Weekendの麺処巡り がんこ総本家で鯛のアラ
がんこ総本家のスペシャルは、いつも期待を増幅させる
食材が使用され、振る舞われる当日になるのが楽しみであ
る。これまで動物系(獣も入れて)、魚介系、どれもこれ
も徹底的に、周到に、細密に、素朴であり単純で、それで
いて繊細なスープが出来上がる。私はそれを頂くだけだが、
一条安雪家元はああでもない、こうでもないと喧喧学学、
試行錯誤を繰り返し、八面六臂に孤軍奮闘し提供してくれ
るだけに、伺う側としても凛として立ち会わなければいけ
ない。いやそれが義務である、と、思うが如何かな。
そんなこんなで、総本家のスペシャルである。
ウン? 本日は第4日曜日だから“悪魔”の日であった。
悪魔の日も心構えはSPと同じである。そんな心構えをし
て悪魔に立ち向かうのである。
開店前に店頭に到着すると、本日の食材は「鯛のアラ」。
“腐っても鯛”のタイですぞ。しかし、である、ただ鯛と
いっても日本で魚のタイと名付けられたタイは、200種以
上あるといわれている。その中で、鯛中の鯛は10種ほど
しかありません。
で、その王様が「真鯛」(マダイ)だ。それに「黒鯛」
(クロダイ)、「黄鯛」(キダイ)、「血鯛」(チダイ)、
「鰭小鯛」(ヒレコダイ)、「平鯛」(ヒラダイ)などが
タイ科の鯛で10数種。これ以外のタイは“あやかりタイ”と
いうイミテーションだそうだ。
鯛の尾頭付きといえば、結婚式の披露宴で必ず出る目出
度い縁起物として欠かせない魚類の代表格。その鯛のアラ
がふんだんに寸胴の中にぶち込まれ、グツグツと、時には
フワフワと煮込まれ攪拌されてスープになる。この鯛のス
ープのがんこ悪魔が振る舞われる。
本日も“がんこファンタメンタリズム”な皆さんが勢揃い。
入店するものの、スープにコクと旨味を増そうと、食用酒
が1パック、豪快に注ぎ込まれ、アルコールが飛ぶまで少
し待った。そして、一杯の悪魔が登場。
悪魔の塩辛さは押さえられ、いや、鯛の甘味が利いてい
るのだろう。魚特有の生臭さもないものの、この味が鯛、
というのが判らない。それでも、旨い悪魔だった。
アミーゴさん BUSHさん FILEさん Kenちゃん。 たけぞうさん