“旅行が好きで、よく出かけていましたが、愛犬が高齢になり介護が必要になってからは、旅行はできなくなりました。その愛犬は18歳で亡くなりました。折しも新型コロナウイルス蔓延の時期で、スポーツジムも友達とのランチもヘアカラーもやめてしまいました。新型コロナ感染症が5類に移行しても、以前の生活に戻る気力がおきません。庭いじりと読書の日々です。「出費が少ないから遺産が沢山残せるわ」と笑う私に、息子からメールが届きました。
『2人とも、労働世代の時に一生懸命働いてくれたおかげで今の自分と家族があります。頑張って貯めたお金を、今度は自分自身のためにいっぱい使ってください。自分に残すお金は必要ないです。死んだ後に貯金残高を見て少なかったら「ああ、いい人生を過ごしてもらえて良かったな」と思います。これだけしか残してないのか、なんて思うことは絶対にありえません』
優しいメールをありがとう。そうね、平均寿命まではまだ歳月があるから、もっとアクティブに行動してみようかな。でもね、庭の果樹や野菜で四季を満喫し、読書する穏やかな日々も、結構いいものですよ。”(10月3日付け中日新聞)
名古屋市の主婦・森さん(73)の投稿文です。なんと優しい言葉掛けであろう。【死んだ後に貯金残高を見て少なかったら「ああ、いい人生を過ごしてもらえて良かったな」と思います】という言葉に到っては、感激しかない。こう言われたら少しでも有効に使おうと思うであろう。口では何と言おうと、遺産は多ければ多いほどいい。普通ではこの言葉は出てこない。
コロナ禍の何事も控える雰囲気が少し変わってきて、いろいろな行事が再開され、出かける人も増えてきた。余生を考える高齢者には辛い時代であった。体力も気力もなくした人は多い。森さんもそんな辛さを味わいながら、この言葉にもう一度アクティブに行動してみようと思われたようである。
実はボクも全く最近、高齢者の辛さを味わった。人と話している間にふらつきを覚え、家に帰って血圧を測ったら200を超えているのである。急いで病院に行き、治療を受け、4時間くらいで帰宅できた。その後、慎重に行動しているが、これが老化ということかと、実感した。本当に明日はないのである。
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