映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

リングサイド・ストーリー

2018年10月18日 | 映画(ら行)

イキイキと働く女に男は嫉妬する?

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カナコ(佐藤江梨子)と10年来同棲しているヒデオ(瑛太)は役者ですが、
7年前大河ドラマ出演を果たしたものの、
最近はオーディションにも落ち続けて、ほとんどカナコのヒモ同様の生活をしています。
そんな時、カナコが勤め先の弁当工場をリストラされてしまいます。
そこで、プロレス観戦好きのヒデオの勧めで、プロレス団体で働くことになります。
プロレスの裏方の仕事は思ったよりも楽しく、カナコは少しずつプロレスの世界に魅了されて行きます。
ヒデオは自分に関心が向かないカナコを、浮気をしているのでは?と誤解し、騒動が・・・。

はじめ私はカナコがプロレスやらK-1やらを始めるのかと思ってドキドキしてしまいましたが、
そうではなくてあくまでも裏方です。
でもこれが本当に面白いですよね。
普段私達の知らない世界でありながら、確かに、こういう仕事をする人がいなければ業界は成り立たない。
仕事をする楽しさが伝わります。



さてところが、先日見た「かごの中の瞳」という映画でもそうだったのですが、
夫は妻がイキイキと社会で活動しているのを見るのが面白くないらしい・・・。
特に自分自身に自信がないときには。
実際、ヒデオを見ているとあまりのダメ男ぶりに腹が立ってきます。
仕事を選んでいる場合ではないと思うのに、
「こんなつまらない仕事はイヤだ」などと選り好み。
仲間と飲めば偉そうだし、日がなパチンコ浸りだし・・・。

カナコと喧嘩したときには「出て行け」なんて言うけど、
ここはカナコが彼女のお金で家賃を払っている部屋。
全く、出ていくならあんたが出て行け!ですよ。
それなのにカナコは、荷物を持って実家へ身を寄せたりする。
なんでこんな男に愛想を尽かさないのかと、歯がゆく思うのですが・・・。

けれど、最後の方でカナコが自身の心情を吐露するところがあって、ホロリとさせられるのです。
つまり、彼女は私みたいに心は狭くない。
一見言いたいことを言って、ヒデオを突き放すようにするカナコでもあるのですが、
彼女の心は広く深い。
これぞ愛だろ、愛。

プロレスやK-1の舞台裏を見せながら、カナコのストレートな思いが、ほんのり心を温める・・・。
滅多にない舞台設定が楽しい一作。
瑛太さんは、ダメ男をやらせるとピカイチだな。

リングサイド・ストーリー [DVD]
佐藤江梨子,瑛太,有薗芳記,田中要次
オデッサ・エンタテインメント

<WOWOW視聴にて>
「リングサイド・ストーリー」
監督:武正晴
出演:佐藤江梨子、瑛太、有蘭芳記、田中要次、武尊、余貴美子
お仕事ストーリー度★★★★☆
満足度★★★★☆

 



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