塩哲の色即是空

私の日常の活動状況を飾り気なく、素のままで表現する。

「街を巡る」鴎外の散歩道「弁慶鏡ヶ井戸」

2008-01-29 05:06:53 | 街を巡る
 のんびりと南下して進むと、東大の池之端門があり、そ
の左側に囲いをされた一角があった。
 境稲荷神社の祠の裏側になるところで、「弁慶鏡ヶ井戸」
(べんけいかがみがいど)と表示が出ている。境稲荷社の
創建は不明であるが、伝承によれば、文明年間(1469~
1486)に室町幕府第9代将軍、足利義尚が再建している。
 社の社名は、この辺りが忍ケ岡(上野台地)と向ケ岡
(本郷台地)の境であることに由来している。
 この社に源義経一行が奥州へ向かう時立ち寄り、弁慶が
井戸を見つけ、一行の皆の喉を潤したと伝えられている。
江戸の頃は、名水のひとつに記録されている。
 この井戸、一度は埋め戻されたものの、昭和15年に再
び掘り起こされ、昭和20年の東京大空襲では多くの被災
者を飢渇から救ったと言われる。
 写真にある記念碑は、掘り出した際に建てられている。
造立者の中には、この近くに住んでいた横山大観の名も
記されていた。
(台東区池之端1丁目6番地13号)