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ローマンという名の男 信念の行方

2019年07月11日 | 映画(ら行)

身につかない悪事は、自分の首を絞めるだけ

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デンゼル・ワシントンが体重を18キロ増量して挑み、
第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたという作品です。


有能だけれども、見た目のパッとしない人権弁護士ローマン(デンゼル・ワシントン)。
彼は法のもとに正義を実現するべく、長年に渡り奔走してきました。
ところが共に法律事務所を構えていたウィリアムが倒れ、
その事務所の実情を知ったローマンは失望を隠せません。
やがて敏腕弁護士ピアス(コリン・ファレル)に誘われ、大手の事務所に入ります。
現在の「ビジネス」としての弁護に納得できないローマンですが、
古いやり方が通用しなくなってきていることも身にしみて、
次第に弁護士としての信念が揺らいでいきます。
そしてあるときついに、ある不正を犯し、大金を手にしますが・・・。

デンゼル・ワシントンはそのままで十分敏腕弁護士に見える
スマートさを身に着けている俳優さんなのですが、
ここではあえてちょっぴり太って、冴えない感じに仕上げています。
お金がなくて、スーツも持っていないのです。
融通がきかなすぎるくらいに実直で、依頼人に寄り添おうとする。
そしてこれまでその努力が実り良い成績を収めてきたし、
そのことを誇りに思ってもいたのです。
けれど、そんな信念が崩れたとき、ありえない行動を彼はとってしまうのです。
人間は弱いものですね・・・。
しかし身につかない悪事は、結局自分の首を絞める事になるだけなのです。
そうして得たお金で買った高級スーツのなんと虚しいこと・・・。

また、片やコリン・ファレル。
私の中の彼のイメージは、なんだかひたすら熱い感じなのですが、
本作中ではいかにもソツのないできる弁護士。
私は視聴中も、「え?これ本当にコリン・ファレル???」と何度も思ってしまいました。


こんなふうに、立ち居振る舞いだけでも全く別人のようになれてしまう、
俳優さんというのはやはりすごいものですね。

<WOWOW視聴にて>
「ローマンという名の男 信念の行方」
2017年/アメリカ/129分
監督:ダン・ギルロイ
出演:デンゼル・ワシントン、コリン・ファレル、カルメン・イジョコ、アマンダ・ウォーレン、リンダ・クラバット
堕落度★★★★☆
満足度★★★☆☆



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