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(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

ビビットレッド・オペレーション 第八話「今日よりも鮮やかに」

2013年03月03日 | 視聴済アニメごった煮
主役がいない方がおもしろい。

 そんな今回のお話は…
 アローンの攻撃を受け重傷を負ったあかね。治療を見守るあおい、わかば、ひまわり。一方、一度は倒したと思われたアローンは繭を作って再生していた。
 繭は軍の兵器では傷を付ける事すらできず、その中でアローンは再生と成長を続けていた。
 繭の孵化までのタイムリミットが近づくなか、大規模攻撃の決断を迫られる政府と連合防衛軍。
 そして、あおい達はあかねの意思を継ぐため、アローンと戦う決意を固めるのだった。
 以上公式のあらすじ。

 お話は前回からの引き続きの後編。攻撃を喰らって重体に陥ったあかねが抜けた為、ドッキングが出来ないあおい、わかば、ひまわりの3人でアローンを倒す、という話を良い緊張感で描いている。
 正直、前回の引きを見て、どうせ次回にケロッとしているんだろうと思っていたあかねが、アバンで担架に乗せられ手術室に入ってく所から始まり、意外にも(失礼)のっけから良い緊張感を持って始まった。その後も、スカイツリーに繭を作り、バリアと周囲500mに電磁パルスの絶対防御線を張った敵に、ジリ貧の戦いを3人で挑んでいく様子を描き、これまでドッキングしてイエー!で終わっていた戦闘から一転、見応えのあるオペレーションを展開させてくれて見ていておもしろかった。

 それというのもやはり、緊張感あってこそだろう。ビビットシステムの要であるビビットレッドことあかねが戦線離脱し、ビビットチームの最大にして最も効果のあるドッキングが封じられたこと、そしてこれまでと同様にして予想の範疇な現在の兵器がまったく効果がなく、東京を放棄しなければならない爆弾を使っても、殲滅できる確立が一桁しかないという状況下であることで、さぁどうすると思わせてくれる。
 まぁ、ここまで見てきてこの物語がけっこう熱血青春路線なことが分かっているので、大体はこうなるんだろうと思うように進んでいきはするのだが(笑)、それは少年マンガ誌で主役が勝つのが分かっているのに読んでいるのと一緒である。
 主役の一時退場に敵の絶対防御線、それに残ったあおいたちを突っ込ませるわけにはいかないとなりつつも、なんだかんだで彼女らがそれでもやると決意し臨んでいくであろうことは、物語上当然なので分かってはいるものの、変身が解けて消えるはずのあかねの武器が消えずに残ってあおいたちがあかねの意志を知り、戦闘に参加できない中で、各々があかねと出会って得たことだったり、後押しさせたことを思い出し、あかねが守ろうとするこの世界を自分たちも守りたいと、意を決し戦いに臨むあおいたちはやはり見ていて熱い。
 また戦闘でも、ドッキングという大技ぶっ飛ばせば済むところが使えない状況でなので、これまで描かれなかった作戦とチームワークがあったのも高揚感を誘う。
 あおいが攻撃して敵の攻撃を引きつけ、攻撃の際に出来る穴をひまわりが閉じないように押し止め、わかばがそこへ突っ込んで本体に爆弾を突っ込む。しかし電磁パルスの影響で時間的余裕はほぼない。こういう状況でも、やるしかないと立案してそれに賭ける。なんとかなることは分かってはいるものの、ジリ貧の電撃戦的な状況の緊迫感がそれを忘れさせてくれるし、あおいたちがそれぞれの役割を担ってひとつの目的に向っていくことが高揚感を感じさせるではないか。
 また作戦通りに事がなってイエー!で終わりではなく、上手くいかなかったのも緊張感を高めて良い。まぁこの辺はいわゆるヤシマ作戦的な演出なのだが、やはり見ていてどうしても、主役側が作戦立てれば上手くいくだろう、という頭があるので、作戦がコケれば「どうするどうなる?」と思わざるを得ないし緊張感も増す。
 そしてここからが今回の一番おいしい所で、あかねの武器ネイキッドラング(だったっけ?)が消えずに残っていたんだから、きっと後で何かあるだろうと思ってはいたが、なるほどと思わせてくれた。
 まず、消えないラングを見て、あおいが「これはあかねの心だ」とし、倒れて意識がない彼女は今も戦っているのだとする。そしてビビットチームの流れの中に、当然黒崎れいの方の流れも挟み込まれるわけだが、れいが赤を倒したとは言え残り3人の手がかりを得ようとしていた所であおいにバッタリと出会ってしまう。
 前回突然帰ってしまったれいは、人生に関わる大事な様を思い出したのだとすると、あおいはそれならあかねは怒るどころか後押ししてくれるだろうと言う。あかねはいつも背中を押してくれて勇気をくれる力になってくれるとするのだ。
 ちなみにこのシーン。自分の目的の為に今の状況を作ってしまったれいと、この状況をなんとかしたいあおいが、お互い立場を何も知らないとは言え、ふたりともやらなければならない事があるとし「お互いがんばろうね!」などという会話をしているむなしさや、上記したあかねの後押しも、れいが今こんな状況を作り出しているアローンに加担しているとあかねが知ったら、本当に背中を押してくれるのだろうかと思わせ、れいとしても、前回突然トマトを握りつぶして去っていってしまった自分に、許してくれるだろうあかねとがんばろうねと言ってくれるあおいを消してまで、やらなくてはならない事なのかと思わせる良いシーンであった。
 話を戻してラングの事だが、いざ決戦へという所であかねのラングを一緒に持ってきて、あかねは今病院で寝ているけれども、心はここにあって3人でも4人のチームなんだとするのだ。
 作戦が失敗に終わり、わかばとひまわりが敵の攻撃を受けてしまうという時に、あおいが助けに急行するも時間とスピード的にどうしても間に合わないとなった時、あかねの「大丈夫だよ」の声と共にラングが展開して推進力になってくれるのだ。
 考えてみれば随分と都合の良い展開である。しかし、ラングをあかねの心だとし、あかねはいつも背中を押して力になってくれていた事を語り、3人でも心は一緒の4人のチームだとしてラングを持ってきた。これらが繋がりを見せているので見ていてそこを都合が良いと思わせない・感じさせない見事なシナリオ展開で、むしろ「あぁ、なるほど!」と納得してしまったくらいである。
 一本のお話の中でそこへ至るまでの繋がりがあって、死ぬかもしれない戦闘に臨む少女たちの緊張感と、チームワークと難敵撃破で見せる高揚感。そして事後に無事なあかねと彼女抜きでがんばった3人、そしてここまで涙を見せなかったあおいが泣いてしまう安心感。さらにはいい所まで持っていきながら目的を果たせなかったれいの慟哭によるむなしさ等々見事に演出していたと思います。毎回こうならいーんだけどなー(苦笑)。

 さて、いい所ばかり言ってきたので、ちょっと気になった所の方も。とても熱い展開は良かったのだけど、やはり(と言っては失礼かもしれんが)残念な部分もあるのだ。
 あかねが倒れて勝率がほんの数%しかない事に14歳の少女たちを突っ込ませられないと、じじい他大人たちはあおいたちに戦闘参加をさせないのだが、それでもあおいたちは死ぬかもしれない戦いに意を決するのは熱くて良い。しかし、そこへ至るまでがちょっと弱いのだ。
 と、言うのも、あおいたちがあかねのおかげでこれまでの自分を変える事が出来、なにより友達だからとするのだけど、これまでそんな死ぬ方が確立高い戦いをしようと思うほどの友情を彼女らは見せてきていないですよね。だから熱い展開にいいなぁとは思いつつも、ここへ至るほどのことは無かったよなぁとも思ってしまったのが一点。
 それと、お姉ちゃん大好きなあかねの妹ももは、第1話であかねがアローンと戦う事になってしまったのをあまり良く思っていないふうだったので、病院でじじいに詰め寄ってもいいと思ったんですよね。なんでお姉ちゃんにこんな危険なことさせるの?!くらいは言っても良いだろう。何せももは小学生なわけだし、こういう緊急事態でちょっとした不満が大きく爆発してしまうことは人なら当然あってもいい。誰もが誰も責めたりしないので、なんか随分良い人たちばかりだなぁと思ってしまったよ。政府高官らが出てくるシーンがあるのだが、そいつらくらいは責任のなすり付けを演じても良かったんじゃないのかなぁ。
 あと一点。これは良かった点なんですが、じじいが7年前の事故の件で、発明によるパテント料を放棄し弁済に充てていたことが語られたのは良かった。
 あかねの家が貧乏な理由の提示でもあるのだが、権利を放棄して事故に遭われた方々にお金が行くようにしたのだろう。それもじじいは「そんなものはただの自己満足だ」と言って切り捨てる。まぁ大変な事故だったみたいなので、亡くなった方であったり生活に一生支障を来す怪我をした人もたくさんいたであろう。毎月お金が入ってきても死んだ人は戻らないし直らない怪我が直るわけでもないが、そうするのとしないのでは雲泥の差がある。自分の家の生活が苦しくなっても償いに充てるのだから立派である。でもまぁ私はそういうことを言いたいのではないのだ。
 今回の前までのじじいを見てきて、こいつはアローンの存在をひとり確信していたからと言って、孫に危険なことさせるは他の家の子供を巻き込むは、自分で辞めておいて信奉者の局長(だったっけ?)のおばちゃん利用してブルーアイランドの人たちを結局使ってるは(じじいは部外者ですよね)随分自分勝手で人のこと考えてねぇマッドサイエンティストみたいな人だなぁと内心思っていたのですが、今回の上記した件で考えが改まりましたよ。
 あかねも妹のももも、じじいのそういう所を知っているから、今、仲良く暮らしているんだなぁと思わせてくれました。これがあるのと無いのとではじじいに対する印象がまったく違うと思うので、そういう意味でも今回のシナリオは良く出来ていたと思います。

 しかしなんだね。主役がいない方がお話がおもしろいってのはどうなんですかね(笑)。

ビビットレッド・オペレーション 第七話「ゆずれない願い」

2013年02月26日 | 視聴済アニメごった煮
初めて引っぱりました。

 そんな今回のお話は…
 続出するアローンの襲撃に対応するあかねだったが、毎日のバイトとアローン対応とで学業に影響が出始めていた。
 学校の指導もあり、次の実力テストで良い成績を取らないとバイト禁止と毎日放課後に補習を受けることになってしまう…。
 そこで、あおい達はあかねのテスト勉強を手伝うために、あかねの家で勉強会を開くこと提案する。
 さらにあおい達はれいを勉強会に誘うのだが…。
 以上公式のあらすじ。

 お話としては前後編の前編という感じで、正直、見ていて特に思う所がなかったなぁ。なんだろう、このピンチ感の無さは。
 あらすじにあるように、家がボンビーなので毎日のようにバイトしている苦学生のあかねが、じじいの所為で世界の命運を背負わされた結果(間違ってないよね)、学業に影響が出てしまったので~という所から話が始まるのだが、まぁ実を言うとそこら辺はかなりどーでもよく、勉強会を開く事になったので、あかねが友達になりたがっている黒崎れいも誘おうとするが~という所がメイン所と言えばメイン所。
 正直な所、あかねはともかく、あおいがれいを誘う事を提案し、わかばやひまわり乗ってくる展開が、どうも「そういう事になっている」感があって気にいらねぇ。
 だってこいつらはれいと何かしらあったわけじゃないからなぁ。まぁでも、そういう事から考えて、前回のサマースクールイベントはれいとあかねを除いたビビットチームを近づける為だったのだろう。しかし、その前回を経たからといって、れいに対する彼女らの気持ちに何かしらの変化があったように感じられなかったので、むしろあおいたちが「あかねを思って」勉強会に誘ったように見えてしまうんだよなぁ。つまり……
 世界の命運を背負わされた結果、学業に影響が出て、今度の試験で赤点とったら(だったっけ?)バイト禁止と毎日放課後に補習に落ち込んでいるであろうあかねを元気づける為にも「あかねが友達になりたがっている」れいを勉強会に誘って「あかねに」元気出してもらいましょう。
 ……というような、あおいたちの思考にしか見えないんですよね。
 あおいたちが「なんで」れいを気にしているのか、が全然見えてこないし、そもそもこれまでれいどころか、あおい・わかば・ひまわりの三人でさえ、ビビットチーム以外の繋がりが感じられなく、あかねとさえ仲良くなっていれば良いみたいな仲の良さしか見れていないので、どうもれいを誘う事に違和感を感じてしまうんですよね。
 だが、そのれいの方はと言うと、彼女は背景を前々回でバッチリ語っているので、行かないって言っているのに勉強会に誘われて困惑する様であったり、あかねが破壊しようとしている示現エンジンの開発者であるじじいこと健次郎の孫であることを知って、何か秘密を探ろうと一転あおいたちの誘いに乗る事に無理が無い。
 そう言う事から考えて、あかねとれいはダブルヒロイン的な立場であるが、あおいたち三人は、あかねの友達という一括りになっていて、主役あかねの付随物に成り下がっている印象だ。これで「友情が世界を救う」んだったらチャンチャラおかしいってもんで、友情も何も無いじゃないか。
 まぁ物語の展開上、れいと云々なければならないのだろうが、それならそれで、ちゃんとあおいたちが黒崎れいを「どうして」気にするかをちょっとだけでも見せるべきなのではなかろうか。
 あかねはもとよりの人懐っこさであったり、前々回のこともあったので、れいを気にする理由があるので良いが、その他の皆さんは、それぞれがそれぞれの思いを持ってれいを気にし出すきっかけを与えて、それぞれがれいとの関係を築いていかないと、れいとの最終段階で結局「あかねとさえ仲良くなっていれば良い」みたいになってしまうじゃないか。
 そうならない為にもあかねたちは、環状の繋がりであったり、それぞれの繋がりがあるように見せて、あかねは中心だけどちゃんとその周りを支える存在としてあおいたちがいるんだと思わせないとダメだよなぁ。そういう意味で、前回ひまわりの水着をわかばと一緒に買いに行った、という一言は良かったのだけど、そこでちょっとした買い物に行くカットのひとつでもあればだいぶ違うのだがなぁ。
 あかねのいない所でも、あおいたちはあかねと同様に繋がりを持っているんだよという所を見せて欲しい。今回で言えば、せっかくれいが野望のためとは言え、一回断った勉強会に乗ってきたのだし、あかねへのサプライズゲストなんだから、あおいたちが夜に携帯で連絡取り合うなり、学校であかねのいない所で「れいちゃんきてくれるって!」みたいなこそこそ話している様とか作れば良いのに。
 そういう少女達の日常生活っていうのがあって初めて、世界の命運を左右する戦いってのにドラマが生まれるんだと思います。このままだと、なんならあかねひとりでれいをなんとかしてアローンと黒幕ぶっ倒して終わりなんじゃないの?になってしまいそう。これではあまりに寂しくはないだろうか。

 お話の方は、アローンぶっ倒したかと思ったら倒せてなくて、あかねがやられて堕ちて行く所で引っぱったのだが、まぁこのまま主役が墜落死する事なんて無いし、謎の敵アローンなんてぶっ倒される為にいるんだから、特に次回が気になりもしない(笑)。それよりも、個人的にはれいの方が気になった。
 まず、れいの部屋での事で、アローン側との契約で、この世界に干渉しない事と示現エンジンをぶっ壊す事、そしてもうひとつ「毎日学校へ行く」がある事だ。干渉するなと言っておいて学校へ行けは劇中れいも言っていたようにけっこう矛盾した話だが、わざわざこんな事を提示してくるんだから、この事には意味があるはず。しかしそれがさっぱり分からないのは続きを気にさせててくれて良い。
 それと、あかねの家の庭で野菜をとる件。ともだちトマト(実がふたつくっついているトマト)を見つけたれいにあかねがラッキーだとして願い事が叶うという話をすると、れいはこれまでの自分の境遇を思い出し、気付かず力を込めてしまってトマトを握りつぶしてしまうのだが、その様子を見る限り、どうも洗脳されているような様子でしたな。
 そこから考えると、アローン側の言っている事ってどうも信用ならず、やっぱりれいは良いように利用されているだけなんじゃないんですかねー。あぁっ!今ピンときたんだけど、干渉するなと言っておいて学校へ行けっていうのは、れいを孤独にさせようとしているんじゃないのか?ほら、何せ「アローン」というくらいだし、れいの撃つ矢も以前にその心が云々言っていたから、れいに強く孤独を感じさせる事によって謎の敵アローンをより強くパワーアップさせたい、ということなんじゃなかろうか。
 ははぁん。それが正しいとするならば、れいは特別孤独であらねばならないわけだから、元の世界で生き残ったのは自分だけ、というのはより孤独感を演出する為のブラフなんじゃないのか?そうすると、れいの両親の死も本当の事かどうか怪しくなってきますなぁ。
 なるほど、上記仮説が正しければ、れいの薄幸さはなかなか良いですな。というか、ビビットチームもよりも、断然れいの方が興味深いわ(笑)。

 あかねたちはもっと4人でキャイキャイして遊んだり喧嘩したりして、物語のキーワード「友情」を示してれいの「孤独」と対比させ、そこから戦闘の方に持っていってくれればもっとおもしろくなるような気がするんだけどなぁ。

ビビットレッド・オペレーション 第六話

2013年02月17日 | 視聴済アニメごった煮
サブタイは「健次郎があかね達の友情パワーを強化しようとするけどとんでもないことに事になる話」です。ブログの中の人に長過ぎると怒られました。

コイツは困った。

 そんな今回のお話は…
 マースクールのため式根島にやってきたあかねたち。
 みずはは、海でなくさないようにとオペレーションキーを預かるが、その目的は健次郎が考えた特訓のためだった。
 サマースクールであかね達の友情パワーを強化することを計画していたが、偶然にもれいに見つかってしまい、れいも特訓に巻き込まれてしまうのだった。
 大がかりになった特訓の成果は…。
 以上公式のあらすじ。

 前回にサマースクール云々言っていた所為もあってか、今回は水着回です。水着回と言えばお賑やかしみたいなもので、多分に洩れず、そのような内容になっている。
 がしかし、冒頭にも書きましたがコイツは困った。せめてもうちょっとなんかあれよと。
 お賑やかしはお賑やかしで良いので、なにか「笑える」であったり、今後の展開の為の「1ピースだけ入れる」なり、なんかあるだろうと思って見ていたのだが、な~んもないのである。要は水着のメインキャストがドタバタ劇するだけなのでちょっとビックリしました。

 まぁ、サブタイからして、じじいこと健次郎が「友情パワーの特訓じゃあ!」と言うからには、じじいの思惑通りには進まないのがお約束なので、そこでじじいの思惑から外れてしまうあかねたちという所でのドタバタ劇で笑わせたいのであろう事は想像に難くない。しかし、これがどうにもおもしろくなくて笑えないのだ。一体どこが笑うポイントだったのか、未だに判別がつかないから困る。
 思い当たる所としては、まず、あかねの水着に押すなと書かれたボタンがついていて、案の定ひまわりが押してしまったと思ったらあかねの水着が膨らんでテントになるという件。
 もう水着が膨らんだ瞬間に、「これ。中に入ったらあかねのデリケートな部分が丸見えだな……」などと思っていたら、オチがまったくその通りだったので、どーしたら良いのかよく分かりませんでしたよ(苦笑)。予定調和で終わらせてどーやって笑えっちゅーねん。「……だよね」で終わりですよ。
 そんな騒動なのかなんなのか分からない事の後に、じじいが謎の敵アローンを語って孤島に4人をおびき寄せるのだが……ここで「ん~?」となるよなぁ。
 百歩譲ってじじいの語りをあかねたちはアローンと信じてしまったのだから、これはどう考えても誰かがオペレーションキーを持ってくる役目を負わなくてはいけないよなぁ。これまで軍艦やら戦闘機やら施設やらをあっさり破壊してしまえるほどのアローンの攻撃を目の当たりにし、戦ってきた彼女たちなんだから、生身じゃダメだということに気付かないのはあまりにおかしい。
 もうそれなんだったら、あかねはバカっぽいので置いておくとして、その他の皆さんが「なんかこれはおかしいよね?」「つか、じじいじゃね?」とか言って、分かって乗っかってあげる展開の方が自然だったような気がしますな。
 そんなこんなで孤島についてからですが、ひょんな事から巻き込まれたれいが、じじいの嫌がらせに窮するあかねたちを助けていくんだけど、そこになんもないんですよね。
 事後に、あかね以外があれはれいだと気付きお礼を言いに行ったので、マフラーで顔を隠すも正体バレバーレであった。ということがオチなのかもしれんが、それじゃオチてないし、せっかくヒーローみたいに颯爽登場してあかねたちを助ける意味がないではないか。
 ヒーローっぽくしたんなら、とことんヒーローにしてあげれば、巻き込まれて捕われのお姫様役のれいがじじいの思惑をひっくり返し、助けにきたあかねたちを逆に助けるっていう本末転倒なドタバタを演出できるのに。
 ついでに最後の爆発オチだが、細かい所なんですけど、じじいのパレットスーツ試作初号機の砲塔にあかねが入って行って上記した水着点とを展開させて~という流れなのだが、あかねは頭から突っ込んで行ったけどすごく危ないですよね。だって膨らむの下半身の部分ですよ?まぁあかねたちがケガしないように武装は風船だったりもしましたが、けっこうな爆発だったので、ケツから入って行かないと顔や頭にケガくらいしてしまうのでは? もうさ、お賑やかしやるならやるで、もうちょっと考えて作れよと思ってしまったよ。
 そしてじじいとあかねの妹ももなのだが、じじいはあかね達の友情パワーの特訓云々言いつつ思惑通りにいかなくて躍起になってむしろ悪玉っぽくなるのは良いのだけど、それならその対比としてももを常に客観視させて冷静な突っ込み役として配置しておかなければ笑いとして効果ないんじゃないか?それがあってじじいの目的と手段が入れ違ってしまうことのドタバタが活きると思うんだけどなぁ。

 とまあ、こんな感じで何一つ良い所が見出せなかったので困り果ててしまったわけである。
 上記しましたが、あかね以外が助けてくれた者がれいだと正体に気付いていたので、おそらくはその3人とれいとの距離を縮めたかったのかなとおもうのだけど、正直、全然そのような気がしないんだからさらに始末に困る。
 こんなドタバタなのかなんなのか分からない話になるくらいなら、普通にサマースクールで果敢にれいにアタックし続ける4人を見せていった方が物語的にも今回の内容的にも良かったような気がします。

 もうちょっと、せめてもうちょっと突っ込んでくれればいいのだけど……。

ビビットレッド・オペレーション 第五話「もうひとつの鍵」

2013年02月10日 | 視聴済アニメごった煮
今回はとても良かったですよ。

 そんな今回のお話は…
 あかねは新聞配達の最中に堤防で鳥と戯れる少女・クラスメイトの黒騎れいを見掛ける。
 彼女に声をかけるのだが、愛想無く去っていってしまう。
 学校で再会しても、朝のことについては何も知らないと言われてしまい……。
 その頃、示現エンジン管理局で戦闘データを解析していた健次郎と紫条は、アローンが第三者によって操られている可能性に気づく。
 以上公式のあらすじ。

 お話は最後のメインキャラで、謎の敵アローンに与する少女「黒騎れい」の話。今までのような、変身してドッキングして謎の敵を倒してイエー!ってだけでなかった所為か興味深く見ることが出来ました。
 内容としましては、これまで謎の敵アローンに弓矢撃っていたので、単純に敵側の人間かと思われていた黒崎れいですが、とある事情と目的の為にやむなく彼らの与しているが、本当は優しい人間なのであるということを表している。
 見せ方として、あかねたちが随分ハッピーな連中なのに対し、かなりの薄幸少女で他人を自ら寄せ付けない。しかしそれには理由があって、どうもあかねの両親が巻き込まれた(?)示現エンジンの事故が関係あるようで、れいの夢で語られるには示現エネルギーの暴走で、れいのいた世界は彼女を残して全て消滅した、らしい。謎の敵アローンを使っているなんだかよく分からない存在はれいに干渉してきて、自分たちに協力し示現エンジンを壊して今の世界を破壊するなら、れいのいた世界を戻してやると持ちかけ、れいはそれに乗った。謎の敵アローンがパワーアップさせる為にれいが打ち込む矢は、彼女がこの世界を壊したいという心、ということらしい。
 話を鵜呑みにするなら、れいはあかねたちとは違う世界の人であり、なくなった自分の世界を再構築する為に謎の敵アローン側についていて、れいとしては今いる世界を壊そうとしているので、干渉しようとはしていないということになる。
 と、こう書くとれいが「今いる世界をぶっ壊して元居た世界に戻すぜー!」となんだかよく分からないアローン使っているヤツラ(以下面倒なのでヤツラと呼称)と結託して邁進しているようだが、実際にはれいはヤツラにいいように使われているし、れいとしてもヤツラを良く思っておらず、両親や友達のいた世界を取り戻すため仕方なく協力している。
 ヤツラは理由は分からないが、あかねたちの世界が気に入らないようで、れいには干渉する事を禁じていて、彼女が子供を事故から助けただけでお仕置きされてしまうのだ。また自分の役目は示現エンジンを壊す事なので、アローンを使わなくともと身ひとつで乗り込むも失敗し、海に落ちてあかねに拾われてケガをし熱があるというのに、ヤツラはカラスの格好でやってきて、グズグズしてないで弓矢撃ってこいと言いにくるのである。
 と、このような事を見せられれば、なんだか可哀想と思うのが普通で、目的の為に悪いヤツラにいいように使われてしまっている彼女がこれからどうなって行くのか、また、あかねたちが彼女をどう救うかを気にさせる。

 今回は特にれいとの対比としてあかねを置いているのが上手く、父と死別し、母はずっと入院中ではあるが、妹と祖父と共に家で楽しく暮らしているあかねに対し、れいはテーブルとイスしかないマンションに一人暮らし。ペット(?)のインコに今日あったなんでもない事をひたすら喋りかけたりする様はあまりに悲しく、第1話で見せていたあかねの日常生活とはかけ離れている。
 また海に落ちてあかねに拾われた際に、彼女の両親の事を知ったれいは、両親が戻ってくるならどんな事でもするかとあかねに問いかけ、うんと答えるが、それは周りの人や友達に迷惑をかけない範囲でならと注釈を付け、今現在のあかねとれいを対比させている。
 大切な人がいなくなった、という点でこのふたりは同じであるのだが、その心の有り様は違っている。しかし、あかねの言葉にはっとするれいは、この世界を壊して全てを取り戻すのと引き換えに、この世界の人間を全て殺してしまうことは正しいのかと疑念を持っていて、その二律背反する気持ちに苦しんでいる。だが今現在は、この世界にれいには何も無いこともあって、自分のしている事はやらなくてはならない事なのだと無理くり納得してその使命を果たそうとしているのが見ていてつらい。
 つらい事もあったけど友達や家族と共に今ある世界を享受するあかねと、全てを失ったため全てを壊して取り戻そうとするれい。このふたりがどう交わって、物語がどういう方向へ向かって着地するのかを期待させてくれるではないか。
 ここまでただ単に「変身してドッキングして謎の敵を倒してイエー!」だけだったが、れいが投入された事によって、ただそれだけでなくなったのは良い。やはりこれからどうなっていくのかなと思わせてくれないと見るのがつらいが、これからは楽しく見られそうだ。

 他ちょっと気になった部分としては、上記の流れからしてあかねだろう。
 れいと友達になりたいあかねであったが見事に拒否られてしまうが、母の見舞いに行った際に、友達になる事が出来なかったと母の前で弱みを見せるのだ。いつも明るくまっすぐゴーなあかねであるが、友達になろうとして「やだ」と言われたことがショックであったという人間らしさを見せてくれた。またそこで母が優しく受け止め持ち上げてくれることがあかねの力であり、またそういう存在が何一つないれいとの対比としても良いシーンであった。
 それとれいに夢でヤツラが言っていた事なんだけど、今ひとつ信用できませんな。今ある世界を壊せばれいのいた世界を戻せるってのは根拠がないし、そもそも、ホントにれいは別の世界云々の人なのかなぁ。世界の消滅はヤツラの暗示か、単純にれいの関わりのある人が7年前の示現エンジンの事故でみんな死んじゃったということを、「れいの世界」としているかだと思うのですが。まぁとにかく、れいはヤツラに騙されているような気がしますな。
 これはちょっと文句なんだけど(笑)、示現エンジンの破壊の役目を負うれいは、破壊さえすればアローンを使わなくともと、単身示現エンジンのあるブルーアイランドへ潜入するのだけど……何故学校の制服で行く?いくらなんでも正体バレの危険が高すぎるだろ。ガンダムのシャアがジャブローに潜入する時にあの衣装のままでいったのと同じくらい妙である(笑)。
 ああ、れいに関連してだが、まぁこれまでもそうだったように、あかね以外がなんでかそれほど関わってこないのが気になってしょうがない。まるであかねとさえ仲良くなっていれば良いみたいに感じられてしまっていかん。友達云々や友情がテーマなのだったら、せっかくの4人のチームなんだし全員がれいに関わって行く様子を見たいしそうあるべきだと思うが、まぁそれは追々そうなるのかもしれないが。
 最後にサマースクールの件でのあおいなんだけど、身体が弱くお嬢様な彼女は友達とお泊まりする事に喜び期待する様はらしくて可愛い。で、やってみたい事として色々挙げていましたが、一番最初が「海でぷかぷかしたり~」だったんですよね。……ははぁん。さてはあおい、泳げないんだな。まぁ身体か弱いのでさもありなんだが、わざわざ「海で泳いだり~」でなく浮き輪でぷかぷか浮かんでいるのを想像しているのだからきっとそうなのだろう。どーでもいーんだけど、可愛い女の子が泳げない様ってなんか可愛らしいと思うのは私だけなんですかね?

 とまぁそんなわけで、今回はとても興味深く見れました。これからも今回のように人物の情景が分かるように描いてくれればおもしろくなっていくと思うので、これからの展開に期待していきたい。
 なんだかんだ言いつつも、私はこのアニメを楽しみに見ているのだ(笑)。

ビビットレッド・オペレーション 第四話「約束」

2013年02月03日 | 視聴済アニメごった煮
駆け足感はあるが……

 そんな今回のお話は…
 ある出来事をきっかけに引きこもりになってしまった少女・四宮ひまわり。彼女は、島中のカメラをハッキングして観察を続けている。
 そんな時、あかね達がアローンと戦うところを目撃してしまう!そんな事を知らないあかね達は、ひまわりが自分の席に置いていたWEBカメラを壊してしまう。
 その事を謝りにひまわりの自宅へ向かうあかね、あおい、わかば。
 居留守をするつもりだったひまわりだが、うそくんの姿に興味を持ち、部屋に招き入れることにするのだが…。
 以上公式のあらすじ。

 ……前回と比べると見れる。お話は引きこもりの四宮ひまわりが四人目のビビットイエローになるという話。
 展開はこれまでと同様に勇気凛々直球勝負なので、特に何か捻ったとかそういう某はなく、いたって普通に進んでいく。なんやかんやあって、引きこもりのひまわりとあかねが友達になって仲間になるぜーというだけのお話だ。
 まぁそんなことは分かりきった事なので、そこで何を見せるかがポイントなんだけど、正直、その分かりきった事以上がほぼないのはちょっと残念。
 というのも、引きこもりだというのに、特にあかねたちがひまわりを引っぱり出すのに苦労したわけでもないし、ひまわりが好きだと言うプラントであったり示顕エンジンは、それを彼女がどれほど好きなのかが今ひとつよく分からないので、あんまり彼女に感情移入できないのだ。
 まず、せっかくの「引きこもり」という設定であるのだが、見ていてひまわりがそんなに引きこもりのような気がしないのだ。まぁ尺の都合もあろうけど、あかねたちが彼女に会うのに苦労したり、ひまわりの取っ付きにくさにあかねたちが苦労したりはもっと強く印象付けても良いだろうと思う。
 引きこもりになっているのは理由があるからで、それが故に人を避けているのだから、その後に明らかになる理由に理屈をつける為にも、あかねたちはひまわりに難儀する部分を見せておくべきなのではなかろうか。ひまわり自身も劇中で「どうせ変な子だって思っているんでしょ」と言っていたように、こんな自分はという自虐もあるので、それでもあかねたちはひまわりがウザイと思うくらいにに関わって、サブタイである所の「約束」につなげてほしかった所だ。
 孤独ってのはそれを愛する人でない限りは寂しいものである。ひまわりは教室にカメラを設置して学校生活を除いているのだから、本当は人と接したいはず、だと思う(だってその辺語られないし/笑)。しかし過去のトラウマから他人を信じる事が出来ないのだ。
 そんなひまわりだから、あかねはあおいやわかばの時のようなアプローチをして失敗して、でも何度もトライして、ひまわりの中にある二律背反する気持ちを揺さぶって彼女の心中が見えれば、トラウマを排し、あかねたちと一緒に守りたいというひまわりの気持ちに同調できるような気がします。
 まぁつまるところを言えば、ひまわりがあかねたちと出会い、なんやかんやあった事で、過去につらい事もあったけど、また信じ合える友達が出来た、それで彼女の心が癒され気持ちが変わった、いや、変わる事が出来た、ということを一番メインに据えるべきだったのではないかと思う。
 前回にも書きましたが、「友情が世界を救う」というキャッチコピーな物語であるので、あかねたちがどういう繋がりを作ってその力を高めて行くかがこの物語の本分なのではないのですかね。なんかメイン所が変身してドッキングして謎の敵を倒してイエー!になっているような気がして、何か違和感を感じてしまうのだが。キッズアニメなら分からんでもないんですがねぇ。どー見てもメインターゲットは成人男子だもの。

 もひとつとしましては、ひまわりが示現エンジンが好きだ、ということ。これはまったく背景が語られていないのよね。まぁ後々語られる事なのかもしれませんが、せめてきっかけくらいは語っても良かったように思う。
 超ハッカーなのは別にいいのですよ、なぜならそれは機械好きという所に付随しているから。しかしその機械好きの発端はおそらくは示現エンジンであったろうから、ひまわりが示現エンジンに興味を持ち、メカニカルな部分はもちろん、外観やそのシステムですらも愛すようになったか説明するべきだろう。
 一応劇中では、エネルギーを世界中に送って、自分たちがそれでどれほど恩恵を受けているか、みたいな事を言っているのだけど、それは好きになっていった後で彼女が得たことだろう。もっと根本的な何かがあったはずで、興味を持つから色々調べるのであって、そうして調べていく中でひまわりが「あぁ、なんてすごいんだ」と心の底から感動しなければ、今のひまわりがじじいの作ったファイアウォールを破るまではならないだろう。
 今のひまわりを形成する部分の説明としてもさることながら、彼女が心の底から感動した事があってこその今回の戦闘だろう。こういう事があってこれほど好きだから、というのがあって初めて「示現エンジンを守りたい」ひいてはエンジンの恩恵を受ける人々を守りたいという所へ直結するのだと思う。
 そういう事が見えてこないので、どうも表面的に感じられてしまうのだよなぁ。全体的に深みが足りないというか、これってただ単に変身ヒロインを見せたいだけなのでは?と思ってしまうのはちょっともったいないのではなかろうか。
 プラントを謎の敵アローンに攻撃されるのを見ている事しか出来ない、中に入れれば自分の持つ技術で一番大切な部分を守れるのに。という今回の件は良いシーンである。しかし、前述したような事が見えてこないので、ひまわりの悲しみやつらさがまったく伝わってこないのだ。それが分かるから彼女が変身ヒロインとなって戦う事に高揚するし、納得も出来るというものだと思うがなぁ。
 変身ヒーローヒロインものっていうのは、結果が分かっているからこそ、その過程や背景、そして人物が大事なのではなかろうか。

 最後に、事後ひまわりが学校いくとか言い出した事なのだが、ええ~?引きこもりが直っちゃったよ。それとこれとはちょっと別なのではないのか?
 人を信じられるようになったということなんだろうけど、それはあかねたちに対してなので、その他大勢の事ではないですよね。ついでに言えばあかね「たち」ではなくあかね「だけ」だし。
 そういう事も考えて、今回のポイントとなった約束ってのはあかねひとりではなく、あおいやわかばもしておくべきだったように思います。
 約束を破られトラウマを作ったひまわりなので、守られたあかねの約束という所で変身アイテムが出る事に無理がないので、その辺は良いのだけど(まぁ上記したように、それでひまわりがどれほど嬉しかったかは描かれていないので、まぁ納得はいく、というくらいのレベルではあるのだが)、四人で1チームなら、ちゃんと全員に関わり持たせないと納得も薄い。あかねと友達になってさえすれば良いのか?と思ってしまう。そんな程度でどれくらい学校に行っていなかったかは分からないけれど、引きこもっていた人が学校行くぜ!にならんだろうよ。
 せっかく取っ付きにくいっていう性格もあるのだから、まぁあかねたちがいるんなら学校に行かないでもない、みたいな行くのか行かないのかくらいにして、次回からあかねたちがお迎えに行って、がんばってひまわりを登校させるとかにした方が、それっぽかったというか納得がいったように思います。
 こういう所も、ヒロイン達が変身して敵をぶっ倒してれば良い、みたいに見える一因でもあるんだよなぁ。尺の都合もあろうけど、もっと突っ込んでいい部分が多々あるのだ。

 とまぁそんなわけで、前回に比べれば随分と見れるシナリオではありはしたけど、見れただけという印象も否めない。もうちょっと抑揚のあるお話になると良いんだけどなぁ。

スマイルプリキュア! 第48話 光輝く未来へ!届け!最高のスマイル!!

2013年01月30日 | 視聴済アニメごった煮
DX3じゃん。

 そんな今回のお話は…
 ピエーロが、なんでも飲み込んでしまう巨大な怪物になってしまった…!
 ハッピーたちは5人の心をひとつにして、立ち向かう!絶対に、負けない…!!
 だけど、ピエーロに跳ね返されてしまい、ハッピーたちは吹き飛ばされてしまうの…。
 プリキュアの変身も解けてしまったハッピーたち。もう一度変身しようとしても、スマイルパクトが…!
 どうしよう…もうプリキュアに変身できないの!?
 たとえプリキュアになれなくても、あきらめるわけにはいかないッ!世界をバッドエンドにしようとするピエーロを止めなくちゃ…!
 みゆきたちは、みんなのスマイルを守れるの…!?
 以上公式のあらすじ。

 う~ん……。
 お話としましては、まぁ前回言った通り、大雑把に言えば「私たちは絶対にあきらめない!」と言って光線を出して終わりなのだが、そこまでにはあらすじにあるように、変身できなくなってしまうも、ミラクルジュエルの最後の力で一回だけ奇跡を起こせるとするが、そうして変身してしまうとキャンディたちの住むメルヘンランドとの関わりが無くなってしまい、彼らとは二度と会えなくなってしまうということが語られ、「キャンディ(友達)と別れたくない」という所から「別れを乗り越えて」という展開なんだけど……これってプリキュアオールスターズDX3ですよね……。
 そもそも、こちとらプリキュアの皆さんが大好きで毎週欠かさず見ているわけで、お共の小動物なんか、正直どーでもいーんですよ。プリキュア5のココナッツみたいならまた話は別なんですがそれはそれとして、上記したようにDX3のようだということと、小動物がどうでもいい、友達云々がピンとこない、ピエーロの行動理念がさっぱり不明、ということがあってまったくと言っていいほど乗り切れなかったよ。
 まぁ、一年欠かさず視聴し続けてきた身としては、なんだかんだ言ってもそれなりに彼女たちには思い入れはあるわけだから、泣かせ所でしんみりくることはくるのだけど、そこへ至るまでにあまりに足りない部分が大きすぎる。
 それはなんと言ってもやはりラスボスである悪の皇帝ピエーロ様だろう。前回も申し上げました通り、ピエーロ様がなんで地球壊そうとしているのかさっぱり分からないのだ。とりあえずラスボスとしての立場から、そういうことをしているくらいしか見えてこないのは如何なものか。
 ピエーロ様のしようとしていることや、その考えがどうしても受け入れられないし間違っている、そのため自分たちだけでなく彼女らの大切な人々が危害を被るからこそプリキュアの皆さんは命を賭して戦っているわけである。しかし、プリキュアの皆さんと相対するピエーロ様の理念がいっこうに見えてこないのだから、一体プリキュアの皆さんが何と戦っているのかが薄ぼんやりとしてしまって、変身できなくなってしまったこと、奇跡の力でもう一度変身するとキャンディとはもう会えなくなってしまうことに危機感が感じられない。つまるところを言えば、まったく感情移入できないのだ。
 悪の大ボスが絶対悪を示し、プリキュアの皆さんがその対極として存在し、倫理道徳上としても善であるからこそ、プリキュアの皆さんがどんな困難でもあきらめずに立ち上がる姿でその善性を示し、悪を討ち滅ぼすことで、人間誰しもが持っている善性が刺激され気持ちいいと感じるのではないかと思う。
 しかし、最初から名前は挙がっているものの、さしたる行動理念のないピエーロ様は、この物語上で「ラスボスである」以上の存在になり得ていない。物語を終わらす為だけに配置されただけの存在にしか見えないのだ。そんなもん主役がぶっ倒して終わりに決まっている。それで盛り上がりも何もあろうはずないではないか。
 ピエーロ様の理念が語られ、それは絶対に間違っている、絶対に許せない、絶対にその野望を阻止しなければならない、ということがあって初めて変身できない、キャンディと会えなくなるということが活きてくるのだ。そんな状況下にあっても、プリキュアの皆さんは全てを前向きに捕らえ、あきらめない姿を見せてくれるから、こんなよごれちまった大人でも「ああ、こういう人間でありたい」と思うことが出来るのだ。一番要の悪が「なんでこんな事しているのか分からない」のだから、いくら1年視聴し続けキャラに思い入れがあるからといっても、それだけでは盛り上がれないのも当然のことだろう。
 常々ここでは言っておりますが、フィクションなんて所詮は空想、絵空事の嘘っぱちですよ。でもそんな絵空事の嘘っぱちでも納得できるんです。そこに疑問がなければ。「なんでこうなの?」と疑問を持ってしまえば一気に現実に引き戻される。そうなれば絵空事の嘘っぱちはただのウソでしかない。しかし、どんなウソでも疑問を持たずに納得することが出来れば、それは見ている人の心に素直に届くはずなのだ。

 それを踏まえてみれば、ピエーロ様が「なんでこんな事しているのか分からない」ということは、プリキュアの皆さんが絶対悪を倒して云々を言いたいのではないのかなという気がしてくる。というのも、この最終回でプリキュアの皆さんがわんわんと泣いているシーンにエラい長い尺が使われている。計ってはいないが、体感では半分くらいは泣いていたような気がします。
 人生において、時にはつらい選択をしなければならないこともあり、大切な人とはなれてしまうこともある。人が人である以上、出会いがあれば必ず別れがくる。ということを伝えたかったのかなーという気はします。
 でもそれだったら、最後にキャンディがまたみゆきたちのいる世界にくることが出来るようになったっていうのは随分な蛇足でしかないよなぁ。個人的には絵本を描き始めたみゆきの所で終わるか、さもなければ、曲がり角を曲がったみゆきがはっと空を見て涙まじりの笑顔になって終わって、キャンディが戻ってきた「かのような」終わり方であった方が(まだ)スッキリしたのだがなぁ。
 ともあれ、正直な所をいうと、こんなに盛り上がらなかったクライマックスはこのスマイルプリキュア!が初めてです。スイートでさえけっこうな盛り上がりを見せてくれたのになぁ。と言うわけで以下、全体的な感想をば。

 物語としては前半戦で上がっていった期待値は、後半戦に入って見事な右肩下がりの下降線を辿ったというイメージだ。
 最初の頃はすごく良くて、固有バンク技を気合いを溜めないと出せなかったり、バンク技一回出したら力を使い果たしてしまったり、楽しいドタバタ劇であったりと新鮮味があったのだが、気合い溜めはさほど多様されたわけでもなく、技が一回しか出せない設定は、いつしか「そんなこともありました」くらいになっているし、ドタバタ劇だけで内容のない話が随分多かったりでせっかくのおもしろい部分がけっこうなおざなり感であったのは残念至極。
 特には第3クールからの展開がそれまでとあまり変わらず、ドタバタ劇に終始したのはあまりに寂しい。おそらくは第1・2クールの評判が良かったのでそのまま続けたのではないかと推測しているが、ドタバタ劇以外に見せる部分があったろうと思う。
 それはキャラクターたちの繋がりだ。そう、キャラではなくキャラ達の「繋がり」の方。
 というのも、最後に「友達」云々言うのであれば、彼女らの友情をもっと描くべきだろう。見ていてみゆきたちが他のシリーズのプリキュアの皆さんに勝るとも劣らないような強固な絆を得たようにはとても見えなかった。イメージ的には同じ部活の友達くらいの感覚だろうか。
 そんなイメージの彼女らが、下手すれば命を失うかもしれない戦いを一緒にしているってのが不思議に思ってしまう。彼女らには絶対に負けられない、絶対に守るという決意と共に、ひとりで出来ないことをみんなでカバーし、団体であることの強さを示してほしかった。
 せっかくみゆきは転校生という設定なのだから、最初はそれこそ「同じ部活の友達くらいの感覚」でも、回を重ねることで各キャラと強く結びついていく、また各キャラが主役であるみゆきに感じ入って距離を深めようとする様子を描いて、この5人だからスマイルプリキュア!なんだと思わせてほしかったように思います。
 そこで一番思うことがあって、それはみゆきの主役度の低さだ。正直、自分はみゆきが主役というイメージが全然ないのだ。
 特にリーダーシップを発揮するわけでもないし、いつも話の中心というわけでもないし、いい所ではっとするような台詞を吐くわけでもなし、そして一番問題なのは絵本好きのメルヘン好きが個性としてまったく活きていないのだ。
 みゆきのここが良い!という光る個性が見えてこないので、主役というよりは5人の中のひとりで落ち着いてしまっているのはあまりに寂しいのではないだろうか。主役はやはり主役足らん所を見せてなんぼだろう。
 二度目になるが、せっかくの転校生という設定である。自分も転校した経験があるので分かるのだが、そりゃ最初はおっかなびっくりですよ。なにせ自分をどのポジションに置けば良いのか分からないし、「自分」というものをどこまで発揮してしまっていいのかも分からないのが普通だろう。学校という場所は、自分というキャラを他人に認識させてポジションを作りどうコミュニティを形成するかが全てと言って良い。(それが上手く出来ないと不登校になったり、いじめの対象になったりするんだよね)
 他の人間がすでにコミュニティを形成しポジションを得ている中に、ポッと身ひとつでその中に放り込まれたのであるから、みゆきの心中とその行動は細かく描くべきだろう。みゆきがどう思ってあかね・やよい・なお・れいかをプリキュアに誘ったか、そしてプリキュアコミュニティを形成し、メンバーがある程度の距離と繋がりがある中で、一番の新参である自分が何をどう思いどう距離をつめて結び付きを作るかは重要だし、当然見せるべき所だろうと思っていたので、それが無く最後まで来てしまった今としては、みゆきがなんだかよく分からない人になってしまった。なんだかよく分からない人の言葉に説得力があるだろうか?いや、ない。それ故のクライマックスでの盛り上がりの無さでもあったのではないだろうか。
 みゆきはこういう人なのだ。だからここでこんな台詞を吐く。こう思っているからこんなにも激昂する。というような、「あぁ、みゆきだからこそ!」というような部分を見せてほしかったし、そういう部分があって他のプリキュアの皆さんが友達になれて良かったと思うわけで、それがあって5人がプリキュアとなって命を賭す戦いに身を投じられるものだと思うし、それでようやく最後の「友達云々」につなげられるのではないかと思います。
 上記踏まえて考えると、このスマイルプリキュア!はその設定を活かしきれていなかった、という気がします。こうなれば良いのにと思うことが多く(特に後半)、一言でいえば「残念」という言葉がしっくりきます。
 でも世間一般的にはこのスマイルプリキュア!はだいぶ好評だったようで、個人的には自分のマイノリティさを思い知ったわけですが、まぁ確かに「楽しいドタバタ劇」は随分楽しかった(修学旅行1日目とかハッピーロボは見事でした。さすが成田良美!)けれど、全体的な物語としてのおもしろさは私には分からなかったなぁ。

最後のまたみてね
 最終回のまたみてねは「みゆき・あかね・やよい・なお・れいか・キャンディ・ポップが抱き合って『みんなえがおでウルトラハッピー!!』」でした。
 キャラデザ川村敏江さんの書き下ろしです。

 で、ここからかなり蛇足なんで読まなくてもいいよー。
 同じ5人のプリキュアものとして、Yes! プリキュア5ってのは良く出来ていたなぁと、このスマイルプリキュア!を見て改めて思ったわけですよ。
 なーんにもできない主人公夢原のぞみは、それ故コンプレックスとかあるし、基本アホな子なので他に迷惑とかすごくかけたりするんだけど、腐ったりしないで強い意志を持ち、がむしゃらに夢を追いかけ、そして無償の愛を失ったりしない。そんな純真な彼女だからこそ、吐く正論に共感できるしはっとさせられる。第7話での「騙す方が悪いに決まっているじゃない!」の台詞は今でも忘れることがありません。
 自分も大概なーんも出来ない人間なので彼女に親近感を憶えるし、自分にない強い心と純真な心に憧れてしまう。「こういう人間でありたい」と思わせてくれるのだ。そう思うのだから、他のプリキュアの皆さんがのぞみに惹かれ、集い、触れ合って、強固な関係を築いていくのを見ても、どこも疑問に思わないしむしろ自然であるし、のぞみの一挙手一投足が気持ちいい。
 物語的にも、最後にラスボス「デスパライヤ」を戦わず、変身を解き、いち人間として説得する様は何度思い返しても「すごい!」と思わざるを得ない。自分と相対する敵を目の前にして、その強大な力で叩き潰すのではなく説得するんだぜ?
 展開上としても「えぇっ?!」思い驚いたこともさることながら、夢原のぞみという人間は実在しないのである。そう、フィクション、絵空事の嘘っぱちのお話の中のキャラクターに「すごい!」と思ったのだ。自分なら絶対に出来ないと思うからだ。
 まぁ冷静に考えれば、だ。フィクションだから出来ることなのであろう。しかし「のぞみはこの土壇場でこんなこと出来るなんてすごいなぁ」と思うほど、感情移入してYes! プリキュア5を私は見ていたということになる。
 現実ではない嘘っぱちのことに心動かされるのだから物語ってのは素晴らしいと思うし、そういう物語に出会いたいと思うし、なにより大好きなプリキュアの物語はそういう物語であってほしい。
 今度からのドキドキ!プリキュアで10年目となりますプリキュアシリーズが、これから20年目、30年目と続きますよう祈りつつ、スマイルプリキュア!の感想を締めたいと思います。

ビビットレッド・オペレーション 第三話「本当の強さ」

2013年01月28日 | 視聴済アニメごった煮
駆け足すぎだろ。

 そんな今回のお話は…
 ブルーアイランドの学校に転校することになったあかね、あおい、もも。その初日に遅刻しそうになったあかねは、パレットスーツに変身して登校しようとする。
 だが、その姿を剣道部の主将・三枝わかばに目撃されてしまった!あかねを曲者と勘違いしたわかばは、彼女を退治しようとするのだが、逆に軽くいなされてしまう。
 見知らぬ敵に負けてしまったショックから立ち直れないわかば。そして、その日の朝礼でやってきた転校生の姿が…!
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、転校することとなったあかねたちが、三人目のビビットグリーンこと(オレ命名)三枝わかばと出会い、なんやかんやあって友達になったと思ったら謎の敵アローンが出てきて変身して一緒にやっつけるってお話。なんか色々あっという間過ぎて「えぇ~?」と思わざるを得ない。
 まぁお話が勇気凛々直球勝負なのは、そういうモノとして納得することにしたので展開的にはまぁいいのだけど、これは一話に収めて良かったのかどうかは疑問だ。
 というのも、遅刻しそうになって変身して登校したあかねが、その姿をわかばに見られて曲者と勘違いされ襲撃されるが、変身しているが故にあっさり彼女をあしらってしまったため、再度勝負せよと転校初日から追いかけられ、翌日、わかばから果たし状をもらったため勝負しにいったらなんか意気投合しちゃって、そこにアローンが現れて、私もみんなを守りたいとか言い出すわかばに、あっさり変身アイテムが出ちゃうんだぜ。(体のいいあらすじを書いてみました/笑)
 いやいや待てよ。キャッチコピー的に「友情が世界を救う」んだろ?たった二日で数年来の親友あおいと同等の繋がりをわかばは得たというのか?無理あるだろ。ってゆーか、そうだとしても、とてもそのようには「見えない」のは如何なモノか。
 尺的なこともあろうから「たった二日」は目を瞑っても良い。だが、それならそれで、その短い時間の間にあかねとわかばがお互いを感じ入り、「ああ、コイツとは一生仲良くやっていけそうだ」と思うようなことがなければ納得できないよ。
 まぁあかねの妹ももが、わかばをお姉ちゃんみたいと評したことや、浜辺での勝負をみるに、おそらくは「似た者同士」的な所からくる親近感からの繋がりであったのだろうとは思いはする。でもやっぱりたったそれだけで、なんだかよく分からないミサイルすら効かない敵と対抗できる変身アイテムが、あかねからポッと出てくるのはどうも納得がいかない。なんなら、あかねとちょっと仲良くなれば変身アイテム出してもらえそうだもの。
 なんだかよく分からない未曾有の敵に唯一対抗でき得る変身アイテムだからこそ、あかねとの繋がりってのはむしろ戦闘よりも大事だったりするのではないでしょうか。下手打てば死んじゃうかもしれないことをするわけですから、一緒に戦うってことは「コイツなら命預けれる」ってくらいの信頼関係を構築し、初めて参戦できるものではないだろうか。
 上記しましたけど、死ぬかもしれないわけですよ。まぁ死なないとしても大怪我するかもしれないし、その後一生病院で暮らすことになるかもしれないじゃないですか。そんなことに友達を巻き込みたくないって思うのがそもそも普通。でも、そうだとしても、あかねの力になりたい、みんなを守りたいっていう気持ちがあり、あかねはそのリスクを承知の上で「コイツと一緒ならこの困難をきっと乗り越えれる」と決意して初めて変身アイテムが出る、くらいのテンションが欲しい。
 その為には、二人の気持ちが盛り上がってく様子を描かねばならない。せっかくわかばが道場の跡取り(だったっけ?)で、学校で敵無しの彼女が変身したあかねに負けてしまって「強いってどういうことなんだろう?」となったんだから(というか、サブタイにもなっているわけだから)、あかねを通してそういうことが分かっていくシークエンスであったり、そこからあかねの人となりをわかばが見て、最初敵意だったわかばのあかねに対する気持ちが変化していくシークエンス、そしてわかばにつきまとわれながらも、その真っ直ぐであるが故に純真な心をあかねが段々と読み取っていくシークエンスを描き、見ていてなんやかんやあってこのふたりは随分とお互いを知り得たなぁと思わせて初めて変身することが出来ることに高揚感が出るものだと思う。
 そういったキャラクター同士の理解度を見せてくれないこともあり、ちゃっちゃとこの辺の話は進めてしまいましょーかくらいのアッサリさと駆け足感なので、正直、ビビットグリーンはホントにわかばで良いのかな?と思ってしまったよ(笑)。
 むしろ今回は戦闘までいかなくて、あかねとわかばが変身に至るまでに、どんな道程をたどるのかをじっくり描いた方が良かったような気がするな。所詮謎の敵なんて、最後は倒しちゃえばいーわけだし(笑)。
 ついでに言えば、あおいを放ったらかしにしすぎ。最終的に4人でチームなんだろ?だったら「あかねとわかば」という中で、あおいはそのふたりの間を上手く取り持つ一助なりをして絡んでこなければ、事後に「これでわかばちゃんも仲間だね!」になんねーだろ!と思わざるを得ない。だってわかば的には今回あおいとなんもしてないもん。仲間云々以前の問題だよなーと思ってしまう。あかねと仲良くなってればいーんか?それで友情は世界を救うんか?……何か違うような気がするのはきっとオレだけではないと信じたい。

 常々ここで、フィクションはどんなウソついても良いけど納得させられなければダメ!と言っているわけですが、上記した「わかば仲間になる」もご一読戴いたように十分に納得できないのでなんともなんですが、それに拍車をかけたのが戦闘ですよ。こんな駆け足ならホントない方がマシだったように思う。というのも、わかばが私もみんなを守りたいから一緒に戦いたいとか言って変身アイテムが出るのですが……「みんな」ってダレよ?
 戦闘シーンで出てきたのってあかね・あおい・わかば・もも・じじいだけじゃん。あかねとあおいは変身しているので、その台詞を言うわかばを除けばももとじじいだけです。それで「みんなを守りたい」?ピンとこないよなぁ。
 なんだかよく分からない謎の巨大な敵アローンが現れ、あまつさえ戦艦を一撃で吹っ飛ばす程の威力のある砲撃を乱射しているというのに、すぐ側の学校に被害が出ることもなければ、学校にいるその他大勢の方々が逃げ惑うこともなく、それで「みんなを守りたい」?むしろこれでピンとくるヤツの顔を見てみたいわ。
 せめて、せめて納得させてくれよ。真っ直ぐでそれ故純真でちょっとおでこを打ったももを抱きかかえて保健室へ連れて行くような優しいわかばなんだろ?だったら謎の敵アローンの攻撃で逃げ惑う学校の方々を見せて、わかばがその性格故にこの状況をなんとかしたい、「みんな」を守れる「本当の強さ」が欲しいと願い、死ぬかもしれない戦いに身を投じる決意を見せて、あかねたちと行動を共にすることとなることを納得させてくれよー。
 なんかいろんなことが中途半端過ぎるのと随分な駆け足感で、今回はずぇんずぇん納得できんかったよ……。

 最後にどーでもいーけど、あの学校の「ブルマが制服」ってなんなんだ(笑)。なんつー学校だとか思ったら「国立」だってよ。ほほう、国は思春期真っ盛りの少女に学校では下手すれば半ケツ見えるようなブルマを常時履いておけって言ってんのか。このアニメの日本国の偉いさん方は頭トチ狂ってんなぁ。
 「こんな学校ってどうなの?」と思って学校生活の部分が普通に見れないよ……。こーゆーところも納得いかないんだよなーもうっ。(まぁケツを描きたいんだってことは十二分に理解しましたが)

スマイルプリキュア! 第47話 最強ピエーロ降臨!あきらめない力と希望の光!!

2013年01月21日 | 視聴済アニメごった煮
友達ぃ~?(怪訝そうな顔で)

 そんな今回のお話は…
 空に浮かんでいた大きな卵から…ついにピエーロが姿を現した!ピエーロは地球を、世界を、絶望で埋め尽くそうとしている!
 ハッピーたちは力をふりしぼって戦うけど、ピエーロを止めることができない…!!プリンセスフォームでさえもダメなの…!?
 ふしぎ図書館も、プリキュアの伝説の本も、黒く染められてしまった…!
 そしてついに、ハッピーたちまでが飲み込まれて…。
 このまま、世界はピエーロに飲み込まれてしまうの!?
 以上公式のあらすじ。

 なんかラス前だっていうのにピンとこないなぁ。随分都合よく見えてしまいました。
 お話の流れとしては、キャンディが卵から孵って(?)ロイヤルキャンディという幼女になり、役目を終えたロイヤルクィーンさまはミラクルジュエルを託し消滅。絶望の巨人を押さえ込むロイヤルキャンディであったが、悪の皇帝ピエーロ様が現れ対抗。プリキュアの絵本を黒く染めようと闇の者たちを放ち、プリキュアの皆さんも対抗するが、倒しても再生する敵に倒され絵本は黒い絵の具を落とされてしまい、プリキュアの皆さんは絶望へと墜ちる。というのがAパートの流れ。
 これまでなんなのかよく分からなかった悪の皇帝ピエーロ様がなんなのかが語られたのだが、まぁ言ってしまえばスイートプリキュア♪のラスボス「ノイズ」と似たような設定で、生けとし生ける者全ての負の感情の集まりなんだそうな。
 前述しましたように、「それってノイズじゃん」とか思って新鮮味がなかったこともあってか、ピエーロ様の正体が明かされた所で何も無かったというか、これまでピエーロ様がほぼ出てこなかったので、行動原理なり理念なりがジョーカーなどから語られてきたわけでもないし、そして何がしたいのかまったくよく分からないので、そこでまずピンとこないわな。
 そもそもだ。今どうしてこのような状況になっているかがすでに疑問なんだよな。
 7話くらいだったかに、一応バッドエンド王国とプリキュアとの対立構造の説明をしたのだけど、それはピエーロ様がメルヘンランドを襲って、ロイヤルクィーンさまと相打ちになり現在両すく身である、ということだけであった。だからデコルを集めてロイヤルクィーンさまを復活させ、ピエーロ様と対抗することを目的としていたんですよね、当初は。
 つまり、みゆきたちがいる世界云々の話ではなかったはずなんですよ。しかしなんで今はピエーロ様は地球を襲っているんですか?そもそもの目的であるメルヘンランドをまず制圧しろよって話じゃないですか。つかなんで最初にメルヘンランドを襲ったかもよくわかんねーけどな(笑)。
 もう最後だっていうのにその最後のボスに行動原理がないので、全体がものすんごい薄っぺらく見えてしまうよなぁ。
 まぁ一応は、全ての負の感情の集まりだということで、叶わない夢など見るななどのネガティブなことを言ってきた所を見ると、絶対にあきらめないプリキュアとの対極という意味で、ネガティブなあきらめの権化みたいな格好にはなってはいるものの、ピエーロ様がプリキュアに勝ったとして、その後どうしたいのかが分からないため、これもそもそも論になってしまうのだが、そもそもピエーロ様ってなんでこんな事してんの?と思ってしまう。
 最初は良かったんだよ。三幹部が悪いコトしてバッドエナジーを集めるのは、悪の皇帝ピエーロ様を復活させるためという目的があったから。でもその根源のピエーロ様がなにしたいんかよく分からないのでは、「なんでプリキュアが戦っているのか」も分からなくなってしまうではないか。
 そう感じてしまうともう乗り切れない。だって画面の中で戦っているヤツラの戦う理由が見つけられないんだもの。これを一体どーやって楽しめというのか。画面の盛り上がりに反してもにょもにょしている内に絶望に墜とされたプリキュアのBパートへ突入だ。

 Bパートの流れとしては、絶望に墜ちたプリキュアを救い上げる為にロイヤルキャンディがミラクルジュエルを使ってプリキュアを呼び戻し、ウルトラモードになったプリキュアの皆さんがピエーロ様を圧倒したかと思ったら、でっかい闇になって地球を覆ってたってところで引っぱった。まぁ次回に私たちは絶対あきらめないとか言ってぴゃーと光線だして終わりなんだと思います(笑)。
 そんな先の展開はともかく、Bパートのというか、今回のメインはプリキュアの皆さんが闇に墜ちてからだと思うが、これがなぁ、やっぱりピンとこないんだ。
 これまたそもそも論になりますけど、プリキュアの絵本に闇の絵の具で染められると、なんでプリキュアの皆さんは絶望に墜ちちゃうんですか?これまでプリキュアの絵本なんて大して出てこなかった上に、そんな重要なアイテムだなんて一言も言ってこなかったじゃないですか。
 さも当然の如くこうなったらこうなっちゃうんだよみたいにされても「えっ?そうなの?」と思いますわな。まずここで乗り切れねぇ。
 その後、プリキュアを救うために幼女姿のキャンディが、闇の者たちの砲撃を受けつつもミラクルジュエルを使うのはなかなかぐっときて良いのだけど、そこからがまたなんともで、絶望に墜ちたプリキュアの皆さんが闇の中でキャンディの声を聞いて正気を取り戻し、彼女によって引っぱり上げられるのだが、なんかこう、プリキュアの皆さんが何もしていないように見えるんですよね。
 絶望の闇に落ち、真っ暗闇の中でキャンディとミラクルジュエルの力によって一筋の希望の光を見出したプリキュアの皆さんなのだし、このアニメの主役っていったらそらプリキュアの皆さんなわけですよ。夢や希望など無いとしていた中で、一筋の希望の光を見つけたのだから、それはプリキュアの皆さんがもがいて、足掻いて、どんなにカッコ悪くても、自分の力でその光までたどり着かなくてはいけないのではなかろうか。
 光に手を伸ばしても闇が身体にまとわりつき浮上できないのをキャンディが引っぱり上げるのではなくて、どうにかして自らの力でその手を掴む姿を見せてこそ、プリキュアの皆さんが絶対にあきらめないことに繋がるのだ。そういう彼女らの姿を見て、ピエーロ様が希望がないとする中で自分の力でがんばって希望を掴み取ることが出来るのだとメインターゲットの皆様に伝えることが出来るのではなかろうか。都合良く不思議な力を授かったキャンディが引っぱり上げてしまっては、なんなら待っていれば希望が勝手によってきて引っぱり上げてくれるように思えてしまって、愛と勇気と夢と希望を自らの力と意志でなんとかするスーパーヒロインらしくないと思うのもさることながら、これでいいのかなぁと思わずにはおれん。その人の持つ心の力こそがプリキュアの真の力ではなかったか。
 ともかく、キャンディのおかげで復活したプリキュアの皆さんは、力を使い果たしたキャンディを助け、希望とは何かを説くのだが、「それは……友達!」とか言われてもなぁ……えぇ~?説得力ねぇなぁおい。
 なぜならば、これまでこの5人が何かしらの希望を見出すようなイベントがこれまでにあったかと問われれば、体育祭とれいかの留学の話くらいしかなかったではないか。今回でさえ、絶望の闇に落とされた5人が結束なりなんなりを示すことがなかったというのに、今ここへ来て「友達」とはなんだって話ですよ。
 これまたそもそも論になりますが、物語全体としてプリキュアの皆さん個人々々を取り上げたことは多々あったけれど、5人ひとまとまりのチームとしての成長や結束を取り扱ったことってないよなぁ。やっていたこととしては、5人でドタバタしていたくらいである。
 そういうことがあるので、これまでのシリーズに比べてコイツらの関係性は随分と希薄だなと思っていたのに、最後でその関係を引っぱり出してきたもんだから、「おいおい、待てよ」と思わざるを得ないのと同時に、そういうことをここで言うのであらば、これまでに何故それと分かるようなことを配置していかないのかが不思議でしょうがない。これでは取って付けたようと言われても否定できないではないか。希望など無いというラスボスに対して、満を持して「どうだこんちくしょう!」と大逆転する一番気持ちが良い所でまったく納得出来ないのはあまりに寂しすぎる。

 とまぁそんなわけで、とにもかくにも納得がいかず、正直ラス前でこんなに盛り上がらなかったのはこのスマイルプリキュア!くらいである。スイートですら上手くやっていたのになぁ。
 中盤以降から内心「大丈夫かな?」と思っていたのだが、終わり良ければ全て良しにはしてくれるだろうと期待していたが見事にずっこけてしまったよ。最終回はAパートでピエーロ様をなんとかしてBパートでエピローグなわけだから、これからなにをどうしても盛り返せないと思うと次回の興味が失せてしまうなぁ。
 せめて最後は綺麗に終わっていただきたい。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「プリンセスハッピー」でした。そういえば、Bパートのアイキャッチがアカンベェでしたな。
 次回ついに最終回か。なんか……今となっては違う意味で感慨深いと言うかなんと言うか。

ビビットレッド・オペレーション 第二話「かさなり合う瞬間(とき)」

2013年01月20日 | 視聴済アニメごった煮
もったいないなぁ。

 そんな今回のお話は…
 パレットスーツをまとったあかね。
 『ドッキング』をしないと正体不明の敵・アローンは倒すことが出来ない、という祖父・健次郎に、あかねとあおいは『ドッキング』を決意する。
 あおいもパレットスーツに変身し、あかねと共にアローンに立ち向かう!
 国防軍と協力して、何とかアローンの動きを止める事ができた。そして、その隙に『ドッキング』をしてとどめを刺そうとするのだが…
 以上公式のあらすじ。

 お話としてはプロローグ前後編の後編、といった様相。前回に変身して、今回はあおいの変身から、おそらくは一番の見せ所であろうドッキングで謎の敵アローンを倒し、敵の攻撃で学校が壊れちゃったんで転校を言い渡された、という流れ。まぁアニメーションとしては良く出来ていたとは思うが、お話としてはちょっと駆け足感があって、第一話がとても良く出来ていた所為もあってか正直乗り切れんかった。
 というのも、もうちょっと突っ込んでいいと思う所があって、それは今回変身したあおいなんだけれど、前半で守ってもらってばっかりの自分が、変身して今度はみんなを守ることが出来るとして、国防軍の船を謎の敵アローンの砲撃から守ったりするのだけど、それが弱いのだ。
 なぜならば、前回あおいは出てくるものの「守ってもらってばかりのあおい」は見せていない。まぁ示現エンジンのてっぺんから落ちたのをあかねが救ったけれど、それは誰だって救おうとするものな。
 ともかく、「守ってもらってばかり」ということに負い目のようなものを感じているあおいが、今度はその力で誰かを守ることが出来る、守りたいという彼女の気持ちを見せるのであらば、やはりその「守ってもらっている」場面を見せておくべきだろう。そういうことがあっての「今度は自分がみんなを守るんだい!」というあおいの強い気持ちに繋がっていくものだろう。しかし、そういったことが語られない上で今度は私が守る云々言われても、そりゃピンとこないというもので、なんか上っ面な台詞のように思えてしまうのだ。
 謎の敵アローンのビーム砲をでっかいトンカチで打ち返し、国防軍の戦艦を守る姿がカッコよかっただけに、あおいがそういう行動に出る背景があれば、もっとぐっときたのになぁと思わずにはいられなかった。
 あおいに関してはまだあって、さぁ一番の見せ所ドッキングだ!という段になって失敗してしまうのはまぁお約束。その原因が機械的なことではなく、あおいの心にあるのは見ていても分かるし、そこからの過去話から、あかねとの出会いがあって、きっかけとなったトマトは実は大嫌いだったというその辺の友情譚は良いのだが、問題はそこではない。
 療養のためあかねのいる大島へ来て、両親はおろかひとりの友達もいないあおいが、初めて出会った島の人あかねとどうしても仲良くなりたかったのは分かる。しかし、それならば彼女がその時どれだけ寂しい思いをしていたか、どれだけ心細かったのかを見せるべきなのではなかろうか。
 見知らぬ土地へ来て誰ひとり自分を知らないし自分も誰も知らない中で、ふとしたきっかけで知り合った同い年の女の子とどうしても仲良くなりたい、そして仲良くなれたことが彼女にとってどれほど嬉しい出来事だったのかが見えてこないのだ。
 きっかけになったトマトは実は大嫌いだったという、些細なウソがあおいにとっては重大な秘め事であり、それを告白することに意味があるし、なによりその秘め事はあかねはすでに気付いていて、そんな些細なウソをウソにしたくないあおいが給食のトマトを我慢して食しているのを見て、彼女こそ一生の親友になれるとしたことがあおいの心を解放するのは、あおいがあかねと知り合い仲良くなるまでの心中が見えるからこそ活きてくるのではないだろうか。
 あおいのウソは見ていても、なぁんだと思うような些細なことである。あおいはそんな些細なことをずっと隠していたくらいあかねとの関係を大事にしていたんだな、という結果論的な見せ方ではなく、その時のあおいを考えれば、そんな些細なウソを隠し通さなければならないと思ってしまうのも仕方ないよな、と思える見せ方であってほしかった。
 とまぁそういう観点から、見ていてもっと良くなるのにと思わせてしまう部分があったのは残念でならない。
 ついでに個人的なことを言ってしまえば、あおいのウソをあかねが知っていたのはちょっと興醒めであった。ちょっとバカっぽい(褒め言葉)あかねなので、むしろ全然気付いてなくて、「なぁ~んだ言ってくれれば良かったのに。気付いてあげられなくてゴメンネ。そんなことで悩ませちゃって」くらいのことを言ってほしかった所。
 あおいの重大な秘密に対してなーんも思ってないあかねを見せて、あおいが隠し事をしていることで嫌われてしまうのではないかと思っていたことが杞憂であったこと、またそのことを気にしなくても良いこと、なによりそんな自分を変わらず受け入れてくれたことに喜びと、改めて友情を誓う。……みたいな展開の方が好みではあったな。

 上記以外で気になった所としましては、どうも戦闘している感が薄いのが気になった。
 多数の戦闘機やら戦艦やらが謎の敵アローンに撃破されるのだけど、まぁどう考えても人が死んでいるわけですよね。それなのにそういう悲壮感みたいなのがないのよね。特にあおいなんかは「守る」って言っておきながら全てを守ったわけでもなく、守れなかった部分に関して何かを思うようなカットがあったわけでもないので、なんか変身してドッキングして「イエーッ!」なだけで終わってしまったような印象だ。なので見ていて「その他大勢はどーでもいーのかな?」などと疑問を持ってしまったですよ。
 それにだ。現行兵器が効果ない敵に唯一対抗し得るなんだかよく分からない少女たちを援護するぜー!な展開になるんだけど、どー考えても邪魔だよね(笑)。お前らがいる所為であかね達の仕事が増えるっちゅーねんとか思って乗り切れねぇ。全部を守れない以上犠牲も増えるし、犠牲が増えても上記したようにあかねたちが何か思うでもないことに拍車がかかって、さらに乗り切れなくなる悪循環。正直、もういっそのこと人知れず戦ってくれた方が素直に見れたような気がしないでもないです。

 そんなわけで、もうちょっと細かい所に突っ込んでくれればなぁと思わずにはいられないという意味で、もったいないなぁと思わざるを得なかった。第一話が良かった分、期待し過ぎてしまったような気がしないでもないが(笑)。
 まぁ文句ばっかり書きましたが、それほど悪かったわけでもなかったんですがねー。ともあれ、第一話が一番のピークでそこから右肩下がりの下降線……なんてことにならないようにしていただきたい。

 どーでもいーけど、変身するのって全員で4人になるのね。ふたりで十分のような気がしないでもないが……はてさて。

スマイルプリキュア! 第46話 最悪の結末!?バッドエンドプリキュア!!

2013年01月14日 | 視聴済アニメごった煮
うあー。やっぱちょっともったいないような。

 そんな今回のお話は…
 ジョーカーが、ハッピーたちとそっくりのバッドエンドプリキュアを作りだした!
 バッドエンドプリキュアは、ハッピーたちとまるで違う。自分だけの幸せのために、どんなことだってする…。
 そんなバッドエンドプリキュアに、ハッピーたちは大ピンチ…!
 そんな中、ミラクルジュエルになったキャンディを守るポップの前に、ジョーカーが迫っていたの。このままじゃジュエルがジョーカーに奪われてしまう…
 その時、ジュエルを守るようにロイヤルクロックが現れ、そこに女王の姿が…!
 そして、女王からキャンディの驚きの秘密が語られる……
 以上公式のあらすじ。

 冒頭書いたように、バッドエンドプリキュアに関してはちょっともったいなかったような気がしますが、お話としては色々と興味深いことが判明しておもしろかったのはさすが成田良美たる所以。
 バッドエンドプリキュア(以下面倒なのでニセキュア)は、プリキュアの皆さんたちとは違い、かなりネガティブ思考で、他の皆さんはけっこうどーでもいーんだけど(笑)、ハッピーに関しては実に興味深かった。
 笑顔でみんなをウルトラハッピーとするキュアハッピーに対し、ニセキュアの方は、他人が不幸だからこそ自分がハッピーだとし、対極の存在として示しているのだけど、まぁ基本的に幸せというものは概念であるし、何かに対して自分は幸せだ不幸だという言い方をするわけだから、何をもって幸せかというのは相対的ではあるので、ニセキュアのう言うことは汚れちまった大人としてはけっこう理にかなっている。
 とはいえ、なので世界が絶望で覆われれば自分が一番ハッピーだとするのはおかしくて、皆が一様に不幸なのならば、自分は何かしら他とは違うものを持っていなくてはならない。ただプリキュアを葬り去る為だけに生み出されたニセキュアは何も持っていないわけだから、それには当たらないはずなのだ。
 そういう矛盾があるからこそ、逆転劇が生まれるわけで、きっとそうなって論破するんだろうと思っていたのだが、さしてひっくり返した感がなかったのは残念。ニセキュアがちょっとよごれちまった大人な意見であったがだけに、愛と勇気と希望のスーパーヒロインらしく青臭い正論吐いてひっくり返す気持ち良さが欲しかった。
 そういうこともさることながら、上記したようなことをいってくるのであらば、このニセキュアの皆さんは、もっと早くから登場し、ここへ至るまで論戦し続け、そういう中で心を成長し続けるプリキュアの皆さんがひっくり返す持論を得て、愛と勇気と希望を語っても良かったのではないか。
 せっかく2クール終わりでひと区切りみたいになったのだから、そこで三幹部は退場してもらって、ニセキュアの皆さんはそこから登場して物語の雰囲気を変えてほしかったのが正直な所で、ここの所言っている「ドタバタ劇が多過ぎた」に最終的に繋がってしまうな。
 第4クールに入るまで、物語的な進行がなかったのはやっぱりもったいないと思います。48話もあるんなら、もっと色々見せるべき所があるだろうと思ってしまうなぁ。ハッピーとニセキュアの論戦は、今回だけで終わらせてしまうようなものではなく、みゆきが色々なことを通じて学び、得ることがあってこそ、ひっくり返せるものなのだろうと思うし、そこまでの積み重ねがあってこそ、今回の結論であればもっとドラマも盛り上がったのではないかと思うともったいない。
 もったいないと言えば、ニセキュアとの戦闘も、さして格闘するわけでもなく、スーパーサイヤ人化してアップグレード技出して終わりなのもどうか。なんか全然ピンチだったような気がしないし、打ち勝った高揚感もなかったのも、もったいない要因のひとつのような気がします。

 さて、物語としては最終段階ということもあって、色々と興味深い点がいくつかあった。
 まずはミラクルジュエル関連として、なんでも願いが叶うミラクルジュエルを手にしてバッドエンド側は何を願うのか?というポップの問いにジョーカーが「そんなものはない」とするのは実に興味深い。
 これまでのシリーズでも何かしらの「超アイテム」は存在した。全てを生み出す力をもつ秘石であったり、世界を構成する七つの泉であったり、なんでもひとつだけ願いが叶えられるアイテムだったり、世界の全ての命をつかさどる薔薇の園へのパスだったり、無限のメモリーだったり、世界を幸福にも不幸にもする音符だったりしたわけだが、全ては悪役側にも手に入れて何かしらのメリットがあって、一応は争奪戦の様相を呈していた。
 しかし今作は、そのなんでも願いが叶うアイテムがなくても世界を滅亡させることが出来るとし、世界を完全に絶望に染める為にはただ一片の希望さえも邪魔であるからという、プリキュアの皆さんが命を賭しても守りたいものは、悪役にとっては単に邪魔だから壊したいというだけのものであったのはけっこうショッキングであったし、悪役を悪役足らしめている。何かしら重要だからではなく「そんなことなの?」という拍子抜けさが逆に「悪さ」を演出している。
 悪役を「悪いなぁ」と思わせるのは重要なので、そういう点で上手いのだが、分かりやすい悪さではなく、こういう悪さの見せ方もあるのかとちょっと感心しました。

 またこのミラクルジュエルもどんでん返しがあって、どんな願いも叶えるというのはブラフで、実は次期メルヘンランドのクィーンの卵である、というのが本当の所で、これまでちょいちょい出ていたロイヤルクィーンさまはすでに没していて、みゆきたちが話していたのは、まぁ分かりやすく言えば残存思念のようなモノだったのである。なるほどロイヤルクィーンさまの出番が少ないはずである。
 つまりキャンディはロイヤルクィーンさまであったわけで、なんでも願いが叶う超アイテムは存在していなかったのだ。デコル集めとかは結局はキャンディをクィーンとして覚醒させる為のもので、クィーンの復活という話ではなく、新たなクィーン誕生の為だったわけですな。プリキュアの皆さんにも秘匿される秘密があったというのはこれまでになかった展開だったのでちょっと新鮮でしたし、ジョーカーもそれならばミラクルジュエル自体はなんの障害にもならないとして無視してしまうのもおもしろい。
 超アイテムじゃないのならば、状況はひっくり返すことが出来ないといとも簡単に切り捨ててしまうほど、彼らにとってはどーでもいーと言ってはなんだが、重要度はさほど高くなかったというのも新鮮でありました。

 個人的には、今回で退場してしまったジョーカーも気になった。というのも、彼が何をしたかったのか全く分からなかったからだ。
 三幹部はダークサイドに落ちる理由があったが、彼は一体なんで悪の皇帝ピエーロ様を崇拝し、世界を絶望の闇で覆いたかったのかがまったく語られていないのだ。
 最終的にはピエーロ様と同化(?)して、黒い絵の具となって消えてしまった彼が、どういう存在であったのか語られなかったのは残念だし、そもそもプリキュアの皆さんが彼をやり込めることがなかったのは、なんとなく消化不良気味であった。
 せめて一泡拭かせたかったと、これまで熱心に見てきた身としては思うのだけど、ニセキュアを排し帰還したプリキュアに絶望するようなそぶりを見せつつも高笑いし、いつもの「ですます調」ではなく「おめぇらホントに何も分かってねぇな!もう手遅れだって言ってんだよぉ!」と本性を見せつけ、最後までいけ好かない卑怯者であったのは悪役の使命を全うしたのかもしれない。

 とまぁ、物語としてはここへ来ての急展開でおもしろかっただけに、もっと前々から振りをしておいても良かったかなぁという気がしてしまいます。もう何度も言ってますが、ドタバタ劇の尺をちょっと削って本編の方をなんとかしてもらいたかったなぁ。なんかプリキュア本編の話が極端に少ないっていう印象があるのはちょっと寂しいような気がします。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「プリンセスピース」でした。
 さすがにもうぴかりんじゃんけんはやらないだろうねー。しかし35戦して5回しか負けなかったんだからけっこうがんばったな、オレ。