映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

リアル・スティール

2011年12月15日 | 映画(ら行)
立て! 立つんだ、ATOM!!



                 * * * * * * * *

近未来、2020年。
プロボクサーから身を転じ、ロボット格闘技の世界に身を置くチャーリー。
しかし、資金がなくてはいいマシンも手に入らず、借金まみれのいわば“負け犬”。
そんな彼の元にやってきた一人の少年。
別れた妻とともに暮らしていた息子マックス11歳。
母親が亡くなったため、しばらくチャーリーと過ごすことに。
いわば、母子を捨てて出て行ってしまった父なので、
そもそもうまくいくとは思えません。
けれど、ロボット格闘技やコンピュータゲームに目を輝かせる少年は、
その世界を通じて次第に父との絆を取り戻していきます。



ストーリーとしてはとても単純で、ありがち。
でも、初めから終わりまで、何よりもわくわくと楽しく見てしまいました!! 
ロボットものにも、ボクシングにも、さして関心があるというわけでもないのに。

始めに出てきたロボットがステキです。
もとチャンピオン級のロボットですが、すでに落ちぶれ各国のどさ回りをしていたというそれは、
ボディに漢字で「悪」とか何とか、ペイントされています。
音声認識も、初めは日本語モードになっていて、
マックスが日本語でロボットをコントロールしてみせる。
また、マックスが廃材置き場で見つけた旧式のロボットは“ATOM”と言う名前です。
日本人としては、これらの設定が何とも楽しい!!
ATOMにはシャドー機能がついていまして、人の動きをまねしてその通りに動く。
そこで、元プロボクサーのチャーリーの出番。
小回りのきくボディ、切れのあるパンチ、
ATOMの動きが次第に小気味よくなってきます。
あくまでもコントロールされて動くATOMなのですが、
私たちは次第にその中に人格を見出します。
人の形をしたモノには、そういう力がありますね。
「立て! 立つんだ、ATOM!!」
私たちも手に汗を握りつつ、ついそう叫びたくなってしまいます。



お金が無い。
ロボットは旧式のボロ。
チームは落ちぶれた男と子供。
マイナス要件ばかりの彼らが、潤沢な資金に物を言わせて作り上げた最強マシンに挑む。
今時の格差社会にちょっぴりと反逆をにおわせつつ、
実に痛快なストーリーです。
ラストも気に入りました。
そう、ここはこれでいいのです。
マックスが笑顔だから。


前向きで明るくて、物怖じしないマックス少年。
実に気持ちがいいなあ・・・。
こんな風に育てたお母さんはきっとステキな人だったろうと、
つい余計なことまで思ったりして。
マックスとATOMのダンスがとってもよかったですね。
もっと長く見ていたいシーンでした。

ほぼ10年後にしては、チャーリーが持っていたケータイは、iPhoneよりお粗末のような気がしましたが・・・。

「リアル・スティール」
2011年/アメリカ/127分
監督:ショーン・レビ
原作:リチャード・マシスン
出演:ヒュー・ジャックマン、エバンジェリン・リリー、ダコタ・ゴヨ、アンソニー・マッキー


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1 コメント

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Unknown (けん)
2011-12-16 01:31:24
TBさせていただきました。
またよろしくです♪
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