映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

街の上で

2021年04月23日 | 映画(ま行)

ゆる~い日常のおかしみ

 

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下北沢を舞台に、一人の青年と4人の女性たちの出会いを描きます。

古着屋で働く荒川青(若葉竜也)は、仕事帰りに居酒屋へ行ったり
ライブをのぞいたり、古本屋へ行ったり、
ほとんどこの下北沢内でだる~い日々を過ごしています。
そんな彼が恋人の雪(穂志もえか)から一方的に別れを言い渡されてしまいます。
どうにも納得がいかず未練たらたらの青。
そんなある日、青が自主映画の出演依頼を受けるという非日常的出来事が・・・。

特別な事件が起こるでもなく、ほとんどが何気ない会話のやりとりで、
ゆる~い日常が描かれていきます。
その会話のやりとりを聞いているだけでなんだか面白い。

始めの方で、古着屋のカウンターで、
客の男女ペアの変な会話を聞いている青が描かれています。
ただ聞き逃せない、なんだか変な引っかかりを覚えるような日常の会話。
それを私が傍らでただ黙って聞いているような、
全体がそんな雰囲気の作品なのです。

終盤の路上で繰り広げられる4・5人のこんがらがった会話にはもう、笑うばかり。
随所にクスッと笑えるシーンがちりばめられていますが、
ここばかりは本当に笑ってしまいます。

成田凌さんが『「朝ドラ」に出演している有名俳優』役で登場したのにも笑ってしまいました。
しかも、ちょっとトホホな役柄なんですよ。

エンディングとなったときには、このゆる~いストーリーをもっとずっと見ていたかった、
と残念な気がしたくらいです。
こんな気持ちになるのはめずらしい。

今泉力哉監督、ファンになりました!

 

<サツゲキにて>

「街の上で」

2019年/日本/130分

監督・脚本:今泉力哉

出演:若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚、成田凌

 

ゆるさ★★★★☆

満足度★★★★★

 

 



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