a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

躍動する。

2013-02-28 07:47:47 | 東京公演
ジビュレ=桑原睦(くわはらむつみ)


昨年は『荷(チム)』、
『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』と、
どちらも主演として活躍し、
それぞれ高い評価を受けている。
いま、最も乗っている女優の一人だ。

時に知的に、冷静に。
時に激しく、熱情的に。
そして、時に頑固に、粘り強い。
決して器用なタイプではなく、
時間をかけて役と向き合っていく。



最近では、
児演協主催による劇作講座で、
毎年作品創作を続けており、
“むつみワールド”と評されているとか。

その独特の感性と、
アプローチで、
むつみらしい存在感を見せてほしい。
何事も、
常に楽しみ方を模索し、
自分のものとしてしまう彼女が、
舞台上で躍動する姿を期待している。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

ナターリエ=洪美玉(ほんみお)


出演者で最も“動”的な俳優。
常にアグレッシブにぶつかっていく。
それも、手を抜くことなく全力に。

そのため、
ぶつかった後の反動も激しいのだが、
たとえ傷ついても、
全力を出さずにはいられない。
彼女と向き合う時、
中途半端は許されないとか……。



昨年夏に沖縄で上演されたドラマリーディング『空の村号』(児演協制作/作・篠原久美子/演出・関根信一)は、
3.11以後の福島を描いた作品だが、
4人の出演者で複数の役をこなすというスタイルだった。
彼女ももちろん、複数の役を演じ、
これまでにない役柄や上演スタイルに戸惑いつつも、
新たな挑戦としてぶつかっていき、
関係者から高い評価を受けている。

まだまだ新人と思っていた彼女も、
今や中堅の劇団員として、
様々な場面で活躍している。
小器用に舞台上に居座るのではなく、
存在そのものをかけて、
全力で立ち向かう彼女の姿が、
いつもぼくたちを楽しませてくれるのだ。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートーク
3月6日(水)19時開演終演後 かとうかなこ(音楽・クロマティックアコーディオン)
3月7日(木)19時開演終演後 高橋啓祐(映像・nibroll)
3月8日(金)19時開演終演後 富沢真理(福島県双葉町にあった富沢酒造店の娘さん)

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

若いふたり。

2013-02-28 00:36:57 | 東京公演
ロルフ=本多弘典(ほんだひろふみ)


2009年の入団から、
新人、新人と思っていたのが、
まもなく5年目になります。
旅公演先でも、
後輩たちに仕事を教える姿は、
少しずつ頼もしくなっている気がします。

普段から、
理論派でじっくり、と思いきや、
思わぬところで、
ひょいひょいと軽やかさを発揮する。

まだまだ経験不足な部分もあるが、
持ち前の好奇心と、実直さは、
彼を真摯に舞台に向かわせる。
めんどくさいことを、
そう思わせないところに彼の良さがある。



劇団からそんなに遠くない旅公演先の文化センターで、
東京演劇アンサンブルの公演の案内を見て劇団にやってきた。
思えばちょっと変わり種の彼は、
時折思いきった大胆な行動に出る。
そんな思いで、劇団に飛び込んできた。

今度の作品では
ちょっとかわいらしい姿で登場。
アニメのあのキャラに似ている……と思っているのは僕だけか。
日々の稽古場での実直さと、
時折見せる大胆さで、
今度の芝居にアクセントをつけてくれている。
まだまだ伸びしろのある若手である。




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

ディートマー=雨宮大夢(あめみやひろむ)


ここのところ、
出づっぱり。
『目をさませトラゴロウ』(演出=入江洋介)、
『ぼくはエルサレムのことを話しているのだ』(演出=志賀澤子)、
『忘却のキス ―赤色のガラスケース』(演出=公家義徳)、
と立て続けに出演している。
しかも、どの作品も演出家が違う。
彼への期待がうかがえる。

野球少年だったひろむが、
いまはバットもグローブも置いて、
一心不乱に台本と向き合っている。
読むこと、言葉にすること、
舞台に立つこと。
すべてが経験である。



これまで取り組んできた戯曲も多彩。
作品ごとに苦労している。
それでも稽古場の端っこに引っ掛かりながら、
食いついていく。
そう。
それでしかないのだ。
その中で、
自分に足りないもの、
自分に必要なものを知り、
手に入れていくしかない。

多種多彩な劇団員のそろった稽古場で、
多くの経験をし、
多くのものを吸収してほしい。
ひろむらしい笑顔と、
ひろむらしいさわやかさで、
舞台に立っていてほしいと思う。




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートーク
3月6日(水)19時開演終演後 かとうかなこ(音楽・クロマティックアコーディオン)
3月7日(木)19時開演終演後 高橋啓祐(映像・nibroll)
3月8日(金)19時開演終演後 富沢真理(福島県双葉町にあった富沢酒造店の娘さん)

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

タダモノではない……。

2013-02-27 01:08:54 | 東京公演
アフタートークのお知らせ

3月6日(水)19時開演終演後 かとうかなこ(音楽・クロマティックアコーディオン)
3月7日(木)19時開演終演後 高橋啓祐(映像・nibroll)
3月8日(金)19時開演終演後 富沢真理(福島県双葉町にあった富沢酒造店の娘さん)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

マウトナー医師=伊藤克(いとうかつみ)



言わずと知れた東京演劇アンサンブルの重鎮。
主演として、バイプレーヤーとして、
多くの舞台を支えてきた。
客演数の多さも群を抜き、
その実績からも多くの演劇人から愛されていることが分かる。

舞台上だけでなく、
稽古場で、
居酒屋で、
常にその存在感はタダモノではない雰囲気を醸し出す……。
浅草生まれで、
元プロボクサーと、
プロフィールのおもしろさもさすが。

劇団の若手(と言っても、克さんから見たらほとんど若手だが)に対する気配りもさすが、
彼を慕う後輩たちは多い。
一見、近寄りがたくもあるが、
まったくそんなことはなく、
飲み会では、
若者たちと一緒にはしゃぎながら、
自分の夢を語る姿を良く見かける。



今回の稽古場では、
この芝居を、ものすごく楽しんでいる克さんの姿がある。
浅草生まれの芸人堅気、なんて言ったら怒られるかもしれないが、
これまでにないほど、
遊び心にあふれた克さんの姿がそこにある。
もう楽しくって仕方がない、そんな感じだ。

演出の公家義徳は、
克さんの教え子でもある。
いまだに彼は克さんを「先生」と呼んだりする。
成長する教え子を、舞台で大きく支えている姿は、
情に熱い克さんにとって当然あるべき姿だ。
御歳80歳。
まだまだ進化する俳優の姿がそこにある。
やはり、タダモノではない・……。




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートークあります。
詳細はwebにて

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

“ユーモア”に生きる

2013-02-26 20:04:05 | 東京公演
アフタートークのお知らせ

3月6日(水)19時開演終演後 かとうかなこ(音楽・クロマティックアコーディオン)
3月7日(木)19時開演終演後 高橋啓祐(映像・nibroll)
3月8日(金)19時開演終演後 富沢真理(福島県双葉町にあった富沢酒造店の娘さん)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ルーカス役=竹口範顕(たけぐちのりあき)


だいたい最初のイメージはまじめな人だな、という感じだった。
ぼくが劇団に入ったころだから、
もう、15年以上前だ。
第一印象というのは、あながち大きく外れないことが多い。
まじめというよりも、
誠実、
その言葉のほうがぴったりだな。

物事に夢中になると、
すごく熱心になる。
社会のこと、
山のこと、
農業のこと、
たくさんのことをぼくは教わった。

さて、そのイメージを変えたのは、
こどもの劇場『ちゅうたのくうそう』。
ちゅうたとともにこの芝居の主演、ねこさん。
この芝居で、たけちゃんのファンになった人は多い。
ネズミのちゅうたが、空想の世界で、
ねこさんをいじめる。
これがもう、いいやられっぷり。
笑顔がもうたまらないのだ。
後半では、誤解と分かり、
今度はちゅうたはねこさんにお礼をするのだが、
これも結局、極端すぎてうまくいかない。
その時の悲しい顔もまた、嬉しくなっちゃう感じ。
(余談だが、ユーモアがあるからこそ、
『ちゅうたのくうそう』は抜群に面白いのだ)



あれからたけちゃんへのイメージは、
ガラッと変わったかもしれない。
ユーモアなしでは生きられないぼくとしては、
尊敬する俳優だ。

今回の公演では、
彼のその魅力が思う存分に発揮されている。
彼自身が、作品に描かれたユーモアを読み取り、
それを舞台に再現している。
言うほど簡単なことではない。
観る人の笑いを誘うというのは、
その人自身の人柄が大切だと思う。
そして、たけちゃんがより魅力的に舞台にいる。
今度の芝居は見逃せないんですよ、
ねこさんファンのみなさま!!



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートークあります。
詳細はwebにて

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

才色兼備

2013-02-26 08:09:58 | 東京公演
アフタートークのお知らせ

3月6日(水)19時開演終演後 かとうかなこ(音楽・クロマティックアコーディオン)
3月7日(木)19時開演終演後 高橋啓祐(映像・nibroll)
3月8日(金)19時開演終演後 富沢真理(福島県双葉町にあった富沢酒造店の娘さん)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

アンカトリン役=原口久美子(はらぐちくみこ)



劇団の女優の中で、
もっともこの言葉が似合うのではないだろうか。
数々の作品で主演・主要な役を演じてきた。

『コーカサスの白墨の輪』(ベルトルト・ブレヒト)グルシェ
『エレベーターの鍵』(アゴタ・クリストフ)女(ひとり芝居)
『マイという女』(マリーナ・カー)マイ
『アンティゴネ』(ベルトルト・ブレヒト)アンティゴネ
『荷(ちむ)』(チョン・ボックン)小野芳子
などなど…。

タイトルを挙げれば、まだまだある。
小学生の子どもから老婆まで、
その役柄も幅広い。
本人は、“エプロン俳優”などと揶揄もするが、
なになに、華やかな麗しい女性として登場することも多々。



劇団員の誰からも頼りにされている彼女は、
常に冷静沈着
劇団の会議での彼女の発言は信頼が厚い。

舞台上ではその存在感そのままに、
常に重責を担い、
大きく支えている。
そしてまた、美しくある。

それは、
グルシェのような一人で生き抜こうとする女であり、
マイのような閉塞した状況でもがき続ける女であり
アンティゴネのような正義を貫く断固とした女である・

今度の舞台では、
はたしてどんな姿を見せてくれるのか。
楽しみだ。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートークあります。
詳細はwebにて

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

未知の領域。

2013-02-20 02:47:01 | 東京公演
アフタートーク決定!!

3月6日(水)19時開演終演後 かとうかなこ(音楽・クロマティックアコーディオン)
3月7日(木)19時開演終演後 高橋啓祐(映像・nibroll)
3月8日(金)19時開演終演後 富沢真理(福島県双葉町にあった富沢酒造店の娘さん)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

さて、いよいよ映像作家・高橋啓祐さんのご紹介です。


イケメンっす。
昨年上演した『荷(チム)』で振付をたんとしていただいた矢内原美邦さん。
彼女の主宰するNibrollの映像ディレクターである。
今度の戯曲には、
映像による表現が不可欠で、
劇団としても、矢内原さんと出会い、
高橋さんを知ったのは、大きなアドバンテージとなった。

新たな出会いとなるスタッフの中で、
最初に決めていたスタッフでもある。
確信をもったのは、Nibrollの『see/saw』を見たこと。
複数のプロジェクターを駆使して、
照明のほとんど使えない空間で、
映像そのものだけでなく、
光と影の落差を、
シャープに描き出していた。

映像というデジタルな技術で、
無機質なものと、
ぬくもりのあるものとが融合されている。

2月になって、
デモンストレーションも兼ねて、
高橋さんが稽古場にやってきた。
まだ、舞台装置も完成してない頃で、
殺風景な稽古場でのテストだったが、
稽古場にいた劇団員全員が大きな歓声。
まさに未体験のアートを体感し、
一緒に創造することに期待が膨らんだ。

舞台美術、照明、衣裳……、そして映像。
全てが相互に作用し、
ブレヒトの芝居小屋を、
これまでにない新しい空間へと運んでくれる。

涼しい顔で、
凄いことやるなー、というのがぼくの実感。
未知の芸術との融合に胸が高鳴る。

あー、はやくこれ、みんなに見せたいよ!!


(演出・公家義徳と)

この2人の企みが、
未知の世界を見せてくれるに違いない。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートークあります。
詳細はwebにて

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

この“音楽”は、“見逃せない”!!

2013-02-19 02:17:26 | 東京公演
アフタートーク決定!!

3月6日(水)19時開演終演後 かとうかなこ(音楽・クロマティックアコーディオン)
3月7日(木)19時開演終演後 高橋啓祐(映像・nibroll)
3月8日(金)19時開演終演後 富沢真理(福島県双葉町にあった富沢酒造店の娘さん)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



クロマチックアコーディオン。
今度の舞台の音楽は、生演奏です。
このジャンルでは、間違いなくトップミュージシャン。
プロフィールを見ただけでも、その才能に疑いはない。

大阪府豊中市出身。
4歳からアコーディオンをはじめる。
国内の各年代コンクールで優勝し、
17歳にしてアコーディオンコンクール総合優勝を果たす。
高校卒業後フランスに渡り、
4年の留学中「全仏コンクール」でも第1位を獲得する。
帰国後 全国でコンサート活動し、ソロアルバムを6枚リリース。
アルバムの楽曲は、多くのテレビ番組で取り上げられている。



今回の戯曲に似合う音を求め、
いろんなアイデアを持ち寄った結果、
「アコーディオンはどうか?」
そんな話をした後に、
演出・公家がリクエストしたのが、
クロマチックアコーディオンの音だった。
思いきって、メールをしたところから
お会いできることとなり、
大坂へ向かった。



今回の芝居の音楽をお願いしたくて、
野外イベントの演奏を見た。
まったく予備知識もないまま、
ただ、一緒に仕事がしたいと話したのだが、
30分程度のミニコンサートを見て、
「あ、この彼女が弾く姿を、うちのお客さんに観てもらいたい」
端的に言ってしまうと、
そういうことだ。
だから、生演奏でできないか。
大胆にもそんなお願いをしてしまった。

いきなりのお願いにも、
嫌な顔せず、
新しい出会いと、
新しい挑戦に喜んでくれた。
後押ししてくれている彼女の所属事務所ハーモニーフィールズが、
北欧音楽のプロデュースをしているのも、
ぼくが勝手に親近感を覚えたりして……そんなに、知らない癖に。
http://www.harmony-fields.com/

稽古場に届いた曲は、
美しく、切なく、かわいらしい。
そして、ついに、かとうさんが稽古場にやってきた。
いきなりひいていただくという図々しいお願いにも、
見事な演奏で答えてくれる。
劇団員が聞き入っている。


この戯曲から香ってくる、ヨーロッパ・ドウツの匂い。
昔のようで、
いまのようで。
ほら、
こんな感じ、
ヨーロッパの街で見かけそうじゃないですか。


かとうさんの音楽は、
見る音楽だ。
彼女自身の姿が、
それそのものが、音楽だ。
耳で聴くだけでなく、
目で見てこそ、その魅力を実感できる。

どうか見逃さないでください!!

おまけですが、
かとうさん、語りもかわいい。
そんな、かとうさんのアフタートークがあります。
3月6日(水)の終演後です。

かとうかなこさん公式web

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートークあります。
詳細はwebにて

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

美。

2013-02-17 08:17:12 | 東京公演
アフタートーク決定!!
3月6日(水)19時開演終演後 かとうかなこ(音楽・クロマティックアコーディオン)
3月7日(木)19時開演終演後 高橋啓祐(映像・nibroll)
3月8日(金)19時開演終演後 富沢真理(福島県双葉町にあった富沢酒造店の娘さん)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 

舞台美術=池田ともゆき(いけだともゆき)


ウェスカー作品連続公演から引き続いての登場。
この、難物で、
時に知的であり、
時にエロティックであり、
時にコメディな戯曲を、
一番楽しんで読んでくれたのではないだろうか。

前回の公演では、
ほとんど同じ舞台美術で、
別の作品を上演したいという、
何ともめんどくさいリクエストに、
見事に答えてくれた。


(演出・公家義徳と)

打ち上げでは、
ちょっと端の方に座り、
静かにコップを傾けていた、
寡黙な芸術家なんだな、
と、勝手に思い、
いつかブレヒト作品を一緒にやりたいですね、
なんて話していました。

それが時を経ずに、
ブレヒトではなくとも、
ドイツの劇作家の作品で再びご一緒することができました。

機能美とも言える白い壁面と、
回転する壁。
新たな試みの映像との融合を実現させてくれる。
いけともさんの、この戯曲にであった喜びがあふれるような、
そんな舞台になるに違いない。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 

衣裳=稲村朋子(いなむらともこ)


2004年より衣裳家としての活動を始める。
2008年度文化庁新進芸術家派遣員に選ばれ1年間、オランダのNetherlands Dance Theater衣裳部にて研修。
研修後国内では地点、北村明子、デラシネラ等のダンス作品やCM、PVの美術、スタイリング等。
2011年よりプライベートブランドも始動するなど、国内外において多様な活動を展開している。

今回、演出家公家の狙いの一つに、
新しい才能との出会いがあげられます。
まだ、ほとんど日本で紹介されていないシュトラウスの作品の上演には、
これまで経験したことのない才能との融合が必要だと考えました。

最後まで難航したのが、衣裳プランナー探し。
ネットなどを中心にいろいろ模索し、
ついに見つけた!!
というのが、僕たちの感想なのです。
あまり演劇的すぎないことや、
素材や色の質感、
ヨーロッパのにおいなど、
まさに、求めるものを持っていた。


(ストリートガール役:渡邉みゆき・FM6役:坂本勇樹・ジビュレ役:桑原睦と) 

人懐っこく、
打ち合わせで最も足繁く芝居小屋に日参してくれ、
時間が経つのも忘れてしまうくらい、
楽しそうに一緒に仕事をしています。

これまで、
ダンス系の舞台を中心に活躍されており、
新劇でのプランは初。
瑞々しい笑顔が、稽古場を明るくしてくれる。
スタイリッシュな衣裳で、
舞台美術、映像、照明に負けない衣裳の登場に、
期待が高まります。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートークあります。
詳細はwebにて

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

武蔵関のシュタインとシュトラウス

2013-02-15 09:07:24 | 東京公演
演出=公家義徳(こうけよしのり)


福島県本宮市生まれ。俳優・演出家。

東京演劇アンサンブルの数々の作品の主演を経験し、
海外公演の実績も豊富。
最近では、2006年ベルリーナー・アンサンブル主催のブレヒト・フェスからアジアで唯一招聘され、
ブレヒトの拠点劇場で代表作『ガリレイの生涯』のガリレオ・ガリレイという大役を担い好評を博した。

2007年の広渡常敏追悼公演『明日を紡ぐ娘たち』、
全国の高校公演でヒット作となった『ラリー ぼくが言わずにいたこと』に続き、
今回で劇団本公演としては3作品目の演出となる。

シュトラウスの戯曲は、
これまでにない知的な好奇心を刺激する作品。
しかし、一筋縄ではいかない難敵でもある。
大塚直さんの推薦でこの作品を読んでから、
自らの演出による上演を熱望した。



閉塞した世代間のフレームからはみ出てしまう男と女。
その二人の愛の物語を、
より楽しめるように、
多くの新たなスタッフを探し出し、
ともに挑戦をしようと画策している。

これまでになく、
笑顔の絶えない稽古場は、
公家自身が、この戯曲をいかに楽しんでいるかが分かる。
東京演劇アンサンブルの新たなページを開いてくれる。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 

訳・ドラマトゥルク=大塚直(おおつかすなお)



今や、東京演劇アンサンブルには欠かせないブレインとも言える。

劇作家ボートー・シュトラウスに関する研究で博士号取得。学術博士。
現在、愛知県立芸術大学音楽学部准教授。
専門は近現代ドイツ語圏の演劇・文化史。

2009年『ブレヒトのアンティゴネ』上演パンフレットに寄稿していただいたのが出会い。
演出の公家義徳とは、すぐに打ち解け、
稽古場で、
会議室で、
居酒屋で、
まるでじゃれあうように作品の話をする二人は、
本当に楽しそうで、仲が良い。

東京演劇アンサンブルに合う戯曲を紹介してほしいというお願いに、
いつも多くの情報を提供してくれる。
今回の作品は、ドラマトゥルクとして参加。
心強いブレインである。


(衣裳プラン稲村さん、演出公家と)

屈託のない笑顔と、
あふれる知識。
そして、劇団員を見る視線は暖かく、優しい。

武蔵関のブレヒトの芝居小屋で、
とんでもない芝居が生まれるかもしれない。
まさに、そのフィクサーなのだ。


二人は、

『避暑に訪れた人びと』で、
俳優と翻訳として、
一緒に仕事をしている。
あの作品は、ゴーリキーの原作を、
当時ドイツのシャウビューネにいた、
演出家ペーター・シュタインと、
作家ボートー・シュトラウスの共同作業に生まれた。
東京武蔵関のブレヒトの芝居小屋では、
この2人の共同作業により、
作品創造がスタートした。




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートークあります。
詳細はwebにて

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm

この男、底が知れない。

2013-02-10 09:23:56 | 東京公演


数々の劇団の作品で、
主演を経験してきた。
そのたびに思う。
まじめに、役に向き合う姿勢は、
常に変わらない。
そして、そのたびに、
新たな引き出しを増やしていく。

アーノルド・ウェスカーの『シャイロック』ではシャイロック、
アゴタ・クリストフの『道路』では建築技師の男、
ゴーリキーの『避暑に訪れた人々』ではセルゲイ・バーコフ。
宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』では語り手、
小沢正の『目をさませトラゴロウ』では猟師、
などなど、
どれも主演や舞台の中心人物ばかりであり、
まだまだ枚挙に暇がない。

若い劇団員たちからも
「重さん」と呼ばれ、
案外まめに声をかけ、
いろんな話をしている姿を見かける。
仕込みや、バラシの場面でも、
もはやエキスパートであり、
彼独特のシャイさの裏にある後輩たちを見つめる目は、
暖かく、厳しい。



その厳しさは、
そのまま自分に返ってくる。
いや、
常に自分に返るようにしているように思う。
ストイックなまでの厳しさと、
粘り強いアプローチが、
今回の難敵であるシュトラウスの『忘却のキス』の稽古場でも垣間見えてくる。
一筋縄ではいかないこの戯曲、
しかし、稽古場では、
また、新たな引き出しを開けるがごとく、
ぐいぐいけん引している様子が見られる。
そして、その姿は、
いつになく、楽しそうなのだ。

新たな挑戦を続けるたびに、
底の知れない姿を見せてくれる。
おそらく今度の公演もまた、
ぼくの知らない重さんが舞台にいるはずだ。

この男、底が知れない。
自慢の俳優である。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演
忘却のキス -赤色のガラスケース-

作  ボートー・シュトラウス
訳  大塚直
演出 公家義徳
音楽/かとうかなこ
舞台美術/池田ともゆき
照明/大鷲良一
映像/高橋啓祐
衣裳/稲村朋子
音響/勝見淳一
宣伝美術/本多敬+奥秋圭
舞台監督/入江龍太
制作/小森明子 太田昭

2013年3月1日(金)~10日(日)
ブレヒトの芝居小屋
全席自由(予約時に整理番号発行)

3月1日(金)19時
3月2日(土)14時
3月3日(日)14時
3月4日(月)19時★
3月5日(火)19時★
3月6日(水)19時☆
3月7日(木)19時☆
3月8日(金)19時☆
3月9日(土)14時
3月10日(日)14時


前売一般:3800円
前売学生:3000円
当日:4500円

★=4日・5日=Low Price Day = 2500円

☆アフタートークあります。
詳細はwebにて

【PC】http://www.tee.co.jp/stage-shoukai-image/kiss/kiss.html
【携帯】http://www.tee.co.jp/tee-mobile-new.htm