映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

サイド・エフェクト

2013年09月12日 | 映画(さ行)
エゴ丸出し、したたかな人々



* * * * * * * * * *

ジュード・ロウ出演、これは見なくてはと思いつつ、
他の出演者を見てみれば、
ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、チャニング・テイタム、
おやまあ、なんと豪華な出演陣。
期待が高まってしまいますね。



夫が株のインサイダー取引で収監されたエミリー(ルーニー・マーラ)は、
かつて患った鬱病を再発してしまいます。
精神科医バンクス(ジュード・ロウ)が処方した新薬で
鬱症状は改善するのですが、
副作用(サイド・エフェクト)で、夢遊病を発症してしまいます。
エミリーは意識のない夢遊状態で、
夫マーティン(チャニング・テイタム)を殺害してしまうのです。
主治医としての責任を問われ、社会的信用を失ったバンクス。
しかし彼は独自に調査を続け、衝撃的真実にたどりつくのです・・・。



人の本当の奥底を知ることはできない・・・。
上記あらすじを読むと、ジュード・ロウはいい役のように思えるかもしれません。
でも違うんだなあ・・・。
確かに始めはマトモというかそれ以上の医師でした。
しかし、自分の守ってきたものが壊された時、
彼は変貌していく。
手段を選ばず、エゴ丸出しで自分の立場を立て直そうとしていく。
それはほとんど復讐のようでもあります。
しかし、そうでもしなければ立ち行かないほどに、
彼の敵も又誠実とは程遠く、したたかでした。

 

豪華な出演陣はすなわち、
強烈なエゴを持った人々を演じるためのもの。
いや、さすがでした。
本作、現実的な新薬開発の裏の恐ろしさを訴える作品なのかと思っていたのですが、
それはほとんど舞台背景にしか過ぎない。
それよりも恐ろしい、人が持っている心の“毒”について語っているように思います。
(今やっているTVドラマ「名もなき毒」に、ちょっと影響されました(^_^;) )


スティーブン・ソダーバーグ監督は、
今作で劇場作品引退表明をされています。
今後はTV作品中心に活動されるとか・・・。
非常に惜しいですね。

2013年/アメリカ/106分
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジュード・ロウ、ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、チャニング・テイタム

俳優それぞれの迫力度★★★★★
衝撃の真相度★★★★☆
満足度★★★★☆


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