映画と本の『たんぽぽ館』

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ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち

2017年12月27日 | 映画(ま行)
ホロコーストを逃れた子どもたち・・・?



* * * * * * * * * *

フロリダで暮らす少年ジェイク(エイサ・バターフィールド)は、
唯一の理解者であった祖父を亡くします。
その後ジェイクは祖父の遺言に従い、
イギリス、ウェールズのある島を訪れます。
そこには祖父が子供のころ預けられていたという養護施設があるのです。
ところが訪れてみると施設は廃墟となりはてています。
しかし、そこに現れた不思議な子どもたちに導かれ、
岩場をくぐり抜けて進むと、そこは1943年、
ミス・ペレグリンの屋敷には不思議な能力を持つ奇妙な子どもたちが暮らしていました・・・。



ティム・バートンによる奇妙な世界感満載。
初めの方で、祖父が
「ポーランドにはホロという怪物がいて危険なので、
ウェールズの養護施設に預けられた」

とありました。
私には、もう一つのストーリーが浮かんできます。



ドイツ侵攻を受けたポーランド。
ユダヤ人はゲットーに押しやられ、
後には収容所へ送られることになります。
そんな中かろうじて難を逃れ、
ウェールズの養護施設に保護された子どもたちがいた。
(もしかすると、ワルシャワの動物園の地下で幾日かを過ごしたかも。)
そこでつかの間平和で楽しい日々を過ごした子どもたち。
けれども、1943年のある日、ドイツ機の空襲によって施設は壊滅。
子どもたちも命を亡くしてしまった。
ちょうど従軍のため施設を出ていた一人の青年以外は・・・。
青年は、自分一人が生き残ってしまった罪悪感をいだきながら人生を過ごします。
やがて、孫が生まれた時に、彼はおとぎ話を語りだします・・・。
今は平和な世の中だけれど、何か不穏な気配を感じる。
戦争や、テロ、人種の差別。
相変わらずある、そんな危険を痛く感じながら・・・。
そして、ポーランドを抜け出してきたユダヤ人の子どもたちは、
どの子も一人ひとりが特別で大切な存在なのだと・・・。



原作はランサム・ジグズ「ハヤブサが守る家」。
原作の骨格がしっかりしているので、素敵な作品になったのだと思います。
私の好きなタイムスリップものでもありますし。

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち 3枚組3D・2Dブルーレイ&DVD(初回生産限定) [Blu-ray]
エヴァ・グリーン,エイサ・バターフィールド,サミュエル・L・ジャクソン,エラ・パーネル,ジュディ・デンチ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


<WOWOW視聴にて>
「ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち」
2016年/アメリカ/127分
監督:ティム・バートン
原作:ランサム・ジグズ「ハヤブサが守る家」
出演:エバ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L・ジャクソン、ルパート・エベレット、ジュディ・デンチ

ファンタジー度★★★★☆
満足度★★★.5


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