映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

新聞記者

2019年07月10日 | 映画(さ行)

潔い新聞記者は女性ならでは

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東都新聞記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)のもとに
医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届きます。
エリカは真相を探ろうと、調査を始めます。


一方、内閣情報調査室の官僚・杉原(松坂桃李)は、
現政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤を覚えていました。
そんなとき、尊敬するかつての上司・神崎と久々に再会するのですが、
神崎はその数日後に自殺。
そんな吉岡と杉原が出会って・・・。

政府が行う情報操作・・・、嘘か真か、
しかし、いかにもありそうなことでもあり、恐ろしく思いました。
しかも本作の話題がなかなか生々しいといいますか・・・、
ほんとにこんなこと映画にして、大丈夫なの?と心配になってしまうくらいです。
でも、吉岡エリカに日本のおなじみの女優を充てなかったのは正解。
キレイどころの女優さんがこれをやると、なんだかやたらエンタメっぽくなってしまいそうな気がする。
新聞が刷り上がって配達されるまでにこんなにスリルを感じた映像は初めてです。
こうしたリアルな怖さを出すために、シム・ウンギョンさんの起用が効いているのです。
(彼女がキレイどころではない、ということではありませんよ!)



杉原の、正義感はあるけれど弱腰というのも、まあ、リアルではありますね。
それとどこまでも強引に不都合を隠蔽しようとする上司(田中哲司)が怖い。
怒鳴ったりはせず、あくまでも穏やかで冷静というのがまた・・・。



しかしあくまでも男性は「組織」の中で生きようとするのですねえ・・・。
奥さんに打ち明けて、この仕事はきっぱりやめて、
どこかで一からやり直すという選択はないのでしょうか・・・。
本田翼さんなら(?)きっと、二人で頑張ろうと言ってくれると思うよ・・・。
それとも、妻子を言い訳にした逃げなのか。

ともあれ、浮つかずに政界の闇を突く、見ごたえのある作品です。


<ユナイテッド・シネマにて>
「新聞記者」
2019年/日本/113分
監督:藤井道人
出演:シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、西田尚美、田中哲司

政界の闇度★★★★☆
満足度★★★★☆



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