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とみーのにっき&おえかきちょう

スマイルプリキュア! 第46話 最悪の結末!?バッドエンドプリキュア!!

2013年01月14日 | 視聴済アニメごった煮
うあー。やっぱちょっともったいないような。

 そんな今回のお話は…
 ジョーカーが、ハッピーたちとそっくりのバッドエンドプリキュアを作りだした!
 バッドエンドプリキュアは、ハッピーたちとまるで違う。自分だけの幸せのために、どんなことだってする…。
 そんなバッドエンドプリキュアに、ハッピーたちは大ピンチ…!
 そんな中、ミラクルジュエルになったキャンディを守るポップの前に、ジョーカーが迫っていたの。このままじゃジュエルがジョーカーに奪われてしまう…
 その時、ジュエルを守るようにロイヤルクロックが現れ、そこに女王の姿が…!
 そして、女王からキャンディの驚きの秘密が語られる……
 以上公式のあらすじ。

 冒頭書いたように、バッドエンドプリキュアに関してはちょっともったいなかったような気がしますが、お話としては色々と興味深いことが判明しておもしろかったのはさすが成田良美たる所以。
 バッドエンドプリキュア(以下面倒なのでニセキュア)は、プリキュアの皆さんたちとは違い、かなりネガティブ思考で、他の皆さんはけっこうどーでもいーんだけど(笑)、ハッピーに関しては実に興味深かった。
 笑顔でみんなをウルトラハッピーとするキュアハッピーに対し、ニセキュアの方は、他人が不幸だからこそ自分がハッピーだとし、対極の存在として示しているのだけど、まぁ基本的に幸せというものは概念であるし、何かに対して自分は幸せだ不幸だという言い方をするわけだから、何をもって幸せかというのは相対的ではあるので、ニセキュアのう言うことは汚れちまった大人としてはけっこう理にかなっている。
 とはいえ、なので世界が絶望で覆われれば自分が一番ハッピーだとするのはおかしくて、皆が一様に不幸なのならば、自分は何かしら他とは違うものを持っていなくてはならない。ただプリキュアを葬り去る為だけに生み出されたニセキュアは何も持っていないわけだから、それには当たらないはずなのだ。
 そういう矛盾があるからこそ、逆転劇が生まれるわけで、きっとそうなって論破するんだろうと思っていたのだが、さしてひっくり返した感がなかったのは残念。ニセキュアがちょっとよごれちまった大人な意見であったがだけに、愛と勇気と希望のスーパーヒロインらしく青臭い正論吐いてひっくり返す気持ち良さが欲しかった。
 そういうこともさることながら、上記したようなことをいってくるのであらば、このニセキュアの皆さんは、もっと早くから登場し、ここへ至るまで論戦し続け、そういう中で心を成長し続けるプリキュアの皆さんがひっくり返す持論を得て、愛と勇気と希望を語っても良かったのではないか。
 せっかく2クール終わりでひと区切りみたいになったのだから、そこで三幹部は退場してもらって、ニセキュアの皆さんはそこから登場して物語の雰囲気を変えてほしかったのが正直な所で、ここの所言っている「ドタバタ劇が多過ぎた」に最終的に繋がってしまうな。
 第4クールに入るまで、物語的な進行がなかったのはやっぱりもったいないと思います。48話もあるんなら、もっと色々見せるべき所があるだろうと思ってしまうなぁ。ハッピーとニセキュアの論戦は、今回だけで終わらせてしまうようなものではなく、みゆきが色々なことを通じて学び、得ることがあってこそ、ひっくり返せるものなのだろうと思うし、そこまでの積み重ねがあってこそ、今回の結論であればもっとドラマも盛り上がったのではないかと思うともったいない。
 もったいないと言えば、ニセキュアとの戦闘も、さして格闘するわけでもなく、スーパーサイヤ人化してアップグレード技出して終わりなのもどうか。なんか全然ピンチだったような気がしないし、打ち勝った高揚感もなかったのも、もったいない要因のひとつのような気がします。

 さて、物語としては最終段階ということもあって、色々と興味深い点がいくつかあった。
 まずはミラクルジュエル関連として、なんでも願いが叶うミラクルジュエルを手にしてバッドエンド側は何を願うのか?というポップの問いにジョーカーが「そんなものはない」とするのは実に興味深い。
 これまでのシリーズでも何かしらの「超アイテム」は存在した。全てを生み出す力をもつ秘石であったり、世界を構成する七つの泉であったり、なんでもひとつだけ願いが叶えられるアイテムだったり、世界の全ての命をつかさどる薔薇の園へのパスだったり、無限のメモリーだったり、世界を幸福にも不幸にもする音符だったりしたわけだが、全ては悪役側にも手に入れて何かしらのメリットがあって、一応は争奪戦の様相を呈していた。
 しかし今作は、そのなんでも願いが叶うアイテムがなくても世界を滅亡させることが出来るとし、世界を完全に絶望に染める為にはただ一片の希望さえも邪魔であるからという、プリキュアの皆さんが命を賭しても守りたいものは、悪役にとっては単に邪魔だから壊したいというだけのものであったのはけっこうショッキングであったし、悪役を悪役足らしめている。何かしら重要だからではなく「そんなことなの?」という拍子抜けさが逆に「悪さ」を演出している。
 悪役を「悪いなぁ」と思わせるのは重要なので、そういう点で上手いのだが、分かりやすい悪さではなく、こういう悪さの見せ方もあるのかとちょっと感心しました。

 またこのミラクルジュエルもどんでん返しがあって、どんな願いも叶えるというのはブラフで、実は次期メルヘンランドのクィーンの卵である、というのが本当の所で、これまでちょいちょい出ていたロイヤルクィーンさまはすでに没していて、みゆきたちが話していたのは、まぁ分かりやすく言えば残存思念のようなモノだったのである。なるほどロイヤルクィーンさまの出番が少ないはずである。
 つまりキャンディはロイヤルクィーンさまであったわけで、なんでも願いが叶う超アイテムは存在していなかったのだ。デコル集めとかは結局はキャンディをクィーンとして覚醒させる為のもので、クィーンの復活という話ではなく、新たなクィーン誕生の為だったわけですな。プリキュアの皆さんにも秘匿される秘密があったというのはこれまでになかった展開だったのでちょっと新鮮でしたし、ジョーカーもそれならばミラクルジュエル自体はなんの障害にもならないとして無視してしまうのもおもしろい。
 超アイテムじゃないのならば、状況はひっくり返すことが出来ないといとも簡単に切り捨ててしまうほど、彼らにとってはどーでもいーと言ってはなんだが、重要度はさほど高くなかったというのも新鮮でありました。

 個人的には、今回で退場してしまったジョーカーも気になった。というのも、彼が何をしたかったのか全く分からなかったからだ。
 三幹部はダークサイドに落ちる理由があったが、彼は一体なんで悪の皇帝ピエーロ様を崇拝し、世界を絶望の闇で覆いたかったのかがまったく語られていないのだ。
 最終的にはピエーロ様と同化(?)して、黒い絵の具となって消えてしまった彼が、どういう存在であったのか語られなかったのは残念だし、そもそもプリキュアの皆さんが彼をやり込めることがなかったのは、なんとなく消化不良気味であった。
 せめて一泡拭かせたかったと、これまで熱心に見てきた身としては思うのだけど、ニセキュアを排し帰還したプリキュアに絶望するようなそぶりを見せつつも高笑いし、いつもの「ですます調」ではなく「おめぇらホントに何も分かってねぇな!もう手遅れだって言ってんだよぉ!」と本性を見せつけ、最後までいけ好かない卑怯者であったのは悪役の使命を全うしたのかもしれない。

 とまぁ、物語としてはここへ来ての急展開でおもしろかっただけに、もっと前々から振りをしておいても良かったかなぁという気がしてしまいます。もう何度も言ってますが、ドタバタ劇の尺をちょっと削って本編の方をなんとかしてもらいたかったなぁ。なんかプリキュア本編の話が極端に少ないっていう印象があるのはちょっと寂しいような気がします。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「プリンセスピース」でした。
 さすがにもうぴかりんじゃんけんはやらないだろうねー。しかし35戦して5回しか負けなかったんだからけっこうがんばったな、オレ。


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