「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か?

2010-07-31 | 
「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か?―将来どちらのほうが儲かるかで考える損得学
古谷 文太
ダイヤモンド社

このアイテムの詳細を見る


ドラマ仕立てになっていますが、
※ 値引き要求に応じるべきか否か
※ 山積み在庫 安くても売れるなら、捨てるよりマシは本当か?
※ 簿価400万円、 まだ使えるのにもったいない・・は正しいか? (償却残の考え方)
※ 新規投資プロジェクト、やるべきかやめるべきか?

という章仕立てで、会社でよくある意思決定がいかにいい加減か・・ということを易しく説いています。

私に若い部下がいたら、間違いなく読ませたい本でした。

結構易しい内容でしたが、私も改めて考え方を徹底しなければ・・と気づいたこと。

「損得の勘定は過去に支払ったお金は考えず、今からのお金で考える」
という点。

簡単に言うと、

「今までこれだけお金つぎ込んだんだから、もったいない・・」という発想で事業を継続すること。

つぎ込んだお金は取り返しがつかないのですから、事業を撤退しようが継続しようが考慮する必要はないわけで、今後どうなるか・・のみに焦点を絞って考えるべきもの。
結局仕事してると「感情」で動くことが多いですから、「これだけ苦労したのにもったいない」という発想で物事を考えてしまいがちです。
ですが、実際にはそのあともマイナスがかさむ、あるいは、費用対効果が見込めないのであれば、とっとと撤退したほうがいいわけで、この辺をドラスティックに判断できるか否かが生き残る会社とそうでない会社の分かれ目だったりするわけです。

「損得計算表」という著者オリジナル?の事業分析表(とても簡単)などは、今すぐにでも使える考え方でした。。

若いビジネスマンに本当にお勧めの本です。。。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ビジネスもギャンブルもゼロベースで (さわやかN)
2010-08-01 09:19:06
今まで成功してきたから・・・。
ということで固執したり
愛着や感情やしがらみで
ズルズルというのは良くありますよね。

でも最近は確信犯で
「俺のいるうちは大丈夫だろう」
と逃げ切りをはかる意思決定者が
多いようにも思います。
返信する
さわやかN さんへ (tare@)
2010-08-01 10:48:45
はじめまして。コメント、ありがとうございます。

ほんと、その通りですねーっと。
逃げ切りを図る意思決定者・・・素晴らしい表現です。。笑

成功している会社は(外から見る限り)全体での最適を考えた意思決定がされています。
自己の部署が一時的に業績が落ちても、会社全体として利益が上がる方向性、が間違っていないならば、会社もそれを甘受し、進めていくことができるわけです。
ところが、部分最適の集積で利益を計算していきます。
部門間の競争が全体として会社の利益を落としているケースは多々ありますが、社内の競争はすべて並列でなされたりするわけですね。
で、結果として「俺がいるうちはこれで利益を計上しておけば、格好がつくだろ」という流れになっていくわけです。。

さわやかNさんのブログも拝見しました。
いろいろな社会問題に対してのコメント、興味深く読ませていただきました。。

今後とも、よろしくお願いいたしますっ。
返信する

コメントを投稿