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TPP世論調査、賛否が拮抗!

2011年11月08日 | 意見
TPPが日本を壊す (扶桑社新書)
廣宮 孝信 (著) 青木 文鷹 (監修)
扶桑社

共同通信社が行った全国世論調査によると、TPPに関する賛否が拮抗した! 日経新聞Web刊(11/7 20:59配信)によると《TPP、賛否拮抗 共同通信世論調査、内閣支持率47%に下落》《共同通信が5、6両日に実施した全国電話世論調査で、環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題をめぐり「参加した方がよい」は38.7%、「参加しない方がよい」は36.1%と賛否が拮抗していることが分かった》。

《参加した場合の影響を政府が「説明していない」との回答は計78.2%に達し、「説明している」の計17.1%を大きく上回り、政府の姿勢に強い不満をうかがわせた。野田内閣の支持率は47.1%で、前回10月調査より7.5ポイント減。50%を割ったのは9月の政権発足後初めて。不支持率は34.3%で6.5ポイント増。野田佳彦首相は10日にTPP交渉参加を正式表明する方向で調整しているが、一層の説明責任が課された格好だ。民主党の支持率は25.1%、自民党は20.5%だった》。

先月の日経新聞(10/30付)に、日経電子版の読者に対して「TPP交渉への参加は日本経済にどう影響するか」と聞いた調査結果が出ていた。それは「プラスが大きい」66%、「マイナスが大きい」22%と、圧倒的に肯定的な結果だったから、この1週間での世論の変化が、よく見て取れる。折しも、弁護士で衆議院議員(自民党)の稲田朋美氏が産経新聞(11/7付)「正論」欄に、ズバリ「普天間のツケをTPPで払うな」という胸のすくような直言を書いておられたので、紹介する。《TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)議論が沸騰している。TPPは全てのモノの関税を原則即時撤廃し、サービス、貿易、投資、労働などを自由化することを目標とし、現在9カ国が交渉中だ。当然ながら、交渉参加国それぞれに思惑がある。例えば、米国は、アジア太平洋地域への輸出と国内雇用の拡大、地域でのリーダーシップの強化を狙っている》。

《TPPが、将来の日本の国柄に重大な影響を及ぼすことは明らかで、交渉に参加するなら、国会での十分な議論が不可欠だ。だが、どうやら衆院予算委員会で1日だけ集中審議し、12日からのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会合で野田佳彦首相が交渉参加を表明するらしい。外務委員会で玄葉光一郎外相に質(ただ)したが、参加決定手続きは未定、最終的には首相判断という曖昧答弁だった》《もともと、民主党は、昨年の参院選のマニフェスト(政権公約)でも全くTPPに言及せず、菅直人前首相の昨年10月の所信表明で突如浮上してきた。しかも、今に至るまで、交渉参加の原則的な方針すら決まっていない。コメにかける関税をどうするのか。輸入食品、医薬品、化粧品の安全基準はどうなるのか。海外の弁護士や外国人労働者の規制なくして、国民の生活や雇用は大丈夫なのか》。

《正確な情報も発信されず、交渉に参加すべしとか、ルールを作るとか、途中で脱退できるのできないの、と抽象的な議論に終始しているようでは、全てをなし崩し的に譲歩することになるのがオチである。民主党は小泉構造改革による格差拡大を批判して政権を取った。それがなぜTPP推進なのか》《民主党政権の最大の失政は普天間と尖閣だ。普天間飛行場の県外移転というできもしない公約で日米関係をがたがたにし、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件での弱腰外交で世界中から足元を見られている。閣僚は竹島も北方領土も「不法占拠」と言えなくなった。韓国は竹島に次々に構造物を造り、ロシアは大統領が北方領土を訪問したが、日本はまともに抗議すらできない。こんな民主党に国益がかかる外交を任せておけようか》。

《TPPは米国の輸出拡大と雇用創出のためにある。普天間で怒らせた米国のご機嫌を取るために交渉に入るとすれば、政権維持のために国を売る暴挙だ。これ以上の失政の上塗りはやめるべきだ》《日本は「儲(もう)けたもの勝ち」「何でもあり」を是正し、カジノ資本主義を正す責務がある。TPP参加は、そういう役割を自ら放棄することになる。なぜなら、TPPは米国の基準を日本が受け入れ、日本における米国の利益を守ることにつながるからだ。それは、日本が日本でなくなること、日本が目指すべき理想を放棄することにほかならない。TPPバスの終着駅は、日本文明の墓場なのだ》。ここまでズバリ書いていただくと、もう何も付け加えることがない。

TPPを「農業と製造業の利害の対立」ととらえる人が多いが、それは違う。例えば農産物の「過激な自由貿易」(=TPP)と円高により、安全基準の曖昧な農産品・食品がどんどんわが国に輸入される。これは全国民の「食」の安全・安心を脅かすのであり、単なる「事業者の問題」にはとどまらないのである。野田首相は11/10にも記者会見を開いて政府方針を示す見通しであるが、このような状況では、それも覚束ない状況だ。今週がヤマ場である、動向を注視したい。
コメント (5)
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