内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

熟慮を要する特別会計の余剰金、積立金の使途

2008-11-18 | Weblog
熟慮を要する特別会計の余剰金、積立金の使途
2兆円にも及ぶ「給付金」の配賦基準や方法を巡り波紋が続いているが、その財源は財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられる方針だ。また有料高速道路の地方料金等の引き下げにも財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられると伝えられている。
いわゆる「埋蔵金」の存在は与党が否定していたところであり、江戸時代に大判小判を蓄え隠すために行われていた「埋蔵金」などが今日の行政府にあるわけがないが、国民の目に余り触れることの無い特別勘定に隠し金的な巨額の「余剰金」があることが明らかになった。現在の困難な経済情勢と予算難を勘案すると、巨額の「余剰金」を特定の勘定に埋もれさせているよりも景気対策や社会的救済策に使用することが望ましい。
特別会計の「余剰金」や「積立金」(準備金を含む)はこれだけではない。11月14、15の両日ワシントンで開催された主要経済国20カ国で開催された緊急首脳会議(金融サミット)に際し、日本は国際通貨基金(IMF)に1,000億ドル(約10兆円)の融資を行うことを明らかにし、更に同基金の増資を提案したが、その財源は外国為替資金特別会計の積立金・準備金から当てると言われている。国際金融危機に直面している現在、IMFの資金能力を増強することは必要なことであろう。それがばら撒きの拠出金などでなく、「融資・貸付」や「出資」であれば、国際的な資金協力であると共に海外に保有する日本の資産となるので評価出来ないことではない。しかし、日本自身が約800兆円の公的債務を抱え、毎年予算から利子だけでも約11兆円支払い、財政難の大きな要因となっており、その上今後予想される社会保障費の増加などを勘案すると、外国為替資金特別会計の積立金・準備金の恩恵を国内に反映することなく、まず海外に融資・出資すべきなのであろうか。金融サミットでは、財政出動を含め、まず各国毎の景気対策が求められており、IMFの融資能力の拡大は必要としても、新興国を含め、各国への割り当てが合意されたわけでもない。恐らくIMFの機能強化に関する具体的な対応策や各国への割り当てなどは、09年4月に開催される予定の第2回金融サミットに向けて調整されることになろう。公的債務の比率が高い日本の場合、景気対策と共に財政の健全化も課題となっている。IMFへの融資は良いが、結果として10兆円分の積立金・準備金を海外に移し変えることになるので、その前にまず国内での景気対策や財政健全化のためなど、使途を十分検討する必要があるのではなかろうか。(08.11.17.)          (Copy Right Reserved.)
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熟慮を要する特別会計の余剰金、積立金の使途

2008-11-18 | Weblog
熟慮を要する特別会計の余剰金、積立金の使途
2兆円にも及ぶ「給付金」の配賦基準や方法を巡り波紋が続いているが、その財源は財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられる方針だ。また有料高速道路の地方料金等の引き下げにも財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられると伝えられている。
いわゆる「埋蔵金」の存在は与党が否定していたところであり、江戸時代に大判小判を蓄え隠すために行われていた「埋蔵金」などが今日の行政府にあるわけがないが、国民の目に余り触れることの無い特別勘定に隠し金的な巨額の「余剰金」があることが明らかになった。現在の困難な経済情勢と予算難を勘案すると、巨額の「余剰金」を特定の勘定に埋もれさせているよりも景気対策や社会的救済策に使用することが望ましい。
特別会計の「余剰金」や「積立金」(準備金を含む)はこれだけではない。11月14、15の両日ワシントンで開催された主要経済国20カ国で開催された緊急首脳会議(金融サミット)に際し、日本は国際通貨基金(IMF)に1,000億ドル(約10兆円)の融資を行うことを明らかにし、更に同基金の増資を提案したが、その財源は外国為替資金特別会計の積立金・準備金から当てると言われている。国際金融危機に直面している現在、IMFの資金能力を増強することは必要なことであろう。それがばら撒きの拠出金などでなく、「融資・貸付」や「出資」であれば、国際的な資金協力であると共に海外に保有する日本の資産となるので評価出来ないことではない。しかし、日本自身が約800兆円の公的債務を抱え、毎年予算から利子だけでも約11兆円支払い、財政難の大きな要因となっており、その上今後予想される社会保障費の増加などを勘案すると、外国為替資金特別会計の積立金・準備金の恩恵を国内に反映することなく、まず海外に融資・出資すべきなのであろうか。金融サミットでは、財政出動を含め、まず各国毎の景気対策が求められており、IMFの融資能力の拡大は必要としても、新興国を含め、各国への割り当てが合意されたわけでもない。恐らくIMFの機能強化に関する具体的な対応策や各国への割り当てなどは、09年4月に開催される予定の第2回金融サミットに向けて調整されることになろう。公的債務の比率が高い日本の場合、景気対策と共に財政の健全化も課題となっている。IMFへの融資は良いが、結果として10兆円分の積立金・準備金を海外に移し変えることになるので、その前にまず国内での景気対策や財政健全化のためなど、使途を十分検討する必要があるのではなかろうか。(08.11.17.)          (Copy Right Reserved.)
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熟慮を要する特別会計の余剰金、積立金の使途
2兆円にも及ぶ「給付金」の配賦基準や方法を巡り波紋が続いているが、その財源は財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられる方針だ。また有料高速道路の地方料金等の引き下げにも財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられると伝えられている。
いわゆる「埋蔵金」の存在は与党が否定していたところであり、江戸時代に大判小判を蓄え隠すために行われていた「埋蔵金」などが今日の行政府にあるわけがないが、国民の目に余り触れることの無い特別勘定に隠し金的な巨額の「余剰金」があることが明らかになった。現在の困難な経済情勢と予算難を勘案すると、巨額の「余剰金」を特定の勘定に埋もれさせているよりも景気対策や社会的救済策に使用することが望ましい。
特別会計の「余剰金」や「積立金」(準備金を含む)はこれだけではない。11月14、15の両日ワシントンで開催された主要経済国20カ国で開催された緊急首脳会議(金融サミット)に際し、日本は国際通貨基金(IMF)に1,000億ドル(約10兆円)の融資を行うことを明らかにし、更に同基金の増資を提案したが、その財源は外国為替資金特別会計の積立金・準備金から当てると言われている。国際金融危機に直面している現在、IMFの資金能力を増強することは必要なことであろう。それがばら撒きの拠出金などでなく、「融資・貸付」や「出資」であれば、国際的な資金協力であると共に海外に保有する日本の資産となるので評価出来ないことではない。しかし、日本自身が約800兆円の公的債務を抱え、毎年予算から利子だけでも約11兆円支払い、財政難の大きな要因となっており、その上今後予想される社会保障費の増加などを勘案すると、外国為替資金特別会計の積立金・準備金の恩恵を国内に反映することなく、まず海外に融資・出資すべきなのであろうか。金融サミットでは、財政出動を含め、まず各国毎の景気対策が求められており、IMFの融資能力の拡大は必要としても、新興国を含め、各国への割り当てが合意されたわけでもない。恐らくIMFの機能強化に関する具体的な対応策や各国への割り当てなどは、09年4月に開催される予定の第2回金融サミットに向けて調整されることになろう。公的債務の比率が高い日本の場合、景気対策と共に財政の健全化も課題となっている。IMFへの融資は良いが、結果として10兆円分の積立金・準備金を海外に移し変えることになるので、その前にまず国内での景気対策や財政健全化のためなど、使途を十分検討する必要があるのではなかろうか。(08.11.17.)          (Copy Right Reserved.)
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2兆円にも及ぶ「給付金」の配賦基準や方法を巡り波紋が続いているが、その財源は財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられる方針だ。また有料高速道路の地方料金等の引き下げにも財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられると伝えられている。
いわゆる「埋蔵金」の存在は与党が否定していたところであり、江戸時代に大判小判を蓄え隠すために行われていた「埋蔵金」などが今日の行政府にあるわけがないが、国民の目に余り触れることの無い特別勘定に隠し金的な巨額の「余剰金」があることが明らかになった。現在の困難な経済情勢と予算難を勘案すると、巨額の「余剰金」を特定の勘定に埋もれさせているよりも景気対策や社会的救済策に使用することが望ましい。
特別会計の「余剰金」や「積立金」(準備金を含む)はこれだけではない。11月14、15の両日ワシントンで開催された主要経済国20カ国で開催された緊急首脳会議(金融サミット)に際し、日本は国際通貨基金(IMF)に1,000億ドル(約10兆円)の融資を行うことを明らかにし、更に同基金の増資を提案したが、その財源は外国為替資金特別会計の積立金・準備金から当てると言われている。国際金融危機に直面している現在、IMFの資金能力を増強することは必要なことであろう。それがばら撒きの拠出金などでなく、「融資・貸付」や「出資」であれば、国際的な資金協力であると共に海外に保有する日本の資産となるので評価出来ないことではない。しかし、日本自身が約800兆円の公的債務を抱え、毎年予算から利子だけでも約11兆円支払い、財政難の大きな要因となっており、その上今後予想される社会保障費の増加などを勘案すると、外国為替資金特別会計の積立金・準備金の恩恵を国内に反映することなく、まず海外に融資・出資すべきなのであろうか。金融サミットでは、財政出動を含め、まず各国毎の景気対策が求められており、IMFの融資能力の拡大は必要としても、新興国を含め、各国への割り当てが合意されたわけでもない。恐らくIMFの機能強化に関する具体的な対応策や各国への割り当てなどは、09年4月に開催される予定の第2回金融サミットに向けて調整されることになろう。公的債務の比率が高い日本の場合、景気対策と共に財政の健全化も課題となっている。IMFへの融資は良いが、結果として10兆円分の積立金・準備金を海外に移し変えることになるので、その前にまず国内での景気対策や財政健全化のためなど、使途を十分検討する必要があるのではなかろうか。(08.11.17.)          (Copy Right Reserved.)
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いわゆる「埋蔵金」の存在は与党が否定していたところであり、江戸時代に大判小判を蓄え隠すために行われていた「埋蔵金」などが今日の行政府にあるわけがないが、国民の目に余り触れることの無い特別勘定に隠し金的な巨額の「余剰金」があることが明らかになった。現在の困難な経済情勢と予算難を勘案すると、巨額の「余剰金」を特定の勘定に埋もれさせているよりも景気対策や社会的救済策に使用することが望ましい。
特別会計の「余剰金」や「積立金」(準備金を含む)はこれだけではない。11月14、15の両日ワシントンで開催された主要経済国20カ国で開催された緊急首脳会議(金融サミット)に際し、日本は国際通貨基金(IMF)に1,000億ドル(約10兆円)の融資を行うことを明らかにし、更に同基金の増資を提案したが、その財源は外国為替資金特別会計の積立金・準備金から当てると言われている。国際金融危機に直面している現在、IMFの資金能力を増強することは必要なことであろう。それがばら撒きの拠出金などでなく、「融資・貸付」や「出資」であれば、国際的な資金協力であると共に海外に保有する日本の資産となるので評価出来ないことではない。しかし、日本自身が約800兆円の公的債務を抱え、毎年予算から利子だけでも約11兆円支払い、財政難の大きな要因となっており、その上今後予想される社会保障費の増加などを勘案すると、外国為替資金特別会計の積立金・準備金の恩恵を国内に反映することなく、まず海外に融資・出資すべきなのであろうか。金融サミットでは、財政出動を含め、まず各国毎の景気対策が求められており、IMFの融資能力の拡大は必要としても、新興国を含め、各国への割り当てが合意されたわけでもない。恐らくIMFの機能強化に関する具体的な対応策や各国への割り当てなどは、09年4月に開催される予定の第2回金融サミットに向けて調整されることになろう。公的債務の比率が高い日本の場合、景気対策と共に財政の健全化も課題となっている。IMFへの融資は良いが、結果として10兆円分の積立金・準備金を海外に移し変えることになるので、その前にまず国内での景気対策や財政健全化のためなど、使途を十分検討する必要があるのではなかろうか。(08.11.17.)          (Copy Right Reserved.)
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2兆円にも及ぶ「給付金」の配賦基準や方法を巡り波紋が続いているが、その財源は財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられる方針だ。また有料高速道路の地方料金等の引き下げにも財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられると伝えられている。
いわゆる「埋蔵金」の存在は与党が否定していたところであり、江戸時代に大判小判を蓄え隠すために行われていた「埋蔵金」などが今日の行政府にあるわけがないが、国民の目に余り触れることの無い特別勘定に隠し金的な巨額の「余剰金」があることが明らかになった。現在の困難な経済情勢と予算難を勘案すると、巨額の「余剰金」を特定の勘定に埋もれさせているよりも景気対策や社会的救済策に使用することが望ましい。
特別会計の「余剰金」や「積立金」(準備金を含む)はこれだけではない。11月14、15の両日ワシントンで開催された主要経済国20カ国で開催された緊急首脳会議(金融サミット)に際し、日本は国際通貨基金(IMF)に1,000億ドル(約10兆円)の融資を行うことを明らかにし、更に同基金の増資を提案したが、その財源は外国為替資金特別会計の積立金・準備金から当てると言われている。国際金融危機に直面している現在、IMFの資金能力を増強することは必要なことであろう。それがばら撒きの拠出金などでなく、「融資・貸付」や「出資」であれば、国際的な資金協力であると共に海外に保有する日本の資産となるので評価出来ないことではない。しかし、日本自身が約800兆円の公的債務を抱え、毎年予算から利子だけでも約11兆円支払い、財政難の大きな要因となっており、その上今後予想される社会保障費の増加などを勘案すると、外国為替資金特別会計の積立金・準備金の恩恵を国内に反映することなく、まず海外に融資・出資すべきなのであろうか。金融サミットでは、財政出動を含め、まず各国毎の景気対策が求められており、IMFの融資能力の拡大は必要としても、新興国を含め、各国への割り当てが合意されたわけでもない。恐らくIMFの機能強化に関する具体的な対応策や各国への割り当てなどは、09年4月に開催される予定の第2回金融サミットに向けて調整されることになろう。公的債務の比率が高い日本の場合、景気対策と共に財政の健全化も課題となっている。IMFへの融資は良いが、結果として10兆円分の積立金・準備金を海外に移し変えることになるので、その前にまず国内での景気対策や財政健全化のためなど、使途を十分検討する必要があるのではなかろうか。(08.11.17.)          (Copy Right Reserved.)
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2兆円にも及ぶ「給付金」の配賦基準や方法を巡り波紋が続いているが、その財源は財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられる方針だ。また有料高速道路の地方料金等の引き下げにも財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられると伝えられている。
いわゆる「埋蔵金」の存在は与党が否定していたところであり、江戸時代に大判小判を蓄え隠すために行われていた「埋蔵金」などが今日の行政府にあるわけがないが、国民の目に余り触れることの無い特別勘定に隠し金的な巨額の「余剰金」があることが明らかになった。現在の困難な経済情勢と予算難を勘案すると、巨額の「余剰金」を特定の勘定に埋もれさせているよりも景気対策や社会的救済策に使用することが望ましい。
特別会計の「余剰金」や「積立金」(準備金を含む)はこれだけではない。11月14、15の両日ワシントンで開催された主要経済国20カ国で開催された緊急首脳会議(金融サミット)に際し、日本は国際通貨基金(IMF)に1,000億ドル(約10兆円)の融資を行うことを明らかにし、更に同基金の増資を提案したが、その財源は外国為替資金特別会計の積立金・準備金から当てると言われている。国際金融危機に直面している現在、IMFの資金能力を増強することは必要なことであろう。それがばら撒きの拠出金などでなく、「融資・貸付」や「出資」であれば、国際的な資金協力であると共に海外に保有する日本の資産となるので評価出来ないことではない。しかし、日本自身が約800兆円の公的債務を抱え、毎年予算から利子だけでも約11兆円支払い、財政難の大きな要因となっており、その上今後予想される社会保障費の増加などを勘案すると、外国為替資金特別会計の積立金・準備金の恩恵を国内に反映することなく、まず海外に融資・出資すべきなのであろうか。金融サミットでは、財政出動を含め、まず各国毎の景気対策が求められており、IMFの融資能力の拡大は必要としても、新興国を含め、各国への割り当てが合意されたわけでもない。恐らくIMFの機能強化に関する具体的な対応策や各国への割り当てなどは、09年4月に開催される予定の第2回金融サミットに向けて調整されることになろう。公的債務の比率が高い日本の場合、景気対策と共に財政の健全化も課題となっている。IMFへの融資は良いが、結果として10兆円分の積立金・準備金を海外に移し変えることになるので、その前にまず国内での景気対策や財政健全化のためなど、使途を十分検討する必要があるのではなかろうか。(08.11.17.)          (Copy Right Reserved.)
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2兆円にも及ぶ「給付金」の配賦基準や方法を巡り波紋が続いているが、その財源は財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられる方針だ。また有料高速道路の地方料金等の引き下げにも財政投融資特別会計の「余剰金」が当てられると伝えられている。
いわゆる「埋蔵金」の存在は与党が否定していたところであり、江戸時代に大判小判を蓄え隠すために行われていた「埋蔵金」などが今日の行政府にあるわけがないが、国民の目に余り触れることの無い特別勘定に隠し金的な巨額の「余剰金」があることが明らかになった。現在の困難な経済情勢と予算難を勘案すると、巨額の「余剰金」を特定の勘定に埋もれさせているよりも景気対策や社会的救済策に使用することが望ましい。
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