闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

営業に行ってきます♪

2006-11-10 13:23:13 | 雑記
ブログを更新して、はやくパゾリーニ論の続きを書きたいのだが、このところなぜか突然忙しくなって、ゆっくり考えている時間がない。考える時間がないどころか、睡眠時間も充分にとれない。まあこのブログは、決まったテーマについて書くというよりは、自分の日常を書くということではじめてわけだから、あまり難しく考えず、今日は「わが忙し記」を記してみたい。

   *    *    *

忙しさの第一弾は、あるインタビューの原稿校正。これは、私の知りあいが日○大学の学生からインタビューをうけ、その学生から原稿ができあがったので目をとおして欲しいと連絡があったのを、結局私が目をとおすこととなったもの。
ところがこの原稿がなんともいえないしろもので、「神の領域を侵犯する」という発言を「神の領域を審判する」と誤転換しているなんていうのはかわいい方。続く箇所では、「人間は神の似姿」という発言を「神の見姿」などととんちんかんに記している。学校からインタビューの課題を与えられ、インタビューだけはしたものの、自分がインタビューした相手が何を言っているのか、まったく理解していない。全体がこの調子なのでちょっと絶望的になってしまった。
なかでもさっぱり意味がわからなかったのは、「写術」ということば。これは「写真術」だろうかなんだろうかと知りあいにバックしたところ、彼もちょっと考えて、「う~む、これは<写実>だね」ということになった。難しい言葉でもなんでもない。こんな基本的な言葉がちっとも伝わっていないのだ。
そんなことで四苦八苦してようやく校正し、向こうの締め切りにあわせてその学生にバックしたのだが、ありがとうはおろか、届いたとの事務的な連絡もこない。
いったいどうなっているんだろう。

忙しさ第二弾は、私が編集・校正した本の刊行が間近に迫ったこと。これは昨日出版社に電話をいれて知ったのだが、刊行まで一カ月となれば、絶対に置いてくれそうなところに連絡して、本を買い取ってもらわなくてはならない。こういうお得意さんは、刊行と同時に著者署名本を相当部数置いてくれるので、刊行を勢いづけるためにとてもありがたいのだが、署名本は取次店に返本できないので、原則買い取りになる。その部数や仕入れ価格・条件を決めるのが一仕事。ともかくお得意さんに電話を入れて本の概要を伝え、買い取るという内諾をもらったうえで出版社につなげた。
とまあ、出版も仕事としてはいろいろ大変なのだが(まして私のようなフリー編集者は雑用を嫌っている暇がない)、こんなに苦労しても、おそらく著者にはいる印税は数十万円といったところだろう。まして、私のところにはどれだけの恩恵がまわってくることか…。ぼやいていても仕方がない。
編集作業をしながら、某大手書店に今こういう本をつくっていると伝えて、それなら自分のところでサイン会をしてもいいという内諾をもらってあるので、今日はその詰めに行ってこなくてはならない(だから、この記事も早く仕上げなくては!)。

と、ここまでは他人のための仕事。
校正と諸連絡の合間に、ローマのMさんにおくる論文の日本語原稿を作成した。実は今回の論文、日本語で書いておいたものがあったので引き受けたのだが、それでも、日本人に向けて書いた論文をそのまま翻訳するというわけにはいかず、まずはそれを、日本文化のことを何も知らない外国人向けに手直しした。ほんとうは、細かいところまだ少し手直ししなくてはならないのだが、英語にするとき、表現上の問題もあって細部はどうせまた少し変わってくるだろう。ということで、こちらはいちおう完成。
こんな仕事は、どんなに眠くても楽しい。

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さて今から無精髭をそって、書店に営業に行ってきます。