青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

マダイ受難曲 春の新潟・粟島探訪その③

2010年05月08日 09時00分00秒 | 日常

(画像:島民宿で宴)

運動もしたし、温泉も入ったし、あとはお宿で宴会を。
お互いの再会を祝して…と言うよりも、時ならずして臨時収入を得たハギーさんの天皇賞祝勝会となりましたが(笑)。
島の民宿ですから、肉なんてかけらも出ません。ただひたすらの魚、魚、サカナ…
焼き物、揚げ物、刺身はブリとタイにサザエのつぼ焼き。
ご飯はお釜によそいに行くのが民宿スタイルだが、一泊7,000円弱でここまで出してくれれば文句はないですね。

昨夜は今時珍しいダイヤル式チャンネルのテレビで巨VS神戦なんぞを見ていたのだが、さすがに朝早い&運動のせいで三々五々21時過ぎには寝てしまった我々。基本的に旅先ではメシはよく食べ夜早く朝早く…と言う健康生活なので、翌日は4時起き(笑)。これでも充分に睡眠時間は取れている。まだ二人は寝ている中を、こっそりカメラと三脚を持って抜け出した。普段なら車で出掛けるのだが、今日は徒歩で朝日のある方へ海岸線を歩く。島の東側に突き出た旗崎の海岸から朝焼けの風景を。漁火がほのかに揺れる。

  

旗崎海岸の岩場に、面白い形の岩を見付けて三脚を据える。どこで撮ろうかなあ…なんてブラブラ歩く事をロケハンなんて言ったりしますが、そんなロケハン中に見付けたこの岩、何だかアヒルの親子が水面をスイスイと泳いでるように見えませんかね?タイトルを付けるなら「親子岩の夜明け」って感じでしょうか(笑)。

旗崎沖には昨日見た定置網が仕掛けられていて、網を上げに向かった漁船が朝日の中を港へ帰って行く。
岩場に打ち寄せる波に、朝の低い光が反射して鱗として輝いている。

すっかり朝日も昇ったので三脚を畳んで内浦の港に戻ると、ちょうど大漁旗をはためかせて港に漁船が帰って来た。漁のおこぼれを貰おうとカモメが漁船の周りを飛び交って、ギャアギャアと鳴き声が港に響き渡る様はいかにも漁村の朝の風景って感じですなあ。

 

朝の光に山桜が映える、朝6時の内浦の民宿街。基本的に年寄りってのは朝早いものだが、こと粟島浦の村民のジイバアもこの時間で既に全開で仕事をしている。漁村の感覚で言うと、既にこの時点でお昼くらいの感覚なのではないか?民宿のおかみさん連中が港にダンナを迎えに行き、魚を受け取って民宿に戻る。獲れた魚は今晩のお客の夕餉にするのだろう。

漁を終えて漁船が戻って来た、内浦港の船溜まり。
今日もお迎えパレードがあるため、普段とは違った装いに彩られた漁船が港を賑わせている。
色とりどりにはためく大漁旗も船一つ一つにデザインが違ってて、細かく見ているとなかなか面白いもので思わずじっくりと見入ってしまった。基本的にこんな感じの極彩色のカラーリングって好きなんですよねwこういう文化って競馬場とか競艇場とかの横断幕文化に通ずるものがあると思うのですが(笑)。

 

漁港では、定置網を上げて帰って来た船から次々と水揚げが行われていた。別に漁港の中に入って行っても特段何も言われないので(笑)こちらも遠慮なくずかずかと入って行って見てみたら、冗談じゃなく大人の手の長さくらいある大きさの天然真鯛がバカバカ水揚げされていた。こんな立派な鯛を築地に持ってったら結構いい値段になるんじゃないのかねえ…こう言う豊かな水産資源に恵まれているからこそ、粟島浦村は合併もせずに独立採算を保てるのかな、なんて思ったり…
それにしても、プラの水槽を真っ赤に染めて断末魔で事切れているたくさんの真鯛さん。
マジマジと見るとちょっとグロいかもw
ああ、マダイ受難曲。

朝食の時間までブラブラしようと角を曲がって路地に入ってみると、軽自動車でもやっとの狭い路地に立ち並ぶ黒い家並みがいかにも漁村の風景。漁村はどこでも裏路地が極端に狭くて、死んだように静かで、緩い坂道に魚のトロ箱(発泡スチロール)が並んでて、いつもどっかで水が流しっぱなしになってて、猫が歩いているような気がする。そんな港町セオリーを、ここもきっちり踏襲しております。

それにしても、さっきっから常にどっかからか煮魚と焼き魚の匂いが漂って来るような…
それもイカを煮たような匂いだったり、サバを焼いたような匂いだったり、さまざまw
これはこの街に染みついた体臭と言うべきものなのでしょうな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする