どうぞ、もっと続けて
* * * * * * * * *
テヘランで生まれカイロと大阪で育った著者が、
小説の舞台となった大阪のこと、
いろんな人との関わり、
日々の生活で思ったこと、
こだわること、
などを縦横無尽に語る。
『ミッキーかしまし』『ミッキーたくまし』をテーマ別に整理しなおし
1冊にまとめた、著者唯一のエッセイ集。
世界とのかかわり方、楽しみ方、その存在の強度が圧巻。
小説の根っこが顔を覗かせる。
* * * * * * * * *
さてと、楽しそうなのでつい読んでしまったこの本、
でも私、この方の小説を読んだことがあったのだったっけ?
・・・と、思い出そうと思ったのですが、
やっぱり読んだことがない!!
代表作「さくら」「通天閣」「きいろいゾウ」。
ああ、「きいろいゾウ」は映画化もされて、
読んでみようかな?と思いつつ結局読んでいないのでした。
エッセイは好きなのですが、実はこういうのはルール違反ですよね。
好きな作家の日常生活や基本的な感性を知りたくて、エッセイを読む。
そういうのが本当のような気がする。
いきなりエッセイにいってはいけない・・・。
でももう手遅れです。
読んで、そして笑ってしまいましたよ~、思い切り。
著者はかなりのビール好きで酒豪のようです。
飲んだ時の話がなかなかスゴイ。
かなり個性的でいらっしゃるようで、
ユニークな言動に笑ってしまいます。
でもこの著者の描くストーリーは全然イメージが別(らしい)ので、
やはり先に本を読んでおくべきだったと思うのでした。
でもそんな中でも、彼女が小説を書いてみようと思った
きっかけとなった本のことを書いたくだりがステキです。
トニ・モスリン「青い眼がほしい」というその作品に
衝撃的な感動を得て、毎日読み、
誰かにあてた恋文のように、熱に浮かされたように、
「言葉」を紙に書き写したといいます。
普段私達が使っている言葉を、
これだけ美しく操ること、それが人の心を深く震わせること。
その凄さこそが著者を小説の道に踏み出させた原動であった・・・と。
なるほど、本好きの私もそこまでのめり込む程の「気付き」を得ることがなかった。
そこが凡人と、なるべくして小説家となった「何か」を持っている人との差というものなのでしょう。
すごく納得してしまいました。
ということで大変楽しく読んだのですが、
ただし、地元びいきかも知れませんが
我が札幌の北大路公子さんのエッセイには及びません。
まだまだ、自分を捨て足りない。
まあ、いいんですよね。
本業がマトモな小説家なのですから、そこまでバカにならなくても。
「この話、続けてもいいですか。」西加奈子 ちくま文庫
満足度★★★☆☆
この話、続けてもいいですか。 (ちくま文庫) | |
西 加奈子 | |
筑摩書房 |
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テヘランで生まれカイロと大阪で育った著者が、
小説の舞台となった大阪のこと、
いろんな人との関わり、
日々の生活で思ったこと、
こだわること、
などを縦横無尽に語る。
『ミッキーかしまし』『ミッキーたくまし』をテーマ別に整理しなおし
1冊にまとめた、著者唯一のエッセイ集。
世界とのかかわり方、楽しみ方、その存在の強度が圧巻。
小説の根っこが顔を覗かせる。
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さてと、楽しそうなのでつい読んでしまったこの本、
でも私、この方の小説を読んだことがあったのだったっけ?
・・・と、思い出そうと思ったのですが、
やっぱり読んだことがない!!
代表作「さくら」「通天閣」「きいろいゾウ」。
ああ、「きいろいゾウ」は映画化もされて、
読んでみようかな?と思いつつ結局読んでいないのでした。
エッセイは好きなのですが、実はこういうのはルール違反ですよね。
好きな作家の日常生活や基本的な感性を知りたくて、エッセイを読む。
そういうのが本当のような気がする。
いきなりエッセイにいってはいけない・・・。
でももう手遅れです。
読んで、そして笑ってしまいましたよ~、思い切り。
著者はかなりのビール好きで酒豪のようです。
飲んだ時の話がなかなかスゴイ。
かなり個性的でいらっしゃるようで、
ユニークな言動に笑ってしまいます。
でもこの著者の描くストーリーは全然イメージが別(らしい)ので、
やはり先に本を読んでおくべきだったと思うのでした。
でもそんな中でも、彼女が小説を書いてみようと思った
きっかけとなった本のことを書いたくだりがステキです。
トニ・モスリン「青い眼がほしい」というその作品に
衝撃的な感動を得て、毎日読み、
誰かにあてた恋文のように、熱に浮かされたように、
「言葉」を紙に書き写したといいます。
普段私達が使っている言葉を、
これだけ美しく操ること、それが人の心を深く震わせること。
その凄さこそが著者を小説の道に踏み出させた原動であった・・・と。
なるほど、本好きの私もそこまでのめり込む程の「気付き」を得ることがなかった。
そこが凡人と、なるべくして小説家となった「何か」を持っている人との差というものなのでしょう。
すごく納得してしまいました。
ということで大変楽しく読んだのですが、
ただし、地元びいきかも知れませんが
我が札幌の北大路公子さんのエッセイには及びません。
まだまだ、自分を捨て足りない。
まあ、いいんですよね。
本業がマトモな小説家なのですから、そこまでバカにならなくても。
「この話、続けてもいいですか。」西加奈子 ちくま文庫
満足度★★★☆☆
私はちょっと読む順番を間違えました。やはり作品を色々読んでからエッセイへ入ったほうが、意外な面白さや納得する部分があるのかもしれないと思いまして・・・。
遅まきながらこれから小説の方へ行きたいとは思うのですが、未読の本が山積みで・・・
この夏はちょっとは読書時間も取れるといいのですが・・・
作家を知ったうえで著書を読むと、理解が深まって良いですね。