TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

窮鳥…

2016年04月30日 | 山(県内)
まずはこの写真を



久しぶりの多良岳でのことです。
五家原岳の最後の急登にさしかかった所でオロオロと困り果てている鳥を見つけました。
細く裂けたビニールテープが足に絡まっていたのです。
私が近づくとバタバタと飛ぼうとするのですが、ビニールテープがさらにロープや木にも絡まっていて逃げようにも逃げられないでいたのです。

そうっと両手で捕まえて、テープを外してやろうとしました。
鳥も必死です。くちばしで私の手を何度もつつきます。
通じるわけはないのですが、「ちょっと待ちなさいと言っているでしょう」と鳥を叱りながらテープを外しにかかりました。
ロープのはすぐに取れたのですが、よく見ると右足の指を3本縛る形でテープの切れ端が絡んでいたのです。
それをほどいてやらないと困るはずとくちばし攻撃を受けながらも外しにかかりました。
カミソリがあればすぐに切れるのですが、なかなか切れないのです。はじめは爪で、次に石の鋭利な断面で切ろうとしたのですが切れません。
約20分ほど悪戦苦闘しました。結局切ることはできませんでしたが、縛っていた輪が緩んできて、そこから足を1本ずつ抜いてやりました。




(右足の指に注目 テープが足枷になっていて指が不自然なのが分かります)

思いのほか長くかかりました。
鳥に「ごめんね、苦しかったろう」と言いながら押さえていた手を緩めてやると、一目散に逃げていきました。まるで悪者から逃れるように…
感動的な別れはありませんでしたが、自分ではあきらめずによく頑張ったと満足です。
ひょっとしたら今晩あたり訪ねてくるのかな、人に姿を変えて…
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