天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

百万遍のお念仏!?

2011-11-02 18:41:19 | 京都便り

年に3回、京都の古書店が集まって「古本まつり」が開催されます。

秋の会場は京都百万遍にある知恩寺です。

梵鐘の前ではオークションが行われていて、活気がありました

正面がご影堂。法然上人のお像があります。

近年お像の体内から上人の髪と遺骨が発見されたそうです

 

ご影堂の中には、全長110メートル、重さ320kg、珠の数1810個のお念珠が

二連吊り下げられています。

今もこのお念珠で月に一回「百万遍念珠繰り」が行われるそうです。

実際見るとホント大きいです

 

知恩寺は正しくは「長徳山功徳院百万遍知恩寺」といい、浄土宗大本山の一つです。

ご本尊は釈迦牟尼如来で、法然上人を宗祖ご開山とし

建立されたのはお弟子の勢観房源智上人です。

後醍醐天皇の時代に飢饉や災害があり、第八世の空圓上人が百万遍のお念仏をされた事で

天皇から「百万遍」の勅号を授けられたそうです。

 

弘法大師 利劔名号(りけんみょうごう)

 

ご影堂の角でお声明の練習をされていました。

手前の方が練習中、左の方がご指導されていました。指導員はビミョーなところまでキビシイ

でも、おかげで「南ー無ー阿ー弥陀ー」と、とっても美しい声をしばらく聞かせてもらえました

それにしても、一般の参拝の方の前で練習されるって新鮮ですよね。

 

 

参道の途中に阿弥陀経石が建っています。

石には阿弥陀経の全文が彫られているのですが

現在拝読している阿弥陀経より21文字多いという大変珍しいものです

もともと21文字はあったのに、いつのまにか省かれたという説もあります。

 

その文字は

若一日・・・若七日(専持名号以称名故諸罪消滅即是多善根福徳因縁)其人臨命終・・

( )の部分です。

もっぱら名号を称えると、諸々の罪が消滅する、名号は多善根福徳の因縁である。

というような意味でしょうか。

 

「名号」とはっきり出ている事で、

私が称える行為に功徳があるのではなく、お名号の南無阿弥陀仏に功徳があるのだ、と

味あわせていただきました

 

百万遍のお念仏も阿弥陀さまのおはたらきの真っただ中ですね

(果)