「とことんやれば、必ずできる」

2012-04-13 | 
とことんやれば必ずできる
原田泳幸
かんき出版


最近テレビの露出も増えている、マクドナルドの原田泳幸氏が2005年に出した本です。
私も今非常に気にかかっている人でもあり、数ある著書のどの本から読もうか本屋で迷った末、この本を選びました。

啓発本といえば啓発本なのですが、「啓発本を書くことが目的」の著者とは異なり、自分の体験に基づいたいわゆる「会社の上司の言葉」を聴いているような感じが致しました。
書いてあること自体、特別な内容はありません。ただ、すべてが自分の経験に基づいているだけに、説得力があります。
全体を通して、楽して儲けよう、楽して成長しよう、という考え方は一切なく、とにかく自分を追い込み、自分を磨き、走り続けてこそ成長・成功できるもの、という「王道」を貫いている感じです。

私の中では、「精神安定剤」、つまり、ちょっと疲れたときや気分が乗らないときに勢いをつけるために読んだりする本の類でが、よみっぱなしにしておくのはもったいないような「経験に基づいた重みのある助言」がぎっしり詰まっている本でした。

海外工場

2012-04-12 | ビジネス業界
最近、海外工場の立ち上げ案件の相談をいくつか受けました。

いままでいくつも海外の工場の立ち上げに携わってきましたが、トラブルはすべて日本側に起因するものでした。というか、日本側で解消が可能な問題、と、言い換えたほうがいいかもしれません。
もちろん海外のパートナーに問題があるケースも多々あります。ただ、根本的には、そのパートナーを選んだ時点で、自分が「責任を引き受けた」と、考えなければならないわけです。中間に入った私がどうしようもないこと、に、問題が起因するケースが過去にもありました。ですが、結局そういう仕事の間に入ると、皆不愉快な思いをすることになり、最終的に後味が悪い手仕舞い、となります。

最近自分でも、海外での加工の問い合わせがくると、比較的「ネガティブ」なお返事が多くなっている気がしてなりません。
よくブログでも書いておりますが、即利益を上げなければならない状況の案件を持ち込まれたとき、それなりの投資(お金だけではなく、技術、時間)ができない環境でのご相談の場合、まず100%上手くいかない、と、思ってしまいます。

そして、そういう案件に限って追い込まれた状態になっていることが多々見受けられます。

変化の多い時代、石橋を叩いて渡るだけの仕事もどうかとは思いますが、日本人特有の「マイナスの話しは聞こえない」という姿勢で海外へ出て行かれるのは絶対にやめたようがいいと、強く思います。

確認作業

2012-04-11 | 貿易業務
昔と異なり、各国政府、役人の書類に対する「チェック」というか、「イチャモン」というか、そういった類のトラブルがとにかく増えています。
ブログで何度も書いていますが、以前は、「袖の下」でなんとかなっていたことも、最近はそうはいかなくなっています。

役人がプライドが高く、応用が利かないのはどの国も一緒。特に「自分では責任をとりたくない」のは万国共通の役人の習性ですから、書類などはびしっと揃えるに越したことはありません。
日本でもよくあるのですが、役人の言うとおりにしていたら、すなわち事実に準じていたら、全く輸入ができなくなってしまうような頓珍漢な要求もたくさんあります。かといって、役人さんを怒らせたら仕事ができなくなります。
簡単にいうと、「はいはい、あなたの言うとおり」と、流して、どんなに間抜けな質問でも答えていくしかないわけです。

そのときに注意するのが、「統一性」「一貫性」です。 一番単純なところで言えば、船積み関連書類+ステッカー、すべて、表記を一致させておくにこしたことはありません。
船積み書類、B/L,Invoice,Packing の他、最近は原産地証明書に衛星証明書なども通関に必要なケースがあります。
たとえば、秋刀魚の場合、

Frozen Sanma
であったり、
Frozen Saury(Samna)
であったり、
Frozen Mackerel Pike
であったり、その時々によって使う名称が異なっていたりします。
それ自体は問題ないのでしょうが、結局、一件の商売の関連書類の表記が異なっていると、恰好の餌食となります。

また、こういったことは簡単に確認できるのですが、あまりにも皆さん確認しないで仕事を進めているな、と、感じてしまいます。
私の会社は中間に入ることが多いのですが、必ずこちらで一回確認し、そしてお客様にも確認して頂きます。
いいよいいよ、で通して大きなトラブルになったことが今まで何度もあります。
しつこいぐらいに細かいことを修正するので、相手先によっては、嫌がる方もいらっしゃるのですが、基本中の基本ですので、ご理解いただければと思います。



初海外 4

2012-04-10 | 過去の仕事(アラスカ)
到着して荷物を片付ける暇もなく、そのまま現場へ「呼び出され」、全く仕事の内容もわからない中、作業開始。。。
今までアルバイト含め相当数の仕事をこなしてきましたが、全く説明がなく、いきなり現場に入り、しかもその直後から怒鳴られまくったのは、この現場とマグロ船ぐらいなもんでしょうか。。ww

ここで私は2つの言葉の壁にぶち当たりました。
ひとつはもちろん、英語。もう一つは、いわゆる「テクニシャン」の方々の日本語です。

業界以外の方にちょっと補足。
この業界、「テクニシャン」という職種があります。
カニのテクニシャン、すり身のテクニシャン、などという感じで使います。
技術者、技術指導員、という感じでしょうか。
このバイト、当初は「筋子のテクニシャンと一緒にアラスカへ言ってもらう」と、聞いてました。「テクニシャン」・・白衣を着た研究員さんをイメージしていたわけですが、それが間違いだとわかったのはこのとき。
私の現場は北海道の特定の町から、まとめて来ている方々。いわゆる季節労働者の方々でした。夏はアラスカで筋子、秋は日本で筋子やらなにやら、冬は東京などで短期のガテン仕事、そして春また北海道で水産関連の仕事。。。そんな方々と一緒に現場に入ったわけです。

いわゆる地方の訛りがとってもきつく、更には専門用語。おまけにほとんど寝ないで連日仕事をしているところへ、私のような体力だけは有り余ってるような若造が入ってきたのですから、テクニシャンの方々の恰好の「カモ」ですね。。w まあ、怒鳴られること怒鳴られること。。物も飛んでくる、罵声は飛んでくる。。。
しかも何言ってるんだかわからないから聞きなおすと、また怒鳴られ、とんでもないところに来てしまったもんだ。。と、悔やんだところで地の果てアラスカなわけです。
さらに漁は連日恐ろしいほど続き、初めの一週間は、大げさではなく、22時間労働でした。寝られるのは、一日2時間だけ。。そのわずかな睡眠時間にも筋子を作ってる夢を見ましたので、身体も頭も休まる暇などありません。

よく倒れなかったもんだな・・と、思います。(この数年後マグロ船に乗り、アラスカなんて楽だったな・・と振り返るわけですが。。ww)

余談ですが、今でも覚えていますが、私のバイト料は、日給5000円。これは仕事があってもなくても、22時間働いても、全く働かなくても、5000円。 飯、泊まるところはもちろん付いておりましたので、念のため。

つづく・・


祝祭日

2012-04-09 | 海外雑談
海外と仕事をしていると、相手国の祝祭日もしっかりと把握しておかないと、大きなトラブルの原因となることがあります。
このところ、私の業務も日本の祝日も絡み、なかなか思うように進まないことがあります。

我々が一番気にするのが、相手国の正月。関連する地域、台湾・韓国・ベトナム、すべて旧正月を祝います。この時期は仕事にならないのがわかっているので、それを計算して仕事を進めます。
そして今週末からタイが正月となります。 タイ関連の業務をしている方はお気をつけください。

私も丁度タイ向けに貨物を積み出すところで、このタイミングにひっかからないよう、気をつけています。
今月末~来月にかけてはベトナムが独立記念日~メーデーの休み。
その期間は貨物があちらに入らないよう、ここも注意が必要です。。

逆に言えば、日本は祝日が比較的多い国ですので、相手国にも迷惑をかけます。
今は自分の会社ですから祝日なんかは気にしてられませんが、お取引先さんが休みですから、祝日のときは仕事がほとんど動きません。

今月末からのGW。海外から見れば、忙しいときに、よくのんびり休んでられるな・・と、映るのでしょう。
日本人は働きすぎ、と、よく言いますが、どうもそうは思えないのが、正直なところです。



「地球のハローワーク」

2012-04-06 | 
地球のハローワーク
クリエーター情報なし
日経ナショナルジオグラフィック社


19世紀から現代まで、世界の各地で撮られた「働く人々」の写真を集めた小型の写真集です。表紙のスリランカの漁師の写真に魅せられて購入したのですが、事あるごとにこの写真集に助けられています。

ポルトガルの靴磨き、トルコの炭鉱労働者、モロッコの農民、パキスタンで銃を組み立てる少年、サウジアラビアの治安部隊、イラクの敷物編み、1923年のカリフォルニアの漁師、1900年初頭のカリフォルニアの牡蠣殻むき、太平洋諸島のサメ狩犬、マダガスカルの医者、オーストラリアのワニ皮加工業者、中国で全裸で物乞いさせられる赤ん坊・・・ とにかく世界各地の労働風景が、第一線の写真家たちによって見事にとらえられています。

自分の仕事なんて、本当に恵まれてるな・:・と、思ったりするわけです。
仕事に行き詰まった方にお勧めの写真集です。。


パッカンせんべい

2012-04-05 | 海外業務
江の島の「丸焼きたこせんべい」で有名なあさひ本店さんで、新製品、「パッカンせんべい」の発売が開始となりました。
丸焼きたこせんべい、といえば、行列必至の人気商品。よくマスコミにも取り上げられ、多くの芸能人が訪れ、撮影をしているお店です。

動画をとってくればよかったのですが、そのうち誰かがYouTubeにアップするでしょう。。w
簡単に言いますと、写真の機械の上から原材料を入れておくと、8-10秒ごとに、せんべいが一枚 「ポンっ」という音とともに、「飛び出して」きます。

たこせんべいが有名なのは、味だけではなく、その作り方。キューっと鳴くタコに惹かれてお客様が集まります。これだけ有名なたこせんべいの脇でスタートするのですから、やはりある程度の自己主張が必要です。。ww 今回は、せんべいが「ポンっ」と、大きな音をたてて、まさに、「飛んで」くる仕組みです。

もちろん製法、味にもこだわりがあります。
エビは天然のエビを大量に使用。さらにせんべいはノンフライです。
出来たてのせんべいからは香ばしい香りが漂い、サクサクの歯ごたえと相俟って、早速人気の商品となっているようです。
そして、新商品、シラス味が、もうすぐ完成。GW頃にはお目見え予定です。

なぜ、そんな話しを弊社がするかって・・・?
原材料や機械は輸入品。そしてその役目を弊社が仰せつかったわけです。。ww
そうです、以前にもお話しした、通関のトラブル・山のような検査、すべてこの商品に向けられたものでした。

色々ありましたが、予定より数日遅れでスタート。
とはいえ、弊社のように原料や川上での商売をしていると、なかなか消費者の顔を見ることができません。 お客さんが驚いている顔、嬉しそうに食べている顔を実際に眺めていると、今までの苦労が吹き飛ぶ思いが致します。

江の島へお出かけの際は、是非、お立ち寄りください!

詳しくはこちらを・・・  あさひ本店がいく  ブログ





パッキングリスト

2012-04-04 | 貿易業務
魚の原料商売でもパッキングリストを「形式的」に作ります。
ただ、魚の商売だけしていると、パッキングリストって果たして必要なのかな、と、思ってしまいます。

魚の原料とはいえ、箱に表示、ステッカーを貼るのが一般的ですから、本当は、そのステッカーの内容を「ケースマーク」として、パッキングリストに表示すべきではないかな、と思ったりします。そんなこと気にして仕事をしている会社はなさそうですが、あまりにもパッキングリストがいいかげんなので驚きます。
ひどい会社になると、複数コンテナなのに、各コンテナの明細表記も無いパッキングリストがあったりします。問い合わせると、パッキングリスト以外に、積み込み明細が送られてきます。「おいおい、これがパッキングリストだろ?」と、突っ込みたくなるようなお粗末さですが、このあたりは皆気にせず、慣習で業務を進めているようです。
今はパソコンで何でも作れてしまいますので、パッキングリストなどは、インボイスを入力すると、自動的に出てくるものなのかもしれません。

私たちはすべてタイピングしてましたので、一つ一つの「意味」は必ず確認していました。
解からないと作れないですからね。 当時の上長に言われた、
「海外で白紙渡されて、その場でインボイス、パッキングが作れないと駄目だぞ」という言葉、今でも忘れません。
因みに、白紙渡されても、今でもちゃんと作れます・・ 手書き=汚い字が心配ですが。。w












初海外 3

2012-04-03 | 過去の仕事(アラスカ)
ようやくたどり着いたところは、アリューシャン半島の真ん中あたりの、チグニックという村。
砂利道の滑走路(これも初体験)に一人おろされ、飛行機はとっとと帰っていきました。

飛行場とは言っても、ただの砂利道。小屋すら建っていません。
雨の中放り出され、迎えも誰も着ていない状態。
携帯電話など無い時代ですし、ま、仮に有ったとしても、使えない環境でしょう。

だんだん心細くなってきたときに、一台の汚いピックアップトラックがやってきました。
中から黄色いカッパを来た外人のおっさんが出てきて、私の荷物を荷台へポイっと。。
雨降ってる中です。。

社内は魚の匂いが充満し、シートはびしょびしょ。みなカッパのまま乗るんでしょうね。。

何を話しかけられたのか全く覚えていませn。
たしか15分くらいの道のりでしたか。。なんにもないところを走り、ようやくたどり着いた工場。

到着→ 作業着+カッパ+魚のにおいプンプンの日本人が出てきて、「着替えて早く来て」の一言。

一日22時間労働の、幕開けです。

27カ国ルール

2012-04-02 | ビジネス業界
中国向けの輸出についてです。

まだ真偽を確認中、という中で、情報が流れています。
中国が、6月1日から、同国が認めた書式の「衛生証明書」を発行できない国からの水産物の輸入を禁止する、という発表をしたようです。

現状、同国が認めているのは、27カ国。
アジアでは、
日本・韓国・ベトナム・タイ・パキスタン・ミャンマー・トルコ・フィリピン の8カ国のみです。 (インド・インドネシア・マレーシアなどは入っていません)

中国はもともと「支那」。それがなまってチャイナになっており、たとえば、インドシナ半島だって、インドと支那の間だから、ということから来ています。
アジア以外は未だに支那が語源の「China」を使っていますが、アジア各国は、世界の中心、という意味の「中国」という呼称を使わされています。。
最近の領土に対する対応を見ても、こういった貿易への圧力を見ても、「我々が中心じゃ」の姿勢は全く変わっていません。経済力をつけるとともに、益々その態度が露わになっている気がします。

ちょっと脱線しました。。w
さてこの制度、いつものことながら、制度が変わったあたりでは大混乱となり、また、制度がスタートする直前には、駆け込みで中国の要求を受け入れる国も多々でてくるのかと思います。

インドやインドネシアからエビを持ち込んでいる会社、アフリカの魚(アフリカの国からの中国への送り込みは、このままだと不可能、ということになります)を扱っている会社さんなどは、今から注意が必要です。

今後の情報にはお気をつけください。