天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

「なもあみだぶつ」と「なむあみだぶつ」の違い

2007-10-19 17:17:32 | 仏教
先日友人から「南无阿弥陀仏」のお念仏、お東では「なむあみだぶつ」、お西では「なもあみだぶつ」とお称えするけど、その違いは何?と質問された。
そう言われれば、私自身もずっと疑問に思っていたことなので真剣に調査しました。

苦節一ヶ月、先日本願寺の教学研究所の三栗先生(主に書誌学的研究)にお聞きして、やっと腑に落ちました。

以後、その回答です。

 一般に、仏教では「南無金剛遍照」というように「ナム」と読むことが一般的といいます。

宗祖はそれとの違いを際立たせるために、「南无阿弥陀仏」と書かれます。
「無」でなく「无」の文字を用いているのです。
その左訓には「なもあみだぶつ」とつけています。(例外が『西方指南鈔』の2ヶ所)

そのため、「无」の字を用いるときは「も」、「無」の時には「む」と読みます。

で、なぜ東西で発音が違うのか?

それは、東西分派の際に、東西の違いを出すためではなかったか。

そういう違いはお寺の荘厳1つ1つ、畳の向きなど多々あります。

例えば、言葉の発音でいえば「善悪」の読み方にもあらわれています。

昔は「ん」を「m」「n」と両者を混同して利用していましたが、お西では「m」をとり zenmaku(ぜんまく)と、お東では「n」をとりzennaku(ぜんなく)と読むようになったとこのこと。

そういう違いだそうです。
この詳細については、玄智さんがお書きになった書物にあるそうです。

おかげで私もいろいろ勉強になりました、ありがとうございました。

(龍)