値観を明らかにしなくては国際社会の信頼を得られないどころか、耳を傾けてむらえない。
 1、飛鳥時代の朝廷に受け入れられた仏教 (その1に掲載)
 2、ブッダの生誕地ルンビニ           (その2に掲載)

 3、2つのカピラバスツ城の謎

 ところが城都カピラバスツの所在地については、ネパール説とインド説があり、いまだに未決着であり、またシャキア王国が何故滅亡したのかなどを含め謎が多い。経典など仏教研究は進んでいるが、日本はもとより世界でも、ブッダが青年期まで過ごした王宮の所在地など、そのルーツや歴史的な背景については正しく理解されていないことが多い。ブッダ教徒が多数を占めるスリランカのある僧侶が、城都カピラバスツの所在地については、2つの仏典にそれぞれ別の場所が記されているので、カピラバスツは2箇所にあったのではないかと話している。仏典は宗教、信仰の基礎であるので、信者にとってはそういうことなのであろう。しかし2つの仏典は、同時に非常に重要なことを伝えている。仏典にはそれぞれ異なる場所が記されているが、それぞれ一つの場所が記されているということであり、カピラバスツは2箇所にあったとは記されてはいないことだ。また西暦5世紀及び7世紀に中国僧の法顕と玄奘がこれらの地を訪問し、それぞれ仏国記(通称法顕伝)及び大唐西域記を残しているが、それぞれ1箇所のカピラバスツを訪問しており、カピラバスツは2箇所にあったとは一切記されていない。それでは城都カピラバスツは何処にあったのか。それを明らかにするのが、歴史や科学の役割なのであろう。

 (1)ネパールのテイラウラコット村にあるカピラバスツ城址 (その3-1に掲載)

 (2)インドのピプラワとガンワリアのカピラバスツ

 

 北インド・ウッタルプラデッシュ州のピプラワ(Piprahwa)村にカピラバスツとされる遺跡がある。その南東1キロほどのところに「パレス」と表示れている遺跡がある。ネパール国境に接するウッタル・プラデッシュ州にあり、直線距離ではルンビニの西南西約16キロのところに位置し、国境に近いところにある。

 ピプラワ村にあるカピラバスツには、骨壷が発見された大きなストウーパ遺跡があり、その周囲に煉瓦造りの建物の土台部分の遺跡が残っている。四方の建物はほぼ同様の構造となっており、その内部の構造から、ピプラワの遺跡はストウーパを中心とする僧院群のように見える。周囲に「城壁」がないが、僧院群であれば自然であろう。玄奘が、大唐西域記でカピラバスツ国の周囲は量を知らず、人家もまばらと記しているが、その景色と重なる。

 ピプラワの遺跡から南東に1キロほどの処にガンワリアの遺跡があり、「ガンワリア発掘サイト」と記された看板にシャキア族のパレス遺跡と説明されている。ここも周囲に城壁らしいものはない。正面の煉瓦造りの建物は重厚であるが、内部は中央の広間の周囲を小部屋(独居房)が取り囲んでいる構造で、ピプラワの僧院遺跡とほぼ同様の構造となっている。

 ピプラワの遺跡も「パレス」と呼称されているガンワリアの遺跡も「城址」や「城都」跡とは考えに難いが、シャキア族ゆかりの貴重な遺跡であることは間違いない。

 4、ブッダ誕生の聖地から読めること(その4で掲載)
 (1)根底にバラモンの思想と先代ブッダの存在―浮かび上がる古代ブッダ文化の存在 
 (2)王子の地位を捨て悟りの道を決断した基本思想
 (3)ボードガヤで悟りを開き、「ブッダ」として80歳まで教えを説く
 (4)不殺生、非暴力の思想
 (5)ヨーロッパ、アジアを大陸横断的に見た思想の流れ
                                        (2012.11.08)(Copy Rights Reserved.)

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シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その3ー1 )  

2013-01-16 | Weblog

シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その3ー1 )   
 大晦日の零時に近づくと日本各地のお寺で除夜の鐘が鳴り、それぞれに煩悩を払って新年を迎える。日本には奈良や京都はもとより、2011年6月にUNESCOの世界文化遺産として登録された岩手県平泉町の中尊寺など、多くの仏教建築、文化財が世界遺産となっており、神社などと並んで日本文化の一部となっており、日常生活にも浸透している。国勢調査においても、信仰の程度は別として仏教の系統が9,600万人、総人口の約74%にものぼる。
 ところが仏教の基礎を築いたブッダ(通称お釈迦様)の誕生地やシャキア王国の王子として育った城都カピラバスツなど、その歴史的、社会的な背景については一般には余り知られていない。確かにこれまでブッダの誕生地は「北インド」と習った人が多く、未だに多くの教科書にはそのように記載されている。更に城都カピラバスツ(通称カピラ城)については、今日でもネパール説とインド説があり、国際的にも決着していない。2,500年以上前の伝承上、宗教上の人物であるので、今更どちらでもよいような話ではあるが、日本文化や慣習、思想に関係が深いので、宗教、信仰とは別に、知識としてブッダ誕生の歴史的、社会的な背景やルーツを知ることは日本の文化や思想をよりよく知る上で必要なのであろう。
 それ以上に、日本が国際社会に主体的に発信して行くためには、文化的、思想的な芯や基本的な価値観を明らかにしなくては国際社会の信頼を得られないどころか、耳を傾けてむらえない。
 1、飛鳥時代の朝廷に受け入れられた仏教 (その1に掲載)
 2、ブッダの生誕地ルンビニ           (その2に掲載)

 3、2つのカピラバスツ城の謎

 ところが城都カピラバスツの所在地については、ネパール説とインド説があり、いまだに未決着であり、またシャキア王国が何故滅亡したのかなどを含め謎が多い。経典など仏教研究は進んでいるが、日本はもとより世界でも、ブッダが青年期まで過ごした王宮の所在地など、そのルーツや歴史的な背景については正しく理解されていないことが多い。ブッダ教徒が多数を占めるスリランカのある僧侶が、城都カピラバスツの所在地については、2つの仏典にそれぞれ別の場所が記されているので、カピラバスツは2箇所にあったのではないかと話している。仏典は宗教、信仰の基礎であるので、信者にとってはそういうことなのであろう。しかし2つの仏典は、同時に非常に重要なことを伝えている。仏典にはそれぞれ異なる場所が記されているが、それぞれ一つの場所が記されているということであり、カピラバスツは2箇所にあったとは記されてはいないことだ。また西暦5世紀及び7世紀に中国僧の法顕と玄奘がこれらの地を訪問し、それぞれ仏国記(通称法顕伝)及び大唐西域記を残しているが、それぞれ1箇所のカピラバスツを訪問しており、カピラバスツは2箇所にあったとは一切記されていない。それでは城都カピラバスツは何処にあったのか。それを明らかにするのが、歴史や科学の役割なのであろう。

(1)ネパールのテイラウラコット村にあるカピラバスツ城址

 ブッダの生誕地ルンビニから西に25キロほどのところにテイラウラコット村があり、そこにカピラバスツ城址とされる遺跡がある。煉瓦造りの西門やそこから南北に伸びる城壁や内部の土台などが見られ、また場外にある質素な博物館には出土品の陶器や貨幣と見られるト-クンなどが展示されている。

19世紀末から20世紀初頭に掛けて欧州の考古学者等が発掘をしたことが記録に残っているが、強い日差しや風雨などによる損傷や持ち去られることを恐れ、ほとんどが埋め戻されている。

 法顕は仏国記の「カピラバスツ城」の項で、「城の東50里に王園がある。王園の名は論民(ルンビニのこと)と言う。」と記述している。中国の里を換算すると、「城の東25キロのところに王園がある」ことになるので、ルンビニを基点とすると25キロ西にカピラバスツ城があることになり、位置関係が合致する。

 ところが厄介なことに、それから200年ほど後に同じような道程を辿りこの地域を訪れた玄奘は、大唐西域記の「カピラバスツ国」の項で異なる記述をしている。そもそも玄奘は、カピラバスツを「城」はなく、「国」として捉えており、境界さえ分らないと記しているので、どうも別の場所のようだ。玄奘の足跡を詳細に分析した西欧の学者がいるが、ルンビニではなく別の処に辿り着く結果となっている。しかし法顕、玄奘ともブッダが青年期まで過ごしたカピラバスツは複数あったとの記載は一切無く、1つなのである。

 カピラバスツ城址のあるテイラウラコット村の半径7キロの周辺には、城壁の外に父王スッドウダナの墳墓と言われている大小2つの仏塔(ツイン・ストウーパ)やブッダが悟りを開いた後帰郷し父王スッドウダナと再会した場所(クダン)、そしてシャキヤ族がコーサラ国のヴィルダカ王に殲滅されたサガルハワなど、素朴ではあるが歴史的には興味ある遺跡がある。更に、アショカ王はルンビニの他、現在のゴータマ・ブッダ以前に存在した先代ブッダの生誕地やゆかりの地を訪問し、ルンビニと同様の砂岩の石柱をこの地に建立している。その石柱の一つに、パーリ語で「即位14年に際しコナカマナ・ブッダ(先代)のストウーパを拡大したが、即位20年に際しこの石柱を建立させた」旨記されている。アショカ王は、先代ブッダ(過去仏)の存在を知っていたとみられるが、このような遺跡が残っているということは、先代ブッダは伝承上の存在ではなく、実在した人物(賢者・聖者)であり、現在のブッダが誕生した以前に一定の文化水準の社会がこの地域に存在したことになる。この古代ブッダ文化地帯とも言えるこの地域の更なる発掘と遺跡の保存が課題と言えよう。 

 この地域を歩かれた方もおられようが、遺跡の名称は分るものの、それぞれの遺跡がどのような意味合いを持っているかなどはなかなか分らない。しかし各遺跡の意味合いを知った上で回ると感慨も深くなると共に、城都カピラバスツの場所と繋がって行く。
 (2)インドのピプラワとガンワリアのカピラバスツ
 4、ブッダ誕生の聖地から読めること(その4で掲載)
 (1)根底にバラモンの思想と先代ブッダの存在―浮かび上がる古代ブッダ文化の存在 
 (2)王子の地位を捨て悟りの道を決断した基本思想
 (3)ボードガヤで悟りを開き、「ブッダ」として80歳まで教えを説く
 (4)不殺生、非暴力の思想
 (5)ヨーロッパ、アジアを大陸横断的に見た思想の流れ
                                        (2012.11.08)(Copy Rights Reserved.)

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シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その2 ) 

2013-01-15 | Weblog

シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その2   
 大晦日の零時に近づくと日本各地のお寺で除夜の鐘が鳴り、それぞれに煩悩を払って新年を迎える。日本には奈良や京都はもとより、20116月にUNESCOの世界文化遺産として登録された岩手県平泉町の中尊寺など、多くの仏教建築、文化財が世界遺産となっており、神社などと並んで日本文化の一部となっており、日常生活にも浸透している。国勢調査においても、信仰の程度は別として仏教の系統が9,600万人、総人口の約74%にものぼる。
 ところが仏教の基礎を築いたブッダ(通称お釈迦様)の誕生地やシャキア王国の王子として育った城都カピラバスツなど、その歴史的、社会的な背景については一般には余り知られていない。確かにこれまでブッダの誕生地は「北インド」と習った人が多く、未だに多くの教科書にはそのように記載されている。更に城都カピラバスツ(通称カピラ城)については、今日でもネパール説とインド説があり、国際的にも決着していない。2,500年以上前の伝承上、宗教上の人物であるので、今更どちらでもよいような話ではあるが、日本文化や慣習、思想に関係が深いので、宗教、信仰とは別に、知識としてブッダ誕生の歴史的、社会的な背景やルーツを知ることは日本の文化や思想をよりよく知る上で必要なのであろう。
 それ以上に、日本が国際社会に主体的に発信して行くためには、文化的、思想的な芯や基本的な価値観を明らかにしなくては国際社会の信頼を得られないどころか、耳を傾けてむらえない。
 1、飛鳥時代の朝廷に受け入れられた仏教 (その1に掲載)
 2、ブッダの生誕地ルンビニ (その2で掲載)

 ブッダは、紀元前6世紀から5世紀にかけて現在のネパール南部ルンビニで誕生し、29歳までシャキア(釈迦)族の部族王国の王子としてカピラバスツ城で育ち、29才で悟りの道を求めて城を後にした。王子の名はシッダールタ・ゴータマ、そしてその部族名(シャキア)からお釈迦様の名で親しまれている。シッダールタ王子は後に悟りを開き、ブッダ(悟りを開いた者の意)となり、ブッダ教(仏教)の創始者になった。

 ルンビニは、1997年にUNESCOの世界文化遺産に登録されており、ブッダの生誕地としては国際的に認知されていると言ってよいだろう。ルンビニには、マヤデヴィ寺院、沐浴したとされる池やシッダールタ王子誕生を描写した石像などがある。

 しかし歴史的に重要なのは、アショカ王が建立した石柱であり、そこに刻まれている碑文(パーリ語)により、19世紀末のブッダの生誕地論争に終止符が打たれた経緯がある。アショカ王(在位 紀元前269年より232年頃)は、ほぼインド全域を統一しマガダ国マウリア王朝の全盛期を築いたが、カリンガの闘いでの大虐殺への報いを恐れ、不戦と不殺生を誓い、ブッダ教に帰依したと言われている。同時にルンビニは、シッダールタ王子が育ったカピラバスツ城の位置を特定する上でも重要な基点となる。

 なお、日本の教科書での記述振りは1990年代末以降若干改善されて来ているものの、「ブッダの誕生地は(ネパールの)ルンビニ」等と記されている教科書は相対的に少なく、未だに「北インド」と書かれているものが多いようであるので、改定が課題となっている。


 32つのカピラバスツ城の謎 (その3で掲載)
 (1)ネパールのテイラウラコット村にあるカピラバスツ城址
 (2)インドのピプラワとガンワリアのカピラバスツ
 4、ブッダ誕生の聖地から読めること(その4で掲載)
 (1)根底にバラモンの思想と先代ブッダの存在浮かび上がる古代ブッダ文化の存在 
 (2)王子の地位を捨て悟りの道を決断した基本思想
 (3)ボードガヤで悟りを開き、「ブッダ」として80歳まで教えを説く
 (4)不殺生、非暴力の思想
 (5)ヨーロッパ、アジアを大陸横断的に見た思想の流れ
                               (2012.11.08)(Copy Rights Reserved

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シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その2 ) 

2013-01-15 | Weblog

シリーズ ブッダ誕生の聖地を読む (その2   
 大晦日の零時に近づくと日本各地のお寺で除夜の鐘が鳴り、それぞれに煩悩を払って新年を迎える。日本には奈良や京都はもとより、20116月にUNESCOの世界文化遺産として登録された岩手県平泉町の中尊寺など、多くの仏教建築、文化財が世界遺産となっており、神社などと並んで日本文化の一部となっており、日常生活にも浸透している。国勢調査においても、信仰の程度は別として仏教の系統が9,600万人、総人口の約74%にものぼる。
 ところが仏教の基礎を築いたブッダ(通称お釈迦様)の誕生地やシャキア王国の王子として育った城都カピラバスツなど、その歴史的、社会的な背景については一般には余り知られていない。確かにこれまでブッダの誕生地は「北インド」と習った人が多く、未だに多くの教科書にはそのように記載されている。更に城都カピラバスツ(通称カピラ城)については、今日でもネパール説とインド説があり、国際的にも決着していない。2,500年以上前の伝承上、宗教上の人物であるので、今更どちらでもよいような話ではあるが、日本文化や慣習、思想に関係が深いので、宗教、信仰とは別に、知識としてブッダ誕生の歴史的、社会的な背景やルーツを知ることは日本の文化や思想をよりよく知る上で必要なのであろう。
 それ以上に、日本が国際社会に主体的に発信して行くためには、文化的、思想的な芯や基本的な価値観を明らかにしなくては国際社会の信頼を得られないどころか、耳を傾けてむらえない。
 1、飛鳥時代の朝廷に受け入れられた仏教 (その1に掲載)
 2、ブッダの生誕地ルンビニ (その2で掲載)

 ブッダは、紀元前6世紀から5世紀にかけて現在のネパール南部ルンビニで誕生し、29歳までシャキア(釈迦)族の部族王国の王子としてカピラバスツ城で育ち、29才で悟りの道を求めて城を後にした。王子の名はシッダールタ・ゴータマ、そしてその部族名(シャキア)からお釈迦様の名で親しまれている。シッダールタ王子は後に悟りを開き、ブッダ(悟りを開いた者の意)となり、ブッダ教(仏教)の創始者になった。

 ルンビニは、1997年にUNESCOの世界文化遺産に登録されており、ブッダの生誕地としては国際的に認知されていると言ってよいだろう。ルンビニには、マヤデヴィ寺院、沐浴したとされる池やシッダールタ王子誕生を描写した石像などがある。

 しかし歴史的に重要なのは、アショカ王が建立した石柱であり、そこに刻まれている碑文(パーリ語)により、19世紀末のブッダの生誕地論争に終止符が打たれた経緯がある。アショカ王(在位 紀元前269年より232年頃)は、ほぼインド全域を統一しマガダ国マウリア王朝の全盛期を築いたが、カリンガの闘いでの大虐殺への報いを恐れ、不戦と不殺生を誓い、ブッダ教に帰依したと言われている。同時にルンビニは、シッダールタ王子が育ったカピラバスツ城の位置を特定する上でも重要な基点となる。

 なお、日本の教科書での記述振りは1990年代末以降若干改善されて来ているものの、「ブッダの誕生地は(ネパールの)ルンビニ」等と記されている教科書は相対的に少なく、未だに「北インド」と書かれているものが多いようであるので、改定が課題となっている。


 32つのカピラバスツ城の謎 (その3で掲載)
 (1)ネパールのテイラウラコット村にあるカピラバスツ城址
 (2)インドのピプラワとガンワリアのカピラバスツ
 4、ブッダ誕生の聖地から読めること(その4で掲載)
 (1)根底にバラモンの思想と先代ブッダの存在浮かび上がる古代ブッダ文化の存在 
 (2)王子の地位を捨て悟りの道を決断した基本思想
 (3)ボードガヤで悟りを開き、「ブッダ」として80歳まで教えを説く
 (4)不殺生、非暴力の思想
 (5)ヨーロッパ、アジアを大陸横断的に見た思想の流れ
                               (2012.11.08)(Copy Rights Reserved

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新年のご挨拶

2013-01-06 | Weblog

新年のご挨拶

2013年年初に当たり、新年のご挨拶を申し上げます。

本年が皆様にとり実のある年になりますようお祈り致します。

本年においては経済回復が期待されているところですが、昨年10月20日付で「各国、各地域の努力に委ねられた世界経済」と題し、経済実体を越えた円高を是正することが日本の経済回復、産業回復にとって不可欠であると共に、最も効果的であるとし、そのために円通貨の量的緩和が必要との政策評論を掲げました。その上で、米国が国際基軸通貨ドルについて秩序ある為替政策と金融政策を維持することが重要であることを指摘致しました。米ドルは昨年11月中旬以降にドル高に転じ、現在1ドルが87円台に是正され、これを背景として輸出産業や関連する中小の裾野産業を中心として景況感が若干改善しています。

今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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新年のご挨拶

2013-01-06 | Weblog

新年のご挨拶

2013年年初に当たり、新年のご挨拶を申し上げます。

本年が皆様にとり実のある年になりますようお祈り致します。

本年においては経済回復が期待されているところですが、昨年10月20日付で「各国、各地域の努力に委ねられた世界経済」と題し、経済実体を越えた円高を是正することが日本の経済回復、産業回復にとって不可欠であると共に、最も効果的であるとし、そのために円通貨の量的緩和が必要との政策評論を掲げました。その上で、米国が国際基軸通貨ドルについて秩序ある為替政策と金融政策を維持することが重要であることを指摘致しました。米ドルは昨年11月中旬以降にドル高に転じ、現在1ドルが87円台に是正され、これを背景として輸出産業や関連する中小の裾野産業を中心として景況感が若干改善しています。

今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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新年のご挨拶

2013-01-06 | Weblog

新年のご挨拶

2013年年初に当たり、新年のご挨拶を申し上げます。

本年が皆様にとり実のある年になりますようお祈り致します。

本年においては経済回復が期待されているところですが、昨年10月20日付で「各国、各地域の努力に委ねられた世界経済」と題し、経済実体を越えた円高を是正することが日本の経済回復、産業回復にとって不可欠であると共に、最も効果的であるとし、そのために円通貨の量的緩和が必要との政策評論を掲げました。その上で、米国が国際基軸通貨ドルについて秩序ある為替政策と金融政策を維持することが重要であることを指摘致しました。米ドルは昨年11月中旬以降にドル高に転じ、現在1ドルが87円台に是正され、これを背景として輸出産業や関連する中小の裾野産業を中心として景況感が若干改善しています。

今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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本年が皆様にとり実のある年になりますようお祈り致します。

本年においては経済回復が期待されているところですが、昨年10月20日付で「各国、各地域の努力に委ねられた世界経済」と題し、経済実体を越えた円高を是正することが日本の経済回復、産業回復にとって不可欠であると共に、最も効果的であるとし、そのために円通貨の量的緩和が必要との政策評論を掲げました。その上で、米国が国際基軸通貨ドルについて秩序ある為替政策と金融政策を維持することが重要であることを指摘致しました。米ドルは昨年11月中旬以降にドル高に転じ、現在1ドルが87円台に是正され、これを背景として輸出産業や関連する中小の裾野産業を中心として景況感が若干改善しています。

今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

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今後円が対ドルで90円から95円前後程度で安定すれば、日本の輸出産業を中心として業績が改善すると予想され、株価も上昇するなどの明るい兆しが見え始めています。このような産業の回復は、被災地域の産業復興にも良い影響を与えるものと予想されます。また日本の経済回復は世界経済にとっても好影響を与えるものと期待されます。

景気の下支えには公共事業は一定の効果があり、新政権により補正予算も検討されているようですが、公共事業は効果が特定の建設産業などに限定される上、建設国債であっても国の借金を更に膨らませ、利払いを含む公債費が財政を一層圧迫し、将来国民の更なる負担を強いる結果となることから、賢明な対応が望まれる。

いずれにしても経済回復は、産業の回復が図られない限り実現しないので、円の対ドル・レート是正、安定化を軸として、政府系金融等をフルに活用し、輸出産業や裾野産業の支援、高度技術の開発・研究、ベンチャー企業等への起業支援と共に、石油暫定税率の実質的引き下げ、自動車重量税の撤廃など自動車関連諸税の撤廃・引き下げ、研究開発や公益事業への投資や寄付への優遇税制など、民間活動の振興策を積極的に行い、民間活力や地方の活力を引き出すことが望まれる。

また消費マインドの改善については、心理的な側面は重要ではあるが、消費の抑制、節約マインドは、各種の将来不安が主要因になっていることを認識し、将来不安を除去することを緊急に行わなくては実効性はないと見られる。現在の消費抑制、節約は。第1に年金不信、第2に90年代後半以来の資産デフレを引きずっており、株価の低迷やインサイダー取引、粉飾決算など株式、証券への不信が存在すこと、そして第3に銀行不信(銀行倒産時のペイオフ・シンドロム、預金金利実質ゼロと高い手数料など)が主な原因となっている。これらの将来不安に一つ一つ丁寧に対応して行かなければ消費マインドは改善しないことを認識すべきであろう。

経済回復は輸出産業を中心とする産業回復に他ならず、消費者マインドの改善は将来不安の軽減、除去に他ならない。2013年が産業回復と将来不安の軽減、除去の年となることを期待するところです。(2013.01.04.)(Copy Rights Reserved.)

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