11月18日(金)と19日(土)、岩手県陸前高田市(たかた)を訪れた。新生奈良研究会(主管=奈良日日新聞社)とならコープの連携事業として行った視察研修である。その模様が11/25付の奈良日日新聞の1面に《陸前高田市を現地視察 新生奈良研究会×ならコープ 「桜ライン311」PJ、桜の植樹も》として掲載された。引用すると、
※トップ写真は、津波の状況を説明されるマルゴト陸前高田の伊藤雅人さん。市役所で(11/18)
奈良日日新聞社が主管する新生奈良研究会は、ならコープ 森宏之理事長)と連携し、18、19の2日間にわたり、陸前高田市「桜ライン311」視察研修を行った。同研究会のメンバーら13人が参加した。岩手県陸前高田市は、東日本大震災による大津波で市役所庁舎を含む市中心部が壊滅し、市の全世帯のうち7割以上が被害を受けている。
一行は、同市の戸羽太(とば・ふとし)市長らと復興状況について意見交換したほか、震災の記憶を次世代につなげる「桜ライン311」プロジェクトで桜の植樹も行った。
戸羽太市長による特別講話(11/18)
6面にも《つなぐ 震災の記憶 陸前高田市「桜ライン311」視察 新生奈良研究会》というタイトルの記事が載った。
新生奈良研究会の陸前高田市「桜ライン311」視察研修は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市において、震災の記憶をつなぐために、津波到達地点に桜を植樹するプロジェクトに着目し、同プロジェクトを継続的に支援しているならコープと共同で実施した。
東日本大震災から5年が経過し、被災地の現状と課題について、同市の戸羽太市長による特別講話では「規則やルールが多く復興が思うように進まない」という実情が示された。参加した13人は講話に熱心に耳を傾け、メモを取る姿が見受けられた。同市は、津波被害を受けた市中心部を盛り土でかさ上げするための整地がずっと続けられており、住民がいつ戻ってこれるのか不透明な状況だ。
参加者一行は、同市の「奇跡の一本松」も見学。7万本あった松のうち唯一津波に耐えたということで市民にとっての希望でもある。現在、保存のため特殊処理を施し、復興のモニュメントとなっている。市によると周辺に公園を整備する計画だ。また、桜ライン311プロジェクトにおける桜の植樹も、ならコープの職員らと共に行い、被災地の苦しみと希望を心に刻んだ。
「桜ライン311」プロジェクトの岡本翔馬代表。奥のジャンパー姿はならコープの森宏之理事長(11/19)
また同紙のコラム悠言録には、藤山純一社長が、次のように記している。
「国は被災地に寄り添うといいながらルールを変えようとしない。これでは復興、復旧は進まない」―。東日本大震災から5年8カ月が過ぎたが、街全体が壊滅状態となった岩手県陸前高田市の戸羽太市長はこう訴える。18、19日の両日、新生奈良研究会陸前高田市視察研修会で会員の皆さんとともに同市を訪れた。土盛りされた広大な土地が眼前に現れ、今も重機の音が響く状況を目の当たりにして「これが復興の現状なのか」とあぜんとしてしまった。
戸羽市長は一刻も早い復旧に取り組む同市に対して立ちはだかる現行法制や縦割り行政に「腹が立つというより、日本人をやめようという気持ちになる」と忸怩(じくじ)たる思いを吐露。「権限、予算を国から県、県から市町村に降ろすべき」と強調し、「交流人口を増やし経済の支えにする、防災意識を高めるため被災地の一部を公園化、障がい者、高齢者が他の人たちと等しく生きるノーマライゼーション社会の実現を」と熱く語る。
交流人口を増やし市の活性化のため各種研修などを受け入れているマルゴト陸前高田の伊藤雅人理事は言う。「海岸に作られた防潮堤は津波を防ぐものではない。津波から逃れるための時間稼ぎに造られたものだ」と。日本全国、絶対安全であるという地域はない。防災意識はもちろん、被災地に寄り添うため何をするべきか。私たちも人ごとではない。(純)
伊藤雅人さんからは2日間にわたり被災の状況を詳しくお聞きし、いたたまれない気持ちになった。記念植樹にも立ち会い、皆で1本のしだれ桜を植樹したが、どうも心が落ち着かない。何かもっと他にできることはないのだろうか…。ふと思いついて植樹のあと「皆さん、せっかく奈良から来たのだから、お経の1つでも唱えて差し上げましょう」と促し、般若心経を唱えた。
お経を唱えてしばし瞑想し「皆さん、有り難うございました」と申し上げた瞬間、近くの民家の扉がガラリと開き、婦人が紙箱を抱えて出てこられた。「わざわざお訪ねいただいて、有り難うございました。自家製の蒸しパンですが、皆さんで召し上がってください」と、ほかほかの蒸しパンを下さった。土産物店でもよく見かけたが、蒸しパンは当地の郷土食のようだ。上品な甘みがあり、とても美味しい。これが東北の人情の温かさなのだ。
ほかほかの蒸しパン。干しぶどうが入っている(11/19)
それにしてもならコープさんはすごい。早くから「桜ライン311」に継続的に資金面の援助をされているほか、職員さんが訪ねて桜の植樹をされたり、今回は我々とは別コースで一般会員さんからも希望者を募り、3泊(バス車中2泊・民家で1泊)で当地に来られて植樹をされるのだという。
私が被災地を訪ねるのは2度目である。これからも、できる限りの支援をしてまいりたいと心に刻んだ。
※トップ写真は、津波の状況を説明されるマルゴト陸前高田の伊藤雅人さん。市役所で(11/18)
奈良日日新聞社が主管する新生奈良研究会は、ならコープ 森宏之理事長)と連携し、18、19の2日間にわたり、陸前高田市「桜ライン311」視察研修を行った。同研究会のメンバーら13人が参加した。岩手県陸前高田市は、東日本大震災による大津波で市役所庁舎を含む市中心部が壊滅し、市の全世帯のうち7割以上が被害を受けている。
一行は、同市の戸羽太(とば・ふとし)市長らと復興状況について意見交換したほか、震災の記憶を次世代につなげる「桜ライン311」プロジェクトで桜の植樹も行った。
戸羽太市長による特別講話(11/18)
6面にも《つなぐ 震災の記憶 陸前高田市「桜ライン311」視察 新生奈良研究会》というタイトルの記事が載った。
新生奈良研究会の陸前高田市「桜ライン311」視察研修は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市において、震災の記憶をつなぐために、津波到達地点に桜を植樹するプロジェクトに着目し、同プロジェクトを継続的に支援しているならコープと共同で実施した。
東日本大震災から5年が経過し、被災地の現状と課題について、同市の戸羽太市長による特別講話では「規則やルールが多く復興が思うように進まない」という実情が示された。参加した13人は講話に熱心に耳を傾け、メモを取る姿が見受けられた。同市は、津波被害を受けた市中心部を盛り土でかさ上げするための整地がずっと続けられており、住民がいつ戻ってこれるのか不透明な状況だ。
参加者一行は、同市の「奇跡の一本松」も見学。7万本あった松のうち唯一津波に耐えたということで市民にとっての希望でもある。現在、保存のため特殊処理を施し、復興のモニュメントとなっている。市によると周辺に公園を整備する計画だ。また、桜ライン311プロジェクトにおける桜の植樹も、ならコープの職員らと共に行い、被災地の苦しみと希望を心に刻んだ。
「桜ライン311」プロジェクトの岡本翔馬代表。奥のジャンパー姿はならコープの森宏之理事長(11/19)
また同紙のコラム悠言録には、藤山純一社長が、次のように記している。
「国は被災地に寄り添うといいながらルールを変えようとしない。これでは復興、復旧は進まない」―。東日本大震災から5年8カ月が過ぎたが、街全体が壊滅状態となった岩手県陸前高田市の戸羽太市長はこう訴える。18、19日の両日、新生奈良研究会陸前高田市視察研修会で会員の皆さんとともに同市を訪れた。土盛りされた広大な土地が眼前に現れ、今も重機の音が響く状況を目の当たりにして「これが復興の現状なのか」とあぜんとしてしまった。
戸羽市長は一刻も早い復旧に取り組む同市に対して立ちはだかる現行法制や縦割り行政に「腹が立つというより、日本人をやめようという気持ちになる」と忸怩(じくじ)たる思いを吐露。「権限、予算を国から県、県から市町村に降ろすべき」と強調し、「交流人口を増やし経済の支えにする、防災意識を高めるため被災地の一部を公園化、障がい者、高齢者が他の人たちと等しく生きるノーマライゼーション社会の実現を」と熱く語る。
交流人口を増やし市の活性化のため各種研修などを受け入れているマルゴト陸前高田の伊藤雅人理事は言う。「海岸に作られた防潮堤は津波を防ぐものではない。津波から逃れるための時間稼ぎに造られたものだ」と。日本全国、絶対安全であるという地域はない。防災意識はもちろん、被災地に寄り添うため何をするべきか。私たちも人ごとではない。(純)
伊藤雅人さんからは2日間にわたり被災の状況を詳しくお聞きし、いたたまれない気持ちになった。記念植樹にも立ち会い、皆で1本のしだれ桜を植樹したが、どうも心が落ち着かない。何かもっと他にできることはないのだろうか…。ふと思いついて植樹のあと「皆さん、せっかく奈良から来たのだから、お経の1つでも唱えて差し上げましょう」と促し、般若心経を唱えた。
お経を唱えてしばし瞑想し「皆さん、有り難うございました」と申し上げた瞬間、近くの民家の扉がガラリと開き、婦人が紙箱を抱えて出てこられた。「わざわざお訪ねいただいて、有り難うございました。自家製の蒸しパンですが、皆さんで召し上がってください」と、ほかほかの蒸しパンを下さった。土産物店でもよく見かけたが、蒸しパンは当地の郷土食のようだ。上品な甘みがあり、とても美味しい。これが東北の人情の温かさなのだ。
ほかほかの蒸しパン。干しぶどうが入っている(11/19)
それにしてもならコープさんはすごい。早くから「桜ライン311」に継続的に資金面の援助をされているほか、職員さんが訪ねて桜の植樹をされたり、今回は我々とは別コースで一般会員さんからも希望者を募り、3泊(バス車中2泊・民家で1泊)で当地に来られて植樹をされるのだという。
私が被災地を訪ねるのは2度目である。これからも、できる限りの支援をしてまいりたいと心に刻んだ。
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