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JR畝傍駅舎、保存・活用へ

2024年03月21日 | 観光にまつわるエトセトラ
先週(2024.3.15 付)の毎日新聞奈良版に〈畝傍駅舎 保存活用へ 市、民間資本導入 JR西に無償譲渡要請 貴賓室解体の恐れで方針転換〉という大きな記事が出ていた。JR畝傍駅には、立派な貴賓室があり、昭和天皇も利用した。橿原市は、この貴賓室を含む駅舎(歴史的建造物)の無償譲渡をJR西日本に要請し、保存・活用するという。
※トップ写真は畝傍駅の貴賓室、毎日新聞の記事サイトから拝借

橿原市は、一時は無償譲渡を断念していたが、貴賓室が取り壊される懸念が浮上したため、方針を転換したという。背後には「JR畝傍駅舎の保全活用を進める会」(代表理事米村博昭)の粘り強い活動があったようだ。では、全文を以下に紹介する。

畝傍駅舎 保存活用へ 市、民間資本導入 JR西に無償譲渡要請 貴賓室解体の恐れで方針転換
昭和天皇も利用した貴賓室が残るJR畝傍(うねび)駅(奈良県橿原市八木町2)の駅舎について、市は13日、JR西に無償譲渡を要請した。市はJR西側から無償譲渡を持ちかけられていたが、整備に多額の公金が必要なことから一時断念した経緯がある。ただ、市で整備しなければ貴賓室が解体される恐れがあり、方針を転換した。民間資本を活用し、歴史的建造物の駅舎を保存活用したい考えだ。【皆木成実】

駅舎は戦前の1940年に建てられた寺社風の建物。現在は無人駅になっているが、神武天皇陵(同市大久保町)を参拝する皇族のために造られた貴賓室がある。JR西は2017年、利用者の減少や施設の老朽化が進んでいるとして、駅舎を改築してコンパクトにする考えを市に示した。一方、駅舎の歴史的価値を考慮し、保存を前提に市に無償譲渡することも同時に提案していた。

市は駅舎の耐震改修に2億円超がかかることなどから、21年に譲り受けをいったん断念した。ただ、JR西との協議で、駅舎がコンパクト化された場合は貴賓室が取り壊される懸念が浮上。駅舎の存続を求める市民団体も設立され、市が駅舎を整備して保存活用するよう求めていた。市が駅舎の保存活用策を再検討したところ、民間資本を活用して整備する案が浮上。公金の投入を抑えられるめどがついたことから、JR西に13日、無償譲渡を要請した。

市は無償で譲り受けられることが決まった場合、具体的な保存活用方法を策定する。歴史的建築の雰囲気を守るために市で整備案をまとめ、民間に改修や維持管理を委ねる案などを検討。地域のにぎわい創出につながる商業施設を駅舎と一体で整備するアイデアなどが出ている。

亀田忠彦市長は、無償譲渡を一時断念した21年は新型コロナウイルス禍で景気が冷え込み、民間に協力を求めることが難しかったと指摘。「今は状況が変わった。『日本建国の地』橿原にふさわしい駅に整備したい」と述べた。市民団体「JR畝傍駅舎の保全活用を進める会」の米村博昭代表理事は「歴史的価値に基づいて改修し、活用するべき。市に期待したい」と話している。


コメント (2)
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