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万葉集は奈良県のキラーコンテンツ/奈良新聞「明風清音」第23回

2019年08月02日 | 明風清音(奈良新聞)
奈良新聞のエッセイ欄「明風清音」に月1~2回、寄稿している。今週(7/31)掲載されたのは「万葉ブームに乗ろう」。新元号「令和」のおかげで全国的に万葉集がブームになっている。
※トップ写真は「万葉ゆかり地めぐり」の下見(7/31)。この日、最高気温は35℃を超えた
歌碑は「世間(よのなか)の繁き刈廬に住み住みて至らむ国のたづき知らずも」川原寺前で

NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が開催した「サクサクわかる!万葉講座」の初回「万葉学ことはじめ~90分で万葉通に~」(7/27)は、三重県に台風が上陸した荒天の日だったが、約50人のご参加を得て盛況だった。参加された方も「万葉集のことが、とてもよく分かった」と満足されていた。では記事全文を紹介する。

新元号「令和」が万葉集から採られたことで全国的に万葉集がブームになっていることは以前、本欄にも書いた。ブームは衰えを知らず、旅先で書店を訪ねると、地域を問わずどこにでも万葉集のコーナーができていることには驚かされる。このような状況を踏まえ奈良まほろばソムリエの会は7月23日(火)、奈良県庁の文化教育記者クラブで、万葉集に関する講座とウォーキングを開催するという旨の記者発表を行った(本紙24日付既報)。

講座は、奈良では「サクサクわかる!万葉講座」として、南都商事新大宮セミナールーム(近鉄新大宮駅前・南都銀行大宮支店の入居するビル)で7月から計5回、東京では「ざっくりわかる!万葉講座」として、奈良まほろば館(日本橋三越前)で8月から計5回。なお東京では午前と午後に同じ内容で1日2回講座を行う。演題は「万葉学ことはじめ」「万葉集の花」「万葉びとの暮らし」「もっと恋する万葉集」「風雅と酔い泣きの歌人・大伴旅人」(奈良と東京の内容は同一)。

ウォーキングはJR万葉まほろば線(桜井線)の臨時列車を使い、12月上旬に実施する。JR奈良駅から巻向駅まで乗車し、巻向駅からは山の辺の道を歩き、万葉歌碑などをたどりながら大神神社をめざす。列車内ではソムリエの会の講師が「ミニ万葉講座」を行って予習し、ウォーキングでは当会所属のガイドが案内する。

講座もウォーキングも「文化資源活用補助金採択事業」(県文化資源活用課)として行う。
このほか当会では、ナラニクル多目的スペース(奈良市観光センター内)で「万葉集とその時代」をテーマに、10月から毎月第3日曜日に全6回のシリーズ講座を開催する。こちらの演題は「万葉歌人の人間関係と歴史的事件」「長屋王と吉備内親王」「万葉集の挽歌」「奈良の川と万葉集」「万葉びとの『酒』と『食』」「壬申の乱と万葉集」。またクラブツーリズム奈良旅行センター(近鉄奈良駅ビル5階)でも万葉講座を予定している。

このような芸当ができるのも、当会が約四二〇人もの会員を有し、普段から研鑽に努めていることの証しである。当会講座の合言葉は「楽しさの先に奥深さ」。わかりやすい講座でまずは万葉集に親しみを感じてもらい、あとは関連本を読んだり現地を訪ねて深掘りしてもらおうという趣旨である。

万葉集に登場する地名は奈良県が最多で約900(全国では約2900)、まさに奈良県は万葉集のふるさとである。記者会見で当会の豊田敏雄理事長は「万葉集といえば奈良県。全国から多くの人に県内に足を運んでいただき、万葉集ゆかりの場所や歌碑などを訪ねていただきたい。当会が抱える講師やガイドが、しっかりとサポートさせていただく」とコメントした。

万葉集に登場する歌は約4500首だが、これらすべをマスターする必要はない。地元を詠んだもの、地元に歌碑のあるもの、好みの歌人が詠んだものなど、好きなところから始めればいい。最近は関連本が毎月のように出版されているので、お近くの書店で手に取り、気に入ったものをご購入いただきたい。降ってわいた万葉ブーム。万葉集は奈良のキラーコンテンツ、ここは知恵の出しどころだ。



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