a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

『おじいちゃんの口笛』受賞しました!

2021-05-17 15:03:42 | The Play for Children & Young People
このたび、
昨年9月にこどもの劇場公演で上演した『おじいちゃんの口笛』が、
令和年度厚生労働省社会保障審議会特別推薦作品、
および、
児童福祉文化財に選定されました。

本来であれば、
表彰式などにて授与されますが、
今回は、コロナ禍ということもあり、
郵送されてきました。



ちょうど劇団総会もあったので、
みんなで記念にパチリ。
久しぶりに、
マスクなしの写真です。



『おじいちゃんの口笛』は、
今月末、さらに来年度から旅公演を予定しています。

皆様にご覧いただく機会もあるかと思います。
また、you tubeチャンネルのほうでも、
日本語、英語、韓国語、中国語版のダイジェスト動画もありますので、
そちらもご覧ください~。

https://studio.youtube.com/video/Dhds6UD33Ys/edit
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TEEを探せ―。

2014-06-24 14:23:13 | The Play for Children & Young People


この絵は、
先日のかわさきおやこ劇場の例会場で、
会員の方からいただいた絵です。

毎年春に行われている自主活動「おやこまつり」で使われたとか……。

これまでの例会のうち、
101の作品が描かれています。
そして、
そのうちなんと東京演劇アンサンブルの作品が、
18作品も描かれています。

ほかにもたくさん上演していただいています。
ほんとにありがたいことです。


全問正解は、
かなり難度が高いですねー。

まずは挑戦してみてください!!

下記のアドレス、劇団掲示板にヒントを書いておきます。
そちらをのぞきつつ、
楽しんでくだいませ。
http://8129.teacup.com/teeakira/bbs


ほんと、
こうやって、終わった後も何度でも楽しんでもらえるのはうれしい限りです。
ちなみに、『目をさませトラゴロウ』の例会のときにいただいたのですが、
劇団員で挑戦しましたが、
16作品まででギブアップしちゃいました。

さて、あなたは何作品?
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夏、いろいろやりますよ~~!!

2012-07-10 15:25:03 | The Play for Children & Young People
まずはみなさま、
今週末の六行会ホールでの『ラリー ぼくが言わずにいたこと』
お見逃しなく!!




そして、その後は、
【次代の児童・青少年演劇人育成連続講座 IN九州】~公演・ワークショップ~
~文化庁委託事業「平成24年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」~
として取り組んでいる作品の発表公演が2つあります。

どちらも沖縄です!!
ただ、『空の村号』は都内で公開舞台稽古もありますので、
そちらに足をお運びいただければと思います。

■児童青少年演劇「新人合同公演」
「パーシーとアラビアの王子様」
【日時】2012年7月28日(土)15時~・7月29日(日)11時・13時~
(※7月29日(日)11時の回、追加公演が決定しました)
【会場】コザ小学校・新棟3階・音楽室(沖縄県沖縄市中央4-16-1)
【観劇対象年齢】:小学生低学年以上
(※入場対象を小学生以上とさせていただいております。
未就学児のご入場希望がある場合は、必ず事前にお問い合わせください。)
※入場無料・自由席(但し必ずお申込が必要です。定員によりお断りをする場合があります。)

昨年度の講座をより発展させたものへと挑戦しています。
日本特有の体育館での演劇教室。
その特性を生かし、
なおかつ既成のものにはない魅力的な作品を作ろうと、
児演協加盟劇団内外からの力を集め、
とってもおもしろい作品が生まれました。
まもなく満席の公演もありますので、
お早めにお申し込みください。

脚色:いずみ凜  演出:大澗弘幸・三木元太  監修:ふじたあさや
音楽:菊池大成、松田怜  身体表現協力:若林こうじ
出演:大堀茜(劇団仲間)、木戸真紗美(東京演劇アンサンブル)、クラウンYAMA、大場圭祐(演技集団朗)
川野芽久美(人形劇団ポポロ)、西尾拓之(人形劇団ポポロ)、橋爪友美(劇団風の子)
森恭次郎( 劇団風の子)、菅原武人(劇団風の子)、三木元太(東京演劇アンサンブル)
演奏 菊池大成、松田怜 



■震災後の演劇を考える合同公演  
「空の村号」
【日時】2012年7月30日(月)19時~・7月31日(火)13時~・17時~
【会場】コザ小学校・新棟3階・音楽室(沖縄県沖縄市中央4-16-1)
【観劇対象年齢】小学生低学年以上
(※入場対象を小学生以上とさせていただいております。
未就学児のご入場希望がある場合は、必ず事前にお問い合わせください。)
※入場無料・自由席(但し必ずお申込が必要です。定員によりお断りをする場合があります。)

こちらは震災後の児童・青少年演劇を考えるプロジェクト。
2011年3月11日以後の日本を、子どもたちとどう向き合いながら、
まだ、その始まりでしかないのかもしれませんが、
演劇人にできることで何かを一緒に考えたい、
そう思っています。

公開舞台稽古
7月26日(木)19時~
芸能花伝舎1-1


作:篠原久美子 演出:関根信一 音楽:菊池大成、松田怜
出演:洪美玉(東京演劇アンサンブル)、大堀茜(劇団仲間)、クラウンYAMA、高坂諭(劇団風の子)
演奏 松田怜 

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児演協、人材育成事業のお知らせ

2012-03-08 23:41:32 | The Play for Children & Young People
日本児童・青少年演劇劇団協同組合(児演協)の人材育成事業のご案内です。
次代を担う“子どものための演劇人”の育成、
および、
すでにキャリアのある“子どものための演劇人”のブラッシュアップを目指し、
児演協の講座として、
ディバイジングによる劇作講座と、
新人を中心とした体育館上演のための合同公演講座を行っています。
どちらも発表会として、
ご覧いただける機会がありますので、
お知らせします。

すべて入場無料です。

◆3月11日(日)15:00~19:00 (14:30 開場)
「児童青少年演劇のための 劇作講座」 リーディング発表会(九州)
会場:九州・劇団道化の稽古場

6作品+α の予定
終了後、講評とディスカッション

◆3月14日(水) 17:00~21:00 (16:30 開場)
「児童青少年演劇のための 劇作講座」 リーディング発表会(首都圏)
会場:プーク人形劇場
※途中での入退場可能。ご予定に合わせてご来場ください。
(1作品20分~30分)

…2年目を迎えた首都圏講座!
作家コース10人のアイディアを、
アクターコースの俳優たちによる
インプロ(即興演技)で立体化しつつ、
綿密にプロットを組み立て、執筆へ…!
その熱い成果をリーディングで発表します。
是非お誘い合わせの上お越し下さい。

◆3月23日(金) 19:00 開演 (18:30 開場)
体育館連続講座PartⅥ 「新人合同公演講座」 発表会
会場:芸能花伝舎(別棟G-2)

パーシーとアラビアの王子さま』
〔ウルフ・スタルク著 菱木晃子訳〕より
脚色/いずみ凜 演出/大澗弘幸 監修/ふじたあさや
音楽/菊池大成・松田怜 身体表現協力/若林こうじ

出演
大場圭祐(演技集団朗)
大堀茜(劇団仲間)
川野芽久美(人形劇団ポポロ)
木戸真紗美(東京演劇アンサンブル)
クラウンYAMA
菅原武人(劇団風の子)
西尾拓之(人形劇団ポポロ)
橋爪友美(劇団風の子)
三木元太(東京演劇アンサンブル)
森恭次郎(劇団風の子)

お暇な時がありましたら、
お立ち寄りください。
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劇とあそびのこどもまつり

2011-11-01 13:13:49 | The Play for Children & Young People




全児演関東ブロックのとりくみです。
チャリティー公演も含んでの取り組みとなっています。

出演者一同、
趣向を凝らし、
実験的な演目に挑戦するなど、
“創造者のため”という要素を多分に含んだおまつり(?)です。

明後日のご予定がまだない方は、
足を運んでみてはいかがでしょうか?

2011年11月3日(木・祝) 10:30/13:30

会場:りんどう幼稚園 (西武新宿線 花小金井駅 北口より徒歩3分)
参加費:1000円(3才以上均一) 全自由席

チケットのお申し込みはこちら:https://ticket.corich.jp/apply/31267/

公演の詳細はこちら:http://blog.goo.ne.jp/gekiasobi
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夏フェス……喜多方!!

2011-08-12 09:34:46 | The Play for Children & Young People
続いては、喜多方の報告。
これまた昨年は一人で参加したのですが、
それは、
言ってみれば観客。
しかし、今年は、『銀河鉄道の夜』の公演で参加しました!!
震災により開催も危ぶまれ、
開催できても縮小規模ということで、
あきらめていたのですが、
実行委員会や関係者の皆さんの努力のおかげで、
例年通りの規模で開催することができました。

僕たちは、2泊3日で参加。
できるだけ多くのほかの作品も観ようということで、
時間いっぱい滞在しました。
宿の人たちもあたたかく、
劇団員は、隙を見ては、喜多方ラーメンを食べたり、
メインのフェスティバル以外でも、
楽しむことができたようです。

毎日、
喜多方プラザで交流会があるのですが、
そこでも、普段なかなか交流できない俳優どうしや、
ジャンルを超えた人たちでにぎわい、
地元の人たちやおやこ劇場の人たちと、
楽しく交流できました。

大ホールをフルに使っての公演が、
毎年行われているわけではないので、
そういう意味でも歓迎されているようでした。
何しろ、見に来たお客さんに、
主催のボランティアの割合が多いこと!!
嬉しい限りです。

まだまだ春からスタートしたばかりの『銀河鉄道の夜』ですが、
終演後に交流会で、いろいろ話すことができて、
これもまた若い旅班にとって大切な経験になるでしょう。

喜多方発21世紀シアターは、
町を挙げてのフェスティバルは、
どこにいても、その雰囲気を感じることのできる、
日本でも稀有なフェスティバルです。
アーティスト同士が作品を見合い、交流する。
お客さん同士も交流が生まれ、
お互いに毎年喜多方で会っているという人たちもいる。
ボランティアもまた中学生以上から参加でき、
毎年参加しているベテラン然とした高校生もいる。
そういうこと全部が、なんだかおもしろい。

僕自身も、
おかけで今年は、
一緒に呑み、
顔見知りとなった人たちが増え、
また来年も会いたいな、と思えるものとなった。

来年は8月の1週目の土曜日から火曜日とのこと。
今から予定してみてはいかがでしょうか?
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夏フェス……岸和田!!

2011-08-10 14:02:02 | The Play for Children & Young People
一昨年に参加して、
『批評対話』との衝撃的な出会いから2年、
ようやく参加することができました。

8月3日~5日の3日間。
『ラリー ぼくが言わずにいたこと』の上演をしました!!
まずは、満席の客席。
フェスティバルの中で、
高学年向きの作品がほとんどなかったことで、
多くのお客さんが来てくれたようです。
それに加えて、創造団体も。
これは緊張しますよね~。

客席はとにかく静か。
僕は途中からしか見れてないのですが、
とにかく見ることへの集中、を感じました。

ラリークラブのとあるシーンで、
前日のプレジャーBの公演でいただいた、
あるものを使わせていただいちゃいました。
こういうのは、
フェスティバルならではかな、なんて。

大阪では久しぶりの東京演劇アンサンブルの公演。
正直、慣れてない、というか、
僕らの演劇のスタイルに多少の戸惑いはあったようです。
けれど、『ラリー』班は、積極果敢に、やろうとしていることをした。
普段の学校公演とは違う反応。

終演後のお客さんの反応も様々で、
いろいろとお話ししました。
感想文も半分くらい読ませていただき、
予想通りの部分もあったかな、と思います。
そんな思いを胸に、翌日の『批評対話』にのぞみました。

日本人だけの『批評対話』ということで、
これまでとの違いを楽しみにしていました。
ただ、1時間半で3作品という、
短い時間のため、
正直物足りなかったのが感想。
もう少し突っ込んだ話が聞けるかな、と思ったのですが、
なかなか難しかったです。
それでも、多くの時間を僕らのために使ってくれて、
ほんと、うれしい限りです。

東京演劇アンサンブルの演劇論というものが、
やはり得意なものであり、
それが何なのかを話していくと面白いはずなのですが、
堂も否定的にとらえて話すことがあって、
残念でした。
すべてわかりやすく、感情過多に演じることが、
演劇ではないと僕は思うのですが、
いかがでしょうか?

僕らは日常の仕事をしているので、
そこに何の疑問もないのですが、
なんだかその部分がちぐはぐになってしまいました。
最初に、
「10代の感想に難しかったというのがあり、
面白かったというものがあった。
一方、60代で難しいという人と、
感動したという感想があります。
この難しいということをどう考えるのか、話したい」
ということで進めようと試みてくれたのですが、
結局その話にはなりませんでした。
その部分で、突っ込んで話せると、
僕らがやろうとすることが、より分かってもらえるし、
それだったら、あそこはどうだろう、
というような展開になったかもしれないな、とも思いました。

それでも、久しぶりに大阪で公演をし、
他の創造団体とも出会い、
九州や、中・四国、北信越からも観に来てくれて、
また、東京演劇アンサンブルの作品を知ってもらえて嬉しかったです。

惜しむらくは、
一緒に呑めなかったなぁ、ということが残念です。
でも、
また、新たにいろんな人に出会えて、
そういう貴重な出会いが、
フェスティバルの魅力だな、ということも感じました。
だって、
来年も出たい、と思ったもんね。

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『銀河鉄道の夜』in 喜多方発21世紀シアター

2011-08-06 17:28:33 | The Play for Children & Young People
いよいよ明日になります!

『銀河鉄道の夜』
8月7日
13時半開演
喜多方プラザ大ホール

初めて参加することになりました。
喜多方の町をあげてのフェスティバル。
昨年訪れてから、
劇団のみんなと参加したいと切望した一年でした!

長かったです。
紆余曲折がありながら、
明日本番を迎えることになります。

被災者の方々の招待もけっこう出ているそうなので、
少しでも何か持ち帰ってもらえたらなぁ、
と思います。

まだ残席はあるそうなので、
喜多方ラーメンと蔵の町へ、
ぜひ足をお運びください。
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批評対話2011 3日目 イソップぬちぐすり/アートインAshibina

2011-08-03 12:01:20 | The Play for Children & Young People



イソップぬちぐすり/アートインAshibina/代々木オリンピックセンター・リハーサル室

脚本・演出 西田豊子

出演 佐藤大 下川瑠美 翼純子 高橋秀明


例のごとく、
まず最初にWhyについて。
劇の背景を知りたいことと、なぜこの作品を選んだのか、ということ。

今回の上演は、
イソップの童話の中から、
4つの物語が展開するオムニバス。
数ある童話の中から、
なぜ、この4作品を選んだのか、
ということからはじまった。

それに対して、
テーマとして、いかに生き抜くか、
命の絶壁のやりとりがあるような作品を選んだ。
そして、あまり知られていないもの。
また、小さい子たちから見られて、
大人にもきちんと味わい深く伝わるもの。
緊張感のあるテーマを、
ユーモラスに簡潔に伝えられるもの、
という答えでした。

次に、デンマーク人講師から、
では、この4つの作品は、
なぜこういう並びと、つながりにしたのか、
という質問。
つまり、1つ目と2つ目の作品では、
作品のチェンジが行われるが、
3つ目と4つ目のつながりは、
前を引きずっているというか、
変わり方がそれまでとは違っていた。
その意図がなんなのか、という質問だ。

これも、この3日間デンマーク人講師がこだわっている、
意識下で行われていることなのか、
無意識下で行われていることなのか、ということ。

この作品は、
導入部やつなぎの部分で、
観客と同じレベルを共有するものが提示される、
そこから、物語に入っていくのだ。
言ってみれば、
俳優が2つのレベル(質ではなく)の演技をしていることになる。
そこで、講師が聞いているのは、
全体を通して意図する第3のレベルの意識したものはないのだろうか、
ということでした。

これについては、
まだ、そこまで作品が成熟していないということで、
挑戦している段階にあるということが話され、
それは、また、作品の未知の可能性を感じることでもあった。

そして、Howについて。
簡素化された舞台の中で、
使われた道具は脚立のみ。
その脚立を様々なものに見立てて使っている。
例えば、エレベーターはないが、
火は本物らしいものは使われている。
その選択についてが質問された。
それに対して、
平面で奥行のあまり舞台で、
高さの違いがほしかった。
それに脚立を使った。
想像力に委ねる部分と、
具体的に提示する部分、
迷いに迷って、今選択しているのがこれ、
という、何とも潔い答え。
ほかの可能性を考えつつも、
今の、全体のプロポーション、
俳優との共同作業の中で、そういう選択をしたのだろう。

また、もう一つ、この作品で語るべきは、
時間のジャンプについて。
イソップの童話そのものは、古典ともいえる作品群であるが、
表現の中に、
例えば、メールや携帯など、
現代的な表現が使われていることがある。
その選択についての質問がされる。
これには、
観客との距離が近づくかな、と。
エンターテインメント的な要素として、
舞台と観客を近づけるためのジャンプを使った。

その答えを聞いて、
デンマーク人講師が言っていたことがとても印象的だった。
「まずは、アーティストの選択に敬意を表しましょう」
この一言は、
非常に示唆に富んで、
いろいろな意味で励まされるものだった。
そう、いつでも作品創作には選択の瞬間がある。
自信を持ってできる場合もあれば、
その選択が、挑戦的である場合もある。
そしてそれが、必ずしも観客との合意が得られるわけでもない。
演出家や、俳優は、
常にその狭間を揺れながら、作品創作を続けていくのだ。

最終日の『批評対話』では、
作品の構造の問題。
そして、様々な選択についてが語られた。
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批評対話2011 2日目 ドーナツ池のひみつ/劇団如月舎

2011-08-01 23:30:40 | The Play for Children & Young People



ドーナツ池のひみつ/劇団如月舎/代々木オリンピックセンター・リハーサル室

作 阿部夏丸(『ライギョのきゅうしょく』(講談社刊)より)
脚本 りさへ
演出 杜招徳

出演 開藤幸司 寺田和子 村上一弘 渡辺慶子 川西智也 森山悠太



まずは導入に劇団の紹介があり、
最初の質問はこの作品は教育的な作品か、芸術的な作品か、
ということでした。
言わばWhyである。

これには、どちらかというと非教育的とみられることが多い、
との答え。
しかし、デンマーク人講師たちは、
教育的な印象があったという。
(ちなみに僕も、そして、ほかの参加者も同意していた人が多かったようだ)
特にプロローグ。
先生役の俳優が、
池の中での生態系の話をし、
非常にリアルで、エコロジカルな話も交えて導入部があった。

ここで話題になったのが、
舞台と観客との合意の問題だ。

物語は池の中にある魚の小学校。
魚を含めた生態系の食物連鎖のシステムが語られ、
一方でそれを表現するために、
ありもしない魚の学校を使った。
このことを、どのように観客と合意しているか、
言い換えれば、
作り手が思うように観客が合意してくれるか、
ということだ。
その部分が伝わりにくかった。

例えば物語の中で、
いくつか選択肢があり、
選んだその選択肢がどうだったか、ということだ。
食物連鎖や、弱肉強食の厳しさや、
それでも元気に生きてほしいという願いなのか、
その世界観が人間の子どもを取り巻く状況に移し替えているのか、
どういう風にも取れてしまう危うさがあった。
そして、
レクチャーではなく、芸術として子供に届けるということや、
教育性と芸術性・娯楽性のバランスということについて語られた。
劇団側は、
「観終わった後に、勉強になったというよりは、
楽しかったと言われたい」ということだった。
しかし、それでは、どういうバランスを取りたかったのか、
ということと合わない気がした。

次に話されたのが、
Howの部分、どのような脚本の構造か。

とても端的に言ってしまえば、
イントロダクションがあり、
幼馴染との生態系の違いというジレンマがあり、
それでも違いを認め合おうということがあり、
ただ、元には戻れないということを知り、
解決されていく、
という構造だ。

問題とされたのは、
どこがNo Returnとなった部分か。
ここで興味深いには、
観客からは様々な意見が出たことだ。
食物連鎖を学んだところ、
小さい魚が食べられるところ、
ラストのところ、
それでも2匹は生き残ったというところ……等々。
前述の討論の展開を受ければ、
この部分に合意が得られていないともいえる。
そして、これは、
俳優たちも微妙に違っていたりもする。
もちろん、狙ってそういうこともあるだろうが、
やはり物語としては、
大事な部分である。
俳優の役作りが、
観客にどう影響があるか、
どういう効果があるかということで、
無意識でやられていたことを発見することになった。

役作りに関して、
俳優たちの答えは明確で、
例えば「元気に」であったり、
シンプルであった。
しかし、そのキャラクターが、この作品の中で、
どのような役割があり、
どのような効果があるのか、
ということはあまり意識されていないようだった。

最後に主演の俳優が、
照れ隠しもあったと思うが、
今日のような大人ばかりの観客ではなく、
反応がはっきりある大阪での子どもたちの前での公演の方が楽しい、
ということを話していた。
すごく率直な感想だと思う。
しかし、一方では、
彼の未来を憂いてしまったのも事実だ。

2日目には、
観客との合意、
意識的なキャラクター、
ということが中心に話されました。
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