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(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

翠星のガルガンティア 第3話「無頼の女帝」

2013年04月29日 | 視聴済アニメごった煮
キレイにまとまって気持ちが良い。

 そんな今回のお話は…
 圧倒的な力で、ベローズのサルベージ船団を海賊の襲撃から救ったレドとチェインバー。
 しかし、海賊を殲滅させたことは、ガルガンティア船団にショックを与える。仲間を殺された以上、海賊からの報復は必至だからだ。
 強すぎる力を持つレドとチェインバーの処遇を一旦保留にして、船団長フェアロックらは海賊の動向を探ることを優先する。
 レドとチェインバーを戦いに巻き込んだことを謝りに来るエイミー。また、ベローズは、海に生きるもの同士にとっての戦いの意味、海賊の生き方と、船団の生き方の違いをレドに説く。
 ヒディアーズとの戦いしかしらなかったがゆえに、ベローズの言葉に胸を打たれるレド。そんなレドにエイミーは、ガルガンティアにとどまってみてはどうかと提案する。
 そのころ、メンツをツブされた女海賊ラケージは、ガルガンティアへの報復を決める。近海すべての海賊が集まろうとしていることを察知したガルガンティアに緊張が走る。
 以上公式のあらすじ。

 お話は上記あらすじ後、海賊との戦闘を経てレドとチェインバーがガルガンティアのみんなに認められるという流れ。
 冒頭にも書きましたが、見事にまとまっていて気持ちの良いお話になっています。

 前回書いたように、レドを取り巻く状況は悪化してしまった。ガルガンティア船団の上層部からレドの追放も提案されるが、救われたベローズはエイミーを伴ってレドと話をする。
 ここでの会話はけっこうな尺をとっていて、戦う事しか知らない兵士レドが、ベローズから地球に住む人々とその生き方そして考え方を伝えられ、エイミーからは得られなかった情報に地球での事の理解度が増す様子を描いている。文明文化が全く違うために全く考え方が違うレドと地球の人々であるが、ベローズとレドのやりとりを見せる事でお互いがどう思い理解したかを知る事が出来る。
 「何故海賊を皆殺しにしたか」に「敵の排除に理由が必要か?」と答えが帰ってきたことで、ベローズはエイミーが話したであろう、レドが宇宙で戦争していた事とあわせ、レドは敵=滅するものとして認識している事を理解する。そこで「地球では殺生がなによりも戒められている」ことを伝えると、「生物を食用として殺すのは問題ではないのか?」と問われる。
 我々からすれば当たり前の事だが、前回でも魚の干物(鯵の干物かな?)を生物の屍骸と言って食すのに躊躇していたレドであるから、敵を殺す事と生きる為に魚や鳥を殺す事の区別がつかないのだ。こういった問答を繰り返しレドは今の状況を理解した。そしてエイミーの他にレドを理解する人間がひとり増えたのだ。このベローズとの出会いは後にレドの状況を大きく好転させる。
 このベローズとの話し合いはBパートからの戦闘よりも今回のメイン所と捕らえても良いだろう出来事だ。これがなければ後につながらないからだ。

 この後、海賊の紹介がされ、海賊の動きを知ったガルガンティア船団では上層部で会議が開かれる。海賊の大船団と夜には衝突する。メンツを潰された海賊がやってくるからには交渉の余地はない。そこでベローズがレドの力を借りようと言い出す。一般市民(?)のエイミーとは違い、上層部に口出しできるベローズとある程度の理解を得た事がここで活きるのだ。
 また彼女から得た地球の人々やルールを理解したこともあり、船団上層部との交渉をスムーズに行わせ、船団を一瞬で壊滅させられる武力を有しているのに何故それをせず、海賊から船団を守る用意があるとするのか。また自分が何を望むのかを船団を運営する上層部に伝える事が出来た。こうして話し合ってある程度の理解を得ることで利害の一致をみた。あとは船団の皆さんに納得させるだけの事を示せば良いし、その舞台は整っている。

 夜になって海賊船団が近づくと、照明を取り付けたチェインバーが空から海賊たちを照らし戦闘が始まる。
 事前に過剰な攻撃は絶対にしないようにと言われていたため、上空からの陽動に徹していたレドであったが、海賊の戦闘力に押されるガルガンティア船団についに武力介入を始める。ベローズから教わったこの世界でのルールを遵守し、人的被害が出ないよう火器と動力を無力化するレドとチェインバー。
 しかし海賊は潜水艇からユンボロイドを出撃させており、船戦からガルガンティアでの陸戦(?)へと移行しつつあった。そして女海賊ラケージも独自のユンボロイドで出撃。あっという間にガルガンティアに近づくと船楼に取り付いて船団長フェアロックを執拗に探す。どうもラケージとフェアロックには何かしらありそうである。
 それはさておき、そんなラケージのユンボロイドにチェインバーが追いついて取り付くがラケージは慌てない、むしろチェインバーを話すまいと腕を回す。後からやってきたラケージの部下(ホントは女奴隷らしいです)の船からワイヤーが張られ、「空飛ぶユンボロイド」を海に落っことそうとするのだが……宇宙で謎の異性体と戦闘できるチェインバーである。文明の劣る地球の船二艘に引っぱられたくらいで劣勢に陥るわけも無く、逆にラケージのユンボロイドと二艘の船を上空へと持ち上げてしまう。
 人的被害が出ないようレドはラケージに降伏を勧告するが、大海賊ラケージの異名を取る彼女はそれに応じない。仕方なしと圧倒的なパワーでユンボロイドと船をぐるぐると振り回す。激しい遠心力で意識を失いそうになるラケージだが、そこは大海賊の意地かそれでも降伏しようとしない。そんな彼女の意地よりも早くユンボロイドの接合部が壊れ、彼女たちは彼方へと飛んでいってしまった。
 長の敗北を見て引き上げていく海賊たち。ガルガンティアの人々はチェインバーを照明で照らし「ありがとう!」と口にするのであった。

 まぁ過程はどうあれ、結果なんぞはチェインバーを見てきている分、分かりきった事なので展開的にどうこうというものはない。最悪ビーム兵器使っちゃえば、あっという間に逆転可能だしな。
 しかし、レドとチェインバーは地球のルールを遵守しつつ、圧倒的不利な状況をそのパワーでひっくり返し、船団の皆さんにその力と自分たちが驚異でない事を示したのだ。前回で悪化した状況もこの一件でひっくり返ったわけだが、ただ単にチェインバーの圧倒的な武力があったからではなく、それはここまでの会話があったからこそなのだ。
 レドはこの地球で生きる人々を理解し、全くの異文化人である彼を理解しようとした人たちがいたからこそ、ガルガンティアの人々に受け入れられる結果となったわけなので、戦闘部分よりもそれまでのレドとエイミー・ベローズ等々の会話の方が物語的にも重要だったのだ。
 ともあれ、事後に帰還したレドに「おつかれさま!今日もごちそうにするね!」と笑顔で迎えるエイミーに、良く聞いていた異言語の感謝を表す慣用句「アリガトウ」と返すレドを見て、あぁこれでとりあえずは一段落だなぁと実にほっこりした気分になりました。
 まぁ上層部ではまだレドに懐疑的なじいさんたちがいますし、ガルガンティア全ての人たちが全面的に信用しているわけでもないだろう。そして女海賊ラケージも簡単にやられちゃいましたから借りを返そうとするでしょうから、これからも色々とあるでしょうけど、今回でガルガンティアの危機を救った異人として、ある程度の認識を得たレドとチェインバーは、エイミーたちと上手く乗り越えてくれるんだろうなぁと明るい兆しを感じられます。

 なんにせよ、ここからレドとガルガンティアの人々との交流が本格化し、物語的にも序章が終わって本編に入るでしょうから、次回からの展開を期待していきたい。

翠星のガルガンティア 第2話「始まりの惑星」

2013年04月28日 | 視聴済アニメごった煮
逆効果になってしまうわなー。

 そんな今回のお話は…
 太陽系第3惑星・地球。眼前に広がる広大な海。レドは自分が漂着した惑星が、既に滅んだとされていた地球と知って驚く。
 そしてレドは今、その海上をゆくガルガンティア船団の人々に取囲まれつつあった。
 チェインバーの翻訳機能を通じて話しかけるレドと、対話を試みる船団長補佐のリジット。だが、お互いの会話はすれ違い、緊張感が高まっていく。
 ガルガンティア側でも、レドを放り出せと主張するピニオン、チェインバーをサルベージしたベローズ、船団長フェアロックらの間で意見は割れる。
 レドに人質にされかかったエイミーは、パイロットは驚いているだけで、敵意は無さそうだと語るが、紛糾する会議では注目を集めない。
 エイミーの弟ベベルは、少年が、大昔に宇宙へと旅立った人類の子孫ではないかと語る。戦線復帰を保留し、住人と再度接触すべきかと考え始めたレド。
 その目の前に使者が現れる。それはレドが人質にした少女、エイミーだった。
 以上公式のあらすじ。

 お話はあらすじにある通りから、サルベージしていたベローズが海賊に襲われ、エイミーに援護を求められたレドはチェインバーで海賊を殲滅してしまう。という流れ。殲滅ってところがポイント。
 話が動くのは海賊が現れてからで、基本、主役のレドはずっとガルガンティアの人たちに取り囲まれたままで、特使となるエイミーと話す程度で表面的な動きはない。しかし、来訪者であるレドの処遇に割れる意見であったりの状況としては少しずつ動いていて、最後の海賊登場により事態が大きく動く事となって引っぱった。
 先に今回のメイン所の方を言ってしまうと、謎の異性体と宇宙戦争できる兵器なんだから、文明の遅れた地球の海賊なんざ楽勝だし、事実あっという間に「殲滅」してしまうのだけど、見ていて「あぁ~やっちゃったなぁ」と思わざるを得ないようにしているのは上手い。
 友軍と連絡は取れず、現在位置の座標も分からない今、自力で戻る事が出来ないのであらば、救難信号に友軍が気付くまでここで待機し、ガルガンティアと協力関係を得たい思っていた所での海賊騒動。
 この前に特使としててやってきたエイミーとはほんの少しだけ理解した所だったので、この海賊撃退がレドとガルガンティアの人たちが仲良くなる転機なんだろうと当然思うのだが、ここで文化の違いが大誤算を生んでしまうのがおもしろい。
 ずっと兵士として戦ってきたレドとしては、敵襲に援護とくれば殲滅は当然。そして上記したように乗機チェインバーは謎の異性体と宇宙で戦闘できるほどの戦闘力を有しているわけで、まぁ簡単な仕事をしてガルガンティアの人たちにとっても良いことをした事になるのだけど、あまりに力の差があり過ぎた。
 一筋のビームで海賊船は簡単に爆発するし、リフレクタービームに当たった海賊は一瞬で塵と化してしまう。レドにとっては最も効果的にベローズたちに危害が及ぶ事無く目的を遂行したに過ぎないのだが、エイミーにとって、ことガルガンティアの人たちにとっては予想の範疇を越えていたのだ。
 上で援護要請と書いたが、それはチェインバーの翻訳であって、エイミーは「助けて」と言ったのだ。つまりベローズたちを守ってくれればそれでよかった。しかし兵士として戦ってきたレドは敵を殲滅してしまえば(簡単なことでもあるし)驚異は無くなり、結果ベローズ達の生命は守られているので同じなのだ。
 つまり、レドにとっての最善がガルガンティアの人たちにはやり過ぎになってしまった。レドがよかれと思ってした事が完全に裏目に出てしまい、レドを取り巻く状況は、むしろより悪くなってしまったと言っていい。簡単に撃退されてしまった事で海賊に目をつけられるだろうし、なによりレドとチェインバーを驚異と思ってしまうだろう。何かあった時に自分たちもああなってしまうかもしれないと。
 エイミーの特使で少しは状況が好転するかと思いきやの所でのこの外し。またレドの事もガルガンティアの人たちの事も分かるので、レドが善かれとやった事に、見ていて「わぁやり過ぎだって!」と思わせるように誘導しているのが上手い。状況がさらに悪くなってこれからどうなるのかを気にさせてくれる。

 その他としては、今回はガルガンティアでの日常という部分を見せて、レドが地球の事に対して理解度を上げていく様子を見せている。それは前回レドの方を見せて彼を見ている側に理解させるのと同様に、今度はガルガンティア側がどんなふうであるかを理解させている。まぁぶっちゃけてしまえば設定の説明ではあるんだけど、そういう事を見せていく事によって、レドの理解度を感じられるし、ガルガンティアにすむ人たちがどういう思いなのかを垣間見れるのは上手い。
 そういった中で、一番レドと関わりが深いエイミーが特使としてやってきてからはおもしろく、お互いの事を話し合って理解度を上げていく様子が分かり、この交流で上手く好転してくれればいいと思うのだが、、当然エイミー以外はレドと話をしていないので、やっぱり「なんだかよく分からない」驚異としてしか見れないのがポイントだ。
 エイミーとは理解を深めたけれど、別にエイミーはガルガンティアで特別偉い立場であるわけでもない一般市民(?)なわけだし、レドはなにかみんなを納得させる事を示さなければならない。そこでの海賊騒動はレドが言うように良い交渉材料だったわけだけど、結果は上記した通りになってしまった。
 レドとガルガンティアが仲良くなれば良いなーというか、きっとなるのであろうけど、都合良くトントン拍子でいってくれないもどかしさが良い。
 全く文化文明が違うのだから、むしろ都合良く言ってしまう方が違和感あると言いますか、実際こんな事があったならば、きっとこんな感じだろうと思うし、そういう中でエイミーが劇中言うように、もっとお互い話をすれば理解できるのにとも思わせる。このちょっとモヤモヤッとした感じを、どこかでわっと払拭してくれる事だろうと期待してしまうのだ。
 そういう意味では期待値は高く、どういうふうにしてくれるのかなーと思わせてくれるのは上手い。まぁけっこう動きが少なくて(お話的にという意味)地味なんだけど、先が分からないおもしろさって言うのは十分にあると思う。

 これから何がどうなって仲良くなって、仲良くなった先にどうなるのか。自分がまだ知らないワクワクがこの先に待っているのではないかと期待できるのだから、やっぱ物語ってのはおもしろい。
 ってユーなんだか良く分からない締めで今回の感想は終わりんぬ(笑)。

翠星のガルガンティア 第1話「漂流者」

2013年04月21日 | 視聴済アニメごった煮
内容はあらすじ通りだが。

 そんな今回のお話は…
 はるか宇宙の深淵、人類銀河同盟は種の存続を賭けて、異形の宇宙生命体群ヒディアーズと終わることのない戦いを続けていた。
 人類銀河同盟の兵士レドは撤退中、不測のワープ事故に巻き込まれる。上官であるクーゲル中佐の援護もむなしく、レドは乗機である人型機動兵器チェインバーとともに空間のひずみへと投げ出された。
 レドが次に気付いた時、チェインバーは見知らぬ格納庫に横たわっていた。緊急事態に陥ったレドは半年間人工冬眠し、外部から刺激を受けたチェインバーがレドを覚醒させたのだ。
 周囲を取囲む、未知の原語を話す、未知の人々。現在位置を喪失し、救難信号にも応答はない。どうすればいいか。
 文明の劣った辺境惑星にたった一人漂着したのだと考えたレドは、人気がなくなったのを見計らい、戦線に復帰するために行動を起こす。
 チェインバーの外へ出たレド。その前に、一人の少女が立っていた。その時レドは……。
 以上公式のあらすじ。

 冒頭に書いたように、今回のお話としてはほぼ引用したあらすじ通りで、この物語を始める為の舞台と設定を準備をして終わったが、ありがちな設定ながらも「これからどうなるのなぁ」という期待値と、最終的に主役をどうしてこの物語を締めるのかが気になる作りになっていて、なかなか見応えがあった。
 あらすじにない設定を一応記しておくと、人類はすでに地球を遠い昔にはなれたようで、遠い銀河で宇宙生命体群ヒディアーズと戦闘していて、この物語の主人公レドは上記あらすじにあるように、撤退する母艦に乗り切れず、ワープ航行による空間の歪みへと投げ出され、サブタイにあるように未開の惑星へと漂流してしまう。それから半年。人工冬眠から目覚めたレドは……というのが今回のお話で、今回のラストの「漂流先は、レドたちにとっては伝説的になっている人類発祥の地、地球だった」ってのが分かれば良い。
 要は、高性能人型ロボット兵器を作って宇宙の謎の生命体と戦闘を繰り広げるほどの文明を持つに至った人類銀河同盟の少年兵レドと、地球に取り残され今の我々の文明よりもちょっと前の文明レベルの地球人が出会うってところがポイントでありこの物語の始まり。
 おもしろいのは「どちらも人間」って所で、こんだけ文明レベルが違うと同じ人間ながらもお互い異星人のように見えてしまっている事ですよね。お互いがお互いを全く理解できず言葉も違ってしまっている。こういう中で、たったひとり流れ着いたレドがどうするか……は、まぁ最後の地球ということが判明し驚愕するレドを見れば、人類銀河同盟はもう「地球はない」と認識しているわけだし、おそらくは地球よりも何万光年も離れているであろうから救助がくるアテもないわけで、現地人と仲良くしていくしかないですわな。

 とまぁ、そういう事になるであろう事は分かるが、地球人でありメインヒロインであろうエイミーたちは純朴そうなので、暖かい交流が育まれるのであろう事は想像出来ようが、何せ人型機動兵器チェインバーだけでもこの地球にとっては無敵の兵器だし、レドはずっと戦う為に生きてきた人間でなので、ただのんびりと地球で過ごせそうもない。まぁ要は、考え方によってはレドを仲間に引き入れれば、この地球を統治下に置く事も不可能じゃないわけですしね。これから何がどうなって、レドやエイミーたちがそうしていくかを気にさせる。
 そして最も気になるのは最終的にどうするか、だ。現時点でのレドは戦線に復帰したいと考えている。もとよりなんだかよく分からない宇宙生命体群ヒディアーズと戦争しているわけだし。そうこうしている内に人類銀河同盟の敗北、人類滅亡ってこともない話じゃないわけだし。
 最終的に帰れる状況になったとして、レドは帰還を望むのか。それとも地球に残る選択をするのか。それ以前に帰れるようになるのか。はたまたもう帰還する事は出来ないのか。どういうふうに物語を締めるのかが、もうこの時点で気になって仕方ない(笑)。

 今回のお話としては、上記しましたように舞台を整えた、というだけなので某ないんだけど、視聴者的にはレド側にもエイミー側にもつけないのが見ていておもしろいなーと思う。
 レドは今現在の我々の文明レベルより遥かに高い文明人だし、地球側のエイミーたちにしたって、我々の地球とは違った地球の姿をしているので、この劇中の地球に馴染みがない。
 しかし、レドの方はAパートで彼がどういうふうであったかを知る事が出来ているのである程度の理解はあるし、この地球の方も今の我々の文明よりちょっと前くらいなので分かる部分も多く、見ていてどちら側もよく分からないけれど、どちらの困惑ぶりも分かるようになっているのは上手い。

 まぁなんにせよ、物語が「どうなるのかなぁ」と思う事が出来なければ個人的にはさして見る価値もないと思っているので(つまり続きが気にならないなら見る必要ないってこと)、ありがちそうな設定ながらも、これからどんなふうになっていくのか想像できないってのはとても興味をそそられる。
 今期(2013年春期)のアニメで色々興味がそそられるのはあったけど、この翠星のガルガンティアが一番どうなるのか分からなくて続きが気になった次第だ。鳴子ハナハルさんの女の子が可愛いっていうのもあるが(笑)。
 ともあれ、ビビットな赤い作戦みたいにならない事を願う。まぁそんなことにはならんでしょうが。シリーズ構成・脚本:虚淵 玄だし。

 どーでもいーけど、一週遅れの感想なんで新鮮味が無くて書く事ないなぁ。2話でどうなるか知っちゃってるし。来週までにサクッと追いつきたい。後どーでもいーついでに、公式がなんかめっちゃ重いんですけど、どーにかなりませんかねぇ。

ガールズ&パンツァー 全体的な感想

2013年04月07日 | 視聴済アニメごった煮
最終回の感想が随分長くなってしまいましたので、ここで全体的な感想を。

 いやはや、まずは「天晴!見事なり!」と言っておこうではないか。正直、第1話のOP見ている時点で、これほど見事な物語になるとは思っていませんでしたよ。
 転校してひとりぼっちだった主人公西住みほが、ふとしたきっかけから友人を得て、そこから始まる友情。そしてみほの転校のきっかけでありトラウマでもある架空の武道「戦車道」を通しての少女達の成長。「ガールズ&パンツァー」の看板に偽り無しの、正に戦車と少女たちの友情と成長譚であった。
 某巨大掲示板のスレッドタイトルみたいな、わけの分からない物語(個人的にスレタイみたいなタイトルにするのは、ものすごく見苦しいのでやめた方がいいと思うぞ?)がある昨今、これほど綺麗にストレートな物語を見事にまとめているんだから、もうそれだけでもすごいのではなかろうか。

 この物語のおもしろいところは、まず「大きな転機がない」ことだろうか。
 まぁ、第1話で戦車道から逃げて、二度と戦車に乗るまいと思っていたみほがまた戦車道をやることになってしまった、ということでは転機ではあるが、それはこの物語を始める為の転機である。みほ率いる大洗女子戦車道チームが全国大会に出場し優勝するまでに、トーシロー軍団であった彼女らが、優勝に至るまでに「ここで大きく変わった」ということがないのだ。
 だがしかし、第1話と最終話での大洗女子のみなさんは全くと言って良いほど違っている。それは最後に至るまでに彼女たちが少しずつ変わっていったからで、彼女たちの小さな経験を積み重ねていった結果、最終的にそのようになった形になっている。見事なのは、それをたった1クールで視聴している者に理解させ、納得させた力量だ。
 1クールという時間的制約がある中、割と登場人物が多いこの物語で、その登場人物たちの交流と成長、そして経験を積んでいく様を描いているのだから、見ていて最初と違う彼女たちを自然に受け入れることが出来る。また、その相違点を感じられれば、前にこんなことがあったあんなこともあったとこれまでの軌跡を蘇らせ、その違いを納得することが出来るのだ。
 それをことさら説明するわけでもなく、自然に見せるということをやってのけている点が素晴らしい。4クールもやってお話に全くつながりを感じさせなかったあげ玉ロボットアニメのシリーズ構成は、このアニメを見て見習ったらどうか。

 もう一点としては「友情譚」。
 最終的には「廃校阻止」ということもあってさらにまとまりを見せた大洗女子チームであるが、別にそれだけでまとまったわけではない。むしろそれまでがあるからこそ、廃校というイベントで「まとまれる」のだ。
 第8話プラウダ戦でのろう城中にもあったように、来年も「この仲間達と一緒に戦車道をしたい」から廃校にしたくないのだ。お互いが特になんとも思っていない間柄であったなら、ここで一致団結して廃校を阻止しようとなるだろうか。いや、なるまい。最初、大洗女子チームはそれぞれ目的が違っていたが、まずみほの乗るIV号の中での交流を見せ、そこから試合を通して各チームとつながり始め、全国大会で苦戦を強いられる中でより密接につながっていく。彼女たちが信頼し合うに至る様子を丁寧に描いているから「廃校にしたくない」部分で「まとまれる」。
 またその彼女たちの友情が小さな積み重ねなのだ。例えば、陸自の教官にみほが西住流のことをふられて困っていると、事情を知っている沙織が即座に話を変える。まぁここまではありそうな話ではあるが、この後にみほが後ろを振り向いて沙織の顔をちらと見るのだ。ほんのちょっとのことだが、みほが困っている自分を助けてくれた沙織に「ありがとう」という意味で振り向いたのだと分かるではないか。沙織も顔は映っていなかったが、そんなみほに笑顔で返したのではなかろうか。こういうちょっとしたことで、大きく彼女たちの気持ちを感じられ、見ていて「いいなぁ」と思わせてくれる。やはり美しい友情は見ていて気持ちがいい。そしてそれを上手く使っているので以下で語る。

 もうひとつとしては「展開」だ。
 まぁ正直言ってしまえばだ。1クールの物語で、主役たちのトーシロー軍団が全国大会に出れば、まぁまず優勝するってのが物語ってものですよ。そう、結果は分かっているのだ。ではなんで、私は分かっていることにこんなにもハラハラドキドキしながら試合を見ていたんでしょうね?
 常に戦力差のある大洗女子でしたから、勝つことは分かっていても「どう勝つのか?」という部分と判官贔屓的なことはもちろんあった。でもそれだけではこんなに楽しく見れないだろう。勝つと分かっていながら「どうなっちゃうんだろう?」と思わせてくれることが大事なのだ。
 考えてみれば、勝つと分かっているのにどうなるんだろう?はおかしな話ではある。勝つって分かってるんだから。では何故そう思うか。結論を先に言ってしまえば感情移入しているからだ。見ていて劇中のみほたちと同じ様に感じられてしまって、頭の中から「勝つと分かっている」が吹っ飛んでしまっている状態。
 つまり、試合前から試合中にかけ、みほたちの上記した友情譚であったりを見てきて、勝ってもらって気持ち良さを味わいたいと思うのは当然。それがあっての展開なんですよ。その良い例がサンダース戦。
 始めての対外試合でグロリアーナに僅差で負け、次は勝ちたいとなっての全国大会。抽選後に黒森峰のまほとエリカに会い、萎縮するみほをいじられて憤慨する仲間達。もうここで初戦を勝って見返してやりたいと思わずにいられない。そして試合。無線傍受でいきなりのピンチに陥るも、それを逆手に取ってチャンスを作る。そこから敵フラッグ車を見つけてさらにチャンス。しかし後続に追いつかれ、八九式・M3が撃破され一転大ピンチに。勝ってやるぞと思っていた中でのシーソーゲーム。ハラハラしてしまうの無理はない。そんな危機的状況に皆あきらめかけている中で、主役のみほが「今はチャンスなんです!当てさえすれば勝つんです!あきらめたら、負けなんです!」と仲間の奮起を促す。見ていて勝ってほしいのに劇中の彼女らが意気消沈。「ああ、がんばれがんばれ」と思っているところでの視聴者の声を代弁するかのようなみほの台詞。そしてそれが皆に伝播するのだから気持ちが良い。そこから意を決してのIV号が稜線射撃へ移って見事敵フラッグ車を打ち抜く。もうここまできたら、IV号から発射される砲弾に「当たれー!」と思わずにはいられないし、白旗が揚がって一発逆転し「やった!」と思わずにはいられない。決着後はグロリアーナ戦でバラバラであった彼女たちが、みほの元へわーっと集まってきて健闘を称え合う姿が胸に沁みる。
 と、このように、感情移入させてお話の中に入り込ませ、「勝つに決まっている」と思う隙を与えない。そういう中で展開を二転三転させて「この後どうなるのだろう?」と思わせる。見事な運びとしか言いようがない。
 また分かっている展開で間を持たせることで、じりじりとさせる点も上手い。
 サンダース戦での稜線射撃もそうだが、プラウダ戦においても、逃げる敵フラッグ車を仕留めることは分かっていても、たくさんの敵車輛に追われる八九式と、逃げ回る敵フラッグ車の両陣営の逃走を見せつけて「ああ、早く早く」と思わせる。また決勝戦でも、エンストしたM3を助けに行く際も、助けに行くことは分かってはいても、みほの気持ちが解っている分、彼女が下を向いて考えている間が非常にじれったく「早く行ってあげて!」と思わずにはいられない。
 それもこれも、戦車戦と同様にみほたちキャラクターの方もじっくりと描いてきたからこそで、彼女たちの気持ちを感じられることが出来るから、冷静に考えればストレートな展開に、こんなに感情移入してみることが出来るのだろう。そう考えると、物語やお話ってのは、特に捻らなくても十分に人を感動させることが出来るのだなぁ。
 ああ、それと、最初の対外試合グロリアーナ戦で負けているってのがその後のお話で大きなポイントとなっているんですよね。これがあるから万が一にも「負けることもあるかもしれない」と思わされる。一抹の不安を憶えるのだ。実に素晴らしい脚本とシリーズ構成だったと言わざるを得ない。

 上記以外では、砲塔視点でのカメラワークが印象的であった。
 けっこう何度もあったこの砲塔視点だが、これはスピード感を感じられるし、なにより戦車に乗っているような気分を味わえる。実際乗っているとしたら「こんなふうに見えるんだ」と思えるだけで追っている・逃げている感が違うだろうし、馴染みのない戦車という乗り物がどんなふうなのかを擬似的にでも感じられるのは良いだろう。
 そうかと思えば恐ろしくロングで引いたカットで状況や布陣を語る事無く説明したりして、お話もさることながら、見せるという点でもよく考えて作られている。
 演出・カット割りでは「IV号始めての砲撃」は個人的に圧巻であった。第3話の感想で詳しく書いているので省くが、そこに限らず、どこを印象的に見せるかがよく考えてあり感心。
 最後にひとつ持ち上げたいのは、「スーパーヒロインがいない」ということだ。
 登場人物は誰もが変わった人たち(笑)であったが、主役のみほでさえ、特別天賦の才能を持っていたわけではないし、類い稀なリーダーシップを発揮して皆をグイグイと引っぱっていったわけでもない。
 彼女たちは普通の女子高生で、普通に学校生活をしていて、普通に戦車道という武道(?)をしている等身大の女の子たちなのだ。世界の命運を賭ける戦いや、命を賭す闘争に巻き込まれるでもない話で、普通の女の子たちが友情を育み成長する様をこれだけ感動的に、そして盛り上げて見せているのだから素晴らしいという他ないではないか。

 とまぁ、上記したしたように、文句の付けどころのない物語でありました。素直に製作陣の皆様に拍手をしたい。パチパチ。
 敢えて文句を言うならば、2回も落としたことだろう(プロとして期日に間に合わせられないのはダメ!)。それを除けば私なんぞがとやかく言うことも無く、まだ見ていないなら是非見てくれと言いたい。
 私は好きなアニメを一つ挙げろと言われたら「一つに絞るのは無理!」と答えるようにしているんですが(無理だよね。)、5つ挙げろと言われたら必ずこの「ガールズ&パンツァー」を入れようと思います。それだけ私の中では群を抜くおもしろい作品でありました。
 アニメが好きという方で見ていないのならなら是非見ていただきたいし、アニメ云々じゃなくても物語が好きな人にも是非勧めたい、そんな逸品でありました。
 なんか久しぶりに良い物語を見たなぁ。

ビビットレッド・オペレーション 最終話「ビビットレッド・オペレーション」

2013年04月02日 | 視聴済アニメごった煮
最後まで茶番か。

 そんな今回のお話は…
 れいを飲み込んだカラス。自ら<彼ら>を越えるものと自負し、圧倒的な力をふるう。
 そして、この世界を終わらせようと、示現エンジンのエネルギーの吸収と暴走させるためブルーアイランドへと向かう。
 SGI爆弾すら通用しない敵に打ちひしがれる健次郎たち。しかし、あかねたちはれいを助けるため、友情の可能性を信じカラスを追っていくのだった。
 それぞれの想いをかけた戦いの場へと…。
 以上公式のあらすじ。

 なんだろう。この見事な予定調和感。なんにも思う事無くラスボスと化した代弁者をぶっ倒して終わったよ。
 お話は前回予想していたような感じではあって、れいを飲み込んだ代弁者は矢の力を得て、「高次元知性体よりも力を得た(たぶん)=神。なので地球は消去!」とか言うのでなす統べないとか思っていたら、代弁者の中にれいが生きていることが分かったので、あかねたちが助けに行くぜー!と代弁者に向っていって、あかねがれいの元にたどり着いてドッキングし、代弁者をパンチしてやっつけた、という話。うん。間違ってはいない。
 まぁ先にも述べた通り、なんにも思う事無く最後まで突っ走っていきましたので、ホントに何かしら思う事がなかったのだけど、それ故にもうちょっと何かあっても良いのでは?と思ったよ。
 特に「衝撃の展開がっ!」とかの大どんでん返しがあったわけでもなく、ラスボス倒しにいくのだって、苦戦しながらもあきらめることのないあかねたちを見せてくれるでもないし、何か良いアクションがあったわけでもなく最終奥義×4だし、案の定最後に高次元知性体が前触れも無くやってきて、れいの世界を元通りにして返しちゃう。正直、どの辺が盛り上がりどころだったのかが分からないよ。
 妙にノッタリしているのもイヤで、防衛軍がなんかする所なんざ申し訳程度でいいだろと思わずにはおれん。アローンでさえ彼らの兵器は効果無いのに、そんな長々と彼らがなんかする所を見てても仕方ないよなぁ。まぁ防衛軍って言うんだから、効果無くてもなんだか分からない敵に向かっていくのは彼らの仕事なんでしょうが、ただ「こいつらでは何も出来ない」と言うことを見せるだけならそれと分かるちょっとだけでいいだろ。別にこのアニメを見ている人たちは、戦闘機や軍艦がやられる所を見たいわけではなく、あかね達の活躍が見たいのだから。
 そんなあかねはと言うと、彼女らがなんかするのはBパートからなのだ。なんでAパートで彼女らはぼーっとしているんでしょうかねぇ。
 これまでなんでかよく分からないけれど、使命感を持ってアローンと戦ってきた彼女たちなんだから、ラスボスが現れ、某援軍がやっぱり役に立たないとなれば、じじいがもう勝ち目無いよと言った所で「そんなの関係ねぇ!」と果敢にラスボスへ向っていくもんじゃないのかな?れいの持っていた鍵を見つけてようやく「届けに行く!」と向っていくのだけど、鍵が見つからなかったら、こいつら動かなかったんじゃないかとさえ思ってしまう。
 ラスボスとの決戦も、上記しましたようにドッキングをしては最終奥義の繰り返しで、せっかく戦闘前に、示現エンジンの力を吸い取られているので、そこからエネルギーを供給しているパレットスーツの力には時間的制約があることを語るのなら、そういう中でジリ貧の戦闘をこなしていく彼女たちを見せて、「これが世界を救う最終決戦なのだ」と感じられるようにしてもらいたいものだ。なんの苦労もした感も無く、ドッキング→最終奥義の繰り返しでは、ラスボスはこれまでのアローンとそう変わらないではないか。
 この最終決戦ってのは、まぁ最終決戦に限らず戦闘は、結果は分かってはいるものの主人公たちを見て「ああ、がんばれがんばれ」と応援したくなるように思わせないと意味は無く、そう思えるからこそ絶対不可能にあきらめることのない主役たちの姿や言葉が胸を打つのだ。全然苦労する事無く、ホイホイと自らを神(たぶん)と自称するヤツをやり込めてしまっては興醒めという他ない。
 こういうなんかすんごい敵を主役達が最終的にやっつけるお話ってのは、結果が分かっているので、そもそもを言えば茶番ではある。でもその茶番を茶番と思わせないようにするのが物語というものなのではなかろうか。茶番のまま終わってしまっては、そらもう「茶番」としか言いようがないわな。
 ラスボスやっつけてからも、高次元知性体が突然現れてなんでれいの世界を元に戻しちゃうの?そんなことできるんならラスボスくらい彼らは簡単に消せるんじゃないの?消さないのであらば、彼らは代弁者が勝手に力を得て、我=神とか言って傍若無人な働きをするのはOKで、人間が示現エンジン好き勝手に使うのはダメとかいう考えなの?つか、事後にれいの世界を元に戻したってことは、彼らは代弁者が暴走したことに対しての「ごめんね。これお詫び」ってことなんでしょ?だったらラスボス消せよってぇ話ですよね?
 ホラね。だからこのサイトで常々言っているじゃないですか。物語ってのはフィクションで、言わば嘘っぱちのお話なんだからどんなウソついても良いけど、そのウソに疑問を持たせちゃダメなんだって。

 もう面倒くさくなってきたので(笑)全体的な感想を。
 最初は少女たちが色々なイベントを通し関係を築いていったり、成長していく過程を描いていってくれるんだろうなぁという期待値があって「どうなるのだろう」と思って見てきましたが、結局、表層を撫でただけで終わってしまったという印象だ。物語の設定的には悪い所はないと思うので、やっぱり肝心はお話、ということなんだろう。主要キャラ達のことは、もっともっと突っ込める所があったように思う。
 キャッチコピーが「友情が世界を救う」のくせに、全然友情を描いてくれないのだから、「友情」云々言う所で全然乗り切れねぇ。そんなにこいつら友情を深めたか?と思わずにはおれん。むしろ最後までこの物語を見て、このアニメが一番見せたかったのって、変身する女子中学生とケツ、だったのではないか。とさえ思ってしまう。
 ラスボスやっつけた後にじじいが、他者と関わらないものは自ずと限界が見えてくるが、他者と関わることで競い合ったりして限界を超える。みたいな知ったような口をきくのだけど、そういうこと言うのなら、それが感じられるようなことを描いてくれよ。主役たちは登場した時からほぼそのままですよ?
 まぁ、彼女らが何か「変わった」とすれば、友達になったということではあるのだが、その「友達」にしたって、クラスでちょっと仲が良いくらいの印象しかない。それなのに下手すれば命を失うかもしれない戦いに身を置くのか。う~ん。オレにはさっぱり理解できん。やはりここは、命を失うかもしれない。でも今私が(私たちが)戦わなくては!と主役達が強く決意することがあってこそ、だと思うんですがねぇ。
 個人的に一番イヤだったのは、主役のあかねだ。ちょっと前から言っていましたが、こいつは「ものすごくウソっぽい」のだ。
 最初は気にならなかったんだけど、序盤過ぎた辺りから、言うことがすごく軽くなっていくんですよ。言うことが軽いってのは「チャラチャラしている」ということではなく、言葉の割に重みがないということの方です。ホントにあかねはそう思ってんのかなぁと思わせるのだ。なんか「あかね」というキャラクターの着ぐるみの中で、誰かが台詞を喋っている。というイメージ。
 まぁ声優さんがキャラクターを演じているのだから、それは当たり前ではあるんですけど(笑)、でもそれを感じさせちゃダメですよね。まぁつまり何が言いたいのかというと、「あかね」というキャラクターをひとりの人間として感じられないのです。中身がすっからかん、みたいな感じがすごくイヤだし、もうぶっちゃけて言ってしまうと気持ち悪い。まぁそれが、声優さんの演技所為なのか、演技を付けた監督の所為なのか、キャラクター設定の所為なのか、なんなのかは私には分からないんですけど。ともかく、だから主役がいないお話の方がおもしろかったりするんだよ。

 ともあれ、今思えば1クールで良かったよ。もうあと1クールあったらかなりゲンナリしていたに違いない。
 まぁ女の子のケツが大好きな人は見てみても良い、かもしれない、ような気がしないでもない、かな~?

ガールズ&パンツァー 第12話「あとには退けない戦いです!」

2013年03月31日 | 視聴済アニメごった煮
何度見ても泣ける。

 そんな今回のお話は…
 黒森峰のマウスの圧倒的な力に押される大洗女子。だが、ここでマウスを倒さなくては、形勢の逆転はあり得ない。
 カメさん(生徒会)チーム、アヒルさん(バレー部)チーム、そしてあんこうチームは捨て身の作戦で挑む。
 果たして活路は開けるか。大洗女子の命運は!?
 以上公式のあらすじ。

 いやぁ冒頭にも書きましたが、何度か見たが、その度に涙ぐむよ。素晴らしい物語であった。
 さて、お話は前回からの超重戦車マウスの登場で、ルノー・III突が撃破されてしまった所から。
 市街戦で決着をつけるには、この超重戦車マウスと戦うしかない。しかしモタモタしていたら黒森峰の主力が追いついてしまう。大洗の残った5輛が一斉射撃をしてもマウスの装甲は厚く、前どころか横も後ろも抜けない。主力が追いつくまでにこのマウスをどう落とすか。ここが序盤の山場のひとつ。
 私も見ていて足が遅いので危険承知でスルーするか、動けないような状況にして無力化してしまうしかないなーと思っていたんですが、戦車データを見ていた沙織が「いくらなんでも大き過ぎ!こんなんじゃ戦車が乗っかりそうな戦車だよ!」のぼやきを聞いてみほははっと作戦を思いつく。さすがに私も気付きました。そう、横がダメなら上からですよ!マウスの上部は排気口等々スリットが多い。そこを狙うのだ!ここから見事な連携と戦術を大洗女子が見せてくれる。
 高低差がある所まで一旦逃げマウスをおびき寄せると38t(ヘッツアー改)が突撃して衝突。その小ささと形を利用し下にもぐり込む。車体前面を浮かせて動きを止めたのだ。次は横へ回って攻撃。効果は無いが、マウスは当然そちらへ砲塔を回す。そこへ八九式が38tを足場にしてマウスの上に乗っかり、砲塔が回らないようブロックしてしまう。
 上からの攻撃が有効と分かっても、敵が動いていては狙い外れるし、こっちが狙っている所を撃たれたら元も子もない。自軍の戦力を見てどうすれば有効な攻撃を仕掛けるられるかを瞬時に思いついたんだから、みほの作戦立案能力はなかなかずば抜けてるよなぁ。彼女は1話で母も姉も戦車道の才能があるけど私は……みたいな事を言っていたが、これはみほの才能と言っても過言でなかろう。ともあれ、みほはマウスを動くことが出来ないようにして「張り子の虎」にしてしまったのだ。
 個人的にここで好きなシーンがあって、上に乗っかった八九式にマウスの黒森峰が「おい軽戦車!そこをどけ!」と怒鳴るのだが、八九式の小窓から顔をのぞかせた磯部さんと佐々木さんが「いやですぅ。それに八九式は軽戦車じゃないしぃ」「中戦車だしっ」と言って返すのだけど、この口調の見事におちょくった感じが可愛らしくてステキだ(笑)。そんな八九式と38tの働きで動きを止めたマウスに、IV号が段差を登って上から後方上面のスリット部へ砲撃。見事撃破に成功する。
 おそらくまともに戦ったらまず勝ち目のない超重戦車を、大洗女子の比較的小柄な戦車が手玉に取って仕留めてしまうことの気持ち良さ。そして土壇場をひっくり返した高揚感と言ったらない。
 しかし、次の行動へ向う際、マウスの下から出る38tを見ていて「砲身はこれで死んだなー」とは思ったが、超重戦車の下敷きになったダメージはかなり大きかったようで、38tの動きが鈍くなりエンジンからは黒煙が噴き上がって止まってしまい判定器の白旗が揚がってしまう。このシーンはなんともやりきれない思いだ。
 軽戦車である38tは前回伏兵として、今回はマウスの動きを止めて、この決勝で見事な働きをしてくれた。劇中河嶋さんが言ったように「ここまで良くやってくれた」と思わずにはいられない。確かにマウスの撃破は大きい。がしかし、それと引き換えに大洗女子は38tを失ってしまったのだ。火力の小さい38tでここまでの働きをしてくれたのだから、これでも十二分であるという気持ち半分。3年生のチームであった38tにはもっとがんばってほしかったという気持ち半分で、ここでのカメさんチームの脱落は妙に悲しい。
 だが38tの彼女らは「我々の役目は終わりだな」と清々しく言い、すいませんと謝りにきたみほに「謝る必要はない」「良い作戦だった」「後は任せた」と、ここで脱落する悔やみひとつ言わず、みほに後を託すのだ。そんな彼女らの言葉を受け、無茶させた上に撃破ではなく故障でリタイアさせてしまって申し訳ないという表情から、後を託され勝ちにいく決意ある表情に変わり、力強く「はいっ!」と応える。
 決勝開始直後に1輛、マウスの登場で2輛、そのマウスと引き換えに1輛。ただでさえ少ない戦力が、さらに少しずつ減っていく大洗女子の戦力。減らしても減らされ変わらない戦力差。普通に考えてまだ勝つ見込みは見えない状況だが、みほの力強い返事からは悲壮感は感じられない。彼女たちはまだ勝利を信じているのだ。みほは次の作戦の展開前に各車に言う。こちらは残り4輛、相手は14輛だがフラッグ車はどちらも1輛であると。そして次の作戦の指示を出し、それに答える各車の士気の高さから見ても、彼女たちがこの状況でも絶望せず、勝利を信じているのを裏付ける。
 また最後の舞台である市街戦。これは大洗女子チームが最初の対外試合での再現だ。あの時、トーシローの集まりで負けて当然と思っていた彼女らは今、みほの細かく難しい指示を理解し、圧倒的不利な状況でもあきらめず勝利を信じている。グロリアーナ戦からまとまり出した彼女らは、ここで完全に一丸となって勝利へと向っている。どうしても彼女たちに勝ってもらいたいと思うのが人の情というものだろう。
 そして大洗女子は最後の作戦「ふらふら作戦」を決行に移す。フラッグ車同士の一騎打ちに持ち込む為に、機動力を活かして敵を分散させるのだ。ここからが序盤のもう一山であり、これまでをつなげてくれるのだ

 敵の前に姿を現して追わせ、細かい路地に入ってフラッグ車を誘う。大洗女子の残りの車輛はIV号・ポルシェティーガー・八九式・M3。ポルシェティーガーは別に役割があるので、引きつける役目は八九式とM3が負う。ここでM3の一年生たちがエレファント・ヤークト率いる後続を任せてほしいと買って出るのだ。
 わざと皆から離れ、まずは最後尾のエレファントに狙いをつけ追われる。細い路地に誘い込み、機動力を活かしてロの字の道を周り込んで背後をとる。狭い道故に砲塔の無いエレファントは信地旋回することができない。
 これは決勝戦前、最後の練習の後に一年生たちが集まって見ていたDVD戦略大作戦の有名なシーンを見ていたことがここでつながった。そして彼女らは次にヤークトティーガーに狙いをつけるも逆に向かい合わせで追われる格好になってしまう。それでも彼女らはバックしながらもヤークトにくっついて砲身の内側に入り砲撃させない。ちょっとでも距離が開いて128mmの砲口の前に出てしまえば撃破されてしまう。しかしこの状況でも一年生たちは「怖い~!」と言いながらも「ヤークト、西住隊長の所に絶対向わせちゃいけない。ここでやっつけよう!」とするのだ。私はここで泣きそうになりましたよ。
 細い路地を抜けてすぐには川(廃棄された市街地なので川は枯れている)がある。そこでうっちゃって川に落とそうというのだ。路地を出た瞬間、転回したM3はヤークトとの間が空くので砲撃され撃破されてしまったが、M3を撃破しようと必死だったヤークトは勢い余って川に転落、ひっくり返って砲身も折れ、判定器は白旗を揚げる。
 思い出してみてほしい。初めての対外試合であったグロリアーナ戦で、逆包囲され激しい砲撃を受けた彼女たちは、怖さのあまりに戦車を乗り捨てて逃げ出していたことを。
 敵前逃亡した無様な彼女たちは、その初戦からみほの活躍を見て反省し、全国大会のここまでの激戦をくぐり抜け、そしてこの決勝戦でエンストした自分たちを助けてくれたみほの為、そして勝利の為に危険を投げ打って後続を任せてほしいと買って出て、厄介なエレファントとヤークトを撃破するに至ったのだ。グロリアーナ戦の時では想像もつかない成長ぶりではないか。もはや彼女たちはこの大洗女子戦車道チームにとって立派な戦力となっていたのだ。最初に無様な所を見ていた分、今ここに至っての心の成長ぶりが胸にぐっとくる。これまでの経験が彼女らを大きくしたと思わせてくれるじゃないか。
 また元バレー部のアヒルさんチームこと八九式も3輛を引きつけ激走を見せる。
 初めて乗った練習試合で上手く動かせずに木にぶつかってしまった彼女らは、麻子に操縦を教わり、プラウダ戦ではフラッグ車とKV-2以外の全車輛に追われながらも、勝利を呼び込む不屈の逃走を演じた彼女たちである。それを考えれば3輛に追われたくらいで、そう簡単にやられるものかと思わせてくれる走りを見せる。
 この物語の始まりからここまでがあって、今この時の一年生たちと元バレー部たちなんだと、これまでの彼女たちの軌跡が蘇る。ここまでがつながって正に活きているのだ。この「つながり」を感じられるからこそM3の活躍と八九式の激走が胸を打つ。
 そしてIV号は最終決戦地の廃校へと残りの敵を誘い込む。廃校寸前の大洗女子が最終決戦地を廃校跡地に選ぶのがなんともニクい演出だ。(なんか断言しちゃってますけど、『たぶん』廃校跡地だと思うんだよね。)
 唯一の入り口をIV号と敵フラッグ車ティーガーが通ると、別のルートを通ってきたポルシェティーガーが道を塞いで後続を通さない。ついにフラッグ車同士の一騎打ちへと持ち込んだ。
 大きな広場に出て対峙するIV号とティーガー。まほは「西住流に逃げるという道はない。こうなったらここで決着をつけるしかないな」と言い放つと、みほは不安そうな表情から一転、決意ある表情を見せ「受けて立ちます」と応える。
 全国大会の抽選の後、邂逅した姉まほに萎縮していたみほであったが、今ここへ至って彼女に臆する心はない。信頼し合える友達と一緒に見出した戦車道で、圧倒的に不利な状況から勝利へつながる一騎打ちへと持ち込んだのだ。駆るIV号には最も信頼する沙織・華・優花里・麻子がいる。どうして恐れよう。

 入り口に鎮座したポルシェティーガーは、まるで弁慶かはたまた長坂橋の張飛か。黒森峰の残りを一手に引き受け先に行かせない。その間にIV号とティーガーの一騎打ちが始まる。
 広場を対峙したまま一週した後、細い路地へ逃げるIV号。逃げの一手はない西住流は当然追う。みほは機動力を活かし、一撃を入れるチャンスを冷静に狙っているのだ。まほもただ追っているだけではない。IV号が行く先の建物に榴弾を放ち瓦礫で道を塞ぐ。行く先を塞がれたIV号はバックを余儀なくされるとティーガーはそこを狙って全速で追ってくる。IV号はそのまま全速後退。ティーガーと衝突し砲身の内側へ入って砲撃を避ける。逃げるIV号に追うティーガーの激走は続くが、さすがは全国大会9連覇した猛者黒森峰の砲撃は正確で、IV号のシュルツェンは少しずつはじけ飛ぶ。
 その頃、敵の一部を引きつけていた八九式はついに捕まり被弾。入り口を固めていたポルシェティーガーも囲まれて集中砲火を浴びる。両車輛ついに力尽きるが、ポルシェティーガーはその重量と大きさから撃破されてなお入り口を守り続ける。
 プラウダ戦で不屈の逃走を見せた八九式が被弾して吹っ飛ぶ様、ポルシェティーガーが集中砲火を浴びてもなお動かず黒煙を揚げる様が見ていてつらい。ここまで少しずつ減らされていった大洗の車輛はもうみほたちの駆るIV号を残すのみとなってしまった。
 そのIV号とティーかーの一騎打ちは続く。お互い路地を行き交いつつの撃ち合いとなっていた。IV号は通り向こうから一撃を入れるがティーガーの装甲は固く抜けない。ここでは砲塔視点のカメラワークが効いていて、流れる建物の壁からそのスピード感を感じるし、通りへ出た一瞬での両者の砲撃は手に汗握る。そして両車輛は最初の広場へ戻ってきた。
 そこでポルシェティーガーから交信が入る。後続がポルシェティーガーの上を登って無理くりそちらへ向おうととしていると。もうみほたちに残された時間は少ない。
 みほは一撃をかわし、その隙に距離をつめて至近距離から必殺の一撃で決着をつけるしかないと決意する。グロリアーナ戦で隊長機とやり合ったあの戦法だ。
 優花里に更なる装填時間の短縮を要求すると「任せてください!」と力強く応える。華は0.5秒でも停車する時間をくれれば確実に撃破してみせると豪語する。麻子には全速力から一気に後部まで回り込めるかと問うと「履帯切れるぞ」と忠告する。しかしみほは「大丈夫。ここで決めるから」と答える。みほの決意は固い。いや、もうここで決めるしかないのだ。麻子は「分かった」と頷いた。初めての対外試合でみほにおんぶにだっこだった彼女たちは、今、みほの要求に応えることが出来るのだ。
 そしてみほと同様に、華たちの決意も固い。前回エンストし川で立ち往生した一年生たちを助けに向ったみほの戦車道は、決して「間違っていない」と勝って証明する、その決意だ。愛する学校の廃校阻止の為、友達の為、そして自分たちが信じた道の為、IV号は一丸となりみほの「前進!」の声と共に最後の勝負へと発進する。
 広場の外周を回るIV号に、ティーガーはやや中央へ出て回るIV号を旋回して射線に入れようとする。十分速度を出したIV号は中央へ転回、「撃て!」の合図と共に砲撃。当たるもティーガーの前面装甲は抜けない。続いてティーガー砲撃。左に避けて砲塔右側面のシュルツェンが吹き飛ぶ。そのまま全速力で駆けるIV号は左側面から後方へと回り込む。猛スピードでの回り込みに履帯から火花が飛び、転輪は次々と弾けとんで、麻子が忠告したようについには履帯もちぎれるが、それでもIV号は横滑りし止まらない。回り込むIV号を追ってくるティーガーの砲塔。綺麗にティーガーの真後ろまで回り込むIV号と見事にそのIV号を追ってきたティーガーの砲塔。同時に砲撃し、両車輛が黒煙に包まれる。
 IV号の砲撃はティーガーの後部装甲を貫き、ティーガーの砲弾はIV号の残った砲塔左側のシュルツェンを吹き飛ばしていた。このシュルツェンはプラウダ戦後に廃校の事実が知れ渡り、学校の各部から集められた義援金で取り付けられたものだ。ティーガーを撃破したのは見まごう事無くIV号を手足のように駆ったみほたちの力だが、最後にIV号を守ったのは、大洗女子学園を廃校にさせたくない在校生の皆さんの力であったのだ。一丸となっていたのは大洗女子戦車道チームだけではない、あの学園艦で生きる人たちも彼女たちの勝利を信じひとつにまとまったからこその勝利なのだ。

 試合後、みほたちの元に集まってくる大洗女子チームの面々は、お互いの健闘と勝利を讃え合う。生徒会長はみほに「私たちの学校を守れたよ。ありがとね」と言って抱きつくと、みほも「いえ、私の方こそありがとうございました」と返した。
 思えば、廃校阻止の為にみほを利用しようとした生徒会と、せっかく戦車から逃げてきたのに戦車道をやらされるはめになったみほであった。しかし、その出来事がなければ今はないのだ。ひょんな運命の巡り合わせではあったが、この数奇な運命の巡り合わせは沢山の運命と道を良い方向へと大きく変え、ことさらみほにとっては輝かしい青春の1ページとなって彩られただろう。
 そして帰る段になってみほは姉のまほの元へと向う。「お姉ちゃん」と呼びかけるも、みほはその後の言葉を紡げない。するとまほの方から「優勝おめでとう。完敗だな」と言って微笑むのだ。その言葉にみほは困ったような照れくさそうな顔を浮かべる。そしてまほは手を差し伸べ、みほはその手を握り握手する。
 「みほらしい戦いだったな。西住流とはまるで違うが」「そうかな?」「そうだよ」「……じゃあ行くね」「ああ」
 離れて久しい姉との会話だというのに随分と素っ気ないが、ここで言葉が紡げないのもみほらしいではないか。そしてこの会話の中で、まほ視点になる場面があるのだ。握手しているみほの後ろに、彼女と共にIV号を駆った仲間達が見守る姿をまほは見る。おそらくは黒森峰で唯一みほを理解していただろうまほ。誰よりも優しく勝利の為に仲間を見捨てることが出来なかった妹は、黒森峰と実家から去り、もう二度と戦車に乗らないだろうと思っていたが、今こうして妹を理解し想ってくれる友人を得て戦車に乗っているのだ。そして去り際に「お姉ちゃん。やっと見つけたよ。私の戦車道!」と言って微笑む妹に笑顔で頷いて返すまほの気持ちは、きっとこれまでを見てきた私たちと一緒なのではなかろうか。それにこれこそみほが姉に一番伝えたかったことだ。みほはもう自分らしく生きていけるのだ。
 表彰式では優勝旗を持つみほと大洗女子チームが並ぶ。最初18名だったチームは、今や彼女を中心に32名が集った。みほのトラウマから始まったこの物語は、彼女が信頼できる友達を得て、トラウマを克服し、新たな道と更なる友達を得て大きく成長し、その出会いをくれた場所に帰っていって終わる、実に清々しい物語でありました。

 随分と最終回の感想が長くなってしまいましたので、全体的な感想はまた次回で。

ビビットレッド・オペレーション 第十一話「つたえたい想い」

2013年03月25日 | 視聴済アニメごった煮
ああ、なるほどなぁ。

 そんな今回のお話は…
 れいの前に立つあかね、あおい、わかば、ひまわり。互いの正体に5人はとまどう。
 連行されたれいは様々な調査の結果、別世界から来た人物で、それがアローンが出現する原因だと、健次郎は話す。
 れいに会うことが出来なかったあかね達は、れいの部屋でそれぞれに想いを語り、改めて話をしたいと決意し司令部を目指す。
 その先で、自らの想いをぶつけるあかねに、れいは心を開きかけたのだが…。
 以上公式のあらすじ。

 ラス前ですから、この辺で盛り上がらなければウソというもの。そういうシナリオ展開としては、まぁ茶番っぽくはあるけれどなかなか良く出来ている。
 お話は前回正体がバレて捕まったれいをあかねたちが救出に向い助け出すも、アローン側の代弁者のカラスがやってきて語られていない設定などを語り、れいを飲み込んで世界を滅ぼそうとする。という話。こう書くとなんだかよく分かりませんが(笑)。
 今回は大きくわけると「れいの救出」と「アローン側の意志」のふたつになる。
 まずはれいの救出の方ですが、あかねたちが誤解されて捕まってしまったれいともう一回ちゃんと話をしたいと、変身して統合軍本部へ乗り込んでいくわけだが、正直、まぁ展開としてはこういうモノだよなぁとは思うし、展開として特別捻った展開でもない。
 しかしポイントとしては、なんであかねたちが本来味方、というか守らないといけない(笑)軍本部に乗り込んでまで、れいと話がしたいのかということで、端的に言えばあかねたちは、友達になりたかったれいのことをほぼ知らなかったからだ。
 ここで「ああ、なるほど」と私は思ったのだ。ここでの展開があるから、これまで必要以上に彼女らを仲良くさせることが出来なかったわけだ。それを考えればこれまでのことが、完全にとはいかないまでも合点はいった。だがしかし、れいは二重生活のようなことをしていたわけで、あかねたちが知ることのない部分を持っているわけだから、れいが喋りさえしなければ、表面的にあかねたちと仲良くなってしまうことは物語の展開的には特に支障はなかったようには思うな。
 ま、ともあれ、あかねたちがれいの誤解を解きたい、もっと彼女のことを知って出来ることなら力になりたいと思い、突撃していく動機にはなっている。

 変身して突撃してからは王道の熱い展開になるのだけど、この辺りの展開は正に「こういうもの」なので特に某ない。突撃して途中で仲間達が「ここは俺に任せて先に行け」と主役を先行させ、主役は目標人物の前にたどり着き、困難を傷つきながら取り除いて救出に成功する。
 どうせだったら、軍の人たちは傷つけてはいけない人たちなのだから、あかねたちは「れいの元には万難を排していかなければいけないけれど、行く手を阻む者を傷つけてはならない」という難しい戦闘をこなさなくてはならないので、そういう所を見せて、そういう困難も乗り越えてもれいともう一度話がしたいだよという所を見せてあげれば良いのに。
 アローンにも対抗できるパレットスーツを装着している彼女たちなので、無人機や隔壁なんかは難なく突破できるのは当たり前ですよね。おそらくは、あかねたちに人間を攻撃させたくなかったので、そういう描写がなく無人機がバラバラ出てくる結果となったのだと思うが、アローンやっつけられる彼女らを無人機ごときで足止めできるかってぇ話なので、救出に向っている所での高揚感は無いわな。
 また、れいの元にたどり着いたあかねだが、前回にもいいましたけれど、こいつは存在自体がウソっぽい(笑)ので、せっかくおいしい場面であるれいとの会話が実に微妙なのである。
 一番気になったのはあかねの「初めてあったときからビビッときたんだもん!」の台詞である。いやまぁ、タイトルと掛けているのは分かるし、勉強会やった時にあおいからその「ビビッと」について語られてはいるんだけど、あかねがれいに対し「どうビビッときたか」は全然説明してねぇじゃねーか。お前その前にれいに「言葉でいわなきゃ分かんない!」とか言ってるんだから、「どうビビッときたか」と言ってくれよと思わざるを得ない。
 だから前回のも申しましたように、ここへ至るまでにれいにはあかねたちが友達になりたいと思うようなことを見せておくべきだったのだ。とにもかくにもあかねたちがれいと出会う時には、「れいのこういう所はステキだな」という所をこれでもかと見せておいて、あかねたちがれいと友達になりたいと思うのも無理はないと感じられることがないので「ビビッときたんだもん!」に全く説得力がない。
 表層的な部分から垣間見えるれいのステキな部分をあかねたちが見るからこそ、彼女をもっと知りたい、もっと仲良くなりたい、友達になりたいとなるのではなかろうか。あかねたちがれいにこだわる理由があまりに弱いので、せっかくの熱い王道展開が「こういう事になっている」くらいに感じられてしまうのは、実にもったいないだろう。

 さて、救出してからはアローン側とのことになりますが、ここまでの感想には書きませんでしたが、前々回くらいからアローンを送り込んでいるのは次元の違う高度な知性体であることが語られております。
 まぁそんな次元の違う高度な知性体なんつったら「いわゆる神」だと思うがそれはさておき、前回だったかな?で、れいの世界が示現エネルギーの暴走で無くなってしまったってのは、れいを利用する為のウソかとずっと私は思っていたのだけど、ホントだったことが語られ個人的にはちょっとガッカリです。
 ともかく、れいはホントに違う世界の人で、それを目印にアローンが送り込まれている。っていう設定だったわけですよ。そして高度な知性体は下等な知性が高度な示現エネルギーを持つことを心配しテストしているわけで、あかねの世界にアローンが来ないようにするにはれいを殺してしまえば手っ取り早いのですが、あかねたちほかじじいはそれをさせなかった。
 そこにいつもれいの所にやってくる、知性体の代弁者のカラスがやってきて、テストの最大のトラップはれいで、それとわかってれいを殺してしまえばそこで失格、あかね達の世界は滅ぼされるはずだった。だが、れいを殺さなかったのだから合格なのだな?と問うじじいに、代弁者は知性体は下等な知性が示現エネルギーを使うことを望んでいない、合格することなどあってはならないとする。まぁつまるとことは、知性体の思惑はともかく、代弁者はもとより滅ぼすつもりなのだ。
 ここから「代弁者の暴走」というオチなのかなーという気はしますが、そこは次回が詳しいはずなので放っておいて、ちょっと引っ掛かるのが、なんでれいが「最大のトラップ」なのかよく分からないよなー。
 れいはこの世界に干渉しないことを約束させられていたわけだから、あかねたちの接触がなければ、通常れいは簡単に解決策として殺されるはずである。代弁者もそれを望んでいるわけだし、おそらくはそういうシナリオを描いていたはず。だがそれは予定調和であって「トラップ」ではない。
 れいは世界への無干渉とは別に、毎日学校へ行くことも約束されていた。ということは、今回のようなことを想定に入れていたはずだ。つまり完全に他との関わりを断てないれいは、どうしても他と接触し繋がりを持ってしまう。そういう中でれいを殺す選択をさせることで、野蛮であり示現エネルギーを持つに値しない=失格とさせるシナリオでもあったのだろう。となると、そういう想定をしていたのだからそれもトラップではなくなってしまう。
 れいを殺すことに反対したじじいが、人が心を無くしてしまっては生きる資格がないとすることは、れいに学校へ行かせる約束をした知性体にとってはそうあってほしい答えのはずなので、割と代弁者の言っていることは支離滅裂だ。
 そういうことを鑑みて、れいの世界を滅びたのも代弁者の独断だったんじゃないんですかねー。滅ぼした世界でひとりだけを残し、次の世界へ送り込んでずっと同じことをしていた。か、ずっと同じ結果であったことを受けて、滅びこそ知性体の目的であると解釈したか。まあなんにせよ、あかねたちはイレギュラーを起こし、代弁者は滅びを実行する為にれいを飲み込んで矢を回収しアローン化(?)し引っぱった。
 これであかねたちが戦う理由は十分なので、後はやっつけて物語をどう締めるかが腕の見せ所である。……のだが、なんか都合よく終わるような気がするな(苦笑)。
 代弁者は知性体を語るけど、知性体自身が語っているわけではないしな。どう考えても代弁者と思惑が違うとしか思えないし、れいの世界を元に戻すのも、知性体なら出来ると代弁者が言っているだけなので、きっと元には戻らないのではなかろうか。あかねたちと友達になったので、この世界で幸せに暮らすと良いよとかで落ち着きそう。
 ともあれ、終わり良ければ全て良し、なんていいますから、最後は上手いこと締めてくれればいいなぁ。

ガールズ&パンツァー 第11話「激戦です!」

2013年03月24日 | 視聴済アニメごった煮
相変わらずおもしろいんですが……

 そんな今回のお話は…
 黒森峰女学園と熾烈な戦いは続く。火力と数に勝る黒峰森に対抗するため、長期戦に持ち込みたい大洗女子。
 みほは地形的に有利な山の上に陣取るため「もくもく作戦」「パラリラ作戦」を連続して展開する。だが、それには動じず、正攻法で対抗する黒森峰。
 ようやく山の上に集結した大洗女子は、攻勢をかけ最終的に2台の黒峰森戦車を倒す。
 これで7対18。みほの繰り出す作戦が効果をあげ、試合の流れは大洗女子に傾いているように見えたが……。
 以上公式のあらすじ。

 三ヶ月も待たされると実際熱量下がるわな。そんなわけなので、以前のようなテンションじゃないのはご容赦ください。
 さて、前回一体なんの意味があって出てきたのかよく分からないゲーマーチームが開始早々やられてからのスタート。戦力の劣る大洗女子がいきなりのピンチをどう切り抜けるかが見せ所。物量と火力と正攻法で押してくる黒森峰を、みほらしい戦術と機動力で少ない戦力を最大限に発揮できる地点まで移動し敵を待ち構える。まぁ、あらすじに書いてある所が第一段階なわけです。
 「もくもく作戦」「パラリラ作戦」は、まぁ単なる煙幕なんですが、とにかく大洗は早く有利な山上へ行って布陣したいわけです。また戦力を落としたくもないわけで、万が一にも山上へ行くまでに撃破されたくはないので、この煙幕は非常に有効。足の遅いポルシェティーガーもワイヤーを使って他の車輛で坂を引っぱり上げる為にも必要だったわけです。
 私はそれよりも、ここで一番のポイントだったのは、ただ一機単独行動していた38tだと思っている。「いないなー」とは思っていたんですが、小さくて小回りの効くこの車輛が伏兵として攪乱し、撃破できないまでも履帯を壊して敵の進攻遅らす、また後述する山上での戦闘において退路を作った意味はデカイだろう。
 大洗は数的に絶対的に不利なので、戦力を常に集中させるだろうと思っていたので、この38tの伏兵に「みほ、やるなぁ」と唸らされましたよ。きっと私は戦場でみほとやり合ったらコテンパンだ(笑)。
 コテンパンはともかく、山上で布陣してからは有利な地形を活かして2輛撃破するも、重戦車を盾にしてじわじわ包囲してくる黒森峰に押し負けてしまう。
 まぁ展開的にはそうならざるを得ない所なので、ここでの展開に某ないが、この山上での戦闘シーンはすごくロングで引いたカットで山全体と布陣を映すカットがあるんですよね。戦車はコマ粒ほどの黒い点でしか見えませんが、砲撃による砲火と轟音の後にどわーっと土煙が湧き上がり砲撃戦のすごさを物語る。この客観視点は画面的にアクセントになっていて、個人的にはおもしろいカット割りでありました。
 山上での砲撃戦の状況は、劇中でキャラクターの皆さんが語ってくれるので置いておくとして、おもしろいのは押し負けて包囲される前に撤退する段になって、先述した38tが突撃して攪乱する「おちょくり作戦」だ。こちらもどういうことなのかはサンダースのお二人が解説なさってくれるので譲るとして、私がおもしろいというのは、先述した38tの小ささと機動力が伏兵として見事にハマったことなのだ。
 いつのまにか紛れ込んできた38tに気をとられてワタワタしていると、上から大洗の本体がやってきて撃つ。先ほどまでジリ貧だった所を見せていただけに、伏兵38tの登場から黒森峰が見事に攪乱され、みほらしいちまちまとした作戦にまんまとしてやられていることが見ていて実に気持ちが良い。そして隊列が乱れた所で今度は重くて固いポルシェティーガーを先頭にし盾にして突っ込み敵布陣を突っ切る。この小勢が多勢を手玉に取る「してやったり感」がたまらないではないか。
 また、黒森峰が王者の誇りなのだろう西住流の正攻法でくる所を、「みほ」が用意周到・臨機応変に対応して引っ掻き回すことで、みほが大洗に来て見出した「自分達の戦車道」は西住流に勝るとも劣らないと思わせてくれるのが良い。
 ともあれ、ここから大洗は市街地へ向って移動することとなるのだが、川を渡る段になってからが今回の一番のメイン所である。

 川を渡っている最中にうさぎさんチームことM3がエンストしてしまう。ここでモタモタしているとせっかく引き離した黒森峰に追いつかれてしまう。M3を駆る一年生たちは意を決し自分たちを置いて先に行くようみほを促す。しかしM3をこのままにしておいては横転して流されてしまい一年生たちに危険が及ぶかもしれない。
 ここでみほは座ってじっと下を見ているのだ。そして去年の出来事を回想する。崖から落ちて河に落ちた仲間を助けるためフラッグ車の車長でありながら戦列を離れたことを。そしてその結果は、負けてしまった。
 みほがじっと座って回想するこの間。このけっこう長い間が実にじれったく、見ていて「みほ、行きたいんだろ?行けよ。行ってやれよ!」と思わずにはおれんではないか。みほがどうするかは分かりきってはいる。だが分かっているだけに、そしてこれまでを観てみほの想いを知っているだけに、みほが自分の気持ちを素直に行動に表す所を見たいと思わせてくれるのだ。
 しかし状況は昨年よりも逼迫していると言え、負ければ大洗女子学園は廃校になってしまう。みほの、仲間達の大切なものが無くなってしまうのだ。負けてはならないのだから、うさぎさんチームを置いていくことに理はあるが、本当にそれで良いのか?みほがじっと座って何をその時思っていたかを感じられる。だからこそ、ここでみほに「助けに行ってほしい」と思うのだ。
 すると、そんな視聴者の気持ちを代弁するかのように沙織が「行ってあげなよ。こっちは私たちが見るから」と笑顔で言って頷くのだ。その言葉にみほは意を決する。以前の感想でも述べたように、みほは決して類い稀なリーダーシップを発揮してみんなをグイグイと引っぱっていくスーパーヒロインではない。負けたら廃校という決勝戦と仲間の危機を助けたい気持ちの狭間で揺れて、気持ちが立ち往生してしまう普通の女の子だ。そんな彼女の気持ちを友達の沙織がそっと背中を押したのだ。第1話で「誰も私の気持ちなんて考えてくれなくて」と言っていたみほには、今、こうして彼女の気持ちを汲んでくれる友達がいる。
 沙織の言葉に驚くでもない喜ぶでもない表情を見せたみほはこの時なにを思ったであろうか。きっと自分は自分であって良いと思ったのではなかろうか。だからみほは大きく息を吸い込み、優花里に「ワイヤーにロープを!」と意を決した表情で言ったのだ。彼女にもう迷いはない。決勝が始まる前に優花里に言っていたように、みほは「そうしたい」のだから。
 こうしてみほはワイヤーと自分にロープを結びつけ、ルノー・III突を足場にしてエンストしたM3まで飛んでいく。彼女のいないIV号の中では、前進することよりも仲間を助ける事を選んだみほの選択を、みほがみほであったことに頷き合い、そして彼女の戦車道が間違っていないことを勝って証明したいと決意を新たにする。
 みほがM3に到達すると、遠方で土煙が見え黒森峰の接近を知り、仲間達は「隊長を助けるんだ!」と援護射撃を始め、M3ではみほと一年生たちがロープを引っぱりワイヤーをたぐり寄せ引っぱり上げる。すると一年生たちは口々に「隊長!ありがとうございました!」と礼を述べるのであった。
 戦争であったならば、みほは良い隊長ではないのかもしれない。戦車道という武道においても勝ち負けがある以上、必ずしも正しくはないだろう。だがけっして間違ってはいないのだ。プラウダ戦で彼女が言っていたように、これは戦争ではない。勝つことよりも大事なことがあるのだ。そして当たり前の優しさを当たり前にするみほだから、みほは大洗女子戦車道チームの隊長として、またひとりの人間として皆に慕われている。視聴者的にも、これまで見てきた「誰よりも優しいみほ」は、間違いなくその通りであったことがこの上なく心地良い。またそれは大洗女子チームの皆もそうなのだ。
 この決勝戦、きっと勝つであろうことは分かってはいるものの、どうしてもみほたちに「勝ってほしい」と思わせてくれるではないか。見事に主役に感情移入させてくれるのだから、素晴らしいと言わざるを得ない。

 M3もエンジンが再びかかって窮地を脱した大洗女子は市街戦へ持ち込む為に市街地へ向けて移動を開始する。
 個人的にちょっと嬉しかったのは、途中にあった石橋をポルシェティーガーが自重を活かして橋を壊したことだ。橋を壊す理由は言うまでもないので省くが、ちゃんと壊してくれたのを見ては「分かってるなぁ!」と思わざるを得ない。よしよし!といった気分である(笑)。
 さて、市街地についた大洗女子は先行していた黒森峰の斥候III号戦車を発見。今のうちに撃破しようと追いかけるが、逃げた先には史上最大の超重戦車「マウス」が待ち構えていた。その装甲は大洗女子の砲撃を難なくはじき返し、その砲撃は直撃したルノーを簡単にひっくり返す。
 遮蔽物の多い市街地で、足を使って優位に立とうと思っていたであろう大洗女子であるが、ルノーとIII突を失い、またも窮地に追い込まれてしまった。ってところで引っぱった。

 しかしあんな超重戦車を投入されたら、アンティークみたいな大洗の戦車では太刀打ちできませんなぁ。III突はけっこうな至近距離から撃ったというのに、簡単に砲弾が後ろにカキーン!と跳ね返されていたもの。まぁ足はたぶん当然重いであろうから、完全スルーするのもひとつの手だとは思うが、はてさて。(ああ、でもバーチャロンフォースでtetsuoスルーしていると痛い目見るよね……)
 それから斥候のIII号を発見し追いかける件。見ていて「これは囮だ」と私はすぐに勘付いたのだが、みほともあろう者がそこに気付かないとはなぁ。まぁ、彼女のそういうところが、完全無欠のスーパーヒロインしていなくて、逆にみほの人間らしさを感じられて良い。
 あとIII突なんですが、撃破されたんですかね?判定器の白旗上がっていなかったと思うんですが。個人的にはこのIII突は実は生きている、ってのが最終決戦のポイントだったり、などと思っていたりするが、私の予想など当たった試しが無いのできっと違うんだろう(笑)。
 ともあれ、お話としては相変わらずピンチありチャンスあり、そしてまたピンチと展開を楽しませてくれる。そしてしっかりとみほを中心とした大洗女子の厚い友情を見せてくれるんだから言う事ない。
 が、個人的には大洗女子を応援しにきてくれた他の学校の方々が、節々で解説をしてくれるのがちょっと気になってしまった。どうせなら自分で「こういう事なのかな」と想像を働かせたり、「なるほど、こういう事か」と得心を得てニヤニヤしたかった所(笑)。
 マウスの登場までは割とみほの思い通りに進んだが、最終的には5対17(だったっけ?)だから圧倒的不利なのは変わらない。これをひっくり返すにはもうフラッグ車の撃破しか手はないが、みほの姉まほが容易にそんなことをさせてくれるとは思えない。しかしそこは、みほの戦術と腕、かな?
 初めての対外試合と同様に市街戦に持ち込んだ大洗女子が、この圧倒的不利な状況からどう勝利を得るか。そしてこの物語をどう締めるか。次回最終回を楽しみにしたい。

ビビットレッド・オペレーション 第十話「光と影と」

2013年03月17日 | 視聴済アニメごった煮
なんだこの茶番っぽさは。

 そんな今回のお話は…
 何度となくアローンの襲撃を阻まれたれいは、次のアローンに全ての力を使い示現エンジンの破壊を決心する。
 少しでも手がかりをつかむためにあかねの家を訪れたれいは、あかねの素直さにふれ、自らの想いを打ち明ける。
 一方、健次郎とひまわりはアローンが強化された瞬間に何が起きているがをつきとめすることに成功した。
 そして、現れたアローンを追って行った先であかねが遭遇したのは…。
 以上公式のあらすじ。

 前回、こんなにのんびりしているんだから2クールなんだよね?見たいなこと言っていたら、なんぞ計らん今回からクライマックスのようです。ええ~?1クールだっていうのに特になんも見せてねぇとはどういうこった。
 ともあれ今回のお話としましては、まぁあらすじ通りで、最終的にれいがアローンをパワーパップさせていたのを知った。という話なんだけど、冒頭書いたようにすごい茶番っぽい(笑)。
 お話のポイントとしては、お互いの正体を知ってしまったということなんだけど、お話的にはれいが最後という気持ちもあって、あかね宅で想いを吐露した経緯もあって、あかねが自分に近づいてきたのは監視の為だったと勘違いして「嘘つき!」とか言って、本当は何も知らなかったあかねがショックを受ける、ということなんだけど……視聴者的にはれいがずっと二重生活しているのを知っているので、むしろ嘘ついているのはお前の方じゃねーかと思って全然乗り切れねえよ。
 そもそも、見ている側としてはあかねがビビットチームなのも、れいがアローン側についているのも知っているし、その内正体バレすることは当然のことなので、今回お互いに正体を知ってしまったことでのれいとあかねのショックさを全く感じられないよなぁ。と言っても、物語上はあかね側のストーリーとれい側のストーリーの二本柱になっているので、それはしょうがない所。であるなら、「その内正体バレしてしまう」という分かりきったイベントを、どうショッキングに見せるかが腕の見せ所なはずなのだが……そういう所で全然なっちゃいねえよなぁ。

 どうショッキングにするかのポイントとしては、まず「せっかく仲良くなったのに」っていうことがあるが、そもそもあかねたちとれいが仲良くなっている感が全然ない。印象としては、クラスの馴染もうとしないれいをあかねたちがちょっと気にしているくらいの間柄だものなぁ。
 それになんであかねたちがれいを気にしているのかって所も弱い。なんであかねがそんなにれいを気にしているのか、ここまで見てきましたけど私には全然理解できないんですよ。あかねの中でれいの何に対してどう思い、どういう気持ちからぜひとも友達になりたいと思うに至ったかが分からないのだ。まぁ一応、今回5話だったかの人助けだとか、海鳥と戯れている所を目撃したのを引き合いに出していたけど、それだけじゃん!こーゆーのは、れいの人柄ってのをこれでもかとあかねたちが見つけてしまって、「れいはいい娘なんだな。あかねが友達になりたいと思うのもしかたないな」と見ていて思うことが出来てこそなのではなかろうか。
 れいにしたって、アローン側との契約で、この世界の人に干渉してはならないというのがあって自ら人を避けてはいたものの、今回あかねたちがそれでも友達になりたいとしたことはとても嬉しかったというのであらば、契約と自分の気持ちの狭間で揺れるれいをもっと描くべきだろう。なんかあってもれいはすぐ「自分の世界絵を取り戻すため!(きりっ!)」とか言っちゃうので、見ていてそんなにあかねたちと友達になりたいとは思っていなさそうと感じられたので、今回「嬉しかった」とか言い出したのでちょっと面食らってしまったくらいだよ。
 ともあれ、あかねたちとれいの繋がりが全然感じられないので、「せっかく仲良くなったのに」とは思わないんですよね。むしろ、そもそも仲良くねぇとか思っちゃう。仲良くならないと次の段階にいけないんですよ。
 本来であるならば、ある程度の繋がりを形成した所で、「本来は敵同士」という設定からの「お互いの正体を知ってしまうかもしれない」ってのがハラハラするわけですよ。
 せっかく純真無垢な少女たちが紡いだ関係が瓦解してしまうかもしれない危うさがあるからこそ、分かりきっている正体バレでも「どうなってしまうのかなぁ」と思わせることが出来るのではなかろうか。
 ホラ、少年ジャンプ的なマンガだってさ。最終的に主役が勝つって分かっているじゃないですか。でも「どうなるのかなぁ」と思ってワクワクしながら読むじゃないですか。それなんですよ。あかねたちがせっかく紡いできた関係を見て「このまま仲良しになれればいいのになぁ」とか、「後にこの関係が壊れてしまうかと思うとつらい」とか思わせる何かしらがこれまでなんら無いもんだから、そういうことを思うことが出来ない。
 彼女らの関係性が今ひとつ薄く、そこになんら思うことがないわけだから、分かりきっている正体バレはまぁ予定調和でしかないわな。そんなもんだからまた次ぎに行けないわけですよ。
 最後のポイントとしては、キャラクターのショック度合いを見ていて共有できるかになる。
 ここまで見てきて「どうなるのかなぁ」と思うことが出来ていれば、正体バレにやっぱりと思いつつもきっと「ああ、ついにバレてしまったー」と思うことが出来るのではなかろうか。それがあってれいの「嘘つき!」の台詞が効いてくる。これまであんなことやこんなことがあって、れいがちょっとずつ素直になってきて、それをあかねたちも快く思っていたというのに、何も知らなかったとはいえ敵同士だったなんて、なんて数奇な運命なのかしら! ……だなんて思えませんよね。なにせ「あんなことやこんなこと」もなければ、れいはずっと「元の世界を取り戻す!(きりっ!)」だし、あかねたちがなんでれいを気にしているかもよく分からん。これでどうショッキングに見ろというのだ。

 まぁここまで長々と書いてきましたけど、一言で言ってしまえば感情移入できないんですよ。それはなんでかと言えば、何かしらイベントがあってのキャラクターの行動や気持ちに「なんで?」と疑問を持ってしまうからなのだろう。そこで納得できないんだから感情移入もないにもないというものだ。納得できなければ物語はただのウソのお話になってしまう。ウソのお話を誰が真剣に見るというのか。
 個人的には、どうも主役のあかねがウソっぽく感じられてしまう。最初はそうでもなかったような気がするんだけど、回を重ねるごとに、人間ではなく作り物のキャラクターみたいに見えてくるのだ。
 今回だってさ。いくら天真爛漫で純粋無垢で相手を友達だと思っていたとしてもだよ?お風呂で友達にケツ向けてま○こ晒すようなことを女子中学生がするわけないじゃないですか。あかねは「ないな」と思うことをし過ぎて、こいつがいるだけで全てがウソっぽく感じられてしまう。だからあかねが出てこない話の方がおもしろかったりするんだよ。
 そんな作り物のウソっぽい主役と特に仲良くなったわけでもない常に自分の使命に邁進し正体隠していたヤツで、裏切られた云々の話をしているんだから、そら茶番にもなりますわなー。

 なんか文句ばっかり書き連ねておりますけれど、見ていてホントに「なんだこれ?」と思ったんだからしょうがない。

ビビットレッド・オペレーション 第九話「晴れときどきふわふわ」

2013年03月11日 | 視聴済アニメごった煮
サブタイは一体どこにかかっているんだろう。

 そんな今回のお話は…
 わかばは毎週日曜日になるとひまわりの部屋の片づけに来て、ひまわりに可愛いドレスを着せて楽しんでいた。
 ドレスを着せたひまわりをショッピングモールに連れ出したわかばは周囲の注目に鼻高々だったが、ひまわりは恥ずかしさで身を隠そうとする。
 そんなわかばとひまわりの前に人気ファッション雑誌の記者が現れ、読者モデルコーナーの撮影を頼んできた。
 断ろうとするひまわりより先にわかばがOKしてしまうのだが・・・
 以上公式のあらすじ。

 お話はわかばとひまわりの関係を描いた話なんだけど……もうちょっと突っ込んでもいいような気がするなぁ。というか、「えっ?そっち?」と思ってしまったよ。
 上記引用したあらすじの前、アバンでひまわりが新しく出来た工場を見てみたいと言うので、わかばが今度の日曜に一緒に行こうという話になる。そしてあらすじ後に雑誌の方がひまわりを気に入り本格的に撮影したいと言ってきて、わかばが日曜に予定をブッキングしてしまうのだ。
 当然ひまわりは怒って飛び出してしまうのだが、それをわかばが追いかけていって謝って終わってしまうのである。ええ~っ?!なんでよ。
 まぁ正確に言えばそれで終わりではなく、ひまわりが撮影に参加する代わりにわかばを一日付き人にすることでチャラにするという交換条件を出したのだが、いやいや、そっちじゃねーだろ!と思うんですよねぇ。
 ひまわりは小学生の頃に友達に裏切られて引きこもりになってしまった経緯を持っているのはご承知の通りである。何歳の頃だったかは語られてはいないが、少なくとも1年くらいは引きこもってしまうくらい、ひまわりにとってショッキングな出来事でありトラウマなのだ。
 一緒に工場見学に行ってくれると約束したのに、それを忘れてブッキングしてきたことは、ひまわりとしては「やっぱりそうか」と思わざるを得ない。今回でこそひまわりの部屋を片付けにくるわかばを見せてはいるものの、大した関係を見せてきたわけでもないふたりなので、ここで約束を破られたことは以前と同様に「裏切られた」とひまわりがとってしまうのも無理の無い話だろう。
 しかも上記したように毎週部屋にやってきて世話を焼いてくてある程度知った仲だし、なによりひまわり自身がもう一度他人を信じてみようと殻を破ってきた経緯がある分、同じようなことをされてしまったのはショックが大きいだろう。それを考えれば、わかばがすぐに気付いてブッキングしてしまったことを謝ったからと言って、「じゃぁ一日付き人のバツゲームね」で済ませてしまうのは、あまりにも不自然なのではなかろうか。
 わかばとしては、あかねの妹ももであったり、当該のひまわりであったりの「かわいい」のが好きで、かわいいひまわりが他人からもかわいいと認められるのが嬉しいのだ。ひまわりにとってはそういうことに全く興味がないのだが、価値観の違いからわかばは、そう言われることはひまわりにとっても嬉しいことに違いないと思ってしまっている。
 自分がかわいいと思っているものが認められ、そしてひまわりにとっても良いことをしたと思って舞い上がってしまって、わかばにとっては興味の無い「工場見学」が意識から吹っ飛んでしまったから撮影をブッキングしてしまった。つまり、わかばとしてはひまわりを思っての行動が、ひまわりにしてみたら裏切り行為になってしまったわけだ。
 これまで表層的な部分でしか「友情」を見せなかったのはこの為か!などとこの展開を見て思ったが、ものの数分でそれが終わってしまうとは夢にも思わなかったよ。トホホ。
 やっぱりこういったやっぱり裏切られたとか、これまで突っ込まなかったからこそ相手の真意を測れずすれ違い展開になるのなら、一旦壊れてしまった友情を、今度はそれを元にもっと強固な友情の土台を作る「雨降って地固まる」的な話であるべきだったような気がしますなぁ。一日バツゲームの様子を見るくらいなら、ケンカ状態になってしまったふたりが、どうにかこうにか苦心して「友達になれて良かった」と再び思えることを描いてほしかった。上記しましたけど、ひまわりにとってはトラウマの再現のような出来事だったのだから、そういう所を中心にしたシリアスな話で良かったような気がします。

 とまぁ、上記したように「おもしろくなってきた!」と思ったのの束の間、がっくりきてしまったわけですが、その後またおもしろい展開が出てきてちょっと盛り上がるのだ。
 わかばが一日付き人になることを条件に撮影することになったひまわりは、合間にちょっと居眠りした間に、次の衣装のイメージに合わないからと、わかばにもらったヘアピンを取り替えられてしまう。撮影が終わりヘアピンが違うことに気付くひまわり。スタイリストはそのヘアピンはテーブルに置いたはずだがと誰も行方を知らず、その時撮影していた浜辺へ向うが潮がすでに満ちていた。あきらめられないひまわりは海に入って行くのだが……という展開。
 で、どうなるかと言うと、程なくわかばがやってきて、それは自分が持っているとヘアピンを差し出すのである。って、またそっちか!違うだろーっ!
 そもそも、「実は」わかばが持っていたのではなく、そこへ至る前にわかばが拾う様子が描かれているのだ。それじゃこっちが「ひまわりのヘアピンはどうなってしまうんだろう」と思えないではないか。
 後に語られるが、ひまわりはわかばから貰ったものだから、無くしたら嫌われてしまうと思ったと気持ちを吐露する。それでなくとも、ひまわりはわかばが好きで世話を焼いてくれることをまんざらでもない様子であるし、引きこもりだった彼女が本当に信頼できる新しい友達から貰ったものなのだから、絶対に無くしたくないひまわりの宝物であることは見ていて分かる。
 だからこそヘアピンの所在が分からないことは重要だろう。ひまわりにとって大切なものが無くなってしまった。そのことに狼狽するひまわり。そしてそれをわかばがどう収拾をつけるか、に興味を惹かれる。が、すぐさま「ここにあるよ」だし、わかばが拾ってるのをすでに見てるのだから、正直どうなるのかそもそも興味を持たないではないか。
 それに海に入るひまわりと言っても脛がつかるくらいしか入らないのだ。そこまで大事な代物であるのなら、服が濡れるのも厭わず体を海に付けて、泣きながら何度も砂をすくうようなことをしても良いじゃないか。
 後はヘアピンというアイテムの使いようにはなるのだが……
 1.わかばと一緒に探して都合よく見つかる。
 2.実は黒崎れいが拾ってくれていた。
 3.結局見つからないが、わかばは無くなったところでひまわりを嫌いになったりしないと言う。
 4.びしょぬれになって探すひまわりを後ろからわかばが見て、わかばにとってなんでもないヘアピンをひまわりは大事に思ってくれていることを知って手にしているヘアピンを握りしめる。
 ……と、色々やりようがあるが、その辺はお好みだろう。個人的には3か4。だってその方がドラマチックじゃないですか。こーゆーのはちょっとクサいくらいにドラマチックな方が盛り上がるもんでしょ? まぁそういう意味で、せっかくの「友情話」ではあるもののドラマチックさに欠けた、という印象のお話でありました。

 とまぁここまで文句タラタラですが、これまで全然見せてこなかったメインキャラの繋がりを見せるという点では良かったように思います。わかばとひまわりは随分仲良しになったんだなぁと思うことが出来ましたしね。
 しかし、今回わかばとひまわりの関係を見せたんだから、あかねとおあいが今現在大親友であることを見せる話は後々見せてくれるんですよね? なんか大親友が大前提になってますけど、そーゆーの見せてくれないと納得できないですよ?
 それとあおいとひまわりが全然接点無いように見えるんで、このふたりでも何か見せないとダメだよなぁ。さらには黒崎れいと関係を深めていかないといけないし。やること多いけど大丈夫かしら?まぁ9話の時点でこんなのんびりしているってことは、多分2クールなんだとは思いますから後々ちゃんと展開してくれるとは思いますけど。


 どーでもいーのかもしれないが、やっぱりと言うかなんと言うか、主役がいない方が自然に見れるんだよなー(笑)。
 なんか主役が出てくると一気にウソっぽくなるのは何故なんですかね?演技の所為なのか?それともキャラ設定の所為なのか?