a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

『荷(チム)』が呼ぶもの

2012-02-29 09:44:38 | 東京公演
今日は突然、
元浮島丸の乗組員だという方が新聞記事を見て、
観に来てくれました。
小野寺和一さんです。
ほとんど他界されている方が多い中で、
今、生き証人として残っている方とお会いできるのは、
いろんな意味で貴重な体験だ。

せっかくなので、
終演後に少し残っていただいて、
出演者とともにお話を聞きました。



14歳で旧海軍に入隊し、
敗戦当時は16歳だった。
浮島丸の通信係で、
2年も海軍にいると、
それなりの責任者であったという。

大湊に入港して、
下船の準備をしていたという。
荷物はすべてまとめて、
もう降りるだけであった。
浮島丸は桟橋に接岸していた状態ではなく、
少し離れて停泊していた。

釜山に向かうこととなり、
下船できずに、朝鮮人を乗せて出港する。
爆弾のうわさなど知らなかった。
ただ、接岸していない船に、
そんなものを仕掛けることができるとは思えない、
とのことでした。

航行中、
GHQの指示により、
大型船の航行が停止することになり、
直近の舞鶴港に入港することになった。
小野寺さんは、通信係りの責任者でもあり、
近場の港に寄港するようにという指示を受けた人でした。
機雷はすでに除去済み、ということだった。

浮島丸の前を、
中規模な船が舞鶴湾に先導する形で入港した。
全く問題なかったので、
そのあとを追うように舞鶴港に向かった。
その時触雷し、沈没したのだ。

小野寺さんは、入浴しようとして、
裸のままだった。
立ったまま上に飛び跳ねて、
頭を打ってしばらく意識がなかったという。
気がつくと床が傾き、
あわててタオルを腰に巻いた。
逃げなければと思った。
途中で、投げ出されていた朝鮮人のズボンをはき、
とにかく逃げようとした。
途中乳飲み子を抱えた若い朝鮮人の夫婦が助けを求めていた。
そこへ、日本人の男性が、
乳飲み子を受け取り、
自分から離れるな、と夫婦に言っていたのを覚えている。
自分にはできない、そう思ったことを鮮明に覚えていた。
その男性を、数年後の集まりで見かけることができ、ほっとした。

そんな話をお聞きしました。

不思議だったのは、
小野寺さんがこの公演を知ったきっかけ。
友人から送られてきた荷物が包まれていた新聞が、
たまたま読売新聞が取材してくれた『荷(チム)』の公演の記事だったのです!!
なんとも、不思議な話です。

これも“荷”の力なのでしょうか。
演劇というものは、期せずしてそういう側面も持っている。
以前も、シベリア抑留の話が出てくる『蜃気楼の見える町』という芝居では、
その引き上げの方がいらしてくれたことがあります。

東京演劇アンサンブル公演『荷(チム)』、
公演は3月4日までです。
ブレヒトの芝居小屋でしか実現しなかった舞台を、ご覧ください!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ばくだん。

2012-02-28 00:02:57 | 東京公演
出演者紹介のラストを飾るのは、
日本人トリオです。

鈴木、金田、森、という、
チョン・ボックン先生の唯一とも思える、
おちゃめなネーミング。



ということで、
坂手演出も、3人にはおちゃめ。
2008年でソウルで上演されたオリジナル版『荷(チム)』。
今回は、作者のチョン・ボックン先生が、
日本上演のための日本版を改稿してくれました。
その中で、
日本人トリオは、書き加えられた部分なのです。
言ってみれば、
日本版では欠かせないアクセントとなっている。



坂本勇樹


三木元太


熊谷宏平


割と独立したというか、
特徴的な登場のシーンなので、
とにかく稽古場では、
3人一緒にかたまって相談している姿をよく見かけた。
そして、斉藤役の伊藤克とのかけあいで、
浮島丸の“噂”を語る。



そして、
この芝居は大友さんの音楽とともに、
生音も仕込まれている。
客席の下のほうから聞こえてくる音。
これが結構お尻に響く。
舞台にいないときは、
これまた3人が頑張っていたりする。
忙しいのだ。



坂本は、劇団員になってすぐに
『ラリー ぼくが言わずにいたこと』の主演となったシンデレラボーイ。
好奇心旺盛で、
稽古初日から張り切っていた姿が初々しい。
と言っても、それほど若くもないのだが…。
「演劇は楽しいもの」という演出家の言葉を体現している。



元太は、マルチプレイヤー。
俳優として以外に、
舞台監督、舞台装置プランナー、照明オペレーターと、
今や、劇団では重要なさまざまな仕事をしている。
と言っても、器用な俳優というわけではないのだが…。
舞台上でも、マルチプレイヤーになることを期待しています!



熊谷宏平は、くまと呼ばれている。
スンギルと、チングである。
ミファには、初日で「ベアー」と呼ばれていた。
年齢不詳の男。
一本気のあるマジ顔の似合う男であるが、
今回のような、ちょっとコミカルな役も悪くない。
まじめなおふざけ、見逃せません。



今回の稽古場では、
この日本人チームと、朝鮮人チームは、
稽古の中で坂手さんが配役していきました。
そういう意味で、
この日本人とリオのキャスティングは絶妙。
まぁ、見ていて楽しいのである。
出てくる言葉はそんなに軽くないし、
楽しいものではないのだが、なぜかほころぶ。
重いテーマの作品を、
重さだけではないもので伝えていく。
演劇のおもしろさだと思う。
まだごらんでない方は、
ぜひ、そんな1シーンも、楽しんでください。


今日の韓国語はタイトルにある爆弾。
「ポクタン」。
浮島丸は、機雷に触雷し爆沈したと言われているが、
それは大湊を出港する前から噂されていた。
朝鮮人ではなく、
多くの日本人たちが噂していた。
その記憶は、今もなお、大湊の人たちに残っていて、
先日のブログで紹介した大湊からの手紙は、
今なお、追悼を続ける人たちがいるということなのです。
この公演を通じて、
つながろうとする人たちがいる。
これもまた、“荷”を背負おうとしている人たちだということです。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

第2回日韓演劇フェスティバル参加
東京演劇アンサンブル公演 



鄭福根=作
石川樹里=訳
坂手洋二=演出

2月24日(金)19時
2月25日(土)14時/19時※
2月26日(日)14時
2月27日(月)19時★
2月28日(火)19時★
2月29日(水)14時/20時
3月 1日(木)19時※
3月 2日(金)19時※
3月 3日(土)14時
3月 4日(日)14時

※アフタートーク
2月25日(土)19時公演の後
作家・鄭福根(チョン・ボックン)×演出・坂手洋二
3月1日(木)19時公演の後
俳優・伊藤克×俳優・禹美花(ウ・ミファ)
3月2日(金)19時公演の後
俳優・原口久美子×俳優・鄭勝吉(チョン・スンギル)

入場料金
当日=4,500円
前売 一般=3,800円 学生=3,000円
★=Low Price Day=2,500円

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)

◆スタッフ
音楽 大友良英
美術 加藤ちか
衣裳 緒方規矩子/西原梨恵
照明 竹林功
音響 島猛
振付 矢内原美邦
演出助手 赤澤ムック/志賀澤子
宣伝美術 沢野ひとし
レイアウト 奥秋圭
舞台監督 松下重人
制作 太田昭

◆キャスト

金潤植 チョン・スンギル
小野芳子 原口久美子
斉藤亮二 伊藤克
老婆 ウ・ミファ
李貞和 桑原睦
朴昌秀 大多和民樹

金仁植 本多弘典
李泳浩 尾崎太郎
崔満沫 松本暁太郎
趙 神成美忍
黄 天利早智
明玉 洪美玉
鈴木忠義 坂本勇樹
金田三郎 三木元太
森賢太郎 熊谷宏平

PC http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/chimu/chimu.html
携帯 http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カジャ!

2012-02-27 01:35:14 | 東京公演
公演3日目、4ステージ終了。
おかげさまで好評で公演が続いています。
明日、明後日は、Low Price Day。
どなた様も2500円でご覧いただけます。

ここまで公演してきて、
いろいろ鑑賞後のお客さんから感想をお聞きしています。
中でも、
朝鮮人チームのエネルギッシュで、時にセンシティブなムーブメントが、
芝居を支えているという感想を多く聞いています。



その中で、
朝鮮人のそれぞれの役であり、
そして、
主役の一人のジョンファでもある、
チーム挑戦ガールズ。



神成美忍

実はこれ、
矢内原さんの振付を必死にやっている、の図です。


天利早智


洪美玉


朝鮮人たちの国へ帰れるという喜びなど、
チーム朝鮮で表現する部分と、
ガールズのみで、
ジョンファの内面を表現する部分とがある。
とくに後者については、
するりと舞台上に4人が現れてくるような感じで、
4人が一人であり、
そして、それぞれである。



他のキャストに比べて、
割と笑顔のシーンがあるんだなぁ、と。
なにしろ、ようやく祖国挑戦に帰れるとわかり、
解放感の漂うシーンがあるからだ。
これが、ラストとの大きなギャップを生むのだが…。



美忍は、
普段は、割とほのぼのとした姿が良く目につくのだが、
仕事をしているときは、
頑固さがにじみ出る。
芝居をしている時だけでなく、
学校公演の先乗りの仕事をしている時もそうだ。
その持久力のある頑固さで、
厳しい稽古を乗り越えていた。



さちは、これまで、いくつかの再演の作品は経験済みだが、
たぶん新作公演に出演するのは初めて。
そうは思えないほど、居心地よさそうにいるのは、
持ち前のポジティブな姿勢のおかげだろう。
そんな彼女は、福島出身。
3.11には、ブレヒトの芝居小屋で、
研究生だった彼女たちの公演前日だった。
あの日から彼女にとっての“荷”は、一つ増えた。
この芝居と、確実に通底している。



美玉は、この企画に、
かなり早くから乗ってくれた。
彼女もまた、この作品と、
自分自身の生き方が通底していること強く感じていたのだろう。
貪欲に坂手さんからいろんなものを吸収してやろうと、
最も野心的だった彼女。
舞台から目が離せない魅力を放っている。



1時間32分という上演時間を、
彼女たちは駆け巡っている。
ブレヒトの芝居小屋のあらゆる所から、
彼女たちの声が聞こえてくるかもしれません。
それは、
青森・大湊から、
京都・舞鶴から、
韓国・プサンから吹いてくる風に乗って聞こえる声のように思うのです。


タイトルにした、「カジャ」は、
行く、という意味。
goですね。
ようやく祖国得帰る彼らが、
芝居の中で、
何度も、何度も、その声を叫んでいます。

「オンダ」が来る、
「カジャ」が行く、
ということですね~。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

第2回日韓演劇フェスティバル参加
東京演劇アンサンブル公演 



鄭福根=作
石川樹里=訳
坂手洋二=演出

2月24日(金)19時
2月25日(土)14時/19時※
2月26日(日)14時
2月27日(月)19時★
2月28日(火)19時★
2月29日(水)14時/20時
3月 1日(木)19時※
3月 2日(金)19時※
3月 3日(土)14時
3月 4日(日)14時

※アフタートーク
2月25日(土)19時公演の後
作家・鄭福根(チョン・ボックン)×演出・坂手洋二
3月1日(木)19時公演の後
俳優・伊藤克×俳優・禹美花(ウ・ミファ)
3月2日(金)19時公演の後
俳優・原口久美子×俳優・鄭勝吉(チョン・スンギル)

入場料金
当日=4,500円
前売 一般=3,800円 学生=3,000円
★=Low Price Day=2,500円

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)

◆スタッフ
音楽 大友良英
美術 加藤ちか
衣裳 緒方規矩子/西原梨恵
照明 竹林功
音響 島猛
振付 矢内原美邦
演出助手 赤澤ムック/志賀澤子
宣伝美術 沢野ひとし
レイアウト 奥秋圭
舞台監督 松下重人
制作 太田昭

◆キャスト

金潤植 チョン・スンギル
小野芳子 原口久美子
斉藤亮二 伊藤克
老婆 ウ・ミファ
李貞和 桑原睦
朴昌秀 大多和民樹

金仁植 本多弘典
李泳浩 尾崎太郎
崔満沫 松本暁太郎
趙 神成美忍
黄 天利早智
明玉 洪美玉
鈴木忠義 坂本勇樹
金田三郎 三木元太
森賢太郎 熊谷宏平

PC http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/chimu/chimu.html
携帯 http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大湊からの手紙。

2012-02-26 13:17:48 | 東京公演
大湊の浮島丸殉難者を追悼する会、
関係者の方から、
FAXが届きました。
非常に、今回の公演とリンクする部分があり、
ブログでご紹介します。




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


東京演劇アンサンブルの皆様
そしてチョン・ボックン 様へ

2月25日、地吹雪の下北半島からの発信
「浮島丸生存者 張永道氏(当時大湊小5年)を招く会」
会長

舞鶴の方からチラシをいただき皆様の「荷」の公演を拝見したいと思いながら、
今日も、ここ「本州最北端の地」下北半島は陸の孤島と化しております。
今月初めの地吹雪による国道の渋滞状況は、全国的なニュースにもなりましたが、
以前、私も同じ経験があり、冬の旅行は二の足を踏みます。

さて、この度の「荷」に込められたテーマ、とても興昧深く受け止めております。
私と浮島丸事件を結び付けたもの、それは浮島丸とともに舞鶴湾に沈んだ叔父の蓄音です。
25歳で硫黄島で玉砕した叔父の持ち物なのですが、
当時、国内に百万台近く普及していたというラッパのついた蓄音機。
これを我が家の近くで高射砲陣地の壕を掘る作業をしていた朝鮮人の方(おそらく請負業の責任者、もしくは徴用工のリーダー)に、
浮島丸に乗って帰国する際「家族の土産にしたい」と請われ、
祖父がその申し出に応えたものらしいです。
事件の後、「浮島丸は沈み、その方は亡くなった」と報告に来た朝鮮の方二人が、
我が家(粗末な番屋でしたが)に泊まっていったことも母から聞かされました。
浮島丸事件について地元で「掘り起こし活動」に取り組もうとしていた矢先、
自分の足元にそれがあったことに驚き、
地元の『劇団未来半島』が我が家をモデルに『七軒番屋の人~浮島丸爆況前後』という演劇が作られ、
二日間にわたって公開されたことを思い起こしております。

その後、私自身の入退院の繰り返しや、
戦争未亡人の母の人生の最終章を濃密に過ごそうと介護に専念しておりましたので、
浮島丸事件の取り組みに長いブランクができてしまいましたが、
今また、生存者のお一人張永道氏夫妻を下北にお招きし、
それを機会に地域の皆さんの記憶を呼ぴ覚まそうと活動を再開したところです。
「浮島丸にたくさんの子供たちが乗っていた!!」
―それを知ったことは教師だった当時の私にとって、
大変な衝撃でした。
しかし、韓国のその方が、そしてその方と同世代の人々が地元にまだたくさんいることを足がかりに前に進める、
そんな気持ちで八月二十二日の浮島丸大湊出港の日に張永道氏(77歳〉をお招きし、イベントを行おうと計画しております。

皆様の公演の成功を、雪深い下北の地から祈っております。
私たちの取り組みも応獲してやってください。
最後に、チョン・ボックンさんに宣しくお伝えください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『荷』公演アンケート

2012-02-25 20:08:14 | 東京公演
公演初日を終えて、
いくつか感想が届いていますのでお知らせします。



胸がしめつけられるような思いで、あっという間に過ぎた90分でした。
涙を流してカタルシスにひたるスキさえ与えない。
何か圧倒的に心をえぐるように迫ってくるものがありました。
この舞台の時間と空間を観客として共有できたことに、心から感謝します。
すばらしい舞台でした!!
(50代・男性)

不思議な空間、入ったときからインパクトがありました。
送り、また送り返される荷物は、日韓・日朝の重い問題をシンボリックに表現していたと思います。
記憶から逃れられない、自由になれない人間の姿に、
改めて国と国の関係の難しさを感じました。
それにしても狭い舞台をすばらしく広く使った演出はすばらしいものでした。
中央の水槽(?)の使い方が秀逸でした。
(50代・男性)

日本、韓国の人々の魂のぶつかり合いを感じた。
そして、信頼と尊厳を感じた。
登場民象の演ずる動きは、魂の高みを垣間見せ心に焼き付いた。
(男性)

結局荷はどうなるのか。
どちらにせよ、それは重荷になるのだろうと思いました。
(20代・女性)

初演お疲れ様でした。
とてもシリアスで、興味深かったです。
日本人と朝鮮人、戦争、家族、愛等をいろいろ考えさせられる芝居でした。
また最終日を見させていただきます。
変化が楽しみです。
(男性)

ブレヒトの芝居小屋ならではの劇空間は、入った瞬間にこれから始まるドラマのすばらしさを予感させる。
中央の池、井戸、日本海に浮かぶ「荷」が象徴的に照りに浮かび出される。
開演前、そして――観劇後の今、涙でぐしょぐしょになった私がいる。
何だろう?? 恨? 魂?
確かにこの空間にたくさんの恨が溢れていた。
感動の先に何があるのだろうか。
開演前の予感を期待と裏切って、魂の叫びを持ち帰ることになってしまった。
遠い昔の話ではなく、今、この時にだ!
若い肉体と精神が見せてくれたものを心にしっかりたくわえて帰らなければならない。
重てえぞ、この「荷」。
(60代・男性)

私の思う「演劇らしい演劇」だった。
脚本の視点に共感すると同時に、一人一人の演技の強さ、清潔感に打たれた。
朝鮮でも上演してほしい作品だと強く思う。
見に来られてよかった。
ありがとうございました。
(50代・女性)

すごい、すごいとしか感想をかけない自分がちょっと情けない。
「私の荷物」かもしれません。
演じている皆様、どうもありがとうございました。
観ることができて良かった。
練り上げられた芝居の初日を拝見出来てよかったです。
さぞかし厳しい稽古の日々だったのでしょう。
(40代・女性)

とてもすばらしかったです。
「罪をにくんで人をにくまず」この言葉はとてもキレイゴト。
1人の人間として人を見ることの大切さを改めて知りました。
私自身、中国や朝鮮の方と仕事で一緒になることがあり、最近とても興味を持ってます。
良い作品をありがとう。
大友さんのギターやっぱりさいこー!
(無記名)

船を模した客席と舞台、真ん中に撮えた「荷」。
面白い演出だとぐらいにしか考えていなかったのが、
客席に座った時からすでに自分自身が当事者として扱われていたと観劇後理解した。
「荷」をはさんで、瓦いに「あなたの荷」と譲らない。
はじめは荷の中に何が入っているんだろうと思っていたが、
途中から中身の問題じゃない、
誰がその「荷」を引き受けるかが問題なんだと気づいていった。
確かに日本侵略戦争の責任を日本政府が頑なにとろうとしないことは知識として知っている。
それが韓国人に(被侵略国の人々に)対する日本人としての私達の「荷」としてある事は知っている。
しかし、韓国で、被侵略国の人々の中でその「荷」に今でも押しつぶされ引き裂かれている人々がいること、
それはそのために死さえも選ばねばならなかったほどの苦しさ、
自尊被壊だったことを始めて知った。
いや、知ったのではない。
その心の悲痛の本当に“一部分”を舞台を通じて体験した。
そして、知識として知ることと、
実際の体験との大きな隔たりを感じざるをえなかった。
舞台は疑似体験というが、
それでもその実際の心の苦しみをほんの一部でも自分自身の苦しみとして感じ取ることができるのが、
舞台を見る大きな意義のひとつなのだろう。
流暢な韓国語の美しい響きと民謡の暖かな平和な響き、
それと対照された、強制連行された韓国人遣の慟哭を表す音楽と舞踊。
そのコントラストが苦しみを一層強調。
後略・・・
(女性)

3月4日まで、上演中です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

第2回日韓演劇フェスティバル参加
東京演劇アンサンブル公演 



鄭福根=作
石川樹里=訳
坂手洋二=演出

2月24日(金)19時
2月25日(土)14時/19時※
2月26日(日)14時
2月27日(月)19時★
2月28日(火)19時★
2月29日(水)14時/20時
3月 1日(木)19時※
3月 2日(金)19時※
3月 3日(土)14時
3月 4日(日)14時

※アフタートーク
2月25日(土)19時公演の後
作家・鄭福根(チョン・ボックン)×演出・坂手洋二
3月1日(木)19時公演の後
俳優・伊藤克×俳優・禹美花(ウ・ミファ)
3月2日(金)19時公演の後
俳優・原口久美子×俳優・鄭勝吉(チョン・スンギル)

入場料金
当日=4,500円
前売 一般=3,800円 学生=3,000円
★=Low Price Day=2,500円

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)

◆スタッフ
音楽 大友良英
美術 加藤ちか
衣裳 緒方規矩子/西原梨恵
照明 竹林功
音響 島猛
振付 矢内原美邦
演出助手 赤澤ムック/志賀澤子
宣伝美術 沢野ひとし
レイアウト 奥秋圭
舞台監督 松下重人
制作 太田昭

◆キャスト

金潤植 チョン・スンギル
小野芳子 原口久美子
斉藤亮二 伊藤克
老婆 ウ・ミファ
李貞和 桑原睦
朴昌秀 大多和民樹

金仁植 本多弘典
李泳浩 尾崎太郎
崔満沫 松本暁太郎
趙 神成美忍
黄 天利早智
明玉 洪美玉
鈴木忠義 坂本勇樹
金田三郎 三木元太
森賢太郎 熊谷宏平

PC http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/chimu/chimu.html
携帯 http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3年越し。

2012-02-25 02:38:01 | 東京公演
ついに、公演初日を迎えた。
稽古初日から、
考えると、
あっという間のような気もするが、
長い時間、稽古場にいたような気もする。

おかげさまで客席はほぼ満席。
初日を迎えるにふさわしい。
韓国から、
少し早く来日していた翻訳の石川樹里さんと、
作家の鄭福根さんがやってくる。
同じくソウル在住の木村典子さん、
演出家のキム・ガンボさんも来てくれた。
この2人には、キャストを探すのに、
大いに助けてもらった。
そのほか、
日韓演劇交流にかかわる多くの人が来てくれた。

緊張の舞台は、
これまで積み重ねてきたものが、
着実に成果として表れている。
密度の濃い1時間35分だった。



初日ということで、
乾杯。

鄭福根さんは、
こういうウケにくい芝居を、
多くの演劇人が真摯に観てくれたことを喜んでくれた。
坂手さんも、
“劇団”と仕事をすることを語ってくれた。
今、この国が排除しようとしてい芸術・文化政策の中で、
民間の劇団がこれまでやってきたこと、
これからも続けること、
それで認めさせていくしかない、
というようなこと乾杯のあいさつをいただいた。

文字通り、劇団員総がかりで取り組んだ公演。
初日祝いに、笑顔が多い。
感想を聞いて歩くと、
評判も良く、
みんな好きだ、と言ってくれる。
そういう一言、一言が自信になる。

明日らか、残り11ステージ。
まだまだ客席に余裕のある日があります。
演出家いわく「客席は増やせます」とのこと。
どうぞ、お見逃しなく。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

第2回日韓演劇フェスティバル参加
東京演劇アンサンブル公演 



鄭福根=作
石川樹里=訳
坂手洋二=演出

2月24日(金)19時
2月25日(土)14時/19時※
2月26日(日)14時
2月27日(月)19時★
2月28日(火)19時★
2月29日(水)14時/20時
3月 1日(木)19時※
3月 2日(金)19時※
3月 3日(土)14時
3月 4日(日)14時

※アフタートーク
2月25日(土)19時公演の後
作家・鄭福根(チョン・ボックン)×演出・坂手洋二
3月1日(木)19時公演の後
俳優・伊藤克×俳優・禹美花(ウ・ミファ)
3月2日(金)19時公演の後
俳優・原口久美子×俳優・鄭勝吉(チョン・スンギル)

入場料金
当日=4,500円
前売 一般=3,800円 学生=3,000円
★=Low Price Day=2,500円

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)

◆スタッフ
音楽 大友良英
美術 加藤ちか
衣裳 緒方規矩子/西原梨恵
照明 竹林功
音響 島猛
振付 矢内原美邦
演出助手 赤澤ムック/志賀澤子
宣伝美術 沢野ひとし
レイアウト 奥秋圭
舞台監督 松下重人
制作 太田昭

◆キャスト

金潤植 チョン・スンギル
小野芳子 原口久美子
斉藤亮二 伊藤克
老婆 ウ・ミファ
李貞和 桑原睦
朴昌秀 大多和民樹

金仁植 本多弘典
李泳浩 尾崎太郎
崔満沫 松本暁太郎
趙 神成美忍
黄 天利早智
明玉 洪美玉
鈴木忠義 坂本勇樹
金田三郎 三木元太
森賢太郎 熊谷宏平

PC http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/chimu/chimu.html
携帯 http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホンジツ、『荷(チム)』公演初日!!

2012-02-24 10:01:14 | 東京公演
本日は、
東京演劇アンサンブル公演『荷(チム)』
公演初日です。



雨の噂もありましたが、
降らずに一安心♪

今日まで積み重ねたものが、
どうか実を結びますように。
そのためにたくさんの準備をしてきました。

舞台美術や衣裳など、
毎晩深夜まで仕事をし、
徹夜した日もあります。
ここまですべてに時間と手間をかけるのは、
何年に1度とかの、
ホントに大きな仕事となりました。
坂手さんをはじめとした、
新しく出会ったスタッフのみなさんのリクエストに、
精一杯答えたい、
いや、劇団あげて受けてたつ、
そんな意気込みでした。
最後は毎日炊き出しまで出ました。
とにかくなんか食わせる。
大事なことです。

この公演班は、
できるだけ若い俳優陣を選びました。
作品の登場人物たちもそういう世代ですが、
劇団の中に、
この世代から大きな渦が巻き起こるような、
そんな稽古場にしたかったからです。
そしてそれは、
情熱家の坂手さんによって、
まさに熱気のある渦になりました。

さらに若い研究生の諸君には、
この熱気が伝わっただろうか。
乗り遅れてる劇団員はいないだろうか。
もちろん、
そういう人もいるだろう。

それでも『荷(チム)』の上演は、
東京演劇アンサンブルの仕事の中で、
大きな記憶の一つになるだろう。

どうか、
多くの人に、
目撃者になって欲しい。
演劇はライヴであり、
その空間にいない限り目撃できない芸術だ。

2月24日~3月4日まで、
毎日上演しています。
多くのみなさまのご来場を、
劇団員一同お待ちしております。

あぁ、いつも以上に緊張と期待の公演初日です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オンダ・・・。

2012-02-23 13:08:48 | 東京公演
今日の出演者紹介は、
朝鮮人役の男子トリオです。
チャンスとジョンファとともに、
朝鮮に帰ろうという若者たちです。

本多弘典


尾崎太郎


松本暁太郎


物語の核は、
これまで紹介してきた出演者たちが担うのですが、
しかし、
この演劇そのものを支えるのは、
彼らであることは間違いありません。
1月の稽古スタートから、
来る日も、来る日も、
熱血部活動のような日々を送ってきました。



坂手さんにみっちり鍛えられ、
そして、矢内原さんにさらにみっちり鍛えられてきました。
稽古の前、
稽古の後、
休憩中、
とにかく練習し、とにかく良く話していました。





当然、道具作りも自分たちでやるので、
徹夜した日もあります。
それでも、翌日は稽古です。
もうそれは、嫌になって、
 ↓ こんな風に逃げ出す人や、


 ↓ こんな風に死んだふりをする人も出てきました。


それでも、彼らのまじめさには頭が下がります。
不器用ながらも、率先して行動する太郎には、
彼の行動に励まされ、時に、癒され、
時に???でもありました。
「スンギルヒョン、スンギルヒョン」とスンギルになつき、
まぁ、よく酒も呑みに行ってましたね。
交流を深めていました。



一見シニカルな暁太郎だが、
実は熱血。
今回は、その部分が大いに刺激された稽古場だった。
稽古中に、こんなに表情が動く彼は、
初めてかもしれない。
太郎同様、韓国チームのメンバーとも、
交流を深めていた。
そういうのも大好きなのだ。



本多くんは、実はわりと謎。
いや、謎というか、不思議な雰囲気を持っている。
会話をしていると、どこかずれるときがある。
質問するんだけど、どうも思うような答えが返ってこない。
わざとはぐらかしているのではなく、
まじめに、そうなのだ。
今回は、その感じが良いアクセントになっている。
やると決めたら思い切りが良いのも悪くない。



そんな彼らの生きざまを、
どうか見に来てください。
いよいよ明日、初日です!!

ということで、今日の韓国語は「オンダ」。
本多くんとは関係ありません…。
来るという意味のハングルです。

明日は初日です。
ちなみに、初日は「チョンナル」です。
初日が来る、ということで「チョンナルオンダ」です。
この芝居でも、
「オンダ」は、印象的な言葉として残るのですが…。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

第2回日韓演劇フェスティバル参加
東京演劇アンサンブル公演 



鄭福根=作
石川樹里=訳
坂手洋二=演出

2月24日(金)19時
2月25日(土)14時/19時※
2月26日(日)14時
2月27日(月)19時★
2月28日(火)19時★
2月29日(水)14時/20時
3月 1日(木)19時※
3月 2日(金)19時※
3月 3日(土)14時
3月 4日(日)14時

※アフタートーク
2月25日(土)19時公演の後
作家・鄭福根(チョン・ボックン)×演出・坂手洋二
3月1日(木)19時公演の後
俳優・伊藤克×俳優・禹美花(ウ・ミファ)
3月2日(金)19時公演の後
俳優・原口久美子×俳優・鄭勝吉(チョン・スンギル)

入場料金
当日=4,500円
前売 一般=3,800円 学生=3,000円
★=Low Price Day=2,500円

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)

◆スタッフ
音楽 大友良英
美術 加藤ちか
衣裳 緒方規矩子/西原梨恵
照明 竹林功
音響 島猛
振付 矢内原美邦
演出助手 赤澤ムック/志賀澤子
宣伝美術 沢野ひとし
レイアウト 奥秋圭
舞台監督 松下重人
制作 太田昭

◆キャスト

金潤植 チョン・スンギル
小野芳子 原口久美子
斉藤亮二 伊藤克
老婆 ウ・ミファ
李貞和 桑原睦
朴昌秀 大多和民樹

金仁植 本多弘典
李泳浩 尾崎太郎
崔満沫 松本暁太郎
趙 神成美忍
黄 天利早智
明玉 洪美玉
鈴木忠義 坂本勇樹
金田三郎 三木元太
森賢太郎 熊谷宏平

PC http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/chimu/chimu.html
携帯 http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

じゃんけんぽん。

2012-02-22 00:42:09 | 東京公演
イ・ジョンファ=桑原睦。
朝鮮から強制的に連行され、
慰安婦にさせられ、
日本兵に片腕を切り落とされた女。
それだけで、
とても難しい役どころということが良く分かる。



終戦直後、
淡い恋心を抱いたチャンスとともに、
朝鮮に帰ることを決意する。
そこには、慰安婦であったという大きな不安が横たわっていた。
しかし、
舞鶴湾で浮島丸は爆沈してしまう。
生き残ったジョンファが抱えていたのは、
好きだった人チャンスの“荷”だった。



公演タイトルの『荷』は、
まさに、この、チャンスの“荷”。
生き残ったジョンファは、
斉藤に助けられ、
この荷物とともにしばらくは生きていたという。
物語は、この“荷”をめぐるのだが、
斉藤の恋の物語と同時に、
若い二人の恋の物語でもある。



なかなか作品そのものの重厚さのため、
むつみの笑顔が撮れないのが残念。
文字通り、全身全霊を賭けて、
日々の稽古を迎えている。
これまで経験したことのない挑戦を、
彼女もまた、しているんだな、と思う。



この公演は、
必ず彼女にとって、
大きな仕事して残るものだと思う。
そんなむつみを、見逃すことはできない……。



今日の韓国語は、
じゃんけんぽん。
韓国語で、「カウィバウィボ」。
チョキが、「カウ」で、
グーが、「バウィ」で、
パーが、「ボ」ということです。
じつは、これ、芝居に無関係ではなかったりして……。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

第2回日韓演劇フェスティバル参加
東京演劇アンサンブル公演 



鄭福根=作
石川樹里=訳
坂手洋二=演出

2月24日(金)19時
2月25日(土)14時/19時
2月26日(日)14時
2月27日(月)19時★
2月28日(火)19時★
2月29日(水)14時/20時
3月 1日(木)19時
3月 2日(金)19時
3月 3日(土)14時
3月 4日(日)14時

入場料金
当日=4,500円
前売 一般=3,800円 学生=3,000円
★=Low Price Day=2,500円

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)

◆スタッフ
音楽 大友良英
美術 加藤ちか
衣裳 緒方規矩子/西原梨恵
照明 竹林功
音響 島猛
振付 矢内原美邦
演出助手 赤澤ムック/志賀澤子
宣伝美術 沢野ひとし
レイアウト 奥秋圭
舞台監督 松下重人
制作 太田昭

◆キャスト

金潤植 チョン・スンギル
小野芳子 原口久美子
斉藤亮二 伊藤克
老婆 ウ・ミファ
李貞和 桑原睦
朴昌秀 大多和民樹

金仁植 本多弘典
李泳浩 尾崎太郎
崔満沫 松本暁太郎
趙 神成美忍
黄 天利早智
明玉 洪美玉
鈴木忠義 坂本勇樹
金田三郎 三木元太
森賢太郎 熊谷宏平

PC http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/chimu/chimu.html
携帯 http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若いハルモニ。

2012-02-21 01:23:39 | 東京公演
わりとドタバタで決まったキャスティングではあった。
僕としては、ようやくほっと、した。
その直後、
彼女がソウル演劇祭のソウル演劇祭大賞ならびに女優演技賞受賞したという報が来た。
まだまだ若い女優なのに、
それはすごいなぁ、と。



チラシの写真は、少し大人っぽい。
お会いしたのは、
日韓演劇フェスティバルのオープニング。
実際の彼女は、かわいらしい女優さんだった。
そして、日韓演劇フェスティバルの『奇妙旅行』では、
存在感を示してくれて、
なるほど、
すごい女優だな、と思った。



そしたら今度は、
韓国演劇賞女優賞を受賞したとの報。
でも、一度芝居を見ていたので、
やっぱりなるほど、と思った。



そんなウ・ミファさんは、今回は老婆役。
それは、もう、楽しみだった。
どんな芝居をするのか、とっても楽しみだった。
稽古場にやってきた若い老婆は、
かわいらしい老婆だった。
にもかかわらず、
けいこ初日から、ぐぐっと、空気を持って行った。
そう、存在感。
少し地方の入った老婆の役なのだが、
コミカルに、
しかし重みのあるシーンでは、
どっしりとその重みを感じさせる。
この芝居の中核を引き締めている。



なかなか稽古場での笑顔が取れなくて、残念。
どうぞ彼女の笑顔に会いに来て下さい。



韓国語でおばあさんのことを、
「ハルモニ」と言います。
今回の芝居では、韓国パートは韓国語で、
字幕を出すことになる。
スンギルのセリフで、
「ハルモニ」という単語はよくわかる。
なので、案外耳慣れた言葉になってきた。
この公演の稽古中に、もう少し韓国語、
うまくなっているはずだったんだけどなぁ…。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

第2回日韓演劇フェスティバル参加
東京演劇アンサンブル公演 



鄭福根=作
石川樹里=訳
坂手洋二=演出

2月24日(金)19時
2月25日(土)14時/19時
2月26日(日)14時
2月27日(月)19時★
2月28日(火)19時★
2月29日(水)14時/20時
3月 1日(木)19時
3月 2日(金)19時
3月 3日(土)14時
3月 4日(日)14時

入場料金
当日=4,500円
前売 一般=3,800円 学生=3,000円
★=Low Price Day=2,500円

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)

◆スタッフ
音楽 大友良英
美術 加藤ちか
衣裳 緒方規矩子/西原梨恵
照明 竹林功
音響 島猛
振付 矢内原美邦
演出助手 赤澤ムック/志賀澤子
宣伝美術 沢野ひとし
レイアウト 奥秋圭
舞台監督 松下重人
制作 太田昭

◆キャスト

金潤植 チョン・スンギル
小野芳子 原口久美子
斉藤亮二 伊藤克
老婆 ウ・ミファ
李貞和 桑原睦
朴昌秀 大多和民樹

天利早智
尾崎太郎
神成美忍
熊谷宏平
坂本勇樹
洪美玉
本多弘典
松本暁太郎
三木元太

PC http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/chimu/chimu.html
携帯 http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする