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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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高樋の虚空蔵さん・弘仁寺

2008年12月12日 | 奈良検定
奈良検定(1/11)が近づいてきたので、試験の参考になりそうなお寺の話などを、写真とともに紹介することにしたい。まずは、弘仁寺(こうにんじ 奈良市虚空蔵町 公式テキストP65)を取り上げる。

Wikipediaによると《高野山真言宗の寺院。山号は虚空蔵(こくうぞう)山、本尊は虚空蔵菩薩。奈良市の南部、天理市よりの、山の辺北道の中ほどの小高い山、虚空蔵山の山腹にある寺院である。毎年4月13日の十三詣りで有名。通称、「高樋(たかひ)の虚空蔵さん」と呼ばれる》。


細い参道を登っていくと、山門にたどり着く

《弘仁5年(814年)、嵯峨天皇の勅願により、空海が創建したと伝えられる。空海は、自ら彫った虚空像菩薩像を本尊として安置したという。或いは、小野篁を創建者とする説もある。また、先立つ大同2年(807年)に、この地に明星が隕ちたことから、空海が神聖な土地として寺を建立したとも伝えられる》。

このように、元号(弘仁)をとって寺名にしたお寺は、「元号寺(げんごうじ)」という。近くにある正暦寺(しょうりゃくじ)も元号寺だ。
※正暦寺の紅葉(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/5e6795a249fcba9445a3b735f355704e


本堂

《元亀3年(1572年)、松永久秀の兵火により、伽藍の大部分が焼失する。寛永6年(1629年)、宗全によって再興される》。だからこの本堂(奈良県指定文化財)は、1629年の再建である。本尊の虚空蔵菩薩像(木造)は、秘仏なので見ることはできない。

写真には撮らなかったが、本堂には「算額(さんがく)」が掛けられている。算額とは、和算家が自分の発見した数学の問題や解法を書いて神社などに奉納した絵馬のことだ。ここにあるのは《文政10年(1827年)、奥田政八奉納。奈良市指定有形民俗文化財》と《安政5年(1858年)、石田算楽軒奉納。奈良市指定有形民俗文化財》である。


明星堂

訪ねた日(11/17)は、紅葉のきれいな日だった。境内のイチョウやカエデが目を楽しませてくれた。紅葉見物の参拝客でごった返していた正暦寺と違って、このお寺は静かに紅葉を楽しめる「穴場」である。





奈良検定公式テキストでは「祭りと芸能」(P317)のページでも、《6月13日 黄金(こがね)ちまき会式…弘仁寺 かしわの葉で結んだちまきを本尊に備えて、自然の恵みと健康などを祈る会式。ちまきには、家内安全、無病息災の功徳がある》と紹介されている。

アクセスは、JR・近鉄奈良駅から、米谷町行バス25分「高樋町」下車徒歩5分。車だと、30台の駐車場がある(少し坂を歩かなければならない)。180mの小高い丘の上の、静かなお寺だ。清澄の里「粟」での食事などとあわせて、いちどお訪ねいただきたい。
http://narashikanko.jp/kan_spot/kan_spot_data/w_si79.html

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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仏教関連の地名 (畳薦)
2008-12-13 10:06:17
 弘仁寺、私は若葉の頃に正暦寺とセットで訪問しました。小さな山のお寺というイメージで写真では窮屈さが出ませんな。空海に関わって「明星堂」に関心がある。
 それにこのあたりの青垣山になぜ 鹿野園、菩提山
虚空蔵山 と命名されたのか、興味津々ですがまだ調べていないので解はありません。
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忍辱山から菩提山へ (tetsuda)
2008-12-13 11:57:58
畳薦さん、コメント有り難うございました。

> 小さな山のお寺というイメージで写真では窮屈さが出ませんな。

確かに、境内は狭いですね。参道からの景色は広々していて良い感じですが。

> なぜ 鹿野園、菩提山、虚空蔵山 と命名されたのか、興味津々です

ネットで検索してみましたが《奈良時代、仏教隆盛の時、かの釈尊修行の印度五山になぞらえて、菩提山・鹿野園<ろくやおん>・誓多林<せたりん>・大慈仙<だいじせん>・忍辱山と、いずれも寺を造営した》という記述が見つかった程度です。
http://www.7kamado.net/den_yamato/soekami_den2.html

検定テキスト(P66)には《大和の東山一体を印度の五仙山になぞらえ、鹿野園・誓多林・大慈仙・忍辱山・菩提山と称したことに因む》とあるだけです。会社の同僚で、忍辱山(にんにくせん)町の女性が菩提山町に嫁ぎましたが、奈良県外の方には、チンプンカンプンでしょうね。
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弘仁寺本堂の屋根は裳階 ? (ハマシゲ)
2008-12-23 21:00:47
簡素な山門に比較して寺域のなかなかの結構に驚かされる。特に本堂の屋根の姿はなかなかなものだ。
ところで、写真にもある弘仁寺の本堂は二重の屋根のつくりになっているが、これは重層なのか、あるいは「裳階」なのだろうか。 案内書(奈良大和路の古寺)には重層とあるが・・・・・
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どっしりした重層 (tetsuda)
2008-12-24 23:34:15
ハマシゲさん、コメント有難うございました。

> 弘仁寺の本堂は二重の屋根のつくりになっているが、
> これは重層なのか、あるいは「裳階」なのだろうか。

山川出版社刊『奈良県の歴史散歩(上)』(07年6月刊)には「重層寄棟造」とありました。こちらのHPにも《重層のどっしりとした落ち着き》とあります。
http://www.geocities.co.jp/Stylish-Monotone/8192/kodou/kodou_m/yamanobenomichi/kouninnji/kouninnji.html
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