tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

一年の半分雨の大台ヶ原/毎日新聞「かるたで知るなら」第11回

2021年06月21日 | かるたで知るなら(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、同会が制作した「奈良まほろばかるた」を題材に毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「かるたで知るなら」を連載している。先週(2021.6.17)掲載されたのは「深山幽谷と大眺望」、執筆されたのは同会会員で、法隆寺でのガイドも務める柏尾信尚さんだった。梅雨が明ければ、大台ヶ原登山にはもってこいの季節が到来する。今回の記事には一般的なコースも記されている。では、全文を紹介する。

〈一年の半分雨の大台ヶ原〉 
大台ヶ原は奈良・三重両県にまたがる日本百名山の一つで、吉野熊野国立公園に含まれる標高1500㍍前後の台地一帯を指しています。最高峰は県境の日出ヶ岳で1695㍍です。山頂の展望台からは西に大峰山系の八経(はっきょう)ヶ岳(1915㍍・近畿最高峰)が、東には熊野灘や広大な太平洋の大パノラマが望めます。

1961年にドライブウェイが開通するまでは一握りの登山者しか入ることのできない深山幽谷で、雨と霧のため魔の山と恐れられていました。幕末から明治にかけ、探検家・松浦武四郎などにより徐々に調査・開拓が行われ、今では避暑や紅葉を求める多くの人々で賑わう景勝地となっています。

一般的なコースは駐車場から日出ヶ岳に登り、展望台からの眺望を楽しんだ後、県境の道を南下、正木峠を越え、尾鷲辻から神武天皇の銅像が立つ牛石(うしいし)ヶ原に至ります。そこから西へ大峡谷に突き出した大蛇嵓(だいじゃぐら)の大岩壁に立ち、垂直に近い傾斜にスリルを感じつつ、中の滝(落差250㍍・日本の滝百選)の最上部を遠望し、はるか眼下に熊野川上流の東ノ川の流れを望んで駐車場に戻る。深い森と豊かな水を体感できるルートです。

ただ、30年くらい前まではほとんど目にしなかったシカが大幅に増え、食害が発生、特に正木峠付近では立ち枯れした木々の異様な光景が広がっています。一年の半分が雨といわれ、年間降水量が5000㍉を超えることがある大台ヶ原。奈良県南部の降水確率を確認してお出かけください。(奈良まほろばソムリエの会会員 柏尾信尚)

大台ヶ原ビジターセンター
(住 所)上北山村小橡(ことち)字大台ヶ原山660の1 ※開設は4月下旬〜11月下旬
(電 話)07468-3-0312
(交 通)近鉄吉野線大和上市駅からバス約1時間50分 ※運行日は要確認
(駐車場)有


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