天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

自狂にゑうて、久しく迷郷に沈まん

2007-04-07 16:21:42 | 仏教
「木仙会」の日でした。
 ↓  
http://blog.goo.ne.jp/tenshinji/s/%CC%DA%C0%E7%B2%F1

縁あって参加して2度目の座禅です。

今回は、呼吸に集中して座禅をしてみました。
お線香が一本消えるまでの時間、大体45分位です。

座禅の後は、道元禅師の書かれた書物をみんなで輪読します。
前回から、道元禅師が32歳の頃に書かれた「辨道話」の購読が始まりました。
この書物には、その当時の日本の仏教界の様子、そして自らの歩み、仏教概論的なものが記されています。

その中に、「いたづらに邪師にまどはされて、みだりに正解をおほひ、空しく自狂にゑうて、ひさしく迷郷にしづまん」というお言葉が。

名誉・お金に惑わされている自分に夢中になっている当時の人の姿が記されています。700年たっても全く今と変わらない、人間って何百年たっても本質は変わらないんだなぁと実感です。

木仙会主宰の木村先生にはいつも驚かされます!
終了後みんなで食事をしている時のこと。
先生は大学者ですよね、という話になりました。すると先生は、

「いやいや私の知っていることは僅かです。大きな所から見ればみんな大同小異ですよ。」

とおっしゃいました。
木村先生は東大名誉教授であり、日本インド学仏教学会理事長という要職を担っておられます。私たちからみれば大学者ですが、それを自慢するのではなく、みんな一緒ですよと、とお話下さるのです。

同じ人生を生きるにも、

自らの地位名誉に迷い、自狂によう生き方。
そうではなく、共に歩んでいく生き方。

道元さんのお言葉から、木村先生のお話から、学ばせていただきました。

本当に、座禅だけでなく教えていただくことがたくさんです。

(龍)