tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

忌部(いんべ)氏(斎部氏)の祖神を祭る「天太玉命(あめのふとたまのみこと)神社」/毎日新聞「やまとの神さま」第53回

2023年08月15日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が毎日新聞奈良版に毎週木曜日に連載している「やまとの神さま」は、お盆のため、8/10と8/17は休載である。今日、紹介するのは2023年8月3日に掲載された〈半夏生に御湯神事催行/天太玉命神社(橿原市)〉、執筆されたのは大阪府吹田市にお住まいの西野稔さんだった。
※トップ写真は、天太玉命神社の拝殿=橿原市忌部町で

忌部氏のことはご存じなくても、『古語拾遺』を著わした斎部広成のことはご存じではないだろうか(忌部氏=斎部氏)。デジタル大辞泉によると、

【斎部広成】平安初期の廷臣。中臣氏に排斥されて斎部氏が衰えたのを嘆き、「古語拾遺」を著して、斎部氏の由来を明らかにした。生没年未詳。

では、記事全文を紹介する。

天太玉命神社(橿原市)
天太玉命(あめのふとたまのみこと)神社(橿原市忌部(いんべ)町は、曽我川の西岸に鎮座し、忌部氏(後の斎部氏)の祖神である太玉命(天太玉命)など四座をまつっています。

斎部氏は、7世紀に中臣氏と共に天皇のための宮廷祭祀(さいし)をつかさどりました。その後、中臣氏は藤原氏となり、政治的勢力を拡大したのに対し、斎部氏は本拠地のここに居住し、本社は氏神となりました。祭神である太玉命は、日本神話で天照大神(あまてらすおおみかみ)の岩戸ごもりの際に天児屋根命(あまのこやねのみこと)と祭祀を行ったとされています。

本殿は正面の柱の間が四つある四間社流造(よんけんしゃながれづくり)。その左右には境内社の玉依姫命(たまよりひめのみこと)神社と、天児屋根命をまつる春日神社があります。境内には岡本天王社(てんのうしゃ)も建ち、その周りはツバキの木が多いため、開花すると、一面が赤く染まります。

宮司は常駐しておらず、平素は忌部町の自治会によって管理されています。例祭は10月ですが、7月の七十二候の一つ「半夏生(はんげしょう)」の期間に御湯(みゆ)神事が催行されます。

今年は半夏生が始まった翌日の3日に宮司と忌部町の総代ら自治会により無病息災が祈願され、終了後、一般参拝者が御湯を自宅に持ち帰りました。神社は斎部氏の子孫だけでなく全ての町民により、毎夕燈明がささげられ、大切に守られています。(奈良まほろばソムリエの会会員 西野稔)

(住 所)橿原市忌部町153
(祭 神)天太玉命(あめのふとたまのみこと)、大宮売命(おおみやめのみこと)、豊石窓命(とよいわまどのみこと)、櫛石窓命(くしいわまどのみこと)
(交 通)JR金橋駅から徒歩約15分。近鉄大和八木駅からバスで「忌部」下車すぐ
(拝 観)境内自由
(駐車場)車1台分(無料)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 田中利典師の名言集(11)「... | トップ | 田中利典師の提言「富士山の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

やまとの神さま(毎日新聞)」カテゴリの最新記事