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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

万博も開幕し、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

曹洞宗認可の参禅道場・三松寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第79回

2020年12月04日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。11月26日付で掲載されたのは「坐禅体験ができる寺/三松寺(奈良市)」、執筆されたのは奈良市在住の青木章二さんだった。三松寺は坐禅だけでなく、合気道、剣道、空手、書道、茶道などが学べる文化研修道場である。では記事全文を紹介する。  
※トップ写真は、坐禅参加者を鋭い眼光で見守る達磨大師=奈良市七条の三松寺で 

奈良盆地を見下ろす西ノ京丘陵に位置する三松寺(さんしょうじ)は、曹洞宗の禅寺で三松禅寺(さんしょうぜんじ)としても知られています。1679(延宝7)年に大和郡山城主・本多政勝公一族が関わる寺として建立され、その後、本多家、柳沢家の家臣の菩提寺(ぼだいじ)となりました。

また、同寺は修行の実践と学問を共に究める「行学一致」の大和盆地唯一の寺子屋として、数多くの有能な人材を輩出してきました。楼門をくぐると正面が本堂です。左側には坐禅(ざぜん)堂があり研修道場として使われています。

その道場に一歩足を踏み入れると、正面の壁一面に描かれた禅宗の祖、達磨大師(だるまだいし)の迫力ある絵に出迎えられます。この絵は、旧一万円札の聖徳太子を描いた馬堀喜孝画伯により描かれました。大師の絵としては東洋一の大きさといわれ、ギョロッとした眼光に圧倒されます。

三松寺では、誰でも参加できる定例坐禅会を毎週土曜日の午後7時から開いています。達磨大師に対面し、身体・呼吸・心を調えて、坐禅を体験されてはいかがでしょう。同寺は地域との交流を大切にされ、剣道、合気道、空手、書道、茶道も教えられています。(奈良まほろばソムリエの会会員 青木章二)

(宗 派)曹洞宗
(住 所)奈良市七条1の26の10
(電 話)0742・44・3333
(交 通)近鉄九条駅から徒歩10分
(拝 観)境内自由
(駐車場)有(無料)


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志貴皇子(しきのみこ)の離宮を前身とする白毫寺(びゃくごうじ)/毎日新聞「やまと百寺参り」第78回

2020年11月23日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(2020.11.19)掲載されたのは「境内に浄土も冥界も/白毫寺(奈良市)」、執筆されたのは同会会員の梶尾怜さん。梶尾さんは2018年に「奈良まほろばソムリエ」に合格され、それは同年の最年少合格者だった。
※トップ写真は、白毫寺山門と趣のある自然石の石段=奈良市白毫寺町で

今回の見出し、私なら「境内に地獄も極楽も」とするところだが、すっきり「浄土も冥界も」と書くところが梶尾さんらしくて良い。山門周辺の写真はまだ青葉だが(手前にチラリと萩が写っているが)、ちょうど今ごろは紅葉のシーズン、たくさんの参拝者が訪れていることだろう。では、記事全文を紹介する。

白毫寺は万葉集に詠まれた高円山(たかまどやま)のふもとにあり、境内からは奈良盆地を一望することができます。天智天皇の第七皇子、志貴皇子(しきのみこ)の離宮があり、その山荘を寺にしたものと伝わっています。奈良市指定文化財の本堂は、江戸時代に再建されたもので、簡素で力強い造りです。

静寂に満ちた厳かな空間のなかに、阿弥陀(あみだ)三尊の姿が浮かび上がってきます。すっきりとして若々しいお顔立ちの阿弥陀如来と、その両脇に大変珍しい前かがみの姿勢で控える勢至菩薩(せいしぼさつ)と観音菩薩。膝を軽くついて腰を浮かし、衣はふんわり翻(ひるがえ)り、今まさに恭しくお迎えにあがった、という来迎(らいごう)の瞬間を切り取っています。

本堂の裏手の宝蔵(ほうぞう)には、本尊の阿弥陀如来のほか、冥界(めいかい)の主である鬼気迫る表情の閻魔王(えんまおう)など、重要文化財の仏像8体がおさめられます。本堂の阿弥陀三尊が醸し出すおだやかで心安らぐ雰囲気とは対照的な、冥界の異様さにも触れることができるでしょう。

関西花の寺十八番札所としても知られ、春には五色椿、秋には萩など、四季折々の花が境内を彩ります。これからは紅葉や寒桜が見ごろを迎えます。(奈良まほろばソムリエの会会員 梶尾怜)

(宗 派)真言律宗
(住 所)奈良市白毫寺町392
(電 話)0742・26・3392
(交 通)市内循環バス「高畑町」下車、徒歩約20分
(拝 観)9時~17時、500円
(駐車場)無


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近畿自然歩道が通る山岳寺院・東明寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第77回

2020年11月18日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(11/12)掲載されたのは「異国の面影、薬師如来/東明寺(大和郡山市)」、執筆されたのは奈良市在住の西慶子さん。西さんはこのコーナーでは、初の執筆となる。

東明寺は矢田寺の北にあるのだが、意外と知られていない。お寺のHPを見ていると、「散策のすすめ」というページがあった。そこには、大和郡山市 観光おすすめ 十三のコ-ス」のNo.10として、

自然豊かな矢田丘陵 東明寺から矢田寺
【距離】約 5 ㎞ 【所要時間】約 2 時間
横山口バス停→矢田坐久志玉比古神社→東明寺→矢田寺→横山口バス停


というコースが紹介されていた。5kmで2時間とは、手頃なコースだ。矢田坐久志玉比古(やたにいますくしたまひこ)神社(楼門に大きな木製プロペラが奉納されている)も参拝できるので、私もいちどチャレンジすることにしたい。では記事全文を紹介する。

横山口のバス停から徒歩30分、急坂を登ると東明寺(とうみょうじ)の山門にたどり着きます。樹々の香りに包まれた矢田丘陵の高所に建つ山岳寺院です。開基は693(持統7)年、日本書紀を編さんした舎人(とねり)親王によると伝わります。持統天皇の眼病回復を祈り、この山の霊水で眼を洗うとたちまち平癒したとのことです。

本尊の薬師如来坐像(ざぞう)には独特の魅力があります。二重まぶたの異国的な風貌に、引き締まった逆三角形の体躯(たいく)が力強く若々しい印象です。桜の一木造り、平安時代の作とされています。衣には濃い朱、肌には淡い朱が施されていました。
    
この像に付けられている板光背(いたこうはい)には、墨で見事な唐草文様が描きめぐらされていたことが、赤外線調査でわかっています。全面に踊るように翻る文様を、堂内の写真パネルで見ることができます。朱(あか)い薬師如来像と黒い唐草文(からくさもん)。そのコントラストは、本尊の持つ霊力をいっそう際立たせていたことでしょう。

山深く静かな境内に、子どもたちの賑やかな歓声がわき、驚かされることがあります。近畿自然歩道が境内を抜け、子どもの森へと向かうハイキングコースになっています。(奈良まほろばソムリエの会会員 西慶子)

(宗 派)高野山真言宗
(住 所)大和郡山市矢田町2230
(電 話)0743・52・7320
(交 通)近鉄郡山駅またはJR大和小泉駅からバス「横山口」下車、徒歩約30分
(拝 観)9~17時、500円要予約(6月1~15日は予約不要)
(駐車場)10台(300円)


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優美な檜皮葺の屋根を持つ唐破風・長岳寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第76回

2020年11月07日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。今週(11/5)掲載されたのは「檜皮葺と杉皮葺が共存/長岳寺(天理市)」、執筆されたのは奈良市在住の久門たつおさんだ。長岳寺はよく参拝するが、屋根までは気づかなかった。では、全文を紹介する。
※トップ写真は檜皮葺と杉皮葺の屋根が共存する旧地蔵院の庫裏

「関西花の寺二十五カ所霊場会」に名を連ねる県内7カ寺の1つ。春のツツジで知られますが、晩秋の境内はカエデ、モミジなどの紅葉に埋もれます。「山と渓谷社」が2014年に選定した全国紅葉百選に県内からは談山神社とともに選ばれています。

824(天長元)年、淳和(じゅんな)天皇の勅願で空海が創建した、山の辺の道沿いの古刹。最盛期には48坊を数えましたが、室町中期の兵火や明治初期の廃仏毀釈などの試練を経て現在に至ります。48坊のうち、唯一残るのが旧地蔵院庫裏(くり)と、持仏堂とも呼ばれる同院本堂。切妻造の庫裏は1630(寛永7)年、隣接する宝形(ほうぎょう)造の同院本堂はその翌年の建立で、ともに重要文化財に指定されています。

庫裏は玄関部分が優美な唐破風(からはふ)造で檜皮葺(ひわだぶき)、その他は杉皮葺という素材の異なる屋根の共存に趣があります。杉皮葺は大和葺とも呼ばれ、吉野産などの杉の樹皮を調達しやすいことから江戸期の「地産地消」と言えそうです。現在、旧地蔵院は長岳寺の庫裡として使われ、室町期の様式を伝える書院造の座敷が歴史を感じさせます。旧地蔵院の庫裡に南に小池のある江戸初期の庭園が参拝者を和ませます。(奈良まほろばソムリエの会理事 久門たつお)

(宗 派)高野山真言宗
(住 所)天理市柳本町508
(電 話)0743・66・1051
(交 通)JR柳本駅から徒歩約20分、もしくはJR・近鉄天理駅、JR・近鉄桜井駅からバス「上長岡(かみなんか)」下車、徒歩約10分
(拝 観)9時~17時、400円
(駐車場)有(無料)


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柳澤家の菩提寺・永慶寺、二代藩主・吉里が甲府から移築/毎日新聞「やまと百寺参り」第75回

2020年11月02日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(2020.10.29)掲載されたのは「柳澤吉保、建立の寺/永慶寺(大和郡山市)」、筆者は大和郡山市在住で地元ガイドも務める務める浅井博明さんだった。
※トップ写真は、永慶寺本堂に掲げられている柳澤吉保直筆の扁額

記事タイトルに「柳澤吉保、建立の寺」とあるが、吉保(よしやす)は郡山には来ていない。甲府で永慶寺を建立し、二代藩主の吉里が甲府から郡山に国替えとなった時、寺を移転したのである。だから大和郡山市観光協会のHPには、

黄檗宗龍華山。郡山城主柳澤家の菩提寺で、柳澤吉里が甲府から国替えの際、当地に移築したもので、市指定文化財の山門は旧郡山城城門を移築したものといわれている。また、当寺柳澤吉保、同夫人の坐像も市指定文化財となっている。

とある。では、記事全文を紹介する。

柳澤家の菩提(ぼだい)寺である永慶寺は1710(宝永7)年、甲府藩主だった柳澤吉保(よしやす)により、甲斐国(山梨県)に建立されました。1724(享保9)年、二代藩主の柳澤吉里が甲府から郡山に国替えとなった際に寺は今の場所に移されます。

永慶寺には柳澤家に関する数多くの資料が所蔵されていますが、吉保ゆかりの文物(ぶんぶつ)をご紹介します。本堂外陣の正面に掲げられている「永慶寺」の扁額(へんがく)は吉保直筆で、力強い筆の勢いに圧倒されます。春と秋の彼岸、盆と正月の三が日に拝観することができます。また香厳殿(こうごんでん)の仏間に安置されている吉保と夫人の坐(ざ)像は、等身大の仲睦(むつ)まじい寿像(じゅぞう)です。

吉保が著した「護法常応録」(ごほうじょうおうろく)は、黄檗宗(おうばくしゅう) の三和尚(おしょう)と臨済宗の五禅師に直接または筆談により、禅の悟りを尋ねた記録です。館林(たてばやし)藩(群馬県)の小姓組から第五代将軍徳川綱吉の側用人(そばようにん)の就任にいたる二十数年間にわたる記録をまとめています。

このような真摯(しんし)な姿勢で長期間にわたり真理を探求している吉保の姿に、誠実な人柄を見出すことできます。実直に生きようとした吉保の新たな人物像に思いをはせながら、扁額と向き合ってみてはいかがでしょうか。(奈良まほろばソムリエの会会員 浅井博明)    

(宗派)黄檗宗
(住所)大和郡山市永慶寺町5の76
(電話)0743・52・2909
(交通)近鉄郡山駅下車 徒歩約10分 
(拝観)境内自由
(駐車場)有(無料)


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