塩哲の色即是空

私の日常の活動状況を飾り気なく、素のままで表現する。

「街を巡る」谷中界隈「あかぢ坂」

2008-01-10 06:35:30 | 街を巡る
 地図を見れば、この近くに坂道が3つある。少し回り道を
してみよう。その一つが「あかぢ坂」。なんだか今の景気の
悪さを反映しているようなネーミング。
 この坂名からして、いわれがあるのだろうと調べてみると、
確かにオチのつく解釈が判明した。
 まずは、この坂道の近くに明治期の財閥のひとつ渡辺家
(当時の上位5番目、トップはもちろん岩崎家)の大邸宅が
あった。渡辺家初代は明石家治右衛門という名で、省略して
明治(あかぢ)と言ったそうだ。
 ところが、この話はまだ先がある。
 大財閥の渡辺家は、明治期に莫大な財をなしたが、昭和初
期の金融恐慌で、同族経営の渡辺銀行が持ちこたえることが
出来ず倒産してしまう。地元、谷根千(谷中、根津、千駄木)
の地元住民も、この渡辺銀行に相当な額を預金していたよう
で、倒産時の損害も大きかったといわれている。そんな経緯
もあり、地元の方が皮肉を込めて「赤字坂」と呼んだという。
(台東区谷中2丁目6番地辺り)