青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

オヤコヒナダン

2017年07月24日 07時30分06秒 | 大井川鐵道

(上手に撮れますか??@福用~大和田間)

最近子供に撮り鉄の真似事と言うか、お古の一眼レフを持たせて撮らせているのだけど、今は何でも撮る事が面白い年頃らしい。いつもは好き勝手に撮らせているのですが、せっかく大井川まで来たのだから今回はやっぱりお古の三脚を使わせて構図を作るところから。撮影モードはオートなのでまだあんまり考えなくて良いけど、構図作りと言うのはやはり大事だと思うのです。福用の先の高熊のSカーブ、林道の途中からの小俯瞰はこの時期ヤブ蚊やアブや小虫のオンパレード。耳元を横切る羽音にビビりまくりの息子を奮い立たせて「ファインダーの中でここを機関車が通ったらシャッターを切るんだよ」とレクチャーしてあげましたが、ちょっと遅切り??


オトーサンは林道から少し下段の立ち位置。有名ポイントだからそこらじゅうにひな壇組んだ跡があってアングルは多彩です。こちらも迫りくるヤブ蚊を虫よけスプレーと手ぬぐいのほっかむりで防御しながら列車を待ちます。「きかんしゃトーマス」に扮したC11227とオレンジに塗られたトーマス用客車の編成美。「折角の旧型客車をこんな色で塗り替えちゃって…」と古くからの大井川ファンには批判的な向きもあったそうですが、このトーマスの完成度を考えたらこれで良いのだと思う。世界観を作るならディテールまで拘らなくちゃあいけません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

煙分補給

2017年07月23日 22時32分05秒 | 大井川鐵道

(赤いジェームス、横岡の築堤を行く@五和~神尾間)

普段から休みともなるとどこかへ連れて行っているつもりの子供ですが、「夏休みだからどっか連れて行って欲しい」とか言い出しやがった(笑)。そうか、先週もうガッコ終わったんだっけ。夏休みの前から既に関東はクソ暑く、土曜日は暑過ぎて外に出たさが萎えた。一晩明け、案外曇り空ベースで涼しい朝の日曜に早起きして来た子供にどこへ行きたいと尋ねると「SLが撮りたいんだよね」との由。SLねえ。関東でSLってーと秩父か真岡か高崎かなんだけど、ダイヤを見たら大井川がSL3往復ダイヤで結構撮れ高稼げそう。朝7時に家を出て、霧に煙る箱根の山を越え3時間後には横岡新田の茶畑に親子で三脚を並べていました(笑)。

夏の大井川と言えばすっかり定番となったSL達の「きかんしゃトーマス」仮装、一本目はC56を塗り替えた赤いジェームス号。客車7両に見た感じはほぼ満員のお客様だからこの企画強えええええ!!って感じなんですが、さすがに客車7両をC56が牽き切れる訳もなく次位に電ガマのE101を配した蒸電運転なのはご愛敬。だいたい補機付けちゃうと蒸気機関車はサボるというかそこまで焚かないんだけど、横岡の築堤をまずまずいいケムリで上がって行きました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太平洋ひとりぼっち

2017年07月18日 23時57分53秒 | JR(貨物)

(昭和のその先@扇町駅駅名票)

土休日ダイヤだと、日中は2時間間隔になる扇町駅。鶴見線は近隣の工場に向けての通勤輸送需要が中心のダイヤが組まれるのが特徴なので、そりゃ土日が本数少ないのは分からなくもない。しかしながら高度経済成長の時代を遠く離れ、鶴見線を支えていた沿線の工場自体もかなりの部分で合理化が進んでいるようです。そもそも京浜工業地帯の労働人口が減っているのか、結構最近になって減便が激しいのも事実。大川支線なんか朝夕だけになっちゃったしね。


扇町駅ホームから。石炭ホキが到着する少し前に10:30の鶴見行き電車が出て行ったんだけど、次は12:25発、その次が14:25発。駅の周辺は昭和電工川崎工場の施設に囲まれていて、お隣の「昭和」駅の駅名の由来ともなっています。昭和電工と言えば運河を隔てたお隣の大川駅へも液化窒素輸送の貨物列車があって、入れ換えで機関車が入って行ける配線になってないもんだから係員が手押しで入替をするという珍光景が近年まで残っていましたね。


稲妻マークの標識(架線終端標識)の向こうに広がる三井埠頭のヤード。既に積載のホキがDE10の訪問を待っています。一日一本、日曜運休の列車のためだけに荷役線を電化する事は今後もおそらくないでしょう。

 

まずは推進で返空のホキを押し込んで行くDE10。架線柱にびっしり絡みついたツタと、刈られないでいる線路脇の雑草の中に黒い貨車が消えて行きます。埠頭のヤードで返空の貨車を切り離し、いったん扇町のヤード側へ戻って転線。操車係が踏切のスイッチを切り、待ちぼうけを食らっていたトラックに道を開けました。

 

再び踏切のスイッチを入れて道路を遮断し、安全確認も慎重に積載のホキを連結。さすがに積車20両の引き出しは大ごとらしく、目一杯紫煙を噴き上げてゆっくりと扇町のヤードに入って来ました。35トン積みの貨車が20両で計750トンの石炭を運んでいますが、JR線内で積載物が「石炭」の列車はこの扇町~三ヶ尻の5074レのみ。


本務機としてのDD51に対し、入換機的な用途で作られたDE10。非対称のセミセンターキャブですが、圧倒的に2エンド(短い側)からの眺めに人気があります。何となく男がクルマを運転する際に、助手席に手を掛けながらバックで車庫入れする姿に萌えているのと相似なのではないかと勝手に思っているのですけど(笑)。


2つの台車に大きなバケットをそのまま載せたような作りのホキ10000。秩父セメント時代に工場への石炭輸送を目的に作成された生粋の秩父っ子ですが、中部国際空港の土砂輸送のために三岐鉄道に貸し出されていた時期もあったとか。秩父工場は特殊セメント以外の製造を止めてしまったので、現在は専ら熊谷工場への輸送のみに利用されていますが、常備駅は未だに武州原谷駅のままなんですね。


この石炭列車、返空はEF65が扇町までホキを持ってきますが、積車はDE10が浜川崎までホキを牽引し、そこで新鶴見から来たさっきとは別のロクゴにバトンタッチする変則的な運用です。DD51に比べると地味な役回りは日の目をあまり見ないDE10の働きですが、後継のハイブリッド機HD300の増備に伴いその活躍の場は徐々に少なくなって行くのでしょうね。

黙々と仕事をこなすDE10、今日も扇町で、太平洋ひとりぼっち。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海の日だから太平洋

2017年07月17日 23時46分06秒 | JR(貨物)

(今やすっかり猫の駅@扇町駅)

海の日です。扇町駅です。鶴見線に乗って鶴見駅から20分程度でしょうか。川崎市は川崎区、京浜工業地帯のど真ん中と言っていい場所にあります。平日の鶴見線はそこそこの通勤需要もあるんでしょうけど、こと土休日の鶴見線なんかに訪れるのはマニアだけかと思いきや、何か近年この無人駅はネコのたまり場のような駅となっており、週末ともなると愛猫家がしばしの癒しを求めて訪れるのだとか…


京浜工業地帯の中を、枝葉のように支線を伸ばしている鶴見線。往時は沿線の工場施設からの製品の出荷で多くの貨物取扱を行っていましたが、現在の線内での貨物取扱と言えば安善駅から横田基地への不定期での米タン輸送(ジェット燃料輸送)とここ扇町での取扱が僅かに残されています。右側に今にもくずおれそうな鶴見線のホーム、そしてその横に叢生した扇町の小ヤード。入換動車として新鶴見のDE10が遠くで待機しています。


鶴見線ホーム脇の詰所から操車の係員がヤードにスタンバイすると、遠くから黒い特徴的な貨車を牽引してEF65PF(新鶴見)がゆっくりゆっくりとやって来ました。太平洋セメントの私有貨車であるホキ10000の20両編成で組成されたこの貨物列車、秩父鉄道の三ヶ尻駅から熊谷貨タ経由で扇町まで運転されており、太平洋セメントの熊谷工場で使用するセメント焼成用の石炭を運んでいます。海の日だから太平洋。今日ここに来たのはそんくらいの思い付きだった事は否定はしないw

  

到着後、列車無線の受け渡しや入れ換え準備に慌ただしく動き回る操車係の方々。この便はセメント工場からの帰り便なのでいわゆる「返空」の状態。扇町の駅の向こうには三井埠頭のヤードが広がっており、既に石炭を積み込まれた「積車」のホキがスタンバイをしています。駅から埠頭まではほんのわずかな距離ですが、埠頭のヤードには架線が張られていない事から、扇町駅構内から埠頭ヤードへの空車/積車の入れ換えはスイッチャー代わりのDE10にバトンタッチする事になります。


機回しを終えてロクゴPFが後方に下がったところで返空の最後尾にはDE10が連結され、ここから三井埠頭まではホキを先頭に推進運転で押し込んで行きます。扇町駅と埠頭のヤードの間には踏切があるんだけど、結構ひっきりなしに廃材やガラを持ち込むトラックが行き来していましたね。扇町駅に隣接する昭和電工川崎工場への廃棄物の搬入の車がとにかく多かった。

推進運転の先頭に乗務する操車係の方々も、この暑さでは大変でしょうね。
暑いからって装備を脱いだり軽くしたりは出来ない仕事でしょうから…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑くて厭になる

2017年07月15日 23時00分00秒 | JR(貨物)

(うだるような夕暮れ@稲城の妙見さん俯瞰)

三連休なんですね。しかしこうも暑いと、昼間に撮影に出掛けるとなれば相当の撮りたいものでもない限りは「暑くてヤダ!」という結論で家から出る事すら無精となりがち。久し振りに実家へ帰ったので、これも久し振りに稲城の妙見さんの俯瞰に登ってみたんですが、夕方だったんだけどまあ暑かったよね。暑さと梅雨の湿気をたっぷり吸いこんでマント群落は茫茫と茂り、その向こうを鹿島サッカースタジアムから東タまで、新小岩~金町~武蔵野線経由で首都圏をぐるっと回って来た1094レが通過して行きました。

いつもだったら鹿島貨物はカマの後ろに白くて大きなトランシーコンテナが来るんだけど、この日は見事にスカコキでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする