goo blog サービス終了のお知らせ 

tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

万博も開幕し、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

祝!奈良デスティネーションキャンペーンが決定

2008年05月21日 | 奈良にこだわる
JRグループ6社は、平城遷都祭が開かれる2010(平成22)年4~6月、奈良県を対象として「デスティネーション(目的地・行き先)キャンペーン」(DC)を行うことを決め、5/19、荒井知事に決定通知書を手渡した。
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/nara/080520/nar0805200229001-n1.htm

先月(4/7)、奈良日日新聞のY記者がいち早く報じたニュースが、めでたく正式決定したものだ。知事は「決定は大変ありがたい。1300年祭が、かつてのお伊勢参りのような奈良参りになるよう努力したい」(奈良日日新聞 5/20付)と語っていた。
※参考:奈良がJRキャンペーンの候補地に(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6aeccde09b95b6a1172535701e0445d0

お伊勢参りの再現とは威勢が良いが、春の観光シーズン中であり、1300年祭が開催されていることを考え合わせると、まんざら大風呂敷でもない。むしろ決定通知書に書かれた「魅力ある観光素材の開発や、2次アクセスの整備など準備をお願いします」(同)という言葉に千鈞の重みを感じる。奈良市内などでは、鉄道駅から観光地への交通アクセスが大問題になっているからだ。

私はDCを機に、懸案の「パーク&バスライド」が実現することを大いに期待している。現状では、観光シーズン中にお客がJR奈良駅に着いても、そこから東大寺や春日大社に向かう奈良交通バスは大渋滞に巻き込まれて立ち往生している。

今年の5/4などは、近鉄奈良駅から大仏殿春日大社前まで(バス停4つ分)、1時間30分もかかったそうだ。JR奈良駅からだと(バス停6つ分)、2時間かかったかも知れないのだ。

DCでは、全国約1600の主要駅に奈良の大型PRポスターが掲示されたり、JR提供のテレビ番組で県下の観光地が紹介される。遠来のお客は、県内での宿泊が期待できる上客だ。今回のキャンペーン決定を契機に、遠方からの鉄道客に対し、遷都祭を含めどのように県下観光地を周遊していただくのが効率的か、きちんとしたグランドデザインを描かなければならない。

観光客誘致の外部条件は整った。今こそ、奈良の観光企画力が試される時だ。

※写真は、平城(なら)遷都祭2008で5/3撮影。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

呉善花さんが語る「日本人の縄文的世界観」

2008年05月20日 | 日々是雑感
昨日(5/19)、時事通信社の「内外情勢調査会 奈良支部5月例会」で、拓殖大学国際学部教授・呉善花(オ・ソンファ)さんの講演を聞いた。演題は「日韓はなぜ和解しえないのか」だった。

呉善花さんは、1956年韓国済州島生まれ。83年、大東文化大学(英語学)留学生として来日し、その後東京外国語大学・大学院修士課程(米国地域研究)修了。著書は『スカートの風』『攘夷の韓国、開国の日本』(山本七平賞受賞)『日本人ほど個性と創造力の豊かな国民はいない』など約30冊。

昨年10月、ご母堂の葬儀で済州島に帰郷したところ、島の空港で一時入国拒否された、というニュースが報じられていた。《理由は日本での「反韓国的な活動」で韓国当局から入国禁止措置が出ているためという。しかし呉さんは日本に帰化し日本国籍になっていたため、日本の済州総領事館に依頼し韓国当局と交渉した結果、「人道的配慮」としてやっと“帰国”を認められた》そうだ(産経新聞Web版 07.10.9)。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/071009/kor0710091654001-n1.htm

呉さんの奈良訪問は、久しぶりなのだそうだ。十数年前に県内各地を回られ、そのことは『攘夷の韓国、開国の日本』に書かれた。確かに、古代日本と朝鮮半島の交流の史跡をたどる同書の第1章は「飛鳥」である。

「奈良を再訪できて、感無量です。低い山々に囲まれた奈良は、慶州の景色に似ています」とおっしゃる。また「奈良は均(なら)すに由来する言葉ですが、朝鮮語のナラは国という意味です(ウリナラは私の国)。だから余計、奈良に親近感を感じます」。奈良のお寺は百済の寺に似ている。法隆寺の百済観音には、韓国のウォンがたくさんお供えされていた。しかし京都の寺は日本風なので、イライラするそうだ。

韓国人は日本人に優越感を持っている。それは小「中華思想」ともいうべきもので、中国から遠いほど野蛮だということ。いわば、中国は父、韓国は兄、日本は弟。兄は弟よりえらい。韓国人は今も、お酒を飲むとよく「日本と戦争して勝ってみたい」という。だからスポーツでも、相手が日本人となると死に物狂いになる。

日本人は、なぜ韓国人がいつまでも恨みを忘れないのか、と不思議そうに言うが、それは殴られた人が殴った人のことを忘れないのと同じ。韓国人はいつまでも恨みを忘れないことが、生き甲斐なのだ。韓国には今も「日本の統治時代を評価する者は処罰する」という法律があるそうだ。

日本に来る韓国人は、最初の1年目には良い印象を持ち、たいてい日本好きになる。しかし2~3年たつと文化や風俗習慣の些細な違いが気になり、日本嫌いになる。その時期を乗り切ると、また日本びいきになるという。

日本人のメンタリティの特徴は3つある。
1.西洋の影響(欧米化)
2.農耕文化(農耕アジア的な集団主義)
3.縄文的世界観(プリミティブな、前アジア的世界観)

1.では今、いろんな事件が起こり、日本は副作用に苦しんでいる。2.は韓国・中国と同じルーツである。



3.が際立った日本の特徴である。自然志向で、自然を擬人化している(自然と人間が一体化している。対立より調和を重んじる)。これは日本人の美意識に通じるもので、「もののあはれ」「わび」「さび」もここから来ている。だから鈍色(にびいろ)に沈んだ美、歪形の美、地肌そのままの美を尊ぶ。日本は「生(き)の文化」ともいえる。木は白木のままを好むし、刺身も寿司も、とれたて作りたてが肝心だ。
※上の写真は、縄文時代の土偶(東京国立博物館で07.7.28撮影)。

ものづくりに優れているのも、ここから来ている。日本人は、モノすべてに神が宿ると考え、モノを神様と見ている。だから、決していい加減な気持ちでものを作らない。このような縄文的・前アジア的な世界観は高い次元のもので、今も全く行き詰まっていない。ここに日本の未来への可能性がある。

90分の中身を要約すると、以上の通りだ。講演では、興味深いエピソードが挟まれ興味津々だったが、ここではスペースの都合上、割愛せざるを得なかったのが残念だ。

私にとっては、最後の「縄文的世界観」(前アジア的世界観)の指摘が面白かった。「日本人は超近代的なビルの谷間にも小さな神社を残し、通りかかると手を合わせる」との話もあった。考えてみれば、超近代的ビルの建設の際には神主を呼んで地鎮祭をするし、屋上には祠(ほこら)をお祀りする。大木や巨石にはしめ縄を張って拝む。お正月には電車や自動車にもしめ飾りを張る…。

儒教やキリスト教の国では、動植物など万物の頂点に人間がいる。だから自然の命と人間の命が同じ、という発想が通じない。神道や天皇が理解できない。それが「何を考えているのか分からない未開人」という非難を産む…。

日韓の比較にとどまらず、日本人の心の深層構造に迫る、とてもタメになる講演であった。

なお『日本人ほど個性と創造力の豊かな国民はいない』(PHP新書)は、Amazonの「なか見!検索」で、目次や抜粋の立ち読みができるので、いちどお試しいただきたい。
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%BB%E3%81%A9%E5%80%8B%E6%80%A7%E3%81%A8%E5%89%B5%E9%80%A0%E5%8A%9B%E3%81%AE%E8%B1%8A%E3%81%8B%E3%81%AA%E5%9B%BD%E6%B0%91%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84-%E5%91%89-%E5%96%84%E8%8A%B1/dp/4569694500
コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花ざかりのまち(1)

2008年05月19日 | 写真
昨日(5/18)は、自治会の一斉清掃日だった。朝8時から1時間、良い汗をかきながら雑草を刈った。広い道からの進入路の両脇には、いつもたくさんの雑草が茂るので、最近は草刈り機を使い、集めた雑草を車で運ぶようになって、俄然、効率が上がった。

ゆっくりと近所を歩いていると、色とりどりの春の花がたくさん咲いていたので、草刈りの後、久々にマクロレンズを持ち出して、いくつかを撮ってみた。名前の分からない花が多いので、ご存じの方はぜひご教示を。

冒頭の花はカリナタム(キク科でモロッコ原産)。蛇の目模様が特徴的なので、かろうじて名前が分かる。

次は幼稚園で咲いていた花だ。ダリアの1種だろうか、いろんな色があった。



洋花だけでなく、和風の花も咲いていた。山野草のシラネアオイに似た心なごむ花だ。



これは雄しべ・雌しべがすごいので、そこにピントを合わせた。トケイソウのような迫力がある。



おしまいは、ナスの花に似た清楚な花。雌しべの先の1点にピントを合わせて撮ってみた。



毎朝バス停まで歩くとき、「あっ桜が咲いた」「コデマリが咲いた」「今年はハナミズキが早いなぁ」という程度しか花を見ていなかったが、よく観察してみると、多種多様な花が咲いていることに今さらながら気づかされる。育てている人の年齢や趣味がしのばれて、興味深いものだ。ヨソの家の玄関先をのぞき込むのは誤解のもとになるが、花の季節だけはお許しいただくことにして、また写真を紹介することにしたい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

唐招提寺のうちわ渡し

2008年05月18日 | 奈良検定
明日(5/19)は、唐招提寺の中興忌・梵網会(ぼんもうえ)である。一般には「うちわまき」として知られる行事だが、今年は「うちわ渡し」となるそうだ。
※冒頭の写真は、著名人が揮毫(きごう)したうちわの展示(奈良市の東向商店街)。

同寺の公式ホームページによると《梵網会(うちわまき)のお知らせ 5月19日は唐招提寺中興の祖・大悲菩薩覚盛(だいひぼさつ・かくじょう)上人の命日で、その遺徳を偲ぶ法要として中興忌梵網会が講堂で執り行われます。金堂平成大修理も終盤にさしかかり、素屋根解体中でうちわまきのスペースが取れないため、今年は1500本すべてのうちわを手渡しで授与する予定です(雨天決行)》

《午後1時から法要 於講堂、舞楽奉納 於講堂前 午後3時からうちわまき=東室にて1500本のうちわを手渡しにて授与 ※12時から、世界遺産碑前(南大門)にてうちわ引換券を先着1500名に配布します》。
http://www.toshodaiji.jp/

これまでにも危険回避のため、一般用(舎利殿)とは別に、子供・女性用とお年寄り用に、撒かれる場所が別に設けられていた。近年は、撒くうちわの数を少なくし、残りを手渡ししていた。今年はいよいよスペースが取れなくなり、オール手渡しに変わったのだろう。

うちわまきでは、お坊さんの話が面白いことでも定評があった。「女性の方は黄色い声を出さないで下さい。女性に免疫のない若いお坊さんが興奮しますから」「まもなく太鼓と鐘がなります。それがいわばプレゼンテ-ションです」など。



唐招提寺は金堂の大修理や、中国の胡錦涛国家主席の訪問で、注目が集まっている。境内の様子はあまり知られていないが、上の写真のような苔の庭もあり、ひっそりとした良い雰囲気の古寺である(07.11.25 撮影)。

同寺のうちわは雷難、火難、豊作、病気、安産、産児の健康などにご利益があるそうだ。うちわの引換券をもらうためには長蛇の列ができそうだが、これだけのご利益があるのだから、辛抱してお並びいただきたい。
※参考:唐招提寺のうちわまき、近づく!(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/22d49368ddc489bdce9698c7d02c71df
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自販機が鹿を救う

2008年05月16日 | 奈良にこだわる
ダイドードリンコは02年から「『緑の募金』自販機」事業を展開している。

同社ホームページには《2002年2月から設置を始めた「緑の募金」自販機の設置台数は約2,536台(2006年度実績)。売上の一部は(社)国土緑化推進機構に寄付され、杉の苗木を購入する資金などにあてられています。日本国土の約2/3(約67%)は森林です。雨水を蓄え、CO2を吸収する森林を保全していくために、今後も自販機のロケーションオーナーさまとともに「緑の募金」自販機を増やし、森林づくりへの取り組みに貢献していきます》とある。
http://www.dydo.co.jp/dydo_eco/act1.html

ダイドーは、自販機の売上げに応じて、自販機を設置している事業主(ロケーションオーナー)に対して販売手数料を支払っている。その販売手数料のうちから売上げの1%分(事業主が負担)と、その同額分(ダイドーが負担)を合計して(つまり、売上げの2%分)、(社)国土緑化推進機構に寄付しているのだ。お客は直接おカネを負担するわけではないが、間接的に緑化に貢献できることになる(例えば100円のドリンクなら、2円が寄付に回る)。

余談だが、《国土の約2/3(約67%)は森林》であるが、奈良県については、県土の「77%」が森林だ。この比率は和歌山県や岩手県と同率で、東国原知事の宮崎県(76%)や秋田県(72%)より高い。それどころか、奈良県より高いのは、高知県(84%)、島根県(79%)、山梨県(78%)、長野県(同左)の4県だけである。つまり全国で5番目に森林率が高いのだ。
http://www.rinya.maff.go.jp/toukei/genkyou/shinrin-jinkou.htm

さて、冒頭のダイドーと同じ仕組みで、売上げの一部を鹿の保護に役立てる自販機が登場した。近鉄奈良駅から県庁に向かう坂の途中の「大和ビル」(奈良市登大路町・商工会議所ビルの隣)前に、5/9からその自販機が設置されている。毎日新聞奈良版(5/10付)で紹介された。
http://mainichi.jp/area/nara/archive/news/2008/05/10/20080510ddlk29040721000c.html

記事によると《「奈良の鹿(しか)愛護会」(奈良市)を支援する自動販売機の設置が県内で進んでいる。清涼飲料会社などが地域貢献事業として始めた。売上金の一部が愛護会への募金になる》《自販機を9日設置した近畿ペプシコーラ販売(大阪市西区)は、ビルを所有する大東興産(奈良市)と協力し、1本につき数円を愛護会に寄付する》。



やや不鮮明だが、自販機には「この自動販売機の売上金の一部は財団法人奈良の鹿愛護会の活動に利用されます」というステッカーが貼ってある。なお、ドリンクの値段は従来どおりである。

さらに、自販機には純粋に寄付するだけのボタンも付いている。私も財布にあるだけの10円玉を入れてきた(ドリンクは出ない)。



鹿愛護会は、財政面で苦慮している。《愛護会はシカの出産の世話や、けがをした際の救助、観光客の安全のための角きりなどを担当。しかし、会員の年会費の減収などによる財政難に悩まされている。約10年前まで年間の活動資金が1億円以上の時もあったが、05年度には約7500万円まで落ち込んだ。保護したシカのえさ代や捕獲用の麻酔薬などが十分に確保できないこともある》(同)。

愛護会の財政難については、私も当ブログで紹介したことがあるが、問題は深刻である。
※奈良の鹿愛護会
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/8c4269705800588acb3acbaa948fb06b

その窮状が、この自販機の普及によりいくらかでも改善されれば有り難いことである。皆さんも、県庁や文化会館に行かれる途中でこの自販機を見かけられたら、ぜひご協力をお願いしたい。

※写真は東大寺二月堂前で5/11撮影。この小さな祠(ほこら)が興成神社(こうじょうじんじゃ)である。修二会の前後に僧がお参りして祈願するという。奇しくも東大寺、興成神社、鹿(春日大社の神鹿)の3点が1枚の写真に収まった。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする