a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

斉藤の…恋。

2012-02-04 14:29:40 | 東京公演
今回の『荷』の主演伊藤克。
この話は、
坂手さんいわく、下北の漁師・斉藤の恋の物語である。
うん、そう思う。



敗戦直後の下北半島の大湊で預かった朝鮮人。
美しく、歌も上手な女に、
ひとめぼれしたのだ。
その女の乗った船が沈没したと聞き、
わざわざ、遠路舞鶴まで行ってしまった。
それほどの思いを持って、
恋をしたのだ。
しかし、彼の手元に残ったのは、
女が大事に持っていた女の恋人の荷物だけだった…。

若い稽古場の中で、
大ベテランとして、
そして、主演俳優として牽引している。
今回は、現代の90代の老人・斉藤と、
敗戦直後の30代の若い斉藤と、
どちらも一人で演じることになる。
これは、
老婆役のウ・ミファさんと対照的になるような仕掛けだ。



下北のなまりをという課題もあり、
彼の活躍にかかる比重はとても高い。
しかし、その存在感は、圧倒的で、
この事件の根本的要因とも言える戦争への“贖罪”ともいえる領域に、
果敢にトライしている。
まだまだ挑戦を続けるその精神の若さには、
やはり嬉しくなってしまいます。



これまで外部演出も多く、
様々な演出家と組み合ってきた俳優の存在は心強い。
斉藤の恋の結末は、
これいかに。
なんとも切ない思いがあふれてくるような気がします。


この二人が、祖父と孫です。



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第2回日韓演劇フェスティバル参加
東京演劇アンサンブル公演 



鄭福根=作
石川樹里=訳
坂手洋二=演出

2月24日(金)19時
2月25日(土)14時/19時
2月26日(日)14時
2月27日(月)19時★
2月28日(火)19時★
2月29日(水)14時/20時
3月 1日(木)19時
3月 2日(金)19時
3月 3日(土)14時
3月 4日(日)14時

入場料金
当日=4,500円
前売 一般=3,800円 学生=3,000円
★=Low Price Day=2,500円

ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅徒歩7分)

◆スタッフ
音楽 大友良英
美術 加藤ちか
衣裳 緒方規矩子/西原梨恵
照明 竹林功
音響 島猛
振付 矢内原美邦
演出助手 赤澤ムック/志賀澤子
宣伝美術 沢野ひとし
レイアウト 奥秋圭
舞台監督 松下重人
制作 太田昭

◆キャスト

金潤植 チョン・ソンギル
小野芳子 原口久美子
斉藤亮二 伊藤克
老婆 ウ・ミファ
李貞和 桑原睦
朴昌秀 大多和民樹

天利早智
尾崎太郎
神成美忍
熊谷宏平
坂本勇樹
洪美玉
本多弘典
松本暁太郎
三木元太

http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/chimu/chimu.html
コメント
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