a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

演劇人として、今できること。

2011-03-24 23:56:48 | Weblog
今、演劇人たちは、
それぞれの演劇活動の中で、
被災地に、被災をしたすべての人々に心を寄り添わせ、
自分たちにできることを、はじめています。

公演がある劇団は、
勇気ある上演中止を決断し、
また、
勇気ある公演決行を決断した。

公演会場では義援金を集めはじめ、
まずは、とにかく被災地への最初の支援をしています。

私たちの劇団が関わっているところから、紹介しようと思います。


日本を代表する劇団が加盟して構成されている日本劇団協議会では、
救援募金を開始している。
公演のある劇場ロビーでの募金活動のお願いと、
下記の口座への受付を呼びかけている。
 郵便振替口座 00110-4-79973
 加入者名 社団法人 日本劇団協議会

  ※通信欄に、「東日本大震災」とお書きください。
   振込手数料は負担しますので、手数料を引いた額でご入金ください。


それから、児童・青少年演劇に関わるプロの劇団の組合である、
日本児童・青少年演劇協同組合では、
日本児童・青少年演劇劇団協同組合(児演協)、
特定非営利活動法人 日本青少年音楽芸能協会(青音協)、
全国専門人形劇団協議会(全人協)、
全国児童・青少年演劇協議会(全児演)、
以上の4団体により、<子どものための舞台芸術創造団体の会>を立ち上げ、
下記の口座へ、やはり救援募金を呼びかけている。
 郵便振替口座 00180―7 ― 67543
 加入者名 日本児童・青少年演劇劇団協同組合

  ※通信欄に、「ボキン」と必ずお書きください。
   締切日は特に設けません。集まり次第随時お届けします。


また、子どものための鑑賞・文化活動を行っている、
おやこ劇場・子ども劇場の多くで構成されている
子ども劇場おやこ劇場全国フォーラムでも、
「被災地の子どもの笑顔のための東日本大震災子ども救援緊急募金のお願い」
として、
「子ども」に関連する様々な団体・サークル・NPO・個人の方に向けて、
緊急に、東日本大震災子ども救援緊急募金を呼びかけています。
 郵便振替 00190―3―760395
 加入者名 子ども劇場企画実行委員会

 ※ 通信欄に「ボキン」と必ず記載ください
  2011年4月30日までを目安に、集まり次第お振込みください。
  日本赤十字社に送金いたします。


また、上記の義援金・救援募金は、
今、できる協力として緊急のものとして呼び掛けられています。
先日、児演協では、緊急の理事会が招集され、
この件に関して論議しました。
また、すでに子ども劇場おやこ劇場全国フォーラムからも、
提案されていますが、その先の準備に入ることにしました。
被災地にいる、すべての子どもたちが笑顔になるために、
ボランティア公演を行う予定でいます。
これはすでに、
阪神淡路大震災でも、
新潟中越大地震でも行われたことですが、
今回は、さらにきめ細かい準備が必要になります。
特に、被害が広範囲に被害が広がっています。
また、お仕掛け的な公演ではなく、
現地と連絡を取り、
受け入れ態勢が整ってから出かけることになります。

ボランティア公演とはいえ、
派遣のための費用はかかってしまいます。
緊急な義援金・救援金の募集ののち、
この派遣費用についても、
子どものための舞台芸術創造団体の会が主体となって、
企業をはじめ、いろんな方々に協力をお願いして、
実現させるようにします。
創造団体側も、
各地でボランティア公演のためのチャリティ公演などを企画して、
資金を集める予定です。

そして、明日には、
日本新劇制作者協会でも、
臨時の理事会が招集され、
この件に関する論議がされる予定です。

演劇人として、
できることを考え、
行動していこうと思います。
多くの演劇人たちが、
何かしなければ、という気持ちを強くして、
でも、やはり、演劇で、
という思いでいます。

もう少し具体的に提案できるようになりましたら、
またお知らせしますが、
皆さまからも受け入れ先、派遣先をご紹介いただいたり、
提案していただいたりと、情報をお願いしたいと思っています。

どうか、一人でも多くの人たちに、
早く笑顔が戻りますように。
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いま、わたしたちは。

2011-03-17 11:09:00 | Weblog
未曾有の大災害により、
日本列島が寸断され、
今もなお、予断を許さない状態が続いております。
なくなったみなさまには深い哀悼の念を祈りますとともに、
被災地、被災者のみなさまの、
一刻も早い回復を願うばかりです。

東京演劇アンサンブルでは、
11日の午後、
翌日に行う研究生公演の準備をしており、
15時から通し稽古を行う予定でした。
3度大きく揺れたかと思いますが、
この日の稽古は中止し、帰宅することにしました。
この日は帰れなかった劇団員もいます。

翌日、
照明機材のチェックをしたところ、
きつく締めていたはずのハンガーが緩んでおり、
あらためて揺れの大きさを知りました。

この段階で、
夜の研究生公演を行うか、どうかを検討しましたが、
こんな時だからこそ上演しようという決断をしました。

今私たちにできることは、
これまでと変わらない日常を過ごすこと。
そういう未来があることを、
被災したみなさんにも知ってもらい、
一刻も早く、日常を取り戻す糧にしていただくこと。
そう思っています。
そして、私たちにとっての日常は、
演劇活動でしかありません。
芝居を続けることで、
人に寄り添う気持ちになったり、
エネルギーを持つことができたり、
そういう人が、
また次の人にその気持ちを伝える。
そんなことでつながれる。
演劇とは、そういうものなのだと思っています。

東京演劇アンサンブルは、
学校公演をはじめ、
夏の演劇合宿など、
東北地方は、知己の多い地域でもあります。
少しずつですが、連絡も取れ始めており、
その都度、胸をなでおろす日々が続いています。

残念ながら、
この時期に行われるはずだった学校公演が中止になったりもしましたが、
一方では、被災地に近い学校から、
「無事だったのだから、今こそ、やはり見せたいのだ」
という力強いメッセージを頂きもしました。
私たちが励まされる思いでいます。

劇団員の親類縁者は、ほぼ無事が確認されましたが、
まだまだ日常の生活になるまでは、時間を要すると思います。

現在劇団では、
毎日、最後の改修工事を行っています。
1年半前に大稽古場の改修を行った時同様、
同じ釜の飯を食いながら、
倉庫の解体の準備をしています。

演劇は、必ずしもすべての人にとって必要なものではありません。
数ある芸術の中で、
演劇を選択する人が享受できるものでもあります。
しかし私たちは、
町の商店や、
雑貨屋や、お蕎麦屋さんが、営業停止となるまで、
演劇活動を継続します。
これが私たちの日常だからです。

今後どういう形で協力できるかわかりませんが、
今回の被災を受けた人びとが笑顔になれるよう、
私たちにできることを続けようと思います。
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諫早市立長田小学校

2011-03-11 00:05:24 | 旅公演
2011年3月9日―10日

諫早市立長田小学校
移動30分。
近いなぁ、と思いつつ、
もう一度仕込み。
これが最後のこの芝居の仕込みかぁ、
などと感傷に浸る暇もなく、
がらんとした体育館に荷降ろしを始める。


予定より早く着いてスタートしたので、
少し遅れてお手伝いの子どもたちがやってきた。
この子たちが、また働く。
おかげで、いつもより多く手伝ってもらい、
楽させていただきました。

暗幕のない小学校で、
多少不安だったのですが、
僕らの仕込みと並行して先生たちが大勢で仮設してくれた。
これが見事で、
こういう感じで子どもたちのために準備してくれる学校というのは、
公演がうまくいかないわけがない。
そう思うのだ。
子どもたちや、先生方の期待が高いのがわかるし、
僕らも、こういう学校での公演には、
何か期待をしてしまう。


客席は300を超えるくらい。
ちょうどよい空間。
ワークショップでは、3年生しかやれなかったので、
参加の部分は、不安といえば、不安。
しかし、しかし、なんのその。
この3年生が異常に元気。
先生出演もなかなかの俳優っぷりで、
しっとりとした舞台を、
空気を変えるように盛り上げてくれました。

僕としては、
1999年から足掛け12年公演してきた作品のラストということもあり、
何やら感慨深い部分と、
それでも気になる、ディテールの部分が、
今日はきちんとできてるだろうか、
と、いつもと変わらない気分と、
なんだかぐちゃぐちゃな感じ。

それでも、終わるんですね。

東京公演の千秋楽とは違う感慨。
でも、正直、
まだ実感はわかない。

そんな思いを抱えたまま、
長崎空港から帰京。
最後は、皿うどんで〆。
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諫早市立喜々津東小学校

2011-03-10 08:07:33 | 旅公演
2011年3月8日―9日

諫早市立喜々津東小学校。
穏やかで陽気な校長先生、
実直そうだけど人懐っこい教頭先生、
かわいくて一生懸命な担当の先生と、
三拍子(笑)そろった学校、
というのは冗談ですが、
荷降ろしは5年生が手伝ってくれて、
学校全体からの期待を感じた。
こういう期待は、多いにしていただきたい。

体育館はテックスタイプで、
イントレを使っての仕込み。
お手伝いが多いと、照明仕込みに早めにかかれるのが利点。
おかげで、スムースに仕込みができて、助かりました。
今回の追加公演は、5ステージ。
分量的には島が入ってる分、ゆったりした日程ですが、
慣れた頃に旅が終わる、
という、何とも物足りない気分ではある。vc
とはいえ、
順調に仕込みが終わるのは良いことである。
翌日が午前開演なので、
全仕込み。
仕込み中に音楽室から、顔を出して歌の練習をしている子どもたち。
長閑で楽しい。

翌日、
朝から出演する先生のリハーサル。
何と、校長先生と教頭先生。
楽しみとなる。

開演すると、ものすごく濃いリアクション。
俳優同士の会話に反応し、
いちいち笑ったりするのが面白い。
良く芝居を見ているなぁ、と。

歌の参加、
先生たちの参加は大盛り上がり、
文化庁公演ならではだなぁと。
終演後に、とにかく拍手が大きく、
カーテンコールでの児童代表のあいさつも、
用意された原稿ではなく、
6年生の子が、
ピクニックのシーンが楽しそうで印象的だった、
と、自分なりの生の感想を話してくれて、
それもなんだが、感動的だった。


終演後に、
6年生が手伝ってくれて、
良く動く。
おかげでずいぶん助かりました。
お見送りも、校長先生以下、
先生方がたくさん出てきてくれて、
ちょっと気分の良いお別れとなりました。

さて、残すところ、あと1。
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五島市立三井楽小学校

2011-03-08 23:40:42 | 旅公演
2011年3月6日―7日

五島市立三井楽小学校
前日のうちに五島に移動し、
それぞれ、福江の夜を過ごしたようです。
日曜日は翌日が午前開演なので、
全仕込み。
お弁当屋さんもないとのことで、
お昼は家庭科室をお借りして炊き出しをしました。
定番のカレーライスですが。


仕込みはいたって順調。
夜は近くの民宿で島の魚をいただき英気を養う。

前日の雨も上がり、
さわやかに開演?!
会場に入って来る子どもたち以上に、
先生方がびっくりしていたのが印象的。
開演前のリハーサルでも、
大きな声で歌う子どもたちの中で、
先生たちも無邪気に見えて、なんだかいいな、と思う。


打ち合わせで聞いていた、
「うたうべきとこ以外で歌っちゃうかも。
○年生と、○年生は……」
という言葉を、実は別の意味で楽しみにしてたりもしましたが、
そういうことはなかったけど、
何故か、ずっと、鼻歌が聞こえていたりと、
芝居を観ることと、
自分たちが参加することを、
存分に楽しんているようで、
観ているこっちも楽しい気分になりました。




最後は、バラシも手伝ってもらって、
子どもたちに熱烈に見送られて、
学校を後にしました。


たか

ちょっと時間があったので、
北端の高崎鼻へ。
「ヨハンナ口笛がふけるかい♪」という劇中ソングにある岬の鼻から見える風景。


風が強くて、
木が、斜めに生えている。


最後にフェリー乗り場で、五島牛五島うどん。
美味。
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南阿蘇村立長陽西部小学校

2011-03-06 09:06:49 | 旅公演
2011年3月3日―3月4日

熊本県南阿蘇村立長陽西部小学校
阿蘇山のふもと、南側に位置する村の小学校。
大らかで、大自然に囲まれている風景そのものの、
無邪気な子供たちと、
大らかな、先生。
何事も、のんびりです。

学校に着くと、
荷降ろしを手伝い子どもたちが待っていてくれて、
元気に手伝ってくれました。
おかげであっという間に終わり、
子どもたちも、1日早く舞台に触れたようで、
喜んでいたのが、なんだか嬉しかった。

イントレ仕込みで、
結構小さい体育館ですが、
観劇数も、それほど多くないので、
コンパクトな小劇場の出来上がり。
前日の仕込み終わりには、雪が降っていて、
3月なのに、真冬並みの寒さで、
体育館で観るのが心配ではある。


さて、翌日。
雪はすっかりあがりましたが、
寒さはほとんどそのまま残りました。
普段はありえないのですが、
さすがに客席の暖房を炊いたままにして開演。
客席は、地域の人なども覗きに来て、
100人ちょい。

子どもたちが100人もいないと、
結構ワークショップから来ると顔を覚えちゃったりする。
おかげで、何というか、こちら側のモチベーションも上がったりするから不思議。
まぁ、不思議ってこともないけど。


バラシの最後まで、ほのぼのとした雰囲気の公演となりました。
残すところ、あと3公演です。
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壱岐市立田河小学校

2011-03-02 18:33:59 | 旅公演
2011年3月1日-3月2日

長崎県壱岐市立田河小学校
これで見納め。
『おじいちゃんの口笛』最後の旅公演。
文化庁の追加公演に出ています。

こんなに短期間で、
4度も壱岐島を訪れるなんてことは、
もうないだろうなぁ、と思いながら、やってきました。
心配だった入口付近の坂を4tが無事に通れたので、
体育館条件も、まぁ、悪くなく、
少し天井が高いことと、
電源の容量が少し足りないこととくらい。

タイミングが悪く、霧雨が降る中での搬入。
足元が濡れていて、滑りやすく。
音響の笑みが滑って転ぶ。
痛そう……。


前日の仕込みは順調に進み、
夜は宿で、島の魚を堪能。
何人かで、
演出家の青井陽治さんが、
地元のアマチュア劇団を指導しているとのことで、
見学に行く。
壱岐国博物館のロビーを使ったパフォーマンス。
小学生から、結構な年配まで、
それぞれのレベルで一生懸命やっているのが印象的。
島にまつわる、伝説というか、
神様と、青年とお米の話。
こう言う機会でもなければ見れない風景。
出会いに感謝。

翌日も仕込みは順調で、予定通り午後開演。
昨日稽古をのぞかせていただいた、
青井さんもやってきてくれた。
観客は120弱。少し広い感じもあったけど、
真ん中にぐっと集中して、空気は良い具合。


芝居がはじまると、
無邪気に騒がしかった客席が、急に静かになった。
驚くことに、最後までこの集中力は途切れずに、
ずっと静かで、緊張感のある空間だった。
途中、校長先生登場のシーンも、
気付かなかった子も多く、
気付いた子も、笑っていいのか分からずに、
真剣な客席の雰囲気に圧倒されていた。
こう言うのも、また、おもしろい経験だった。


終演後に、
一生懸命5,6年生が手伝ってくれて、
バラシも早く終わりました。
ほんとならもう1泊したいところですが、
フェリーの兼ね合いと次の会場の条件で、
この日のうちに熊本へ。
野球部の少年たちに見送られ、
学校を後にしました。


その後、青井さんからメールで、
いままで見た学校公演とは違う、
とても高品質な公演だった、とのおほめの言葉をいただき、
うれしい限りでした。
こう言う出会いも、大切にしたい。

バタバタと出発しましたが、
劇団の旅が始まったなぁ、という実感と、
やはり、これはこれであわただしいな、という思いが交錯する初日でした。
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